青の悪意と曙の意思   作:deckstick

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蛇足:或いはこんな未来も/StrikerSだった何か2006年08月~

 ◇◆◇ 2006年(新暦67年)08月A ◇◆◇

 

 

 お姉様達が、元の世界に戻ってきた。

 こちらでの時間経過は、1週間と3時間。

 当初の予想よりは長いけど、可能性として考えてた範囲。

 学生は夏休みだし、仕事も長めの休暇を入れてあった期間で収まった。

 並行世界移動も安定している事が確認出来たし、大きな問題は無い。

 意外にもクロノ・ハラオウンからの、戻ったら連絡を欲しいという伝言があっただけで。

 

「で、何があった?」

 

『悪い事じゃない。むしろ、一般的には喜ばしい事だ。

 プレシアが提供した技術が、実際に幼い命を救ったんだ。

 臨床試験を受け入れた両親が大変喜んでいて、礼をしたいので療養を兼ねて滞在している別荘へいらして下さい、気に入られましたらいつでも準備を整えておきますのでご自由にお使い下さい、と言っているそうだ』

 

「確かに、実際に治療で使えたならプレシアも技術を提供した甲斐があったと言えるし、礼を受け取るかどうかはともかく、喜ぶのも理解は出来る。

 だが、プレシアの現在の地位を知ってそう言えるなら相応の地位や資産を持つのだろうし、私達にとっては問題があるという言い方だな?」

 

『ああ。

 1つ目、その家は近隣の次元世界を股に掛ける商家だ。どうも今回の改革で発生した混乱から距離を置き、市民の生活を支えていた実力者という事らしい。下手に断って関係を悪化させてほしくないと近隣世界の代表数人が代表評議会で発言する程度には、軽視出来ない相手だそうだ。

 それに、僕達が最高評議会とのパイプを独占しようとしているという批判がまた出始めている。もう少し他の人とも交流してもらえると有り難い』

 

「確かに私達にとって面白くない展開だな。批判の矛先も、私達を追い落とす方向に向いてもらった方がよほどいいんだが……

 それに、まだあるのか?」

 

『2つ目なんだが。

 救われた子供の名は、エリオ・モンディアルだ』

 

「……そう来るか。そう来てしまうのか。

 今更原作がどうのと言う気も無いが、ここでその名を聞くとは思わなかった」

 

 だって、つい先日まで間近で見れたし。

 訓練で何度も撃墜させてたし。

 

『もちろん、訪問を強制するような馬……じゃない、立場や役目を理解出来ない者はいないが。

 どうする?』

 

「とりあえず言っておくが、勝手に処分しなくてもいいんだぞ? 八つ当たりの相手が減ってしまうからな」

 

『やったのは僕じゃない。苦情はわざわざ付け入る隙を晒した犯罪者達と、二次被害を警戒して過剰反応する人達に言ってくれ』

 

「ああ、そういう連中か……優先順位が変わっただけなら、何を言っても無駄そうだ。

 ところでお前個人としては、交流を持っても大丈夫そうな相手だと思っているのか?」

 

『正直に言えば、よく解らない。ただ、本人達は純粋な感謝の気持ちによる招待であり、この繋がりを利用する意図は全く無いと明言しているのは確かだ。それに、経歴から見て政治とは距離を置いているし、交易と言う意味では地球や別荘産の品はあまり出回っていない地域になる。政界進出以外ではあまり利点が無いとは言える。

 交流に反対する意見は、この様な形で先例を作って今後招致の嘆願が増える事を危惧する事務方のものと、仲が良くない次元世界の代表が牽制してきたものくらいしかなかったのも事実だ。それも独占を批判する声であっさりと撤回する程度だから、あまり問題視されていないと見ていい』

 

「事実上、反対が無いのか。

 とりあえず、モンディアルの件をどうするかは、保留だ。近いうちに相談して決めるから、それでいいな?」

 

『ああ。僕達が止めているという状況でない事を説明出来るようになれば、大丈夫だ。

 そうそう、もう1つ別件の連絡がある。

 君の国がある世界は、第1到達不可世界として扱われることになった。ようやく、辿り着けない事に納得してもらえたようだ』

 

