9月末までには更新したかったのですが色々あって+単純な超遅筆で遅れました。
そして今更ながらお気に入り登録・感想・評価をしてくださった皆様。本当にありがとうございます!とても励みになります!
side 針目
昨日は個性把握テストだけだった学校も今日からは通常授業に入る。
午前は普通科目、昼休みには校内の中にある食堂で軽く食事を摂る。
そして午後。ここがヒーロー科たる由縁。
「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作る為、様々な訓練を行う科目!単位数も最も多いぞ!」
その最初の講師は、
「早速だが、今日はコレ!戦闘訓練!」
僕と対極のような人間が、すぐ近くの壇上で
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入学前に個性届と身体情報を提出すると学校専属のサポート会社がコスチュームを用意してくれる素敵なシステム。一緒に要望を伝える書類を添付すると便利で最新鋭のコスチュームを入手できる……らしい。
僕は使ってないけど。当たり前でしょう?仮にも僕は元高次縫製師。コスチュームの一つくらい自分の手で作るなんて造作も無いわ。以前着てたピンクのロリータドレスをそのまま縫っただけだもの。
でも、被覆控除は使うのが普通のシステム。僕みたいに自分で作るのは稀だそう。
そして僕目線で見ても結構クオリティの高いコスチュームばかり。この世界のコス会社も馬鹿に出来ないわね……
「縫ちゃんのコスチューム可愛い!まっピンクや!」
「君もピンクじゃない」
お茶子ちゃんのコスチュームは全身タイツのような薄いスーツに首、手首を覆う飾り?*1にブーツと、顔全体を覆うバイザーのようなもの。
「それ重くない?」
「全然!私の個性なら重さゼロに出来るし!」
「……そういえば昨日話してたわね」
個性『
わけがわからない個性だけどもう諦めるわ。そういう個性と割り切ってしまいましょう、考えるだけ無駄よ無駄。
「あ、デク君や。コスかっこいいね!地に足ついた感じ!」
「それ褒めてる?」
「麗日さ……うおおっ!?」
「要望ちゃんと書けば良かったよ……パツパツスーツんなった、恥ずかしい……」
「……ヒーロー科最高」
「えっ!?」
遅れてきた緑谷君。彼のコスはなんというか、全体的にジャージのような風体に腰に巻いたベルト、あとは兎の耳みたいに伸びたマスクが特徴的でとてもシンプル……でも、口には出さないけどクオリティは低い。素材もいたって普通に見える。間違いなくプロが作った物ではないのは明らか。
「緑谷君。君のそのコスって手作り?」
「針目さん!うん!実はこれ僕のお母さんが作ってくれたんだ!」
「ふーん……」
「皆みたいに立派なものじゃないかもしれ―――」
「それは言わない事ね」
「え?」
それ以上は言わせない。
僕が
この服を作った人の想いが。
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『極制服でしたっけ、皐月様ご自慢の生命戦維戦闘服。……うーん、ちょっと縫い付けが甘いんじゃない?』
『せっかく君のために仕立てた純潔だったのに……そんなダサいカッコ……許さない!』
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僕の昔の事はその、おいといて……ね?
でも彼のお母さんは違う。
彼を応援したい。その一心で作ったのだろうと、そう考える。
僕が羅暁様に最期の服を縫った時は―――
『羅暁様、お待たせしました。
彼女の野望の成就を願って縫ったのだから。
きっとその時と同じ……だと思う。
だから。
「―――作った人に無礼よ」
その想いはきっと、尊ぶべきだと思うのよ。
「……うん!ありがとう、針目さん!」
「ところで君その兎耳みたいなのは何?」
「ああ、これはその、オールマイトの触角を意識してて。僕のノートからお母さんがくみ取ってくれて……」
「デザイン君なんだ……」
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これから行われるのは2対2の屋内チーム戦。
「いいかい?状況設定は
ルールは今オールマイトが言った通りのもので、どちらのチームでも目指す事はシンプル。肝心なのはその目的達成までの過程なんでしょう、多分。
「対戦相手及びコンビの設定はくじだ!」
「適当なのですか!?」
「プロは他事務所との急造チームアップする事が多いしそういう事じゃないかな?」
「なるほど……先を見据えた計らい……失礼いたしました!」
「いいよ!早くやろう!」
……で、僕はIコンビ。組まされたのは尻尾が生えてる男子。尾白君というらしい。
「続いて最初の対戦カードはこいつらだ!
