そこは「何をしたか」という点が重要ですので、それが判明したら読み飛ばし可です。
「そっちはどんな感じだ?」
ジェイル・スカリエッティから送られてきた資料を真剣に見てるギル・グレアムやリンディ・ハラオウン達に声を掛けたお姉様。
使い魔や息子共々ため息をついてた一団の様子を見ると、予想以上だったのかもしれない。
「いやはや、ある程度は聞いていたし、覚悟もしていたが。
管理局の闇がこれ程とは……」
「こうして突きつけられると、思ったよりも心苦しいわね。
ところでエヴァさん、私達は最高評議会を中心とする時空管理局の罪を暴きたいのだけれど……何か、一般の市民でも見て解りやすい証拠というか、目立つやり方で証明する方法は無いかしら?
現状では多勢に無勢。いくら多くの証拠を持っていても、闇から闇に葬られてしまうわ」
「見て解りやすい、か……心当たりが無いわけではないが、いくつかの条件が揃う必要がある。
その前に一応確認なんだが、ガングロのアレが管理局の普通、というわけじゃないだろうな?
もしそうなら、少々考える必要があるぞ」
「普通ではない。普通ではないのだが、必要ではある、といったところか。
上層部からの評価は、クレームや揉め事の対応に長け、小さな案件を速やかに処理する事には目を見張る成果を上げる、というものだ。少なくとも実績や推薦状はそうなっていたし、揉めた際の対処役を期待されて送り込まれてきたからね。
その実態がああだというのは、チャチャ君から聞いて知ったのだが……だからと言って、即座に処罰しようとすれば、彼の力を頼っていた部署が抵抗するだろう。時空管理局も人手が足りていない上に、一般の人々からは速やかな解決が望まれる。やり方に問題があるとはいえ、その方向で力を発揮してきた人物である事は確かだからね」
ギル・グレアムの説明は、明らかに時空管理局側、それも上層部から見た視線。
色々な声が煩いのは理解出来るけど、とりあえず正当化と冤罪はマズい。
「法を正義という免罪符で捻じ曲げ、人権を権力という名の暴力で踏み躙るのは、表立って認めない方がいいぞ? 一般人も数の暴力で理念を潰すから、不要とまでは言わんが。
それでも、正論や建前は大事だ」
「それは身に染みているよ。
ところで、心当たりに必要な条件を揃える為に、我々に出来る事はあるかね?」
「そうだな……必要な情報を伝えるために、信用出来る者を集めて見せたい物がある。2時間後から2時間少々の間、関係者に集まってもらっていいか?
その間は一切の連絡を拒否するくらい確実に、時間を確保したいんだが」
「大丈夫だろうが、誰が対象かね?」
「アースラにいる面子だと……グレアム、ハラオウン、八神の家族全員と、地球に来てた聖王教会の3人とマリーだな。クアットロも含めていいが、エイミィは……念のため連絡担当や艦長の代行として残す必要があるか?」
「私達は蚊帳の外、かしら?」
プレシア・テスタロッサの目がちょっと怖い。
確かに名前は言わなかったけど。
「いや、最終的に私が伝えたい事については、全く問題ない。
ただ、その前提となる情報に、お前達を大きく傷付ける部分があるだけにな……手放しでどうぞとは、とても言えん。止めておけと言いたいくらいだ」
「そう。どうするか判断する為に、もう少し詳しい話を聞いていいかしら?」
「それくらいならいいが、その前に、準備の話をしてしまうぞ。
あとは、それなりに広く安全を確保しやすい部屋を用意してほしい。それに、早目にヴィクタムの方の説得も頼む」
「あちらの説得は請け負おう。
リンディ提督は、こちらの処理を。艦は本局へ向けてよいかね?」
「ミッドチルダの方がいい可能性はあるが、とりあえずは本局だな。どちらにしても時間がかかるだろう?」
「そうだな。まずは本局へ向け、必要があればミッドチルダへ行くという事か。
リンディ提督は、本局帰還の手続きも頼む」
「了解しました、グレアム提督」
というわけで、2人の提督が事態を収めるために行動開始。
この頃にはクアットロも落ち着いたのか、すすすっとお姉様の隣に近付いてきた。
「エヴァンジュお嬢様ぁ、オハナシは終わりましたぁ?」
