青の悪意と曙の意思   作:deckstick

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蛇足:或いはこんな未来も/StrikerSだった何か2006年04月~

 ◇◆◇ 2006年(新暦67年)04月 ◇◆◇

 

 

 セツナが高校生、成瀬カイゼが中学生、共に私立聖祥大学付属に入学して。

 ついでに黒羽早苗が自宅近くの中学校に通い始めた頃。

 とうとう、時空管理局の代表評議会が正式に設立された。

 

「いや、それは予定通りだからいいんだが。

 解任方法が納得いかん!」

 

『だが、他の方法では、なかなか合意が取れなかったのだ。

 この説得と調整だけで設立が3か月は遅れている。これ以外の方法での合意は難しいのだ』

 

 お姉様が吠えてる相手は、本局にいるギル・グレアム。

 通信越しだけど、直接伝えてきただけ、まだ誠意は見せてる。

 

「だが、これでは……」

 

 お姉様が問題視しているのは、最高評議会の解任と選出方法。

 空白期を作らないため、現最高評議会と次期最高評議会候補で決選投票を行う、というのが新たに施行された法に明記されてる。

 逆に言えば。

 

「……辞めたければ次の生け贄を用意しろ、という事だろうが!」

 

『そう受け取られる覚悟は出来ている。

 だが、最終局面では、次代の信任投票で交代が決まる事とほぼ変わらんよ。

 代表評議会議員の推薦やらは不要なのだ。自身で次代を用意出来る分、まだ緩いと考えている』

 

「決戦投票で選ばれるような人物なら、推薦など軽く取れる。そもそも、任期満了や退任に伴う選出が本来の流れだろうが。

 全く……逃がす気は無い、という事か」

 

『私を含め、英雄や功労者などと呼ばれた者は、そう簡単には逃れられん。

 レジアスなど、これからも地上の平和を守る事を以て贖罪とする、等とされていたよ』

 

「縛る気満々か……それも、統幕議会が主導か?」

 

『意見を公募した上で、だがね』

 

 公募と言うか、実際はミッドチルダ限定の国民投票という形が取られてる。

 結果として投票率が8割近くで、その内レジアス・ゲイズの擁護票が7割。多数が擁護している事を理由に、実質無罪扱いとされた。棄権票が全て反対でも過半数となるからか、強硬な反対は無かった模様。

 逆に元最高評議会の腐れ脳味噌達は、ヴェロッサ・アコースや変態(ロリコン)の技能で全ての記憶を蒐集、同時に死刑が執行されるという最後が決まったらしい。

 ジェイル・スカリエッティは既にお姉様の首輪が付いてるし、元々命じられた研究をしていただけだし、最終的に告発に協力して罪を暴いたし、という事で実質無罪が確定済み。罪を全て腐れ脳味噌に押し付けたとも言う。

 

『もっとも、状況は改善しつつあるが、地上の人手、特に戦力不足は深刻だ。

 何か良い案は無いかね?』

 

「知るか。そもそも、質量兵器を禁止している理由が理解出来ん。

 戦力を魔導師に限定して、人手不足だと嘆かれてもな」

 

『これには、色々な問題が絡んでいるのだよ。

 例えば、出身世界による差別を無くし、実力で評価する例とされている。出身世界を問わずに魔導師を優遇する事で、ミッドチルダ出身者優遇という風潮を回避している面があるのだ。

 無論、魔導師でない者の冷遇を避ける意味でも、魔法が不要な仕事では魔力の有無は評価されないが』

 

「ふん、魔導師を戦力化する意図しか見えんぞ」

 

『否定は出来んが、これが今の時空管理局なのだよ。

 それに現状では、時空管理局や現地の治安組織を特別扱いするのは危険だ。自警団や聖王教会も治安を担っているが、彼らに質量兵器の所有や使用を認めるのか、という問題に発展してしまう事になる。

 加えると、今の制度であれば、質量兵器の製造工場や所持を全て違法として、即座に検挙する事が出来る。

 許可されたものか、許可して良いのか。それらを調査し調整するための余力が、我々には無いのだ』

 

「非魔導師の戦力化なら、何らかの魔導具を使っても出来るだろう。

 今までその案が出た事も無いとは思えんが、やっていない理由は何だ?」

 

