<本編完結>親友のお隣さん~万の羽が彩るハッピーエンド~ 作:白豆男爵
構想練ってる間にとんでもない曇らせエンドを思いついてしまった...自分の脳を恨むぞ、俺は...
「かぐやっほ~!月からやってきたかぐやだよ!今日の配信はゲストを呼んであるんだ!はい、自己紹介どーぞ!」
「えーと...ヨロズです、よろしくお願いします...」
どうしてこうなった。いや、かぐやのお願いを断れなかったのが原因なんだが...(前話参照)
『は?男やん。』
『かぐやちゃん誰よその男!』
『↑お前こそ誰だよw』
『ヨロズさんじゃん、いつの間にかぐやちゃんと...』
コメントもご覧の有様である。
かぐやの配信に突然男が現れたことによってカオスなことになっている。
俺を知っている人もちらほらいるようだ。
「ヨロズはねっ、かぐやの友達なんだ!だからみんなも仲良くしてね!」
かぐやは純真無垢な笑顔でそう言う。
彼女にとって男だからだとかそんなものは関係なかった。
「...で?今日は何をするんですか。かぐやさん。」
「今日はね~、ヨロズにKASSENを教えてもらおうと思って!あの1対1で戦うやつ!」
「1対1っていうと...SETSUNAか。」
KASSENには3つのモードがある。今回教えるのは1対1のモードであるSETSUNAらしいが...
「俺、人に教えたことないんだけど、それでもいいのか?」
「ヨロズに教えてもらいたいのっ!...駄目?」
「ゔっ...分かったよ。」
また負けた。あの顔反則だろ。
『ちょろくて草w』
『めちゃくちゃかぐやちゃんに甘いじゃんw』
『娘におねだりされるお父さんみたいだな』
『これはヨロズの新解釈...』
こらそこ、変なことを言うんじゃない。
「よし、じゃあやるか。まずはルールからだな。」
と言ってもルールはシンプル。
限られたフィールドで攻撃や防御をして、相手のHPを0にした方が勝ち。
格闘ゲームに近いだろうか...
「じゃあ俺は最初回避と防御だけでやるから攻撃当ててみて。」
「えっ、いいの?かぐやヨロズのことボコボコにしちゃうよ~!」
かぐやは竹製のハンマーを取り出す。
しかしただのハンマーではない。ブースターやミサイルが搭載された魔改造ハンマーである。
まあこの世界での武器なんて全部そんなもんだけど...
俺も自分の武器を取り出す。見た目はシンプルな片手剣。
もちろん他にもいろんな機構がついてるが、それはまた後で。
今はかぐやの攻撃に集中する。
「も~!全っ然当たんない!」
「でも動きはだいぶ良くなってきたぞ!もっと打ち込んで来い!」
俺はかぐやのハンマーを軌道を読んで避けたり、剣で受け流したりして防御する。
俺の配信でのKASSENは基本的にソロでランクに潜ることが多いので、こうやって知ってる誰かとゲームをするのは久しぶりだ。
いつの間にか俺のテンションはかなり上がっていた。
『かれこれ30分くらいずっと当たってないぞ...』
『なんか強くね?』
『ヨロズは結構強いぞ』
『ワンチャン黒鬼くらい強い?』
『↑それはさすがにないだろ』
「このままじゃ当たんないまま終わっちゃうぞー?」
「もうっ、こうなったら...うおりゃーー!」
かぐやは俺にいる地点に向けて大きく振りかぶる。
「直線的で読みやすいぞ...っ!?」
バックステップでハンマーを避けたのも束の間、突然地面が光り出す。
自爆覚悟の地面に向けてゼロ距離ミサイル。振りかぶりはブラフか!
だがしかし...
「ほっ!」
俺は空中を足場にして大きく上昇する。
さっきまでは使っていなかったスキル、『
自分の足元から風を発生させ、上に飛び上がるスキルだ。
「えっ!?嘘~!?」
そしてかぐやは一人で爆散する。
許せかぐや、ここで負けるのは先輩のプライドが許さぬのだ。
「ぶー...」
「わ、悪かったって。ほらまだ配信中だぞ。」
「確かにスキル使わないとは言わなかったけどさ~。急に使うのはずるいじゃん!」
「だからごめんって。今度うまいものなんか買ってやるから!」
「ほんと!?じゃあ許す!」
ふう、なんとか機嫌直った...
