小説書く人まじバケモンやな
いいね、その方向ならしっかり“刺さる作品”にできる。
流れはかなり良いから、違和感のある文・重複・感情の段階を整えて、改訂版を組み込んだ完成版を出すね。
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✨ 完成版
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◻️◻️は、セミナーの部屋の片隅で、パソコンの前に座り、眉を顰めていた。
「これは……ここか?」
セミナーの複雑な業務に翻弄されながらも、少しずつ慣れてきてはいる。
それでも、まだ手探りの部分は多かった。
作業中、不意に視界に銀色が入り込む。
「何か困っていることはありますか?」
「のっ……ノアさん?!」
セミナーの書記、生塩ノアが、◻️◻️の顔を覗き込んでいた。
顔が一気に熱を帯びる。
鼻先が触れそうなほど、距離が近い。
「おや、いつもより体温が1℃ほど高いようですね?」
「だっ……大丈夫です……」
目を逸らしながら答える。
「そうですか。わからないことがあれば、すぐに言ってくださいね」
そう言ってノアは離れていく。
その後ろ姿から、目が離せなかった。
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数ヶ月後。
◻️◻️の手には、プレゼントの入った袋があった。
渡す相手は、ノア。
この数ヶ月、様々な出来事があった。
その中で、「いつ死ぬかわからない」という現実も思い知らされた。
もともと抱いていた想いは、もう誤魔化せないところまで来ている。
(今日、伝えよう)
すでにモモトークで、一対一で会いたいと伝えてある。
たとえ断られてもいい。
それでも、このまま終わらせたくはなかった。
そう決意し、◻️◻️はノアを待った。
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生塩ノアは、少しだけ悩んでいた。
後輩である◻️◻️から届いたメッセージ。
「今日の放課後、一対一で会いたい」
(どうしましょうか……)
好意を向けられていることには気づいている。
そして、自分もまた、彼に対して好意を抱いていることも。
ただ——
(十中八九、告白でしょうね)
告白されれば、きっと受け入れる。
けれど、恋人になれば、今のようにからかうことはできなくなる。
その関係が、少し惜しかった。
(……少しくらい、いいでしょう)
軽い気持ちで、そう結論づけた。
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「のっ……ノアさ「すみません」はい……?」
言葉を遮る。
「私、先生とお付き合いすることになってしまって。もう、こうして会うことも難しくなると思います」
「………………え?」
固まる。
その反応を見て、内心で少しだけ楽しさがよぎる。
「ふふ、ですから——」
言いかけて、止めた。
彼の表情が、思っていたものと違ったからだ。
沈んでいる。
何かを押し殺すような、そんな顔。
「そっ……そうですか。おめでとうございます……」
「……ありがとうございます。それで、何かお話があったのでは?」
「……いえ、大丈夫です」
もう、言えなかった。
「それでは、また後ほどセミナーで」
「……ええ、また」
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告白は、なかったことになった。
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帰り道。
◻️◻️の足取りは、ひどく不安定だった。
「……はは」
自嘲が漏れる。
(これじゃ、どのみちダメだったか)
胸の奥が、空洞みたいに軽い。
何かが決定的に欠けた感覚。
(……もう、いいか)
考えが、少しずつ歪んでいく。
気づけば、足は人気の少ない場所へと向かっていた。
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「◻️◻️くん、来ませんね……」
ノアは小さく呟いた。
そろそろ、冗談だと明かしてもいい頃だろう。
少し驚かせてしまったかもしれないが、きっと笑ってくれるはずだ。
そう思いながら待つ。
しかし、彼は現れない。
ユウカに尋ねると、今日は欠席だという。
(それでは、明日でしょうか)
そう考え、ノアは業務に戻った。
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その日の帰路。
ノアは、人だかりを見つけた。
ざわめき。
落ち着かない空気。
理由もなく、胸がざわつく。
(……何かあったのでしょうか)
人の隙間を抜け、前へ進む。
視界が開ける。
その中心に——
誰かが、倒れていた。
「……っ」
一瞬、理解できなかった。
ただ、
“普通ではない”
それだけが、はっきりとわかる。
見たくないのに、目が逸らせない。
「……◻️◻️くん?」
声が震える。
返事はない。
動かない。
つい数時間前まで、確かにそこにいたはずの人が。
(違う)
(こんなはず、ない)
記憶と現実が、噛み合わない。
「……さっき、まで……」
呼吸が浅くなる。
頭の中で、何かが繋がる。
放課後の会話。
遮った言葉。
冗談。
「………………」
理解した瞬間。
音が消えた。
「……私の……せい……?」
否定したいのに、できない。
思い出してしまう。
あの沈んだ声。
「……大丈夫です」
——大丈夫なわけがなかった。
「……ぁ……」
膝が崩れる。
力が入らない。
「ごめん……なさい……」
言葉が漏れる。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
止まらない。
何度も繰り返す。
届かないとわかっているのに。
戻らないとわかっているのに。
手を強く握りしめる。
爪が食い込む。
痛みが走る。
それでも、離せない。
「ごめんなさい……」
その言葉だけが、壊れたように繰り返された。
遠くで、サイレンの音が響いていた。
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それから、ノアは変わった。
冗談を言うことはなくなった。
笑うことも減った。
誰かの軽口を聞くたびに、胸の奥が強く締めつけられる。
そのたびに——
手を、強く握る。
跡が残るほどに。
あの日の言葉は、消えない。
「ごめんなさい」
その一言だけが、今も心に残り続けている。