『質量兵器の禁止理由と同じだよ。様々な理由が付けられているが、最終的には、不相応な力を簡単に使えてしまう事が問題となるのだ。

 本質的に、魔法も科学も似たようなものだと認めているとも言えるだろう。表立って言う事は出来んがね』

 

「だが、気の技術は……ああ、そういう事か。要するに気の技術は最終的に本人が運用するから、不相応と見做さない事が出来る、と。

 やれやれ。御伽噺の私が言うのも何だが、魔法の世界なのに夢の無い話だ」

 

『我々にとっては、現実だよ。

 加えて言えば、質量兵器の禁止についてはかなり浸透していてね。武装というものに忌避感を持っている者もいて、それが犯罪の抑止や、所持者、つまり犯罪者の摘発に役立つ場合もある。銃型のデバイスが不人気な理由でもあるがね。

 だからこそレジアスは本局に優秀な魔導師を取られながらも風潮を変えず、魔法が不要な役職に非魔導師を重用する事で人員を確保しようとしていたのだが』

 

「間に合ってない、と。

 そうなると、魔導師もどきを増やせる気の技術を早急に広めるしかないんじゃないか?

 犯罪が増えるか減るか、賭けでもあるがな」

 

『話は聞いているが、危険性もある。

 良いのかね?』

 

「どう情報を広めるかが勝負だろうな。

 魔導師にも“自身の強化”というメリットはある。

 非魔導師には“魔法を使える可能性”という心理的に大きなメリットを持つが、費用が掛かるというデメリットも併せ持つ。

 あくまでも新しい魔法運用の1形態であり、扱いを間違えれば自身を傷付けるデメリットをきちんと説明する事で、絶対的な技術だという空気を作らない事が重要だろうな」

 

『やはり、そう考えるのか……

 いやはや、自分で自分の価値を高めている自覚があるなら良いのだが』

 

「既に教えた技術を、いつまでも隠せるものでもない。いつか公開なり情報漏洩なりする事になるからな。

 こちらから広める理由として充分だろうと判断しただけだ」

 

『それなら良いのだが』

 

 

 ◇◆◇ 2006年(新暦67年)05月A ◇◆◇

 

 

 5月になった。

 予定通り、時空管理局と聖王教会から、教官やら指導官やらが到着。

 時空管理局本局武装隊航空戦技教導隊の教導官。

 時空管理局第四陸士訓練校の教官。

 時空管理局士官学校の教官。

 クラナガン中央魔法学院の教官。

 聖王教会騎士団の技術指導官。

 St.ヒルデ魔法学院の教師。

 所属と肩書だけ見ると、なかなかに壮観。

 といっても、お姉様は直接指導する気が無い。基本的に私達が、時々セツナやフェイト達も協力して技術指導をする事になってる。

 アルフとザフィーラは教導について教えられる立場になるけど、特に問題は無い。はず。

 

 要するに、お姉様は未だに色々と研究中。

 興味を示したプレシアも巻き込んで、並行世界関連の調査を進めてる。

 研究者としての波長が合うし、研究が進むのは予想出来てた。

 あと、この事態も。

 

「リニスを連れてきなさい」

 

「命令形か?」

 

 プレシアが、予想出来た事を予想以上に強い言葉で言い出して、お姉様困惑中。

 直接の問題は、並行世界間の移動に関する理論が成立した事。

 大規模な移動はともかく、人の1人2人くらいなら何とかなるのが立証出来た。

 時間の流れがここより大幅に速い世界でなければ、私達が行き来しても大丈夫だったし。

 ついでに、別荘への接続もちょっと大変になる程度。接続さえ維持出来ていれば、別荘経由でお手軽に移動出来る。

 

「だがなぁ……干渉した場合の、相互影響や世界分岐の副作用は把握出来ていないぞ?

 チャチャが人知れず移動するだけでも、一時的に世界が分岐しているのを確認済みだ。小石を送っただけで、数週間は分岐したままだったんだぞ」

 

「誰にも知られなければ、時間がかかってもいつかは影響が消えるのでしょう?

 リニスは最終的に、次元空間に身を投げていたわ。その後は私も追っていないから、人知れずという条件はクリア出来るはずよ」

 

「……周囲の警戒くらいはしていただろう?

