<本編完結>親友のお隣さん~万の羽が彩るハッピーエンド~   作:白豆男爵

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日常パート修学旅行編です。私は京都行ったことないので偏見でしかないです。
新規でオリキャラ?が出てきます。


修学旅行に行こう

ー2030/11月ー

高校2年生も後半に差し掛かり少し経った頃、俺たちは現在...

 

「よっしゃー!いっぱい食べるぞー!」

「お、おー...」

「真実気合入ってるね~。」

 

京都に来ている。お察しの人も多いと思うが、修学旅行だ。

諌山は色んなものを食べようと張り切っている。

修学旅行バフも入っているのかいつもよりいささかテンション高めだ。

今は自由行動の時間、5人班での行動だ。メンバーは俺、彩葉、綾紬、諌山、そして...

 

「ああ、真実は今日も可愛い...そうは思わないか万羽!」

 

俺の隣にいる変t...ゲフンゲフン、諌山の彼氏こと星野諭志(ほしのさとし)だ。

関わり始めたのはかぐや奪還作戦が終わった後くらいなのだが、こいつかなりの諌山馬鹿である。

諌山の言うことは何でも聞くし、ずっと諌山に対して可愛い可愛いと連呼している。

話してみると意外といい奴なのだが、諌山が関わると急に頭が悪くなる。

 

「はいはい、そうですね~。」

「おい、適当に流すな。仕方ない、今から真実の魅力を一から語ってやろう。」

「日が暮れるからやめてくれ...」

「ね、ねえ...」

「ん?なんだ、彩葉。」

「う、うちは...?」

「...」

「か、可愛い?」

「当たり前だろ。彩葉はいつも可愛いよ。」

「っ///そ、そう。ありがと///」

「こらそこー、私たち差し置いてイチャイチャしないで~。」

「ほら、早くいかないと!食べ物が私たちを待っている!」

「おー!」

 

まあそんなこんなで今から修学旅行を満喫しようというわけだ。

ちなみに、かぐやは家でお留守番だ。

 

・・・

「いろは~、かずは~、かぐやも連れてってー!」

「離せっ!連れてけるわけないだろ!ちゃんとお留守番してなさい!」

「ヤチヨ、かぐやの見張りお願いね。」

「かしこまり~。」

 

ヤチヨはモニター画面の向こう側からそう返事をする。

なにかあったらヤチヨが俺の両親に連絡してくれるから、万が一があっても多分大丈夫だろう。

 

「少しくらい我慢しろ。帰ってきたらいっぱい構ってやるから。」

「本当?かぐやのお願いいっぱい聞いてくれる?」

「ああ、聞いてやるから大人しく留守番してろ。」

「分かった!かぐや、ちゃんとお留守番する!」

・・・

 

「そういえば京都って彩葉の地元だよな?見たことあるものばかりで退屈なんじゃないか?」

「ううん、そんなことないよ。私だって見たことないのいっぱいあるし、それにみんなと回れるならどこだって楽しいよ。」

「彩葉、嬉しいこと言ってくれるじゃ~ん。」

「わあ!あれ美味しそう!行こ、さとっち!」

「ああ、どこにでも付いていくよ、真実!」

「おい、人が多いからはぐれるなよ。」

「あはは、万羽君お父さんみたい。」

 

こうして主に諌山主導でいろんな店を回っていたのだが、

 

「見て、着物レンタルがあるよ!」

「まあ京都だしな。こういう店もあるだろ。」

「ねえねえ、女子みんなで着ようよ!」

「ええ!?」

「いいね、それ。楽しそうじゃん。」

「芦花まで...」

「真実の着物姿...絶対に似合うっ!」

「こういうのって最初に来る場所だと思うけど...まあ、せっかくだし着てみたらいいんじゃないか?」

「というわけで、彩葉も一緒にれっちご~!」

「ま、待って~」

 

諌山と綾紬に連れられ、彩葉は着物レンタルに連行された。

 

「万羽、真実たちが出てきたとき開口一番に言うべき言葉はなんだと思う?」

「...似合ってる、とかか?」

「違う!世界一似合ってる、だ!」

「真面目に答えた俺がバカだったよ...」

「君はまだまだ小心者だな。僕のようにもっと自分の彼女を愛していることを周りにひけらかす勢いで褒めてあげたほうが酒寄さんも喜ぶだろう。」

 

いや、お前のはひけらかすというよりただ馬鹿なだけだろ。

 

「まだ付き合って一か月だぞ。そういうのはハードルが高いって...」

「そういう時期こそ愛を確かめ合うのが大事なんだろう!」

「はいはい...」

「おまたせー!」

 

お、どうやら馬鹿とやり取りをしている間に着替え終わったようだ。

 

「じゃーん、どうよ?」

「真実、世界一、いや、宇宙一似合ってるぞ!」

「あはは~、べた褒めだ~。」

「ど、どう?万羽...」

「...ああ、めちゃくちゃ似合ってるし、可愛いよ///」

「そ、そう///」

「バカップルに板挟みにされる私の気持ちも考えてほしいなー。」

 

そうして着物に着替えた彩葉たちと、お店がたくさん並ぶ大通りを歩いていたのだが、

 