「混乱は収まったようだな。気分はどうだ?」
「過去の自分を殴り飛ばしたくなるような、爽快なような、びみょ~な気分ですねぇ。
まさかここまで気分が変わるなんて、思いませんでしたぁ」
「何か許せない事でもあったのか?」
「恥というものを知ったせいか、黒い歴史がイ・ロ・イ・ロありますねぇ。
例えばぁ、この服装とかぁ?」
「そうか。スカリエッティには何と伝えたい?」
「そうですねぇ、ドクターは父の様な存在ですしぃ、希望の職に就く事を報告する娘の様な気分、というのは如何ですぅ?」
「ふむ。こんな感じだが、どう思う?」
『素晴らしい! 見事だよエヴァンジュ。
無闇に記憶を奪う事なく、見事に因子の影響を抑え込んでいる様だ。
これから本局へ向かうのだろう? 私達もそちらへ行こう』
「そちらって、今は何処にいるんだ?」
『目の前の星だよ。惑星破壊魔法の準備を始めた時は、久々にスリルを味わわせてもらったよ』
「……何故そんな所に?」
『ここにも戦闘機人の研究所があるのでね。廃棄処理も兼ねて立ち寄っていたのだよ。
心配しなくても、ここには私とウーノしかいない。ああ、クーネは例外だ』
「……結局、予言は概ね正しかった、か。
今来ても大丈夫だと思うか?」
「大丈夫だ。一時的に捕縛という形式は取る事になるかもしれないが、他の人達に手出しさせないよう保護する事くらいは出来る」
あ、クロノ・ハラオウンが話を聞いてた。
資料に集中してそうだったけど、これはきっとあれだ。
マルチタスク便利です、みたいな。
『ふむ、では、そちらに転移するとしよう』
『ついでなので、私が送りますよ。
ここに1人残されるのも嫌ですからね』
そして現れる人影3つ。
要するに、
「相変わらずだな君達は……軽々しく防壁を超えて転移しないでくれ」
「転移装置への強制転移も、色々危険ですからね。
外へ出るならともかく、中に入るなら余計な邪魔が無い方が平和なのですよ」
「気にすることは無い。何しろ私は、怖い犯罪者らしいからね。
それより、ウーノ」
「はい、ドクター」
ぴっちりスーツじゃなくて、普通にミニスカートの制服っぽい服装のウーノが現れた。
軽く調べた範囲では、必要な処置はクアットロと同じ。
但し、因子が少々強め。補正処理はさっきより念入りに。
「私がやる事は、基本的にはクアットロと同じだ。
伝えるべき内容もクアットロに言っていたのと同じになるが、聞いていたか?」
「ええ、しっかりと」
「連中が煩いからね。早めにやってくれたまえ」
「そうか」
クアットロと一緒なため過程省略。
無事に眷属化が終了、特に問題点は見当たらず。
「……なるほど、これがマスターに従属するという事ですか」
「マスター?」
「関係性を示す呼び名として相応しいかと。私にとって、ドクターは1人だけです」
「まあ、いいが。さて、次の予定まで少々時間があるか。
クロノ、この3人も本局に行くなら、休める場所は必要だろう。クアットロも偽装前の部屋は問題が出そうだし、どこか使える部屋はあるか?」
「2人部屋を2つなら、すぐに割り当てられる。それでいいか?」
「ああ、大丈夫だ。
さてと、
◇◆◇ ◇◆◇
それから約2時間。色々な調整や調査、その他打ち合わせを行って。
ジェイル・スカリエッティの魔導具を摘出した際に、
予定通りに、関係者達がちょっと広めの部屋に集まった。
ハラオウン親子、テスタロッサ親娘、ギル・グレアムに使い魔2人、聖王教会の3人とマリエル・アテンザ、そして八神家の人達。
リインフォースはユニゾンを解除して、八神はやての車椅子を押して登場。八神家のくくりという事でセツナ・チェブルーと成瀬カイゼ、こちら側の関係者扱いでチクァーブとユーノ・スクライアもちゃんと来てる。
ジェイル・スカリエッティと2人の戦闘機人、それに
「さて、2時間もかけて見せたいものというのは何かね?」
ギル・グレアムは少し不思議そう。
その後ろからお姉様を睨んでるリーゼ姉妹は、そろそろ自重すべき。
「そう慌てるな。
チャチャゼロ、チャチャマル、チャチャの3人は、この部屋の守りを。
誰にも侵入させるなよ」