 魔力を察知されずに次元空間に突入しろとか、どんな無茶振りだ」

 

「例の能力を使えば簡単でしょう?」

 

「まあ、そうなんだが……私の直接介入が、何か妙な事を引き起こさなければいいんだが」

 

「いつかは試す事になるわ。いい機会よ」

 

 押されてと言うか、流されてと言うか。そんな感じで押し切られたお姉様。

 渋々ながら準備を整えタイミングを計ること、10日程。

 現場は、諸々の都合が良いルスター。緑の世界になってるから、プレシア達も気楽に来れるようになってる。

 

「さて、介入先は恐らく原作相当と思われる世界、時間軸はジュエルシード事件の約3か月前、場所は意外にここから近い次元空間。

 タイミングが合うのは、恐らくあと3分程後の数秒間だ。少しでもずれれば失敗するから、それは解っておけよ?」

 

「理性では解っているわ。感情が納得出来そうにないだけよ」

 

「可能な限りの手配はしたんだ。それは理解出来るだろうに」

 

「だから、感情なのよ」

 

 お姉様とプレシアは軽口をたたきながら、最終の準備なう。

 連れてこられたアリシアが、その様子を面白そうに見てる。

 

「ところで、どこまで説明してあるんだ?」

 

「うまくいけばいい事がある、としか言っていないわ。

 100%を保証出来ないのだから、必要以上に期待させては悪いもの」

 

「そうか。さて、そろそろ頃合いだ。

 世界間通路、開くぞ」

 

 時間軸補正……成功、想定誤差の範囲内。時間経過は60倍程度の差で安定。

 座標結合……成功。

 この先は、お姉様がやらないと隠蔽が難しい。

 魂の離散速度を考えると、こちらの時間で身投げから0.15秒後、誤差0.05秒以内を推奨。

 

「どこのゲームのコマンド入力時間だ……見付けた。

 あそこからならこの辺に来るはずだが、時間的にも一度飛び込む必要があるか」

 

「いけそう?」

 

「恐らく。

 ……行くぞ」

 

 じっとリニスの動きを見詰めてたお姉様が、動いた。

 一瞬というか、突入から0.2秒弱で脱出完了。

 腕の中には、目や鼻から血を流してる山猫が1匹。

 

「この魔方陣の中央へ早く!

 アリシア、怖くないわ。教えた通りにやれば大丈夫よ」

 

「うん、ママ。バルエシュカ!」

 

 お姉様が山猫を魔方陣に置いた直後、アリシアがマイク……じゃない、バルエシュカを両手で握りしめて、魔力解放。

 幼いけど、魔力量はフェイトやなのはに迫るものがある。

 膨大な力を得た魔方陣が輝き、山猫が光に包まれて。

 

「……プレシア? それに、フェイト……?」

 

「やったぁ! おねーさんなリニスだ!」

 

 身投げ前と変わらない人型になったリニスに飛びついて、アリシアが喜んでる。

 プレシアもニコニコ笑ってるけど、状況が理解出来てないリニスは、明らかに戸惑ってる。

 

「これは……私は、夢を見ているのでしょうか……?」

 

「いいえ、夢じゃないわリニス。

 一度貴女を見殺しにした私が言う資格は無いかもしれないけれど、これからはアリシアを守ってほしいの。

 その為にも、知ってほしい事があるのだけれど……」

 

 そして始まる、プレシアによる詳細説明。

 ここが並行世界である事。

 この並行世界のリニスが死んでから、2年以上経過している事。

 抱き付いているのはフェイトではなく、生き返ったアリシアである事。

 フェイトも元気に暮らしている事。

 アリシアを生き返らせ、プレシアを若返らせたのはお姉様である事。

 お姉様はアルハザード産の魔導具である事。

 今では、大勢の“テスタロッサ”が家族として暮らしている事。

 そして、今のマスターはアリシアであり、生涯を共に過ごす、という契約となっている事。

 戸惑いながらも黙って聞いていたリニスは、真正面からプレシアを見て。

 

「変わりましたね、プレシア」

 

 どこかほっとしたようなため息をついた。

 

「そうね。ほとんど……いえ、全てエヴァのおかげよ」

 

「私は私の為に、原因とその影響を排除しただけだ。

 それも私が変えたのではなく、変えられていた物を正常に戻るよう仕向けたにすぎん」

 

「他の人には出来なかった事よ。

 リニスには後でもう少し話があるわ。あまりアリシアに聞かせたくない事もあるから」

 

「そうですか。

 エヴァさんといいましたね。有り難うございます」

 

「礼を言われるようなことはしていない。

 そもそも並行世界とはいえ、私が今回やった事は人攫いだ。

 プレシアやアリシアも、厳密に言えば本人ではないしな」

 

「それでも、ですよ。

 並行世界の理論や概念は詳しくありませんが、ここにいるプレシアは、プレシアの可能性の1つなのでしょう?

