ブックマークやお気に入り等を使っている場合など、タグの変化は気付きにくいと思いますので、念のため前書きにも書いておきます。
詳細については、3月19日の活動報告……にも大したことは書いてないな、うん。
要するに、今回がタグ追加に踏み切る原因という事です。
「晴れた空、白い雲。
ミッドをこうやって歩けるのは、こっちならでは」
「憧れるなら、そよぐ風じゃなかったか? それだと土に埋まってしまうぞ」
「ミッドは気になってたけど、憧れてたわけじゃないから、別にどっちでもいい」
巡礼……は、日も変わってるし、もうどうでもいいや。
お姉様と主は、2人でクラナガンの中心部、商店街的なところに到着したところ。
特に偽装はしてないけど、アニメ世界では意図的に不細工設定されたキャラ以外はみな程々の容姿の法則(命名、私)により、極端に目立つわけでも無い。
子供2人に見えるのだけがちょっと気になるけど、逆に軟派野郎が寄ってこない分でイーブン?
「あっちだと、まともにミッドの街中なんて歩いた事が無いからな。
余計な身分のせいで護衛やらがわらわら付いてきそうだし、そもそも顔が知られているしな……」
「その意味では、私達が知られてないこの世界はいいかもしれない。
割と気軽に管理世界を出歩けるという意味で」
「それはそうだが、思った以上に地球との差を感じないのはどういう事なんだろうな。
まさかゴーヤクレープを見掛けるとは思わなかったぞ」
「地球と言うより、ネギま?」
「他の話で見た覚えは無いな」
でも、メニューとして出してる店は現実にあったりする。
探せばレシピも見付かるし。
現実と魔法先生ネギま!のどちらが先かは知らないけど。
「文字も小さかったから、色物趣味な店長の暴走か、罰ゲーム用の罠メニューと思っておく?
だけど、みたらしコーラとゆずぽんコーラのインパクトは危険。やっぱりネギまとも思える」
「麻帆良の怪しげな飲み物か……原作的には関係無いはずだが、何かあったのか?」
軽く調べてみたら、10年近く前の雑誌でイロモノの店のオープンが報じられてた。
今まで見た事も無いメニューの数々という触れ込みらしいから、恐らくここが元祖的な何か。
少し改装して普通の店に近くなった形跡はあるけど、場所や店名、それにメニューに漂う色物臭を考えると、お姉様と主が見かけた店は間違いなくコレ。
「10年近く前? 時期的に微妙過ぎるな。
ジュエルシード……いや、リニスを攫った頃から開店準備を始めると、丁度その頃……か?」
「エヴァの存在が確定した時点で、ネギまの影響を受けるようになったと理解するべき?
並行世界間の影響と考えると、無理は無い」
「こんな影響は、予想してなかった……」
この世界が“お姉様が再構成される世界”である間は並行世界の繋がりが切れないだろうし、お姉様自身が魔法先生ネギま!の影響を大きく受けてる。その影響は今後も続くと予想。
文化浸食と言えなくもないけど、並行世界関係はまだまだ謎が多い。放っておいても影響が出る時は出るはずだし、どんな形で出るかも様々。出ないときは出ないのではないかという推測に無理があるとは思えないような気分に……
「……確信出来てない事を無理に説明しようとして墓穴を掘らなくてもいいんだぞ?」
「一言で言えば、気にするなという事。実際、気にしても仕方がない」
「まあな。さて、どうにもならん事は置いておいて、散策の続きを楽しむか」
「散策より、デートと言う方が好み」
主はお姉様の手を取って、何故か恋人繋ぎに。
それでも、デートではなく仲のいい妹分の手を引いているように見えるのは、きっと2人とも本来の外見年齢でいるせい。
「好み、か……?
まあいい、普段来れない場所に来ているんだ。アコノは何が見たい?」
「せっかくだから、普段行けない店を。
エヴァなら、きっとデバイス関係の店に行きたいんじゃないかと予想している」
「確かに、気にならないわけじゃないが……情報や現物を仕入れる伝手はあるしな。
それに所持金もさほど多くないし、コアやそれなり以上のパーツは身分証明やらも必要だから、買えないぞ?」
「それでも、実際に物を見るのは違うはず。
通信販売とウィンドウショッピングの違い?」
「それは解るんだが……いいのか?
他にも色々ありそうなものだが」
「大抵のものは地球でも楽しめるし、地球を遊び尽したわけでもない。
エヴァの好きなところで、問題無い」
「んー……まあ、管理世界にしかないものではあるし、ネタアイテムがある可能性もあるか。
とりあえずはデバイスのパーツ類が多そうな店を適当に覗いてみよう。途中で気になる店があったら入ってみればいいしな」
「うん、それで」
「AMF対策として、個人で携帯可能な質量兵器を一部解禁か……まあ、アリと言えばありか」
「デバイスとしての認証と登録が必要になっている点が、苦肉の策を感じさせるところ?