「ケケケ、切り刻んでいいカ?」
「阿呆が暴力に訴えてきたなら、好きにしろ。
さてと、始めようか。まずは、全員こっちを見てくれ」
パンパンと手を叩いたお姉様に視線が集まる。
ここで発動するのは。
「……
他の世界でも同時に術式起動。該当者全員の精神を同期、加速開始。
というわけで、小さな体育館みたいな空間にふかふかのカーペットを敷き、ソファーをいっぱい並べた謎空間へようこそ。
「何だ、これは……」
真っ先に声が出たのは、クロノ・ハラオウン。
警戒はリーゼ姉妹の方が早かったけど。
「一種の精神世界、地球のSF的な言い方をすれば
ぶっちゃければ映像や感覚付きの念話で、外部から遮断される代わりに24倍に時間を加速していると思ってくれていい。ここで1日過ごしても、外では1時間過ぎるだけだ。
要するに、外の2時間で48時間を確保出来る隔離環境だ」
「そ、そうなのか……」
知らなかった人達の顔が引きつってる。
ここで、時空管理局の本局からレティ・ロウランが接続完了。
「……あら、リンディ提督に、グレアム提督も。
本局からは直接転移が不可能な距離で、こうして顔を見せられる程の力は、どれほどの物なのかしらね。それに、有名な次元犯罪者まで同席しているなんて……」
したのはいいけど、どこか遠い目でお姉様を見てる。
でもまあ、ルスターでの全力戦闘を見てた人達にとっては。
「この程度と感じてしまうあたり、私もかなり毒されてきたのだろう。
リンディ提督は驚いていない様だが……」
「ヴィヴィオさんに、この魔法の話は聞いていたので」
そんな感じで話してると、地球組が接続開始。
まずは月村家から、姉妹と馬場鹿乃。
「げえっ、スカリエッティ!?」
「おやおや、体が大きい割に、肝の小さい男だ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ、何でこんな事になってんだ!?」
「色々あってな。いつの間にかスカリエッティ改心ルートになっていたと思って納得しておけ」
みたいなやり取りがあり。
続いて別荘経由で、高町家の子供3人、守護騎士の4人、ヴィヴィオ、アギト、アリサ・バニングス、アリシア・テスタロッサ、長宗我部千晴が到着。
アリシア・テスタロッサに関しても、プレシア・テスタロッサの強い希望で連れて来ることに。お姉様は止めておけと言ってたのに。
「だが。お前も来るとは思わなかったぞ」
「何か気になって。どーせなら知っとこうか、くらいなノリだけど、いいよな?」
「お勧めしないとは伝えたはずだが……声をかけた以上、拒否する権利も無いが。
さてと、とりあえず好きなところに座ってくれ」
座ったところに、飲み物(気分的な意味で)も用意して。
全員座ったのを確認したら。
「では……っと、先に言っておくことがあった。
ヴィヴィオ、ちょっといいか?」
「はい、何でしょう?」
「
やりたい事があるなら手を貸すことに吝かでないから、それは覚えておいてくれ」
「それは有り難いのですが、今言う必要があるという事ですか?」
「意味は、今から見せるモノを見終わった時点で判断してくれ。
他の連中は……よさそうだな。では、始めようか」
大型の空中モニターを展開して、最後の準備が完了。
そこに映るのは、海から見た街並みの絵。
『この広い空の下には……』
「あれ? この声は、なのはちゃん?」
「にゃ? こんなの知らないよ?」
「でも、どう聞いてもなのはよね? それにアタシ……って、何で落書きの内容まで!?」
「本当にあんな落書きしてたの?」
「アリサちゃん、結構気合い入れて書いてたんだね」
「そういう問題じゃなーい!」
そんな感じで始まる、アニメ作品。
「あれ、僕……って、これってまさか!?」
ユーノ・スクライアが気付いて叫んでるけど。
「そういう事だ。これが、私達が“原作”と呼ぶ物語」
『魔法少女リリカルなのは。始まります!』
「ふえぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「魔法少女って……なのは、本気?」
「ユーノ君も、何だかノリノリみたい」
「私こんなの知らないよー!!」
