フロムの主人公ズが呪いと対峙するそうですよ   作:座布団05

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見えやすい小説ってのを書けるようになりたいザマス


第1話

突如として現れた火のない灰。

警戒の色を見せる花御と東堂、それに対し、虎杖は困惑の表情を浮かべていた。

困惑していたのはこの灰もそうだった。

 

(この騎士の姿をした謎の呪力の持ち主…今のところ殺意はない。)

 

(人間…?いや…どちらかと言うと私達(呪霊)に近い…)

 

(なんだこいつ?!急に出てきたけど…敵?!)

 

(ここはどこだ?それに彼らは…どうやらやり合ってる最中…どれがこの世界の主だ…?)

 

4人の間に、一触即発の空気が漂う。

1秒という短い時間、4人の思考は駆け巡る。

敵か否か、異質な呪力の原因、無視して戦闘を続けるべきか。

思考をいち早く終わらせたのは、特級呪霊・花御だった。

敵であれ、味方であれイレギュラーに変わりなし。

作戦通り、2人を殺す。

 

この決断に呼応する様に、東堂が不義遊戯を発動し、虎杖と特級呪物・游雲の位置を入れ替える。

混乱し続ける虎杖を横目に、灰も判断を下す。

 

(おそらくはこの2人は人間。ならこの謎の怪物を殺す。)

 

腰に携えた双刀を引き抜き、花御に駆け出す。

 

「フンッ!!」

 

「ハァッ!!」

 

2人の攻撃が花御の顔面の根を捉え、大きくよろけさせる。

 

(俺の呪力を乗せた打撃でも致命傷に至らないか!)

 

(硬いな…!)

 

周りの草木が、急激に枯れ始める。

花御の呪力が急激に膨れ上がり、全身の毛が逆立つような悪寒が3人を襲った。

 

『草木は呪力を孕みません。私の右手により植物の命を呪力に変換する。出来ることなら使いたくなかった。』

 

花御の左肩の蕾が膨らみ、大きく開花する。

ぎょろりと覗く不気味な目に集約する呪力。

東堂は言わずもがな、実戦経験の浅い虎杖も、呪力戦の経験のない灰でさえ理解できた。

今から放たれるのは必殺の一撃。

 

「東堂ッ!!」

 

「来るなブラザー!!」

 

「!」

 

『領域展』

 

刹那、森を包んでいた帳が晴れる。

その上空に浮遊する白髪の男。

現代最強の術師、五条悟。

彼が観測したのは4つの呪力。

襲撃者である組屋鞣造、重面春太、花御。

そして、灰。

彼でさえ、見たことの無い異質な呪力。

しかし、その情報も彼の思考を乱すノイズには至らなかった。

 

帳を下ろした張本人、組屋鞣造を即制圧。

消えた重面春太を横目に、花御のいる方角を見据える。

花御も五条の呪力を察知し、逃げの姿勢を取る。

それよりも先に、灰は双刀を振るっていた。

双刀が樹木に阻まれ、花御に攻撃は当たらない。

 

「ちっ…ならば」

 

灰は懐から古びた皮を取り出した。

中には灰と、その上でパチパチと爆ぜながら燃える小さな炎が上がっていた。

その炎を双刀に素早く擦り付けると、刀身が炎に包まれる。

防御の為に張り出された樹木を焼き切りながら、花御を見据えている。

 

注意散漫、それは灰が何度も死ぬ要因になった行為だ。

一体の敵を注視しすぎるがあまり、視界の死角から襲い来る魔の手に気付けず、背中を刺され死亡、矢を射られ死亡、魔術に貫かれ死亡。

バカは死なねば治らない、だが灰の場合は死んでも治らなかったようだ。

 

「虚式・紫」

 

五条悟の放った仮想の質量を放つ虚式・紫は、木を削り取り、大地を抉り、大気を穿つ。

紫が消失する頃には、花御どころか、立っていた地面さえ消えていた。

だが、消えたのは花御だけではない。

 

「…って五条先生?!なんか味方みたいな人も消し飛ばしてるけど?!」

 

「えっ、あいつも侵入者じゃないの?もしかして僕やっちゃった?」

 