それでも、魔力が無い人でも使えるくらいに調整してあるから、技術や案はあったと思える」
「認証は身分証の技術を流用したような感じだが……少なくともこの件に、はやては噛んでいないだろうな。銃器類が広まって喜ぶような性格じゃないだろうし」
特殊デバイスとして銃器の類が販売され始めてるのを見て、好き勝手に批評したり。
現時点ではAMF等で魔法の行使に支障がある環境又は対象限定、かつ、対人での使用は原則禁止で自己防衛に限り許可とかいう面倒な制約付き。
話を聞いた店の人も、周知用に仕入れたけど売れる事は期待してないと言ってた。
デバイス屋を出た後は、ふと気になった店に入って。
「部屋は広くなるし、ベッドも広い方がいい。
具体的には日本で言うキングサイズ、運搬が難しいならシングルを2つ並べる勢いで。
身長を考えると、ロングでなくても充分だけど……広い方がいい?」
「いやまあ、設計ではっちゃけすぎた上に、尺モジュールだと思っていたらメーターモジュールだと途中で言われたから、大きくても楽に置けるのは確かだが。
それでもそれは広すぎないか?」
「今だと狭いからと言って、なかなか一緒に寝てくれない。
それくらい広ければ、その言い訳は使えなくなる」
「週に何回かは一緒に寝ているぞ?」
「私が眠った後で抜け出す事が多々あるから、減点。
エヴァはもっと休むべきで、私はエヴァをもっと全身で感じたい」
「その言い方は色々アウトじゃないか?」
「エヴァならエロもうえるかむ」
「それは直球でアウトだ」
建物の完成まであと1年以上かかるのに、インテリアショップのベッド売り場であれこれ見ながらいちゃついたり。
もちろん、言葉だけじゃなくて。
「後ろからとはいえ、抱き付かれてると動きにくいんだが。
このままおんぶした方がいいのか?」
「所謂あててんのよ状態なのに、反応が薄い」
「私に男としての欲求が残っているなら、歓喜するだろうがな。
それに、よく抱き枕にされていれば、慣れもする」
「女性でも、はやては喜びそう。
だけど、やっぱり大きさが足らない? それなら大人モードで、ついでに脱衣もサービス」
「やらなくていいからな?」
「駝鳥的な意味で?
それとも、人前じゃなくてベッドの中がいい的な意味で?」
「本当に、どっちもやらなくていいからな?」
うん。もはや、何をしに来てるのか解らない状態。
そんな空気のまま、それでもあれこれと見た後は。
「タコは種類の1つで、むしろソーセージやチーズがメインか?
ツナにエビに鶏に豚、コーンやキノコ類もあるのか」
「ミニトマトや餅は、食べるとき気を付けないと熱そう。
だけど種類以前に、自分で焼くタイプのたこ焼き屋がある事の方が意外」
「和食風の定食を出す店があるくらいだから、たこ焼きもどきの存在自体は不思議でないがな。
それに、似たような料理があってもおかしくない」
何故か、たこ焼き屋のテーブルで向かい合ってる。
といっても、純粋なたこ焼き屋じゃない。
しかも、テーブルチャージ料(時間制)が必要。その分メニューは安めみたいだけど。
「こっちのメニューに載ってる、ケーキポップ風のとベビーカステラ風のデザートも地球のに似てる。
だけど、アヒージョ風の方が気になる」
「アヒージョ?」
説明しよう!
アヒージョとは、オリーブオイルとニンニクでエビやキノコ等の食材を煮る、スペイン南部の料理である。
食材を小さめにしてたこ焼き器っぽいので煮る事により、オリーブオイルの必要量と調理時間を減らす効果が期待出来るような気がする。あと、設備の簡素化。
「気がするって、説明になってないような」
「別にいいんじゃないか? 店にとって経費や原価の削減は重要だし、少ない追加投資やリスクで新しい商品を増やせるなら魅力的だ。食材的にも流用出来そうなものも多いし、色々選べた方が嬉しい客もいるだろう。
文句があるとすれば、色々焼くには狭い事か。もう少し穴が多ければな」
「細かく分けてあるから、ゆっくり食べるなら大丈夫かもしれない。
それに、定食や丼物、サイドメニューもそこそこある」
「お好み焼き丼にしか見えないのは、ありかどうか悩むところだがな」
「大阪にはお好み焼き定食もあるらしいから、あり得ないとは言えない。
ラーメンとチャーハンのセットみたいなもの? 炭水化物の組み合わせという意味なら、パスタのセットにパンが含まれるのも同じ」
「……その意味ではあり、なのか?