―――Aコンビがヒーロー、Dコンビが敵だ!」
Aコンビは緑谷君とお茶子ちゃん。Dコンビは飯田君と爆豪君。4分の3は見知った面々で、爆豪君の事だけはまだ良く知らない。緑谷君の幼馴染で『嫌なやつだけど凄い人』と言っていた。
どう凄いのかは見てみるしか無い。
「―――それでは、屋内対人戦闘訓練!スタート!」
―――初戦はなんとまあ大味な試合だった。
爆豪君による試合開始早々の奇襲、両者取っ組み合いつつ投げ飛ばしたり飛ばされたり。
そして爆豪君の
でも、というかやはりというか。勝ったチームが良い評価というわけでもないのがこの授業。
四人の中でベストは、最も設定に準拠していた飯田君。百ちゃん曰く、
「ヒーローチームの勝利は訓練という甘えから来た反則のようなものですわ」
らしい。そりゃヒーローが敵以上に破壊してちゃ本末転倒でしょうね……そのせいで地下まで振動が響いたし、もうこの建物も使えないから移動したし……あのビル直すお金どこから出てるんだろう。
「い、飯田少年も固すぎる節があったわけだが。まあ、正解だよ!クゥ~!
さ、さて!気を取り直して、続いてのチームは~?こいつらだ!BコンビとIコンビ!」
……来た、僕達の番。
雄英に入学して初めてのヒーロー基礎学。”ヒーローの素地を作る為、様々な訓練を行う科目”……嫌でも体が強張る。
でも成ると決めたからには通らなければならない道で、超えなきゃいけない壁。相手の二人には悪いけど
僕の
「Bコンビがヒーロー!
どうして
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side 尾白
訓練とはいえ敵役になるのは良い気分じゃない……というのは理解できない事もない。だけど……
「はああぁ……」
「そんなに嫌なのか……針目さん」
彼女の落ち込みようは酷い。部屋の隅でしゃがみこんでため息をついていた。
「そりゃ嫌でしょ、やっと僕がヒーローの第一歩を踏み出せると思ったら敵役よ。当てつけ?」
「いやくじだから」
「まあやるからには真剣にやるけどさ……」
「そこのメリハリはしっかりしてるのか……」
落ち込みつつもちゃんと作戦会議や核の場所決めも積極的にやってくれたあたり真面目なんだろうと思う。それはそれとして受け入れ難いのか……何でそこまで?
「一応訓練な訳だし、『敵の思考を学ぶのも大事』って先生も言ってたしさ、そう気を落とさなくても良いんじゃない?」
「敵の思考ねえ……わかり切ってるつもりだけど」
「……?」
針目さんは少し悲しそうな顔をして立ち上がる。最後に何を呟いたのかは聞き取れなかった。
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side 障子
「―――このように、俺の複製腕は手以外の器官も複製できる。目や耳を複製すれば索敵もこなせる」
俺の個性の説明を横目に、轟は冷徹に俺の力を値踏みしているかのような目をしていた。
「成程な……なら始まったら敵の場所を探って教えろ」
「その後は?」
「俺がやる。お前は離れて待ってろ、巻き込まれるぞ」
核の場所が分かり次第攻勢に出るつもりか。おそらくビル一棟を凍らせるだけの出力があるとみて良い。そうであるなら確かに轟一人で事足りる。
……
「轟、針目への警戒は怠るなよ」
「……?、ああ。体力テスト二位だからな。けど見た感じ格段パワーが出せる個性じゃ無え。氷を厚くすればそうそう脱出もされねぇだろ」
「そうじゃない」
「何?」
「俺は入試の実技試験の際、
……針目はこのクラスで一番警戒しなければならない相手だと思っている」
「……」
『さて!両チーム準備は良いかな!?そろそろ開始といこうか!』
「くっ……もう時間か」
「とりあえず針目には最大限警戒しておく。作戦通り頼むぞ」
「ああ、わかった」
俺は複製腕を耳の形に、轟は右手に冷気を纏わせる。
『それでは屋内戦闘訓練第二戦!スタート!』
CRAAAAAAAAASH!!!
サイレンと共に耳に
「あッははははは!」
彼女はまるで
「ッ!?針目が
「チッ!ビル入れ!早く!」
読んでいただきありがとうございます。
次は戦闘回なのですがどうやって書けば良いか。手探りで分からな過ぎて一戦目をダイジェストにしてしまいましたし……
とにかく頑張っていこうと思います。尚次回更新時期は未定です。
感想・質問・誤字報告などあれば是非よろしくお願いします。