<本編完結>親友のお隣さん~万の羽が彩るハッピーエンド~ 作:白豆男爵
スーパー独自解釈妄想のもとに成り立っています。
ー2030/11/10ー
「太陽が沈んで、夜がやってきます」
「仮想空間ツクヨミへようこ...そ...」
「...」
「あはは、どういう風の吹き回しかな?」
「...」
「ふーん、少しは考え方が変わったってことなのかな?まあいいや、せめて言語は合わせようね?」
「...あ、あー...確かに、その通りですね。以降気を付けます。」
「さて改めて、仮想空間ツクヨミへようこそ!出かける前に、その恰好じゃあつまらない!」
「見た目ですか...人に紛れられればなんでもよいのですが。」
「えー、そう言わずにさー。」
「では、これでいいでしょう。」
「テキトーだなー。まあいっか。それじゃあ、行ってらっしゃーい!」
現在、俺とかぐやはツクヨミの人気スポットを紹介するという動画を撮影していた。
「うん、撮影はこんなところかな。」
「かぐやの知らないところもいっぱい知れて楽しかった!」
「そりゃよかった。みんなにも喜んでもらえるといいな。」
と、そんな会話をしていると、向こう側からこちらにやってくる人影が一つ。
青い長髪をたなびかせ、恐らく狛犬モチーフの耳と尻尾だろうか?それと紅白の巫女服を装っている。
(...一直線にこっちに来るな。かぐやのファンとかか?)
などとそんなことを思っていると...
「お久しぶりです、姫様。」
巫女服の女性はそう言ってかぐやの目の前で跪いた。
「な、なんだ?不審者...?」
「...ん?その呼び方に声...もしかして!」
俺とは対照的にかぐやは巫女服の女性に目を輝かせている。
「心当たりがあるのか?かぐや。」
「万羽さんもお久しぶりです。」
俺の本名!?それに久しぶりって...
「あの、俺たち、どこかでお会いしたことが...?」
「ああ、この姿や声は初めてでしたね。そうですね、あなたが言っていた風に言うなら...菩薩型の月人、と言えばわかりますか?」
「...はい?」
「月では名称はありませんでしたが、こちらでは名称を呼びあうのが普通と聞いたので、『ルナ』と呼んでいただければと思います。」
「ええええええええ!?」
まさかまさかの人物?の登場であった。
さっきの場所では人の往来もあるので、俺のプライベートハウスで話を聞くことにした。
「先に断っておきますが、姫様を連れ戻しに来たわけではないので、ご安心ください。」
「それじゃあ、ルナさんはどうして
「かぐやも気になる!」
「姫様を連れ戻した後、姫様は『休暇』というルールをお作りになられましたよね?」
「そうだね、確かに作ったよ?働くばっかりじゃ仕事が捗らないからねー。」
「作ったって、それ以前は休みがなかったのか...?」
とんでもないブラック環境だな。
でも、電子生命体だし、疲れとかないのか?
「しかし急に仕事をしなくてもいい時間を制定されても私はやることがなかったのです。」
「確かに、月には娯楽がないってかぐやも言ってたもんな。」
「それで休暇と満月が被った今宵、姫様や万羽さんが気に入っていらっしゃる
「なるほど、そういうことだったのか...」
「ルナがツクヨミに興味持ってくれてかぐやは嬉しいよ!」
ふむ、月人の文化にも変化が訪れ始めているということか...
まあかぐやが言うには退屈だったらしいし、いい変化なのかもしれない。
「それで、もしよろしければ姫様と万羽さんでツクヨミを案内していただけないかと...」
「もちろん!いいよね、万羽!」
「ああ、断る理由もないしな。」
「ありがとうございます、よろしくお願いします。」
そうしてルナさんを案内するツクヨミツアーが始まった。
せっかくならさっき撮影したスポットを回ってみようということで、かぐやと先ほど回った場所をもう一度回ることにした。
絶景スポットやアクセサリー店、アトラクション系など、色んな所を回った。
「はー、やっぱりチョー楽しい!」
「新鮮な体験ばかりでした。地球人のみなさんがツクヨミに熱狂するのも分かる気がします。」
「気に入ってもらえたようでよかったよ。」
「それにしても、よかったのでしょうか。このようなアクセサリー、わざわざ買っていただいて...」
「ルナがツクヨミに遊びに来た記念!めっちゃ似合ってる!」
かぐやが買ったのは月を模したイヤリング。
ルナという名前にもピッタリのいいプレゼントだ。
「そういえば、姫様を連れ戻しに来た時のあのバトルゲーム。あれはできないのですか?」
「ああ、KASSENか。3人いるからSENGOKUならできるけど...」
「いいね、やろうよ!KASSEN!」
というわけで、ルナさんを含め、3人でSENGOKUをやることになった。
SENGOKUのルールを一通り説明した後、役職や武器を選んでもらったのだが...
