<本編完結>親友のお隣さん~万の羽が彩るハッピーエンド~   作:白豆男爵

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巡っていたはずの輪廻、その一節をお届けします。
被っている流れや原作と同様のシーンが多いので駆け足気味になってます。


Normal End√:とある輪廻の記録

「それから、彩葉、万羽。」

 

待って、待ってくれ。まだやりたいことあるんじゃないのか?

これで...終わりなのか?

 

「そんなこと、させない...」

 

俺が、かぐやを守らなきゃ...マモラナキャ

 

マモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャマモラナキャ

 

黒い怒りが、沸き上がる。海で感じたのと、帝さんと対峙したときと同じだ。

 

「カグヤヲ、カエセ!」

 

次の瞬間、怒りを頼りに地を蹴り、かぐやの乗る光る雲に向かって跳躍する。

ただまっすぐに、この怒りを敵にぶつけるために。

しかし目の前に中型の月人が立ちはだかり、一斉攻撃で俺を弾き飛ばす。

 

「ぐはっ!」

 

俺はあっさりとその体を地に叩きつけられる。自分の弱さを痛感する。

やっぱり俺は大切なものを守れない...弱い奴だ。

現実で、かぐやが告げる。

 

「大好きっ!」

 

かぐやはその言葉を残し、月に帰ってしまった。

彩葉がログアウトしたのに続き、俺もログアウトする。

 

「こんな大金、使えるかよ...バカヤロー...!」

 

彩葉はリビングでそう言葉を零す。

また、守れなかった。みすみすとかぐやを連れて行かれてしまった。

俺がもっと、守れるだけの力があれば...

 

「ごめん、彩葉。俺が弱かったから...」

「万羽のせいじゃないよ。でも今は...一人にしてほしい。」

「...ああ。」

 

それから、しばらく彩葉は自室に引きこもった。

俺にはどうすることもできず、学校に通いながらも食事を作ったりと、彩葉が最低限の生活ができるように心がけた。

心配して綾紬や諫山が様子を見たいと言ってきたが、今は整理する時間を作ってやってくれと、柔らかく断った。

それからまた数日、彩葉はいつもの様子に戻り、学校に登校した。

かぐやのいない、以前までの日常が戻ろうとしていた。

 

「このまま終われるかああああ!」

 

職員室で進路相談をしていた最中、彩葉が勢いよく職員室の扉を開ける。

俺も立花先生もびっくりして硬直していた。

 

「もうちょい悩みます!」

「ご、ごゆっくり...」

「万羽、付いてきて!」

「えっ、俺今進路相談中...うわぁぁぁ!」

 

彩葉は問答無用で俺の手を引き、職員室を後にする。

 

「せめて説明をしてくれ!」

「曲作る!だから引きこもる!以上!」

「雑!」

 

要約するとかぐやへの想いを曲にするためにしばらく引きこもるらしい。

俺は忘れていたのだ。彩葉はこんなことでへこたれないスパダリであることを。

 

「分かった、手伝えばいいんだろ?」

「さすが、話が早いじゃん。」

 

俺と彩葉はハンドサイン(仲良しのやつ)を交わした。

彩葉はひたすら作曲、俺はそのサポートで学校を休み、何日もの時間を費やし、『Reply』が完成した。

俺たちはバルコニーに立ち、銀のブレスレットを握りながら『Reply』を一晩中歌った。

 

「『Reply』のメロディー、ヤチヨのデビュー曲と同じなんだ。」

 

突然彩葉がそんなことを言い出す。

偶然かもしれないがなにか確信めいたものを感じた俺たちはツクヨミでヤチヨを探す。

そこからは怒涛の展開だった。

AR機能を使ったFUSHIの案内によりヤチヨのもとにたどり着く。

そこでヤチヨから告げられたのは、ヤチヨは、地球に戻ろうとして8000年前に不時着し、そのまま現代まで生きたかぐやだというあまりにも壮大な真実であった。

俺たちはヤチヨの口から8000年分の思い出を聞いた。

でも...

 

「ヤチヨが隠してること、あるよね?」

「かぐやの全部、俺たちに見せてくれ。」

 

スリープモードに入ったヤチヨを横目に、FUSHIに8000年分の記憶をすべて見せてもらった。

やがて目覚めた彩葉とヤチヨはお互いに自分の思いを吐露する。

 

「彩葉の曲、いつも思い出してた。」

「ヤチヨの曲で、生き残れた。私、成長したよ?お母さんとだって話せた。だからお話は、これで終わり。......かぐやといたい。」

「彩葉...」

 

それは彩葉の本心。心からの、願い。

ヤチヨも、涙を流す。

 

「もうこれで終わってもいいって、思ってたのに...触れたら、あったかいかなって、いつも思うんだ。」

 

その言葉に、彩葉は気づいたように立ち上がる。

 

「そうか、まだなんだ。このお話には、また続きがある!私、やりたいことができた!」

「えっ?」

「本当のハッピーエンドまで、付き合ってよね!もちろん、万羽も!」

「...よくわからんが、わかった。どこまでも付き合うよ。俺たちのハッピーエンドまで。」

 

ここから俺たちは、本当のハッピーエンドに向けて歩みを進めることになる。

 


 

ー2040年某日ー

新型ボディーの実験が今日、行われる。意識が宿ったそのボディーは上体を起こす。

 

「うーん、うわっ、重っ。」

「YC型よりも適合するねー。」

「パンケーキ!食べたいなぁー。」

「味覚はもうちょっとお待ちあれ。」

「ツクヨミはいけたけど義体はそう簡単じゃないからなー。」

「もー、一秒だって待てないのにー!」

 

酒寄研究所、その一室で酒寄彩葉所長と神崎万羽副所長による実験はひとまず成功。

ヤチヨからかぐやの人格を切り離し、移植することに成功した。

それからしばらく経ち、今日、ライバー『かぐや』の復活ライブが行われる。

 

「ライブ楽しみー!」

「十年ぶり?」

「ヤッチョは先週ぶりー」

「三人とも、楽しんでこい!」

「「「うん!」」」

 

その言葉とともに、三人はステージへと踏み出す。

これがこのお話の結末。

タイトル?そうだな、強いて名付けるなら...

 

『超かぐや姫!』

 

ってところか?




万羽が過去を打ち明けなかった世界線でした。
てかこっちが本来の世界線なのか?本来の輪廻はほとんど原作と同じエンディングになります。
過去を引きずっているので、サポーターとして一線を引いている万羽は彩葉とくっつくことはありません。あくまでも三人を見守る立場に収まっています。
十分ハッピーエンドですが、万羽の存在感が薄れる、という点では万羽にとって本当のハッピーエンドではないのかもしれません。
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