「ぼ、僕だって知らないよ!」
というわけで、上映開始。
オープニングを飛ばして、まずはユーノ・スクライアが倒れて小動物化するところから。
「ユーノ君、こんな感じだったんだ……」
「だが、やはり無謀だったように見えるな」
「この時は、魔力の適合不良で力が出なかったんだ。
まさか、うまく魔法が使えなくなるなんて思わなくて……」
「情報や準備、何より実行力の不足という意味では、やはり勇み足だろう」
ユーノ・スクライアがクロノ・ハラオウンにフルボッコされたり。
「恭也、家ではあんな様子が普通?」
「そうだが……それがどうかしたのか?」
「そう。この様子では、なのはちゃんが疎外感を感じても仕方ない、かな」
万年新婚夫婦は置いておくとしても、兄妹の距離感がやたら近い高町家に、月村忍がちょっとため息をついたり。
「そうそう、こんな言い合いもしたわね。
で、理数の成績は相変わらず、体育の成績が改善して、魔法なんて特技を持ったなのはは、今はいったい何になりたいわけ?」
「えっ? えっと……」
「特技とか取り柄が無いーなんて、もう言わさないわよ!」
「だ、だめだよアリサちゃん……!」
微妙に喧嘩腰のアリサ・バニングスがいたり。
「なのは、フェレットに指を舐められて喜んでたけど……アレって、ユーノだったんでしょ?
そう考えると、なーんか変態っぽくない?」
「いい!?
あああ、あのときは、ほら、動物の真似をしなきゃって必死で!」
「助けを求めておいて、人が来たら動物の真似というのもどうなんだ?」
「そうだけど、なるべく知られる人を減らそうと思って!!」
ユーノ・スクライアいぢりに、クロノ・ハラオウンだけじゃなくアリサ・バニングスも加わったり。
「そういえば、お前もユーノのSOSが聞こえていたはずだな。
介入する気は無かったようだが、この時は何をしていたんだ?」
「えーと、なんだ。
布団の中でガタガタ震えて、命乞い?」
「……まあ、戦力を持たないなら仕方ないか」
お姉様が、長宗我部千晴の情けない過去を聞いたり。
「ああっ、折角の可愛い変身シーぶほぁっ!?」
「黙れ
脱衣変身シーンをカットしたお姉様に抗議しようとした
「なんか理解してないあたりは、なのはらしいけど……服装とか違うわよね?」
「うん。似てるけど、本物はもっと戦うための装備、というか……」
「でも、私は最初からこっちの姿だったし……」
「その辺は後で説明してやるから、今はこういう話だと思って見ていてくれ」
見て判りやすい違い、つまりレイジングハートやバリアジャケットの差に早速気付いた3人娘がいたり。
「なのは……リリカルマジカルって、アンタ……」
「言ってない! 私、言ってないよ!! それにシーリングモードって何!?」
「確かあの時は、バインドとシュートバレットを使ったはず……」
「そんな事よりも、なのは。あの夜はこれに近い出来事があったのは事実なんだろう?
こんなに危険な事を隠していたのは、やはり良くないぞ」
「あう……」
高町なのはが、アリサ・バニングスや高町恭也にフルボッコ気味だったり。ユーノ・スクライアのフォローもフォローになってないし。
そして話は進み、第3話。サッカー大会の後の大樹。
「……アレって、落ち着いてたら防げたかもしれない、って事よね?」
「あの時はお店に変な人が来て大騒ぎで、そんな余裕なかったの!
アリサちゃんもいたよね!?」
「うん、まあ、いたんだけど。
あれ? 完全に気付いてなかったって事は、こんなに落ち込まなかったって事?」
「えーと、あの時は、もっと頑張って探さなきゃ、って……」
要するに微鬱展開の回避が判明したり。
「……私だけど、バルディッシュの形が違う?」
「レイジングハートの形が違うのと、同じ理由だろうな。
それも後からな」
「うん」
ビルの上に立つフェイト・テスタロッサとアルフ、続いて月村忍やメイド達が登場して。
「今までに比べれば、化け物っぽくはないけど……」
「見上げる様な子猫……え、フェイトちゃんが攻撃!?」
「この時は必死だったから。だけど、なのははこんなに弱くなかった」
「普通に歩いて帰ってきたわよね?