「到達不可、か。安直だな?」

 

『隠されているとか、行ってはならないとか、そういう意図的な制限ではない事を明確にする為の呼称だ。

 定義は、通常の手法では到達出来ず、往来するには特別な手段が必要となる世界。通常の手段では往来出来ないという事は管理も不可能、広い意味では管理外世界の一種という扱いになる。

 他にそのような世界が存在している可能性が否定出来ないから、新しいカテゴリーに分類する意味は充分だろう。例えば並行世界が何らかの形で広まってしまったら、これに該当する事になるはずだ』

 

「まあ、そうなるだろうが、別に呼び方などどうだっていいさ。

 一般的にあの世界はエヴァンジュ・リゾートで通ってしまっているわけだし、並行世界も私達が介在しなければ証明出来ないからな」

 

『違いない』

 

 

 ◇◆◇ 2006年(新暦67年)08月B ◇◆◇

 

 

「という訳ですので、この様な内容での契約とさせて頂きたいと考えております」

 

 お姉様とプレシアは現在、とある人物を交えて真面目なお話し中。

 主な内容は、新しい家に関して……なんだけど、それだけじゃ済んでない部分もかなりある。

 

「ふむ。要するに、私達が所有するのではなく、私達に貸すのでもなく、私達に管理を任せるという形にするわけか。一応接待やらで使う事も想定するが、私達が認めた相手以外に使わせる必要は無い、と。

 随分と私達に都合の良い話には聞こえるが……」

 

「管理費という形で給与も支払えますし、税金もこちらで処理出来ます。将来的に戸籍の切り替え等を行う際も契約者を変更するだけですので、相続関連の心配もありません。

 勿論、我々の組織は呉越同舟ですから、持続性に不安を感じるのは仕方ありません。

 ですが、当社の役目は貴女方に快適に過ごして頂き、管理局や犯罪者に関する業務を円滑に行える環境を維持する事にあります。その点でのブレはありませんし、意思決定のルールも株式会社という体裁で定義されているものに従います。

 最大株主は土地及び建物を現物出資する我々となる予定ですし、主要国の関係組織で過半数の株式を保有致します。他の組織や国は、関係を維持する為に株主になるようなものです」

 

「まあ、言いたい事は解る。だが、私達の関係者で色々やるつもりでいたが、それはどうなる?」

 

「マンションとしての管理業務を委託する者は、必要です。事情に明るく真面目な方がいれば、是非紹介して頂きたいくらいです。

 我々がテスタロッサ家に委託するのは、マンションの一部に設けられた接待用設備の管理及び接待業務ですので、その為に必要な人手を雇用等の手段で得る事も、問題ありません。

 また、テスタロッサ家とグラシア様には、これまでと同じように管理局や聖王教会関連の業務を依頼する事もありますし、その依頼料は経費等と合わせて別途計上する事になるでしょう。

 交易関係に関しても、多くの国と関わる事が可能な状況が出来上がります。現状より動きやすくなるのは間違いありません。

 伺っていた事や、こちらで予想したものはこれくらいですが、他に何かありますでしょうか?」

 

「ふむ……まあ、所有に拘る気は無いし、問題は無さそうだが……

 プレシア、どう思う?」

 

「話を聞く限りでは、問題無さそうね。

 以前渡した技術の技術料を受け取っているけれど、その扱いはどうなるのかしら?」

 

「今後も従来と同じ形で継続致しますし、スカリエッティ様の部屋もその報酬の一環とする方向で調整が進んでおります。

 当社の業務として、各国での特許取得と企業への売り込みも行う予定です。参加国が多い事で売り込み先が増える可能性もありますし、特許の同時出願を行い易くなりますから技術料を上げる事も可能になると予想しております。悪用する相手の対処に関しては、それこそ裏側の力の見せ所です。

 ちなみに社名はテスタロッサに因んで、レッドヘッド株式会社となる予定です。

 いかがでしょう?」

 

「そうね、問題無いわ」

 

 そんな感じで、話がまとまって。

 正式に契約を結んだ帰り道。

 

「まあ、私達の所有としない事で、私達を縛りやすくする目的はあるのだろうが……」

 