 プレシアが幸せを取り戻す未来があり、それにはエヴァさんが関わっていて、それを私に見せてくれたのです。

 礼を尽くすのは当然です」

 

「やれやれ、どうして私の周りはお人好しばかり増えていくんだ。

 私は、私の目的の為に動いただけだ。それに、とりあえず今は、新しいご主人様のご機嫌を取った方がいい」

 

「え?」

 

 リニスが下を向くとそこには、抱き付いてるアリシアのご機嫌斜めな顔が。

 

「うー」

 

「す、すみませんフェ……ではありませんでしたね。

 アリシア」

 

「けいごきんしっ!

 それと、フェイトのところにいこっ! ぜったい、あいたがるとおもうし!」

 

「い、いえ、それは……少し待って下さい。心の準備がまだ……」

 

「きーんーしー!」

 

 

 ◇◆◇ 2006年(新暦67年)05月B ◇◆◇

 

 

「並行世界への影響は、どうだったのかしら?」

 

 リニスが表向きは猫としてテスタロッサ家に参加してから、数日が経過。

 フェイトが嬉しくて泣いたり、アルフがもらい泣きしたり、家族が予想以上に大勢でリニスが目を回しかけたり、夜天の魔道書(リインフォース)が闇の書だった事を知ってリニスが卒倒しかけたり、リニス登場を知った関係者の顎が外れかけたり、結局リニスの口調が変わらずアリシアがむくれたりするのも落ち着いた頃。

 ルスターに籠もってたお姉様のところに、プレシアが現れた。

 

「……厄介な事になっている」

 

「世界の分岐が終息しないのかしら?」

 

「それだけなら予想の範囲内だし、どんなに平和だったか……」

 

 ため息をついてるお姉様の顔が、憂いに満ちてる。

 可能性としては考えてたけど、いざそうなると、受け入れるのに時間がかかる模様。

 

「つまり、分岐は終息していないし、それ以上の問題もあるのね?」

 

「そうだな。簡単に言えば、私の存在が、あっちの世界にも書き込まれたようだ」

 

「小石を送った時も、存在は消えなかったでしょう?

 それと同じ流れ……では、無いという事ね」

 

「そうだな。まあ、結論から言ってしまうか。

 今の私が死ねない理由に、世界による修復及び再構成の様なモノがあるんだが……それが行われる世界に、あっちの並行世界が追加されたようだ。

 要するに、少なくとも2つの並行世界が消滅するまで、私は消える事が出来なくなったらしい。

 ……何の呪いだ、これは」

 

「それは……分岐した並行世界にも貴女が生まれる、という事かしら?」

 

「いや、こっちに“私”がいるからか、再構成は行われていないようだ。

 世界全てを調べられるわけではないから、感覚的な物でしかないが……どうも、私という存在はある種の特異点として扱われているように思う。少なくとも“もう1人の私”が存在する並行世界を見付けられていないんだ。

 逆に、リニスを連れて来た並行世界とこの並行世界の繋がりは強くなっているようだし、思った以上に厄介な事態になってしまっているぞ」

 

「繋がりが強く……リニスを連れてきた世界は、原作に近い並行世界、だったわね。

 過去となったジュエルシード事件や闇の書事件はともかく、これからの事件に関する何らかの影響を受ける可能性が強い、という事になるわね」

 

「そうだな。

 だから実行前に、副作用は把握出来ていないと言ったんだ」

 

「実験にリスクは付き物よ。

 それに、分岐した並行世界、リニスがそのまま消えた方の影響はどうなっているのかしら?」

 

「そっちの影響は、かなり小さくなっているな。

 ほぼ、私が書き込まれた世界との繋がりとなったようだ」

 

「そう、ならば話は早いわ。

 このまま分岐が終息しないのであれば、書き込まれた並行世界を、こちらにとって都合がよいように応援すればいいわ。

 事前準備が可能なのだから、事件を起こさない事も可能よ」

 

