大園高校不思議調査隊   作:かんおみ

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悪夢が来りて

???

 

電車が揺れている、私は席に座っており、私の近くには数名の男女が座っている。そして、その前には小人?が立っている。ああ、昨日の夢の続きだ。私は確信した。

 

電車は暗いトンネルを通っている。

 

「次はー活け造りー、活け造りです」

 

アナウンスが流れ、わたしの3つ隣に座っていた男性に小人が群がると、男性の悲鳴が響き渡った。

バラバラになった男性の体は、まるで活け造りのようになっていた。私の横に座っている女性は無表情で虚空を見つめている。早く覚めなければ本当にまずいかもしれない。これはきっと夢だろう。だが今までの人生でこれほどはっきりとした夢を見たことがない。

 

「次はー抉り出しー抉り出しです」

 

再びアナウンスが聞こえたかと思うと、私の横に座っていた女性に向かって小人がギザギザのスプーンのようなものをその目に突き立てた。

甲高い悲鳴が聞こえる。早く早く早く…!起きないと!お願い覚めて!

 

スプーンに乗った目玉を小人は見つめている。

 

「次はー挽肉ー挽肉です」

 

小人が私に迫ってくる。当然挽肉にされるのは私だろう。お願いお願い!覚めて覚めて覚めて!

 

私の前に小人が変な機械を近づけてくる。ドリル?それとも工事現場の削岩機とでも言えばいいのだろうか。先端が上下している機械が私の顔に迫ってくる。あれを押し当てられたらタダでは済まないだろう。

 

無機質な機械音と風圧が迫ってくる。もう無理だと諦めかけた瞬間、ふと視界が歪む。

 

「またですかー?お客さん、次来た時は最後ですよー?」

 

私は完全に意識を手放した。

 

 

 

私は布団から飛び起きる。全身が汗で張り付いており、不愉快だ。でも、布団から起き上がる気力がない。時刻は朝の四時半、起きるにはあまりにも早いが眠ることが怖い…

 

「今日の部活はできませんね…」

 

それどころか、この体調では私が学校に行くのも無理そうだ。あとで部員に本日の部活動の中止を連絡をしよう。といっても、普段から部活動に来ているのは私ともう1人の後輩くらいだが。

 

私は壁にもたれかかり、息を整える。少し、気持ちが落ち着いたら紅茶でも淹れよう。大丈夫、きっとあれは夢だ。つい最近学校で見たい夢を見る方法の噂を聞いた。だからたまたまこんな夢を見てしまったのだろう。もしかしたら、夢を見る方法が間違っていたのかもしれない。方法を間違えていると悪夢を見るという話だ。何か方法を間違ってしまったのだろう。だから悪夢を見てしまったのかもしれない。

 

『またですかー?お客さん、次来た時は最後ですよー?』

 

あの声がフラッシュバックする。

体がだるいのに眠ることができない。私は深い息を吐き、まだ暗い外を眺めた。

 

 

次の日

明らかに昨日よりも休みが増えていた。昨日夢の話をしていた吉野君もいない。

 

「おいおい、こんな感じだと学級閉鎖だぞ…お前らしっかり寝てんのか?他の先生から居眠りが多いって言われてんぞ」

 

「よく食べてよく寝る!これが一番だ、風邪には気をつけろよ。それじゃあ解散」

 

朝の連絡を済ませた新山先生が廊下に出ていく。僕はそっと新山先生の後をついていった。

 

 

「新山先生!」

 

「うお、日向か…なんだ?1時間目の用意して教室にいろよ?」

 

「あの…聞きたいことがあって」

 

「聞きたいこと?なんだ?」

 

「あの…みんな休んでいる理由ってなんですか?」

 

「あ?欠席理由?倦怠感だったり頭痛だったりいろいろだな」

 

欠席の理由は一つじゃない?やはり単に風邪が流行っているだけなのか?