『¥10000 すねてるかぐやちゃん可愛い』
『娘の機嫌取る父親』
『完全に親子』
『これからはパパって呼ぶか』
それ以降、かぐやの配信に出るときは何故かパパと呼ばれることになり、ライバーかぐやの父親としての認知が定着してしまうのであった...
かぐやの快進撃は止まらない。なお定期的に俺も駆り出される。
恵方巻一口食べ切りチャレンジではなぜか俺も一緒に食べることになり、
「「ぐぇっ!恵方巻が喉に、喉に...!」」
一緒にのどを詰まらせる。
自作ペットボトルバズーカ発射動画では、
「おい、なんかこっち来てないか...?ってうわぁぁぁぁ!?」
軌道を外れたペットボトルが俺の所に飛んできて爆散。
歌枠に出演させられて一緒に歌わされるし。
「「メルト 溶けてしまいそう」」
自由気ままなかぐやの歌に合わせるの結構大変なんだぞ。
KASSENの3対3のモード、SENGOKUの初プレイ時はバイトだったのでROKA(綾紬)とまみまみ(諌山)とやってもらった。
求婚コメが殺到してかぐやがノリで開いたかぐや争奪戦では、
「ごめーん♪いろP、ヨロズ。守って?」
「「なにしてくれてんだ(の)!!」」
俺といろPで参加者をボコボコにしたっけ。
極めつけは...
「3...2...1..ファイアー!」
「うぉあーーー!?」
緊急時用に作った俺の部屋の合鍵を悪用し、昼寝しているところにクラッカーを使った寝起きドッキリ。
『\10000 クリティカルヒットで草w』
『\5000 これはおもろい』
顔が映らないようになど最低限配慮はしているようだが、俺の心臓には配慮していなかった...
俺の配信頻度はあまり多くないのだが、かぐやの配信に出ていることでファンの数はどんどん増えていった。
「うひひ、ふじゅーがこんなに。うひひひひ」
「浮かれてんなー。」
「あのね、こんなのは所詮あぶく銭、水物なんだよ?」
「でも合法でございましょ~?」
「それもそのとおりだな。」
「でもせめて部屋は片づけてよ。」
「え~めんどくさい。それにこの部屋狭いじゃん。そうだ、引っ越ししよー!」
「マジで言ってるの、それ...」
「大マジ!あ、彩葉、万羽、時間だよ。」
「もうそんな時間か...頑張れよ、二人とも。最前列で応援してるからな!」
そう、今日はかぐやの初ソロライブ。路上ライブとは違い、ライブハウスを借りて、宣伝して、スタッフを雇って、お客さんをいれる正真正銘のコンサート。
もちろん俺は最速でチケットを取ったので最前列だ。
「チケット用意するのに~」とかぐやに言われたが不公平なのは嫌だからと俺が断った。
「うん!最高のライブにする!」
そう言ってかぐやは人差し指と中指を彩葉に突き出す。
「何それ?」
「かぐやたちの合図!仲良しのやつ♡」
「ふーん...」
指同士をくっつけ、挟みあってから狐のハンドサインを突き合わせる。
彩葉も緊張がほぐれたのか少し笑っている。
「ほら、万羽も!」
「お、俺もやるのか?」
「仲間外れはやだ!」
「はいはい...」
先程見た動作を俺もする。
「じゃあ最後に彩葉と万羽で!」
「「えっ...」」
一瞬時間が止まった。
かぐやは期待のまなざしを向けている。
やめろかぐや、それは俺に効く。
そして彩葉は恥ずかしがりながらも指を差し出してきた。
「...ん。」
「...分かったよ...」
若干ぎこちないながらも合図を終わらせる。
「ほら、これでいいだろ?」
「うん!これでみんな仲良し!」
その後、ライブは大成功。
SNSやツクヨミでも大反響の結果となり、かぐや・いろPはさらに順位を上げるのだった...
ヨロズ(万羽)…視聴者層は男女8:2くらい。SETSUNAの実力に関しては割と上位層に食い込んでいる。珍しくいろPとヨロズが同時出演すると『かぐやの両親がそろった!』などとコメントが沸き上がるのだとか