東堂と虎杖の前に降り立つ五条。

人を消したというのにあまりにもあっさりしすぎている。

若干引き気味の東堂と困惑の虎杖。

 

「まぁ…仕方ないでしょ!僕の呪力を察知出来ない相手が悪くない?」

 

「開き直ったな。」

 

「開き直ったよ五条先生…」

 

「潔いと言いたくなるほどだな。」

 

「そこまで言わなくたって…え?」

 

五条が振り返る。

振り返った先には東堂と、虎杖と、灰。

…そう、灰。

 

「…うぇぇっ?!な、なんであんた?!あれに巻き込まれたんじゃ?!」

 

「あれを食らって生きているだと…?なるほど、流石はMr.五条悟。あの呪霊だけに致命傷をおわせるように」

 

「いや普通に誰でも食らったら死ぬんだけどあれ。」

 

「…」

 

「なんか…どんまい、東堂。」

 

仮説をくじかれた東堂はなんともいえない、表情になってしまった。

それはさておき、確かに今紫によって消し飛ばされたはずの騎士姿の男は、そこに立っていた。

傷1つ付いていない。

 

「確認なんだけどさ、君敵?」

 

「…分からない。なんせ俺も気付けばここにいた。誰か白いサインに触れなかったか?」

 

「白いサイン?」

 

灰は自身がここに現れた経緯を大雑把に話した。

それに伴い、ロスリックのことや使命のこと、自身が死んでも死なないこと、今まで旅で経験したことも少し。

 

「なるほど…つまりあんたはこの世界の人じゃなくて、誰かがそのサインを触ってそれに応じてここに現れたって訳ね…訳分かんねー」

 

「東堂今のわかった?」

 

「あぁ、今までに前例のないことということがわかった。」

 

「OK、東堂も何も分かってないんだな。」

 

「少なくとも、今貴公らに危害を加えることはしない。だが貴公らが何者なのかも私は聞いておきたいな。」

 

「そーだね、一先ず…虎杖、交流会は終わり!待機所に戻って他の人達にも伝えといて〜」

 

オス、と短く返事をした虎杖と東堂は駆け足でその場を去っていく。

残された灰は五条と共に他関係者の集まる部屋に向かった。

 

─────────

 

一方、逃走した重面春太は、地中の洞穴で背伸びをしていた。

 

「あーあ、俺なんもしてないよ〜怒られるかなぁ?それに対して君は働きすぎ。」

 

天井からどさりと、紫の血が全身に塗れた瀕死の花御が落ちてきた。

地中に入り込み逃げる算段を立てていたが、それが灰により遅延され、手痛い被弾の原因になった。

半身がえぐれているような姿。

人間であれば良ければ即死、悪ければ耐え難い苦痛の末死んでいただろう。

 

そんなほぼ死に体の花御を見て、重面の顔にニタリとした笑みが浮かぶ。

味方であれ、敵であれ、弱い者を見るといたぶりたくなってしまう。

それが重面春太という呪詛師の性分だった。

柄が人の腕という気味の悪い刀をキラリと光らせ、振り上げる。

 

「俺が楽にしてあげよーか。」

 

しかし、振りあげられた刀は降ろされることはなかった。

 

「おつかれ〜」

 

重面の肩に組まれた腕。

ツギハギの肌、まとわりつく呪力。

特級呪霊・真人。

 

「人のくせに勝手すんなよ、殺すぞ。」

 

「やだなー、俺なりの優しさだよ?呪いにはわかんないかー」

 

この呪術高専襲撃にはふたつの狙いがあった。

まず1つ、それは嘱託式の帳がどれほど正確に作動するかのテスト。

もう1つの本命、それは真人による呪術東京高専内の忌庫にある受胎九相図と宿儺の指の奪取。

 

「いや〜、超ヨユーだった。俺一人でも行けたかもしんなかったし。」

 

「え〜?自分も頑張ったと思うんだけどなぁ。」

 

真人の後ろから歩いてくる1人の影。

黒い狩装束に身を包ませ、手に持ったノコギリのような武器に付いた血を払いながら現れた青年。

真っ黒なスカーフのような布で顔を半分隠していて、目しか見えないが、呪霊と言うよりも人に見えた。

 

「まーまー、そう萎えないでよ。楽になったことには変わりないから。ね、狩人。」

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