 

「ああ、ただ、どれも睡眠不足による体調不良らしい」

 

睡眠不足による体調不良?確かに睡眠が足りてないと風邪をひくが…

 

「お前も体調には気をつけろよ?それじゃあな」

 

新山先生は僕に背を向け歩き出した。

 

睡眠不足…眠りたくても眠れない理由があるのだろうか。

 

『でもよ、ミスったら悪夢見るんだろ?』

 

ふと僕は昨日のクラスメイトとの会話を思い出す。睡眠不足の原因が悪夢を見るからだとしたら?悪夢を見たくないから眠りたくない、もしくは眠っても悪夢を見るから眠れないのではないだろうか?

 

しかし、そんなことがあり得るのだろうか。単なる噂話だ。僕たちが勝手に作って勝手に広めた嘘の話だ。

 

いや、あり得る。事実僕たちは夜の学校で七不思議の幽霊に会っている。大園さんの仮説の通り、噂を信じる人が多くなったからその噂が実現してしまったのかもしれない。

 

みんなに相談しよう、僕の杞憂ならそれでいい。だが…また何か起きているのかもしれない。

僕はみんなに連絡を入れようとスマホに手を伸ばした。

 

「日向!」

 

「おわ!林君!?ど、どうしたの?」

 

廊下で突然声をかけられる。

 

「日向が見えたから、日向、大変なんだ」

 

どうやら僕が廊下に出て新山先生と話しているところが見えたのだろう。

 

「どうかしたの?」

 

僕が尋ねると林君がスマホの画面を見せてきた。

 

部活動の連絡

こんにちは、みなさん。斑鳩です。大変申し訳ございません。体調を崩してしまい本日は欠席いたします。なので部活動は本日ありません。

皆さんもお身体にお気をつけてお過ごしください。

 

「斑鳩って」

 

「オカルト研究会の部長だ。体調不良で休みらしい」

 

「…」

 

「日向、嫌な予感がするんだ。先輩は大丈夫なのだろうか」

 

夜の学校に忍び込んだ時、常に林君は堂々としていた。しかし今の林君はどこか不安げで今にも崩れそうだ。

 

「わかったよ、みんなと相談しよう。お昼休み、みんなで集まろう」

 

「…わかった」

 

教室に戻る林君を僕は見送った。何かが起こっている、そんな予感めいたものを胸に抱きながら僕も教室に戻るのだった。

 

お昼休み

すでに先ほどの時間で大園さんと本庄さんには連絡を回していた。理科室や音楽室前の廊下は、人気が少なく内緒の相談をするにはうってつけだ。僕は2人に体調不良者が寝不足によるもの、そして林君の先輩が体調不良なことを伝えた。

 

「少し、情報を集める必要がありますね…噂について調べてくれませんか?私の方でも噂のことを調べます」

 

「うん、わかった。また放課後に共有できるようにするよ」

 

「とりあえず、どんな噂が流れているのかは把握しないとね」

 

「…」

 

「林君?」

 

「あ、ああ…すまん。何をすればいい?」

 

完全に林君は心ここに在らずだ。おそらくだが先輩のことで頭がいっぱいなのだろう。

 

「噂について調べよう」

 

「わかった」

 

「私は…1人で調べます。あまり他学年の私がいるのもどうかと思うので」

 

「了解、それじゃまた後で」

 

大園さんは1人でどこかに行ってしまった。スマホを持ってるだろうから連絡はすぐつくし大丈夫だろう。さて、我々がなすべきことは…

 

「僕のクラスで噂の話を聞いたんだ。まずはそこに当たってみようかなと思う」

 

「うん、いいんじゃないかな?」

 

「林君もそれでいいよね?」

 

「…」

 

「こりゃダメだね…完全に心ここに在らずだよ…」

 

本庄さんがため息混じりにいう。これは重症のようだ。

 

「仕方ない…僕たちがしっかりしないとね…頼りにしてるよ、よろしくね本庄さん」

 

「!!!うん!まっかせてよ!よし、やるぞー!」

 

僕が本庄さんにいうと、本庄さんのテンションが跳ね上がる。本庄さんは頼られるのが好きなのかな?

 

僕たちは林君を引きずって2年1組の教室に向かった。

 

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