「当然でしょう。

 私達がこの星を捨てる事が出来るからこそ、結びつきを強くしておきたいという意図が透けて見えていたわ」

 

「管理局やらとの交渉で、私達の存在は有利に働いている様だからな。

 金で恩を売れるなら、この程度の金額は惜しくないという事か」

 

「貨幣経済では、最も汎用性の高い恩の売り方よ。

 必要な物でもあるのだし、貰う方がうまくいくのだから、貰っておきなさい」

 

「そうなんだがな。正直言って、家の方もはっちゃけ過ぎたのが悪かった気がするぞ。

 建てる事になったせいで、他の家にも引っ越し辛いし……今の八神家では、全員入れん」

 

「たまに顔を出しているけれど、母親らしくは無いわね。

 解体も終わって、基礎工事が始まったところらしいけれど……あと1年半くらいと言ってたかしら?」

 

「まだ先だな。私達の時間から見れば短いものだが、私達が住むだけの建物ならもっと早かったんじゃないかとも思うぞ」

 

「それがさほど気にならないのも、別荘の弊害かしらね」

 

 

 ◇◆◇ 2006年(新暦67年)08月C ◇◆◇

 

 

 クロノ・ハラオウンとの会話から、約2週間。

 時折やり取りしてるメールでエリオ・モンディアル(真)が生きていたことを知らせて【八神はやて】達を驚かせたり、本人と月村家の依頼と了承で馬場鹿乃の転生特典を解除したりしながら、なんとなく準備は進み。

 お姉様達は、とある管理世界に降り立った。

 

「ようこそおいで下さいました。

 私はこの街で商人のまとめ役をしております、ソリオ・モンディアルと申します」

 

 それを出迎えるのは、まとめ役としては比較的若い男性。

 痩せ型でどじょう髭(短い方)の顔も、ぶっちゃければStrikerSにちょっと出た姿と一緒。

 

 閑話休題(ぶっちゃけそれはどうでもよくて)

 

 この街は観光に訪れる人も多い交易都市。大型のイベント会場や宿泊施設も多く、大型のハブ空港もすぐ近くにある上に、直上の静止衛星軌道には中継用の宇宙ステーションも完備してる。

 近隣の次元世界から物や情報が真っ先に集まるから、個人組織を問わずに買い物目的の人も多く、中心部はいつも超賑やか。買い物目的なら、つい最近歩いたクラナガンよりも歩き甲斐があるかもしれない。

 まさに、商人の商人による商売の為の街。

 1年中気候が安定しているせいか、郊外の方には療養や医療目的の設備が多く静かな区画があり、ここが療養地として有名。技術交流も活発だから治験等も盛んに行われてるらしく、プレシアの技術が流れてきたのはある意味必然に見えるけど、お姉様には直接は関係しない。

 移動は、アースラが整備や補給の為に本局に戻るのに便乗、本局からはこっち方面担当の巡回を担当する部隊に護衛されながら。お姉様は自前か一般の旅客艦でいいと言ってたけど、体裁と警備と騒動対策の為にそれは止めてほしいと担当者……クロノ・ハラオウンの本局での補佐官に、泣いて説得されてた。

 

「だが、本当に良いのか?

 もう少し話をしても良かったと思うが」

 

「一応、私らもお偉いさんの肩書で来てるはずやし」

 

 そしてリインフォースとはやては、ジュースを手に困惑中。

 その理由は、挨拶もそこそこに、プレシアと護衛とゆっくりしたい人(セツナやすずかたち)変態(ロリコン)以外の人、つまり、主、はやて、リインフォース、ヴィヴィオ、カリム・グラシア、リンディ・ハラオウンを、お姉様が観光に連れ出した事。

 付いてくる護衛な人達は、連れ出した数に含めない。シグナムやシャッハ・ヌエラ達と現地の警備部隊が調整して、邪魔にならない程度に控えてるだけだし。

 ちなみにアルフとザフィーラ、おまけにエイミィ・リミエッタ達は、日本で留守番。教導の仕事やら親衛隊としての防衛任務やらもあるから、全員で来るのは無理。似た理由で、クロノ・ハラオウンも本局でお仕事中。

 

「少なくとも表向きの目的はプレシアだから、これでいいんだ。私達があいつらに取り込まれたように見えると、余計な場所に蠅が湧く可能性がある。私のスタンスはプレシアが伝えてくれるはずだから、それで充分だ。

 それに、どうもこの近隣世界は政治や宗教といった権力的な物から距離を置く傾向がある文化らしい。明らかに権力側で護衛やらの姿も見える私達の場合、空気を読めない阿呆や外部からの刺客的な馬鹿くらいしか寄ってこない可能性が高いらしいぞ?