転んで怪我したとか言ってたはずだけど」
この時には既に、それなりの空中戦をやってたわけだし。
空戦の実力は、元々乖離が大きい部分。不思議に思うのも仕方ない。
「今度は春の旅行の話ね。
そういえば、なのはが必死でユーノを女湯に入れさせなかったけど……この時には人だって知ってたの?」
「まだ見たことは無かったけど、人だって話は聞いてたから」
「遺跡の発掘をしてたって聞いてるけど、お風呂とかはどうしてたのよ。 なーんか、妙に純情っていうかさ」
「お風呂とかは男女で別か、少なくとも時間を分けるよ。
人が少ない世界だと、輸送船を拠点にする事も多いからね。設備はそれなりに充実してる」
「ふーん。テレビで見る様な探検とは違うんだ」
「個人で空を飛ぶ技術もあるから。
僕らにとって、あの国のテレビでやってるようなのは、探検じゃないよ」
どこぞの探検隊がディスられた気がしたり。
裸を見て倒れてるユーノ・スクライアが苦笑を誘ってるけど、ここは部分的に湯煙風に塗り潰し処理をしてある。不満そうな
「……あれ? アコノやはやてがいないんだけど」
「ああ、はやてはまだ出てこないし、アコノを含む私達は存在しない。
そういう話だと思ってくれ」
「ふーん。居るからこそ違う未来になった、って話?」
「そんな感じだな」
そして、現れるアルフ。
「アタシはこんなちょっかいをかけてないよ?」
「そうだな。確かこの時は……リーゼアリアと牽制しあっていたんだったか?」
「そうだそうだ、なーんか強そうな匂いがしてたから、潜んでたんだった。
って、何であんなとこにいたんだい!?」
「八神はやてを監視してた。今なら、説明はこれで充分でしょ。
というか、気配は断ってたつもりだけど、匂いでばれるって……」
犬と猫の仲が微妙だけど、まあ、気にしなくていいや。
そして始まる、高町なのはvsフェイト・テスタロッサの2戦目。
「なのは、よわっ!」
「だけど、なのははもう少し対応してきた。少なくとも、こんなに弱くなかった」
「だよねだよね!」
あっさりと負ける、アニメの高町なのは。
アリサ・バニングスが叫んでるけど、フェイト・テスタロッサのフォローに食いつく高町なのが妙に必死。
「俺達は、温泉で魔法についての説明を受けたんだが……この話ではまだなのか?」
「そうだな」
蚊帳の外のままの高町恭也が、ちょっと不満そうだったり。
アニメは小学生らしからぬ喧嘩を経て、フェイト・テスタロッサの話へ。
「ああ、フェイト……あんなに思い詰めていたなんて……」
「母さん……大丈夫。私も、母さんの娘だから」
「だから心配なんじゃない……」
自分の暴走癖的な部分が心配なのか、プレシア・テスタロッサがフェイト・テスタロッサを抱き締めてる。
もっとひどいシーンがこの先にあるけど、本当に大丈夫かこの親娘。
アルフの強制発動の後に始まる3戦目、そして次元震。
「フェイト、なんて無茶を……」
「違う……この時は私もなのはも動けなかったから。封印してくれたのはアコノだよ、母さん」
「……そうだったの?」
うん、そうなの。
というか、この後は。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「ママ、こわーい」
「ごめんなはうぁっ!?」
「大丈夫だよ母さん。私は母さんが大好きだから」
「ああ、フェイト……ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
折檻のシーンで、プレシア・テスタロッサが壊れた。アリシア・テスタロッサも、無邪気に追撃してるし。
空気を読まずに始まる4戦目に割り込むクロノ・ハラオウンが登場して。
「僕は、2人の戦闘開始前に止めたはずだ。それに、バインドもした覚えがある」
「この辺も、現実と異なる部分だな。
言っただろう? 何故か元々差異がある、と」
「アースラの中も何だか違う、こんなおかしなデザインじゃない。
ここは大きく違う点という事か……」
「だけど、僕は人だと伝えなかったら、あんな目にあっていたのか。
良かった。早目に伝えておいて、本当に良かった……」
何か妙な点で、男子2人が納得してたり。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「えっと、その……」
アルフが
「フェイトちゃん、これって……」