とりあえず、色々注文するか」
「うん」
そんなわけで、最初にたこ焼きの材料が来たけど。
「いつもと違って、2人しかいないんだ。ピックくらい持ってもいいんじゃないか?」
材料や道具を、主が全部確保してる。
凄く手慣れてるとは言い難いけど、危なげない感じで焼き開始。
「エヴァがやりたいなら止めないけれど、義務感でやろうとしているなら必要無い。
料理が苦手な事は知っているし、店の人も熱いから気を付けてと言っていた。見た目はエヴァの方が子供だから、体裁を考えてもエヴァはゆっくり待つべき。
それに、正妻として譲れない」
「確かに好きではないし、体裁も解るが……最後の正妻は何だ」
「永遠の伴侶。その上、中の人の性別で言えば男女。
肉体面や法制面はともかく、夫と妻が結び合い一体となる事を推奨する、キリスト教を都合よく解釈した意味なら夫婦と呼んで問題ない」
「だからと言って、私が何もしない理由にはならんぞ?」
「夫と妻では、役目が違う。
対等だけど同業ではない。男尊女卑や女尊男卑ではなく、それぞれが別の役目を担うのは、自然な考えと思える」
「うーん……今は私も女という定義に該当するし、キリスト教徒でもないぞ。そもそもあれは、男性らしさや女性らしさという言い方で役目を縛る意味合いもあるしな。
分業の考え方自体は否定しないが」
「エヴァの精神は男性が基本のまま。性同一性障害者という扱いで正しい以上、女性という定義にそのまま当てはめられない。
家庭での料理は、一般的に言えば妻の役目。エヴァは料理を作るのが好きなわけじゃないし、私は私に出来る事をエヴァにしたいと思っている。
だから、私が作って問題ない」
「……うん、これは、あれだ。
フェイトと同じで、一歩間違えれば自立を邪魔して
「エヴァは大丈夫だと信じている。
私程度で駄目になるなら、妹達の時点で堕落しているはず」
「信用が重いな……」
「それに、私達の家族は似たようなもの。
エヴァだけじゃなく、プレシアやフェイト、はやてだって家族を大事にしすぎる傾向がある。リインや
厳しい事を言えそうな人は、王族としての教育を受けたはずのヴィヴィオ、家族という関係自体に惹かれたわけじゃないすずか、友人として隣に立つセツナくらい?」
「ヴィヴィオやすずかは優しさが先に来そうだし、セツナは恩とかで気後れしなければだろうな。
こうして考えると、誰も締める役が出来んのは問題か……」
「だから、中心にいるエヴァが大変。
私はエヴァの役に立ちたい。大した事は出来ないけれど、日常の雑務くらいなら引き受けられる」
「……さっきの言葉を返すが、義務感でやってるなら必要無いぞ?
そうでなくても、助けられている部分は色々あるんだ」
「これは、それなりに感情が戻った結果。
やりたい気持ちでいっぱいだから、やらない方が我慢する事になる」
「はあ……気持ちは受け取るが、無理に続ける必要は無いとも言っておくからな」
「大丈夫、解ってる。
そろそろ焼けたから、あーん」
「……ちょっと待て。
だいたい、焼きたて過ぎて熱いだろう」
「大丈夫、食べ方は明石焼き風。冷たいだしに浸けてあるから、少し冷めているはず。
心配なら口移しで」
「……とりあえず、色々待て」
そんな感じで食事を終えて、お昼が過ぎて。
雑貨屋で部屋に置く小物を見てみたり。
お姉様も主も飾り付けに拘る気が無いから、結果的に実用性重視になる。よって、規格等の問題もあるから日本で買う方がいいだろうという結論が出た。
服屋で互いを着せ替え人形にしてみたり。
もちろん、普通の服なら地球でも出来る。管理世界ならではと言っていいか微妙だけど、バリアジャケット風の服を扱う店を発見。見た目はコスプレ屋に近くても、実際に着る服として作られてるし、デザイン案としての利用価値もある、立派に実用的なお店だった。
下着屋にお姉様が引きずり込まれたり。
仲のいい妹みたいな友人にいろいろ教える姉的な人、みたいな微笑ましい感じで最初のうちは見られてた。後半は、まあ大胆なロリ百合、って目になってたけど。
そんなこんなで、夕暮れ時。
2人はお茶を手に、公園のベンチで休憩中。
「2人だけでこうして1日を過ごしたのは、初めてかもしれない」
「厳密には妹達がいるが……確かに、初めてだな。
前はやる事が多すぎたし、最近は他の誰かがいる事が多かったか」
「2人だけの時間は、意外に短い。特に感情が戻ってからは。
都合よく人通りも無いから、この際はっきり言っておく。
私はエヴァが好き。
戻った感情も、前世の記憶も、間違いなく私がエヴァを異性として愛していると叫んでいる」
「異性として、か……夫婦と言っていたのは、それが理由なのか」
「エヴァの事だから、主従関係とか、主になった時の改変の影響だとか考えてると思う。
だけど、それは関係ない」
「いや、関係無いはずが……」
「関係無い。
だから、また──みみちゃんって呼んで、かずき先輩」
「え……かずき、先輩って事は、前世の……はあっ!?
