<本編完結>親友のお隣さん~万の羽が彩るハッピーエンド~ 作:白豆男爵
長くなりそうなので後編に続きます。もしかしたら中編を挟んで3部構成になるかも...
『さあ、始まってまいりました!KASSENの新モード、多人数バトルロワイヤル『RANSENN』のオープンテストプレイ、開幕だァァァ!』
オタ公さんの口上で会場は一気に盛り上がる。
今日はKASSENの新モードであるRANSENNのオープンテストプレイ、いわゆる披露会だ。
ルールは二人一組の合計20人、10チームが一斉に出陣し、最後の一組になるまで戦うバトルロワイヤルだ。
ミニオンがいないため、
SENGOKUのような複雑なルールはなく、最後に残ったチームが勝者となる。
『実況を務めます、忠犬オタ公と〜?』
『解説の月見ヤチヨと〜?』
『同じく解説の乙事照琴がお送りします!』
面子も豪華なものになっており、知り合いだけでも諌山・諭志チーム、乃依・帝さんチーム、雷さん・ルナさんチームがいる。
それ以外にも人気ライバーやプロゲーマーたちが参加している。
余談だが、ルナさんは現在月とツクヨミの交流大使として定期的にツクヨミに来てはその文化を月に持ち帰っている。
月とツクヨミを行き来できるのは現状ルナさんだけだ。
さすがに月人をツクヨミに迎えるのは難易度が高かったらしい。
さて、そろそろゲームが始まるわけなのだが...
「「じゃんけんポン!あいこでしょ!しょ!」」
彩葉とかぐやが無限にじゃんけんしている。
曰くどっちが俺と組むかを争っているらしい。
「あの、もう始まるんだけど...」
「「今真剣勝負してるから黙ってて!」」
「アッハイ...」
「あはは〜、二人ともすごい剣幕だね...」
綾紬は俺の隣でそんなことを言う。
負けたほうが綾紬と組む予定なので、彼女もまたじゃんけんの結果待ちというわけだ。
「「しょ!」」
「ふっ、勝った...」
「だぁ~!負けた〜〜!」
やがて決着はつき、勝者は彩葉だった。
「じゃあ私はかぐやちゃんとだね〜。よろしく。」
「こうなったら彩葉をボコボコにする!」
「完全に逆恨みじゃねえか...」
「ふん、なんとでもいいなさい。勝者は私よ。」
なんかじゃんけんのせいで彩葉がおかしなテンションになってる。
「ようやく決まったか。」
「待ちくたびれた~。」
「よろしくお願いします、雷さん。」
「せっかくの祭りだ。肩の力を抜いて楽しんでいこう。」
「目指すは一位だね、さとっち!」
「ああ、真実の望みなら叶えてみせよう!」
無事チーム分けも決まったところで、RANSENNは幕を開けるのだった。
「どうする?先に真ん中を陣取るか?」
「いやー、私たち近・中距離特化だから陣取ってもあんま意味なくない?」
確かに、俺は銃剣を持ったオールラウンダー、彩葉は双剣とワイヤーを駆使した機動近距離型だ。
牽制程度の銃撃では陣取ったとしてもすぐに崩されてしまうだろう。
「じゃあマップを走り回りながら見つけ次第奇襲って感じで行くか?」
「そうだね、それで行こ。」
言い忘れていたが、RANSENNのマップは時間経過で安全地帯がどんどん狭くなっていく。
人数が減った時に敵が見つからず、ゲームの進行が止まるのを防ぐためだ。
このルールではライドは使えない。移動は基本的にスキルか徒歩だ。
彩葉はワイヤーを使って、俺はブースターを使ってマップ端を移動していく。
やがて竹林地帯に入ったところで彩葉からチームボイスチャットが入る。
『前方に一部隊。まだ気づいてないっぽい。一人引き離すからカバーよろしく。』
『はいよ』
俺たちは最低限の会話を交わして戦闘態勢に入る。
彩葉はワイヤーで奇襲して、片方を引き離す。
「うわっ!?もう接敵かよ!」
もう片方の敵も槍を構えて臨戦態勢へ。
「ふっ!」
武器同士が交差し、火花を散らす。
リーチで負けてる分、離されると厄介だ。
この距離を保ち続けようと剣を振り続ける。
「ちっ、早速ツイてないな!」
「悪いけど真剣勝負なんでね!」
『こっちは終わったよ。そっち援護行くね。』
さすが彩葉。遠距離武器持ちを狙ったとはいえスムーズな撃破だ。
こちらも早めに決着をつけようとしたのだが...
ヒュー...
「何だこの音は...」
「この音、まさか!」
俺は危険を察知し、鍔迫り合いを中断して、<
そして次の瞬間、さっきまで俺が交戦していた場所にミサイルが降り注ぐ。
「うわああああ!?」
槍持ちは今の爆発で脱落。
こんな豪快にミサイルを飛ばす奴は一人しかいない。
「彩葉覚悟ーーーー!」
もちろん、我らがかぐや姫である。
「ぐっ!?ごめん、ヨロズ。そっち任せた!」
かぐやの勢いに押され、彩葉は彼方までぶっ飛んでいった。
そして俺のもとに綾紬が到着する。
「あちゃー、これじゃただの一対一だね~。」
「まったく、困ったお姫様だ。」
「それじゃあお姫様を守る
「洒落た言い回しじゃないか。上等!」
その会話を皮切りに俺は距離を詰める。
綾紬の武器は中・遠距離型だ。
距離を離されたままでは勝ち目がない。
綾紬もそれをわかっているのか、ネイル型の武器からミサイルやら銃弾やらを飛ばしながら距離を保つ。
「あれはヤバいな...」
そう思った俺は近くの大岩に身を隠し、それをやり過ごす。
このままじゃジリ貧だ。それに早く決着を付けないと他チームがくるかもしれない。
「あれは...」
綾紬の方を見て俺は閃く。
こうなったら一か八かだ。
(万羽君、このままじゃそっちが不利になってくよ?
このまま何もしないならこっちも待たせてもらうけど...)
そう思っていると、万羽君は岩陰から飛び出し、銃弾を放つ。
その銃弾は私ではなく、私の頭上に放たれた。
(何のつもり...?)
そして次の瞬間、上から大きめの笹が降ってきた。
丁度私の目の前を通過し、視界を塞ぐ。
「っ!?目くらまし!」
この隙を狙って背後に回ると読んだ私は後ろを振り向く。
ブースターを使ったならすでに回り込んでいてもおかしくない。
しかし彼は予想外の方向からやってきた。
ザシュッ
「えっ...?」
視界が揺らぐ。胴体を切断された。
万羽君はさっきまで岩があった方向から私を切り裂いていた。
「なんだ、ブラフじゃん...」
「ROKAなら深読みすると思ってな。」
「やるね。」
私はその会話を最後に脱落した。
どうやら賭けはうまくいったみたいだ。
無事に綾紬を撃破し、彩葉のもとに向かおうとしたのだが...
「っ!?」
直後、俺の向かおうとした方角に大岩が出現する。
「はあっ!」
「くっ!」
そして次に上から降ってきた攻撃を受け止め、はじき返す。
「申し訳ありません、ヨロズさん。ここで落ちていただきます。」
「漁夫の利、というやつだ。」
雷さんとルナさんが俺の行方を阻むのだった...