 聖王教会の勢力も小さくて、冠婚葬祭と医療程度に徹しているようだしな」

 

「つまり、私達が護衛される側である事を自覚する限り、比較的普通に動く事が出来るという事。教会も間を飛ばして中央にすり寄る事の危険性は把握しているし、そもそも熱心な信者も騎士団もいないから、司祭が挨拶に来る程度の筈。

 ヴィヴィオやカリムを含めた私達にとって、管理世界では珍しい“騒がれずに行動出来る”地域の可能性が高い」

 

「あの地での生活も特に騒がれる事は無いのですし、私は聖王陛下の威光が届いていない事を嘆くべき立場なのですが」

 

「魔法の秘匿を気にせず、かつに自由に動ける地、という意味では貴重ですよ。

 それに、私の権威に意味はありません」

 

 ヴィヴィオは微笑んでるけど、カリム・グラシアは苦笑気味。

 立場をどう考えるかで、この世界の意味が大きく変わる。

 

「ヴィヴィオ様自身はそう感じておられるかもしれませんが、道義や倫理はある程度統一されている事が望ましいのです。

 何が推奨され、何が許されないのか。その指針を維持し、教え広めるのも、私達聖王教会の役目なのです」

 

「だからと言って、少数の意見を殺してしまうのは良くありませんよ?」

 

「もちろんです。

 時代が変われば考え方も変わります。住む場所が違えば、気候が違えば、文化が違えば、民族の成り立ちが違えば、歩んできた歴史が違えば。守るべき約束もまた変わるのは当然の事です」

 

「その意味では、人と人の間に立つ商人も、似た事を考える者は多いと思うぞ」

 

「商人は理解をしても、広めようとはしません。

 商人とは、基本的に利を追うものです。人を繋ぐのは利に繋がるからであり、理や情によるものではありませんから」

 

「だが、人が動く、人を動かすには充分な理由だぞ。

 人と人が互いに求めるものを交換する為に、対話する必要がある。

 お互いがいなくなっては困る立場になる事で、平和な状態を維持しようという力が働く。

 ただ平和を求めたり、一方的に要求したりするよりも、よほど安定すると思うがな」

 

「それはそうなのですが、利益のために人を抑圧したり、人の命をも商品と見なしたりするのもまた商人なのです。

 いえ、商人には限りませんね。大きな組織……統治機構や時空管理局であっても、道を踏み外す事はあるのです」

 

「それは宗教も同じで、聖王教会も大きな組織という点では大して変わらんさ。

 むしろ、勢力を広げるために他の宗教の神を悪魔と罵り信者を弾圧する事もあるくらいには、盲目になった信者や正義という名の免罪符を手にした指導者は恐ろしいぞ」

 

「確かに、それも無視すべきではない危険性です。

 それでも、お互いを尊重し、手を取り合える未来を目指すという点だけは、揺らいではならない理念であり、人が信じるべき教えの根幹になるべきものだと思うのです。

 その模範となり、架け橋となれる信徒の存在は重要です」

 

「その辺は宗教の立ち位置にも絡む問題で、文化の違いが大きく影響する部分だと思うが。

 ……ところで、観光都市に遊びに来ているのに、どうしてこんな話になっているんだ?」

 

「きっと、視点や価値観の差異と、論点がずれているせい。

 そもそも立場や状況をどう扱うか、エヴァとカリムで大きく違うから」

 

 ジュースを飲みながら静観してた主の、的確なツッコミ。

 でも、もっと根本的な部分は、お姉様がここを“管理世界でも立場で縛られずに動ける場所”と判断して、カリム・グラシア達にもそう認識させようとしてる事だと思う。

 