ちょ、ちょっと待ってくれ。みみ……みみちゃん……って、まさか美術部の……? 五月祭のステージデザインの打ち合わせくらいでしか、会ってない、はず……だよ、な?」
「それで合っている。それに、私は迷惑をかけるばかりだったし、老け顔で美人でも可愛くも無かったから、良く思われているわけがないと思っている。美術部の可愛い先輩をちらちら見ていたのも気付いていた。
だけど。優しくフォローしてくれたのは嬉しかった。慌て者で失敗の多かった私でも出来る仕事を回してくれて……知り合いですらなかった私の、居場所を作ってくれて。
その時に私は、この人の役に立ちたいと思った……生まれて初めて、思ったんです」
「……何てこった。ここにきて前世絡みなのか……」
「だから、転生とか主従とか今世の出来事は、気持ちが強くなった要素ではあるけれど。
気持ちを伝える自信を持つために、必要だったけれど。
「あくまでも私を男性として見ていたのは、そういう訳だったのか……」
「ジュエルシード事件の頃は、面影を重ねていただけだった。私が役に立ちたいと思った時に似た条件が揃っていると思えたから、きっと同じように思うだろうと考えていただけ。
エヴァの前世に気付いたのは、五月祭の時。あれだけ解りやすい情報を漏らしてくれたから可能性に気付けて、妹達に名前を確認して確信した。
転生特典を破壊した後、最初に感じたのは、愛おしい気持ち。
あの時、貴方に会えて。もう一度、貴方に会えて……本当に、良かった」
「全く……今も昔も、私の目は節穴だな」
「私は何も言わなかったし、妹達にも伝えない様に頼んでいた。
気付かなくて当然」
「いや、そうじゃない。
ここまで想ってくれている事に気付かない……散々好きだと言われていたのに、本気で考えていなかった自分に呆れているだけだ」
「今のエヴァは女性の姿をしている。
だから、男性として想われる事を除外して考えても仕方がない」
「そうなんだろうが、言い訳でしかないしな……だけど、まあ、なんだ。
とりあえず、どっちの名で呼べばいい?」
「今の名前、アコノで。
水葉だと他の人に説明しないといけなくなるし、一緒に過ごした2年以上の時間を捨てる事にもなるから」
「解った。一度しか言わないからな。
私、エヴァンジュ・テスタロッサは、アコノ・八神・テスタロッサを妻とし、この約束をお互いの譲れない意思によるものだと理解し、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、永遠の果てに2人が死を迎えるまで共に歩む事を誓う。
……指輪はしっかりした物を用意したいから、後日でいいか?」
「誓いだけでも、嬉しい。
だけど……」
「……アコノ。目を閉じてくれ」
「うん……」
そして重なる、お姉様と主の影。
機動6課メンバーや犯罪現場との遭遇?
そんな無粋なイベントが発生するわけがない(使命感)。
デバイスの部品購入、実際はどれくらい制限がかかってるんでしょう?
スバルやティアナが自作してる以上、資格やらでガチガチとは考えにくいですし、魔法を使った犯罪を考えると無制限とも思えないですし。
というわけで、最低限「身分証明」が必要、それ以外にも何か必要かもしれない感じで。
あと、エヴァとアコノの関係、一歩前(?)へ。精神的に男女(本人同士はそのつもり)ですが、外見的には明らかにGLです。掛算が完全成立です。3月の「ガールズラブ」の警告タグ追加は、この回の内容がある程度決まった時に行いました。
それにしても、おかしいです。いつの間にアコノの前世がエヴァの前世の後輩で面識アリになったんだろう……この回の内容を考え始めた時点ではそんな設定どころか前世の名前すら無かったのに。おかげでアコノの転生特典の意味合いが凄い事になってるんですが。
エヴァとアコノが適当にいちゃいちゃするだけのつもりだったのに。「はずだった何か」の大雑把なプロット時点ではそれすら無かったはずなのに。ドウシテコウナッタ。おのれアコノ、エヴァといちゃつきたいからと設定にまで手出ししおって(違
ちなみにアコノの前世の名前は、リリカルなのは(A’s~STS)に倣って自動車関係由来ですヨ。
2015/05/21 一部内容を調整したものが予約投稿に反映出来ていなかったので、改稿
2015/05/22 10近く前→10年近く前 に修正