「人の往来が増えてきたな。」

「ねー、うっかりしてると流されちゃいそう。」

「真実、はぐれないように手をつないでおこう。」

「うん、ありがと、さとっち。」

「さすが諭志くん、イケメン〜。」

「彩葉も、はぐれないように気を付けて...あれ?」

「どうしたの、万羽君。」

「彩葉が...いない!」

 

周りを振り返っても彩葉の姿はどこにもなかった。

 


 

「やってしまった...」

 

完全にはぐれた。観光地の人の数を舐めていた。

人込みを抜けて路地に辿り着いたはいいものの、足首を捻挫してしまった。

 

「こりゃしばらくは歩けないかな...」

 

スマホを取り出そうと思ったが、真実たちに急かされて着物レンタルのロッカーの中に置いてきてしまったのを思い出した。

みんな心配して探し回ってるだろうな。せっかくの自由行動、台無しにしちゃった。

連絡も取れず、私はここに一人...ああ、やば。涙出てきた。

 

「助けて...万羽...」

 

私はボソッとそうつぶやいた。

 

「彩葉っ!」

 

ほら、寂しすぎて幻聴まで聞こえてきた...え?

 

「かず...は?」

「良かった、見つかった...」

「いやいや、嬉しいよ?嬉しいんだけどさ...見つけるの早すぎひん?」

 

あまりにも早すぎて涙引っ込んだわ。驚きが勝つわ。最後方言でちゃったし。

結構離れちゃった自覚あるし、まだはぐれて10分も経ってないし、連絡も取れないのにどうやって...

 

「彩葉がいないのに気づいて、連絡入れても既読つかないから、ヤチヨに協力してもらった。」

「ヤチヨに?」

 

・・・

「嘘、はぐれちゃった!?」

「しまった、完全に油断してた...」

「メッセージも既読つかないね...スマホロッカーの中に忘れたとか?」

「私たちちょっと急かしちゃったもんね。」

「どうする?この広大な街を当てもなく探し続けるわけにもいかないだろう?」

「それなら俺に考えがある。」

 

俺はそう言ってスマホを取り出す。

開いたのはとあるアプリ。そのアプリを通じて一人の歌姫に声をかける。

 

「ヤチヨ、聞こえてるか?」

「はいはーい、ヤッチョだよ♪どうしたの?かぐやなら思ったよりも大人しくてびっくりするレベルだけど。」

「それも気になるけど今はそれどころじゃないんだ。実は京都の町中で彩葉とはぐれてな、スマホも持ってないみたいで...」

「それ本当!?」

 

ヤチヨは画面の奥で焦りを見せる。俺が不甲斐ないせいでヤチヨにも心配かけちゃってるな...

でも今はヤチヨが頼りだ。

 

「それでだ、ヤチヨ。俺たちの現在地周辺の監視カメラとかのデータから彩葉の位置を特定できないか?」

「万羽っち、本気!?」

「なんかそれ法とかに抵触したりしない!?」

「違法?そんなのより彩葉の安全の方が大事だ。ヤチヨ、出来るか?」

「もちろん、お任せあれ!」

「分かるぞ万羽。愛する者のためならそれくらいのこと、息をするように出来る...」

「万羽っちって思ったより大胆だね...」

「意外な一面かも...」

「万羽、見つけたよ。位置情報そっちに送るね。」

「ありがとう、ヤチヨ。俺が迎えに行ってくるから、みんなはここで待っててくれ!」

「あっ、ちょっと万羽君!?」

・・・

 

「...というわけで、迎えに来た。」

「というわけでじゃないんですけど!?」

 

監視カメラのデータ!?ハッキングじゃんそれ!てかヤチヨも何してんの?

いや、私のためってのは嬉しいけどさ。ちょっと複雑。

 

「歩けるか?」

「それが、足首捻挫しちゃって...うまく歩けないの。」

「分かった。とりあえず応急処置で湿布を貼ろう。あとでちゃんと保健の先生に見せないとな。」

「なんで修学旅行に湿布持ってきてんのよ...」

「何があるか分からないだろ?念のためだ。他にもいろいろ入ってるぞ。」

 

だからバッグパンパンだったのか。心配性だなぁ...

 

「これでよし。ほら。」

 

そう言うと万羽は私に背中を向けてかがんだ。

 

「え、何...?」

「なにって、おぶるんだよ。捻挫の患者を歩かせるわけにはいかないだろ?」

「あ、そうか...あ、ありがとう...」

 

私は万羽の背中に身を預け、おぶられながら移動する。

人が多い分ちょっと恥ずかしいけど...

私のために手段を選ばずに助けに来てくれる。

私の安全を第一に考えて、守ってくれる。

やっぱり私はそんなまっすぐな万羽がどうしようもなく...

 

「...大好き」

「な、なんだ急に///」

「言いたくなったの。」

「そ、そうか...」

 

その後、集合場所に少し早めに辿り着くまで、私は万羽の温もりを感じていた。




真実の彼氏・星野諭志君のご登場です。修学旅行で真実の彼氏出さないのはさすがに可哀想と思ったので...アホの子諭志を書いてるときは結構楽しかったです。
カップルに挟まれる芦花がちょっと不憫な気もしますが、後悔はしてません。
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