 

 ◇◆◇ 2006年(新暦67年)09月 ◇◆◇

 

 

 各地の権力者や有力者からの誘いを、権力目的ですり寄る馬鹿に用は無いと一蹴しつつ。

 今日も今日とて、お姉様は研究中。

 理由はもちろん、能力を全て把握するに至ってないから。

 世界への干渉は感覚的なものが大きくて定量化出来そうにない上に、やろうとした事は大抵出来てしまうから、限界を把握するのは既に諦め気味だけど。

 問題は、どこまで出来るか。

 ついでに既存技術とお姉様の力で行使した結果の差異やらも調査中だし、既存技術をお姉様の力で検証もしてる。

 

「今となって見ると、別荘の空間はちょっとざわつくような感じがするが……」

 

 というわけでお姉様は現在、別荘の空間を調査中。

 特に別荘にいる時に、空間に違和感があるようになってきたらしい。

 私達や既存の設備では、誤差や世界毎の差異といった“正常範囲内である”事しか判らない。

 お姉様以外は違和を感じてないし、ここしばらくで変化があった様子も無い。

 考えられる可能性は、お姉様の能力向上? 機械的なノイズを拾ってしまうようになった?

 他の次元世界や並行世界に滞在した影響? モンディアルな所に行っていた間は、別荘に入らなかったし。

 

「デバイスの格納領域ではほとんど気にならないのが余計に解らん。プレシアの研究室用に使っていた物以外は小さすぎて、比較対象にも出来んが。

 検証の為だけにデバイスを作るのも面倒だし、他の世界と別荘の違いを調べた方がまだ……あ゛」

 

 出てはいけない声が聞こえた気がする。

 何だか警報音が聞こえる。

 設備の管理や保守を担当してる従者達が慌ててる。

 なんということでしょう。お姉様の手によって……いったい何が?

 

『……エヴァンジュより、別荘の全住人に通達だ。

 空間維持設備を順次停止してくれ。同時に一部駆動炉を停止してエネルギー供給量を削減、過剰供給への対応を頼む。

 警報自体は問題ない。別荘の空間は現在……私の制御下にあり、これまでの様な維持管理は必要無くなっている。念のため設備自体はしばらく維持しておいてくれ。

 以上だ』

 

 なんということをしてくれたのでしょう。お姉様の手によって、2500年続いた別荘の空間維持管理業務が取り払われたではありませんか。

 人工空間でなければ不要だった作業が減るからいい事ではあるだろうけど、突然すぎて担当者達がちょっと不憫。

 

「……ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 やってもうたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 お姉様のキャラまで壊れてる。

 もしくは、お姉様が壊れた?

 想像出来る気がするけど、いったい何が?

 

「……ここの空間そのものに私が同化して、安定的な空間に変化した。

 この空間を世界と表現するなら、この世界が私で、この世界にある物は全て私の支配下にあり、この世界が無くなるまで私も消える事が出来なくなった……と、思う」

 

 取り敢えず、お姉様が再構成される世界が増えたのは確実?

 これで3つ目?

 

「違う。この世界がある限り、再構成すら必要無くなったという意味だ。

 今はこの体が基点になっているが……」

 

 ん? お姉様基準の探知領域が急速拡大?

 魔力生成速度も急上昇?

 

「取り敢えず、日本相当範囲を覆える位にまで“私と認識する範囲”を広げてみた。

 だが……状況を調べるにも慣れが必要そうだな。従者達の居場所を把握する程度は問題無いが、自動人形まで広げると数が多すぎるし行動を調べるには情報量が増えすぎる」

 

 本来は慣れなんてレベルじゃない。

 でも、これだけはやっておきたい。

 うはwwwwそれなんて神wwwwwwww

 

「うざい」

 

 ひどい。

 でも、会話は従来通り?

 従来の2つの世界での扱いは?

 

「物理的なインターフェースとしての体は、維持する事になるだろう。別荘以外で体が必要なのは今まで通りの様だから、日本で過ごすには不可欠な端末でもあるしな。

 あの2つの世界での再構成がどうなるのかはよく解らんが……私が管理し切れるなら、体も増やせそうだな。どれも本物で、どれも本体ではないが」

 

 お姉様の本体が別荘の世界になったから?

