<本編完結>親友のお隣さん~万の羽が彩るハッピーエンド~   作:白豆男爵

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珍しく最初は3人称視点です。

書いてる途中に彩葉が誕生日を迎えました。
誕生日は事前に言えよおめでとう!


ヨロズの放送事故

「それじゃあ、今日の配信はここまでかな。お疲れさまでした」

【おつ~】

【お疲れ様~】

 

その言葉と共にヨロズの雑談配信は終了する...はずだった。

 

「ふう...ちょっと長くやりすぎたかな...?」

 

しかし依然としてその配信画面はヨロズの音声を拾い続けていた。

 

【あれ?まだ終わってない】

【配信切り忘れだ!】

【珍しいな】

【神回キター!】

 

コメント欄も大いに盛り上がっている。

ヨロズ...いや、万羽はそんなことなど知る由もなかった。

そして万羽の部屋の扉が開き、ある人物が入ってくる。

 

「万羽、お疲れ。はい、コーヒー」

「おう、ありがとう、彩葉」

【この声は!】

【いろPだ!】

【おい!部屋の様子を見せろ!】

【10000:いろP代】

 

さらにそこへ追い打ちをかけるようにいろPこと彩葉が登場。

コメント欄はさらに盛り上がっていた。

なお、ヤチヨは配信中、かぐやはすでに就寝中のため、この事態に気づくことはできない。

この放送事故は万羽か彩葉が気付くまで止まらないのだ。

 

「研究の合間に配信もして、かぐやの配信にも出て...大変じゃない?」

「まあ大変だけどさ、その分楽しくもあるんだ。だから苦ではないかな。一応、研究資金を稼ぐための一環でもあるしな」

「それなら止めないけどさ...ちゃんと休んでよ?」

「もちろん、分かってるよ」

【ヨロズって研究職だったの?】

【確かそう】

【いろPと一緒に数々のブレイクスルーを起こしたとか...】

【有名なのだとツクヨミの痛覚以外の五感実装とかかな】

【なんで研究職とライバーが両立してるんだよ】

【この人の体力どうなってるんだ...?】

「万羽、ちょっとこっち来て?」

「ん?いいけど、なn...っ!?」

 

彩葉が突然万羽を呼びだしたかと思えば、次の瞬間静寂が訪れた。

聞こえるのは、時々漏れる少し荒い息の音だけだ。

 

【あれ?急に会話が...】

【これってもしかして...】

【や、やったっ!】

【50000:ご祝儀】

【25000:鑑賞代】

【30000:てぇてぇありがとうございます】

 

視聴者のお察しの通り、その静寂の答えはキスである。

コメント欄はスーパーチャットで溢れ返り、次々に万羽の口座が潤っていく。

 

「ぷはっ...急にびっくりするだろ...」

「いつも頑張ってるから、ちょっとしたご褒美...的な///」

【いろPがデレてる!?】

【かぐやちゃんの配信とは大違いだ...】

【ツンデレのデレだけ全開になってる】

 

視聴者は普段かぐやの配信で見せるものとは大違いのいろPの態度に脳を焼かれていた。

万羽は蕩けきった彩葉の表情を見て思わず第2ラウンドに突入しようとする。

 

「彩葉...」

【第2ラウンドくるか?】

【面白いけどBANされないか心配になってきた...】

【40000:私の望む世界が今目の前にあるっ!】

【50000:いけ!差せ!】

【↑競馬じゃねえんだわ】

 

そんな折、万羽の携帯が鳴り響く。

 

「電話...?彩葉、ちょっとごめん」

 

万羽はそう断って電話を取る。

 

「一之瀬くんから?...もしもし」

『副所長っ!配信!切れてないです!』

「え...」

 

万羽はその言葉を聞いてPCの画面を見る。

未だその画面には配信中の文字が小さく映っていた。

葵はすっかりいろPとヨロズの虜となり、逐一配信をチェックするくらいにはハマっている。

葵もこの放送事故を面白半分で放置していたが、流石にまずいと思ったのか万羽に電話をかけたのだ。

 

「ッスーーー...」

【あ、気づいた】

【チッ、バレたか...】

【くそ!ここからだってのに!】

 

万羽は大きく息を吸うとともに、そっと配信終了のボタンをクリックした。

 


 

「ごめん、ありがとう一之瀬くん。」

『いえ、流石にまずいと思って...それじゃあ、後はごゆっくり...』

 

一之瀬くんは何かを察したようにそう言って電話を切る。

 

「万羽?何の電話だったの?」

「いや、ちょっとね...後でも大丈夫なやつだよ。それよりも...」

「わっ!?」

 

俺は次の瞬間、彩葉をベッドに押し倒す。

この際放送事故など知ったことか。

先程のキスで、俺の理性はもう吹っ切れていた。

 

「さっきのでもう我慢の限界なんだけど...いいか?」

「...うん、いいよ。来て、万羽。」

 

俺たちは一緒にその夜を明かした。

 


 

「おはよ、今日も頑張ろうか!」

「みんな、おはよう...今日も一日頑張ろう...」

 

そう言いながらげっそりとした副所長が入ってくる。

対照的に、隣にいる所長はつやっつやだった。

 

「一之瀬、何かあったのか?あの二人」

 

俺の隣にいる同期は小さな声でそう尋ねてくる。

その質問に俺と先輩たちは間髪入れずに...

 

「何かって...そりゃあナニカだろ」

「仲良しのやつでしょ」

「(s)Ex-(Y)otogibanashiだな」

「めでたししたんでしょ」

 

と、バラバラに答えるのであった...




仕掛けたはずの万羽がこってり絞られていますね。
仲良しのやつとかの隠語考えた人どういうセンスしてんだ...?
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