「並行世界の原作破壊か。

 そうか……そういう事か。介入する時は、フェイト達も連れて行くぞ」

 

「いなくても、特に支障はないでしょう?」

 

「あっちの未来までは責任を持てん。闇の書の時以上に、私達が表に出るわけにはいかないんだ。

 本人がいた方が説得力も差が大きいだろうし、それに……カリムの予言の問題がある」

 

 予言は1年ちょっと前の話だけど。

 現状に当てはめるなら、隔たれた地が並行世界、消えゆく絆がリニス、命を得る旅人がお姉様。前半に関しては、問題なく対応してると判断出来る。

 後半を原作介入に当てはめるなら、テスタロッサ家と高町なのはで地球関係者や機動6課メンバーへの介入が最有力。

 カリム・グラシア達で聖王教会介入も可能か。

 ジェイル・スカリエッティと戦闘機人達で悪役側介入もあり。

 ゼスト・グランガイツやメガーヌ・アルピーノ、ナカジマ一家を呼ぶともっと面白そうだけど、忙しそうだし原作関係も教えてないから、これは除外?

 レジアス・ゲイズやオーリス・ゲイズは……色々無理がある。

 

「予言……ああ、そういえば聞きに行ったと言っていたわね。

 失敗する予言でないなら、気にする必要も無いわ。

 こちらの手札は、ジェイルを含めた事件の関係者存在と、事件のおおよその流れを知っている事よ。それに、多少の準備期間を確保出来るわ。

 まずは、情報が少ないレリックかしら。恐らく類似している、こちらの世界のレリックを調査しておくべきよ。

 聖王核の模造品らしいのだし、私達の技術と権力と情報、それに無限書庫とジェイルがいるのだから、そう時間もかからないでしょう」

 

「詳細や対処法を知っていれば、介入もしやすいか。前提を崩す事も難しくない。

 行くメンバーの都合とタイミングを考えると……」

 

 現在の速度差で計算すると、こちらの夏頃に、あっちの並行世界でStrikerSが始まるくらい。

 度々学校を長期間休ませるのもあれだし。

 外人設定のフェイトは休む理由を作れても、主とはやての言い訳は作りにくい。

 

「……タイミングが合えば、夏休みが無難、か?」

 

「それで話を通しておいた方がいいわ。

 だけど、決行までは情報収集に留めて、あまり干渉するべきではないわね」

 

「情報という武器の価値を落とさないため、か。

 物語を崩すだけなら、例えば空港火災を防げば、機動6課が設立されないかもしれんが」

 

「それでは意味が無いわ。

 望ましい目標は、脳味噌の罪を公にする事よ。そのためのシナリオを用意する必要がある以上、前提を崩すのは下策よ」

 

「まあ、そうなんだが……手出しはそれなりに自重するか」




投票率8割近い選挙は、実際にあったらしいです。
衆議院議員総選挙 1958年(第28回)76.99%
参議院議員通常選挙 1980年(第12回)75.54% ※衆参同日選挙
衆議院の制限選挙時代だと、1890年(第1回)93.73% なんて記録もあるようですね。
60%前後の今は……政治屋ばっかりなのも問題じゃないかなぁ。マスコミやらも目立つ人は叩けばいいみたいな感じだし、誇張や曲解や誤報や隠蔽をしてもまともに謝罪する気すらないし。一般への情報発信=娯楽産業で、正確さや使命感よりインパクトと儲けが重要な状況(出版や報道のコストはどんな人がどう負担するのか。その結果、誰が好む内容になるのか、という話)も悪い気がしますが。
それに加え、大勢が同じモノを見たり同じコトをしたりする機会も減っています。個人主義やパーソナライズと言えば聞こえはいいですが、孤立と情報分断とも言えます。1人で見る事が出来る情報など知れてますかから、知らないままの情報や間違った・間違いになった知識も多いですし。
資本主義(むしろ快楽主義?)や民主主義の限界とか言っておくと、そのうちドヤ顔できるんですかね。情報量の話は、どんな社会構造になろうが無理なものは無理ですが。


2014/12/21 以下を修正
 教官を1人追加(ストーリーへの影響は無いです)
 物理兵器→質量兵器
2015/01/04 起動6課→機動6課 に修正
2015/04/10 代表議会→代表評議会 に修正
2017/09/06 早急に公める→早急に広める に修正

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