「やはりこれが一番しっくりきますね。」
「見た目によらずエグいの選ぶな...」
ルナさんが選んだ武器はまさかのハルバードであった。
巫女が持つとは思えない物騒すぎる武器である。
「まあ気に入ってるならこれでいいんじゃない?」
「それもそうだな...」
ルナさんの武器も無事決まったところで、SENGOKUのカジュアルマッチに潜った。
「じゃあ俺とルナさんでボトムに行くから、かぐやはトップをお願い。」
「おっけー!」
「承知しました。」
かぐやにトップを任せ、俺とルナさんでボトムに向かう。
ルナさんのハルバードはかぐやのハンマーと役割が被っているので、俺についてきてもらうことにした。
俺はキツネ型、ルナさんは狛犬型のライドに乗って櫓へ向かっていく。
やがて櫓の付近で敵と接敵。向こうも二人のようだ。
「貴様、やはりヨロズだな!」
「はい、そうですけど...」
「かぐやちゃんといろPにまとわりつく羽虫め!この俺たちが成敗してくれよう!」
なるほど、ただの厄介オタクファンでありましたか。
「しかもさらにほかの女まで侍らせやがって!猶更許せん!」
「なんか変に誤解されている気が...」
「御託はいいです。要はこの方々を蹴散らせればいいのでしょう?」
「そ、そうだな。さっさとやろうか。」
そして俺とルナさんは同時に走り出す。
ルナさんはスキルの巫術を使ってバフをかける。
「なっ、巫術師が詰めてくるなんて聞いてないぞ!」
「落ち着け!俺たちならこんな奴ら相手じゃない!」
相手も驚いているように、ルナさんの役職である巫術師は本来、後方で味方にバフをかける支援型だ。
しかしルナさんはハルバードをその手に持ち、自分にもバフをかけて敵に向かって猛進。
つまりバーサーカー巫術師である。
「さっきまでの威勢はどうしたのですか?」
「くそっ、舐めるな!」
ルナさんと戦っている相手は片手剣。
バフの乗ったハルバードの重い一撃を受けきれず、ダメージが蓄積していく。
「よそ見している場合か!」
「だって余裕でさばけるし...」
一方俺の相手は槍持ちなのだが、いかんせん動きが単調なのでまったく脅威じゃない。
踏み込みすぎてリーチを活かせてないし。
「ほいっ」
「ぐわっ!お、覚えてろよ!」
あっさりと倒された相手はn番煎じの捨て台詞を吐いて退場。
「くそっ、こうなったらこいつだけでも!」
「残念ですが、ここまでです。」
その言葉と共にルナさんは
ハルバードを地面に向かって振り下ろす。
「<閃天>」
ルナさんが発動した
「何だこの火力!?俺たちが負けるはずないのに!」
「羽虫はあなた方です。姫様の魅力はわかりますが、これ以上自惚れないことです。」
エフェクトを出して散っていく相手にルナさんはそう言葉をこぼした。
「もしかして、キレてます?」
「この感情が怒りだというのなら、そうかもしれませんね。行きましょう。」
「お、おう...」
その後、俺たちはあっさりとSENGOKUに勝利するのだった。
「やったね、ルナ!」
「はい、お二方のおかげです。」
「いやいや、ルナさんも初めてとは思えないくらい上手だったよ。」
かぐやも一人で戦えるくらいには成長していたし、なによりルナさんの冷静な状況判断によるバフが身に染みた。
さすがは月人。情報処理ならお手のものってことか。
「さて、名残惜しいですが、そろそろお別れの時間です。」
「えー、もう帰っちゃうの!?」
「もうそんな時間なのか。」
すっかりルナさんの案内に没頭してしまったようだ。
少し寂しいな。
「はい、お二人と過ごした時間はとても有意義なものでした。この体験をもとに、月でも娯楽の文化を発展させようと思っています。」
「そっか...ルナ、また来てくれる?」
「もちろんです。休みと満月が重なったとき、姫様たちにまた会いに来ます。」
「本当!?約束ね、ルナ!」
かぐやはそう言って小指を差し出す。
「約束...確か契りを交わす文化でしたか...はい、約束です。」
「別に約束はそんな仰々しいものじゃないんだけどな...」
かぐやとルナさんは小指を交わらせ、指切りをする。
「今度来たときは、彩葉やほかのみんなも紹介するよ。」
「それは楽しみですね。では姫様、万羽さん。お元気で。」
「うん、またね!ルナ!」
その会話を最後に、ルナさんはエフェクトと共にその姿を消したのであった。
というわけで、菩薩月人こと、ルナの登場でした。
あの月人がかぐやがすごい勢いで仕事を終わらせようとするほどに気に入っている地球が気になってたらいいなという妄想です。
月人の文化とか環境とか感情に乏しいとかは完全に妄想です。