「これは本当にあったよ、なのは。
確かにこんな話をしてたし、覚悟もしていたから」
「そう、なんだ……」
すごくしんみりとした空気になったり。
「そういえば、こんな表情もしていたわね。
なのはさん、人気者ね」
「この後の展開を見ると、奥手とヘタレなんだがなぁ……」
「誰が奥手で誰がヘタレだって?」
「まあ、最後まで見れば解る……かな?」
リンディ・ハラオウンとお姉様にクロノ・ハラオウンが弄られたり。
「そうだな、ずいぶんと寂しい思いをさせていたな」
「お兄ちゃん、お姉ちゃん……」
高町なのはが高町恭也と高町美由希に抱き締められたりしてるけど。
ようやく、決定的に乖離する海上での強制発動シーンまで到達。
「リンディ、貴女まさか……」
「いいえ。即座になのはさん、ユーノさん、エヴァさんの3人を現場に送っているわ。
クロノには、この後の対処を頼んでいたけれど」
「この後?」
レティ・ロウランがちょっと責めるような視線をリンディ・ハラオウンに向けたけど、ここはお姉様の入れ知恵で変わってる部分。
次元跳躍攻撃の後で、鞭打ちの場面再び。そして撃墜されるアルフ、一騎打ち直前のフェイト・テスタロッサの記憶と想い。
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
「ええと、今回のはやってないんだし、アタシだって殴ったり殴られたりはしてないんだし。
その、なんだ……」
撃墜を回避したアルフがフォローしようとしてるけど、プレシア・テスタロッサのダメージがひどい。
仕方ないね、お姉様の忠告があってなお、本人が知りたがった原作だもの。
そして行われる一騎打ち、撃ち込まれる集束砲撃。
「なのは、あれはさすがに……」
アリサ・バニングスが引きつってるけど、実際に撃てるのはもっとひどいわけで。
「ママー、あれってわたし?」
「ええ……そうよ…………」
「こう繋がるのね……だけど…………」
「だから私は、見ない方がいいと言ったんだがな。
後でならいくらでも責められるから、もうしばらく待ってくれ」
リンディ・ハラオウンの、お姉様を責めるような視線が痛いけど、本人合意の下でそういう事をやってるんだから仕方ない。
そして虚数空間に落ちるプレシア・テスタロッサとアリシア・テスタロッサ、
最終的に、抱き締め合うフェイト・テスタロッサと高町なのはの印象を残して、1期目の上映が終了。
「こうなる未来もありえたという事ね。プレシアさん達はこうして生きているけれど、過去や部分的にはかなり正しい部分も多い……確かに、使い辛い情報という評価に、間違いはなさそうね」
「今いる中に、この情報を知っていた人も何人かいるはずだ。
君達に聞きたいんだが、今の話と事前に知っていた事で相違点はあるか?
人によって何らかの違いがないか、確認しておきたい」
「無い。私は事前に照合しているし、覚えていた範囲で違いは見付からなかった」
「ああ、俺が覚えてる範囲では、こんな話だった」
「あんま細かいとこは覚えてねーけど、たぶん一緒だ」
「そうだね。絵の一部が違っていたりしても気付かないだろうけれど、話の筋としてはこうだったね」
「我等は記憶を何度も確認いたしましたが、この様な物語で御座いましたな。
厳密な話をすれば、オープニングやエンディングの省略と、肌色の隠蔽があった程度かと」
「ええ、間違いありませんね。やはり、変身シーンを省略せずぁぼぅ!?」
また
本当に黙ってればいいのに。
「つまり、全員が同じ記憶を持っていた、という事か……」
クロノ・ハラオウンが気にした事は、普通なら考えにくい“転生”について?
前世の記憶。作られたものなら違いがあり得るだろうし、着眼点は悪くない。
涙目になってて話すことも出来なさそうな人も何人かいるけど、フォローはいる……かな?
原作キャラに原作を見せよう、の回。そのいち。
最後付近以外はそれほど違ってない「無印(1期)」編。見ながら喋っている設定ですし、原作の場面順に並んでいるはずです。
「空気を読まずに始まる4戦目に割り込むクロノ・ハラオウン」
さて、空気を読まないのは戦闘でしょうか、クロノでしょうか。お好きな方でどうぞ。
おまけ:名付けの由来
第108無人世界ルスター:仏教での煩悩の数=108、ドイツ語「Lüste」=Lust(快楽、喜び)の複数形。
2014/06/07 部屋割り絡みの説明を追加&修正