 お姉様が増える……

 もしかして:別途魔力回路を用意しなくても私達が複数の世界で活動する事が可能?

 

「……うん、出来そうだな。

 魔力や通信の維持に特化するなら、人型である必要も無いだろうし……」

 

 魔力回路維持担当使い魔の存在意義の危機をお知らせします。

 

「……いけるな。これならアコノやセツナ達に私が付き添えば、行動範囲の制限は無くなるか。感覚やらを切っておけば居場所以外は伝わらんだろうし、それは今でも変わらんな。

 面倒事のせいで他の次元世界に行くこともあり得なくはないだろうから、一応相談を……いや、別行動しない理由を残しておいた方がいいか? だが、書の構造を迂闊に漏らすわけにも……」

 

 ああ、お姉様がポンコツに。

 最終的には本人に相談して希望を受け入れるんだから、悩むだけ無駄なのに。

 でも、思考がグルグル回ってるお姉様も、何だかかわいい。




StrikerS用フラグ回収回。又は、いつの間にかエリオが救われていた回。


アースラは、たまに本局へ戻っています。地球には整備する設備とかありませんし、所属(母港)は本局です。転移で送れない物資類もあるでしょう。
その間はハラオウン家(兼司令部)でエイミィが司令代行、武装隊は日本に確保した家で生活します。
レーダー的な物なんかは、アースラと現地設備で2重化しています。アースラの整備・補給中は何も出来ません、では親衛隊として格好がつかないので。
全て別荘で賄いエヴァ達の自衛能力に依存する、というわけにはいかないのですよ。別荘は出入りにエヴァやチャチャ達の協力が必要だし、依存しすぎると部隊の存在意義に関わるし。

隊員の休暇(本局などへの一時帰宅)は、リンディが日本から本局に通っている(StrikerS公式)くらいだから、普通に交代でいけるでしょう。
でも、Vividだとルール-達がいるカルナージまで4時間かけて次元船で移動。転移より次元船の方が安いんですかね? 転移用設備の維持費が問題なら、地球だって(リンディ以外は)あまり使ってないと思いますけど。提督の権限で押し通してるのかしらん。


エヴァは順調にチート路線を歩んでおります。「世界と契約」に「世界と同化」が加わりました。
但し、力関係的には「多くの次元世界を含む、原作同様の規模を持つ“世界”」>>「エヴァが同化した、極小規模次元世界相当の“世界”」となっています。
その為、既存の「契約」はまだ有効で「同化した世界の崩壊時」は「いずれかの世界で再構成」が行われます。同化した世界ごと、新しい次元世界みたいな感じで。
要するに、頑張ってエヴァの世界を崩壊させても、星や従者ごと復活します。例外は「外部から一時的に別荘に来ていた人・物≒つまり別荘の一部と見なされないもの」。


今までも何度か使った事のある「普通の平仮名+濁点」は「あ゙(U+3042 U+3099)」で問題無ければそっちを使いたかったのですが……ブラウザが期待した形で表示してくれないみたいですね。IE(Win),Chrome(Win&iOS),Safari(iOS)まで全滅。なんてこったい。Firefox(Win)がそれっぽく表示したのは驚きです。
Wordだけじゃなくて、メモ帳(Win7標準のやつ)や、ブラウザ(WinのIEやChrome)でもアドレスバーならいい感じで表示されるので、Unicodeはやっぱり怪しい。仕様が面倒臭いとも言います。
ガラケー製造終了予告を受けて調査してみたのですが……駄目だこりゃ。
というか、今でもT005を使っていて、カメラの反応速度(AFありだとボタン押してから撮影まで数秒、そこから保存に数秒かかる)以外に不満が無い私はどうすればいいんだー。プランSSでパケホ系契約なしでも無料通話が余る(そして家族に使われる)私にとって、スマホは高いでかい壊れやすいと、いいとこなしなんですが。MVNOは家族間通話無料(これは重要)とか無いし。


2015/06/18 以下を修正
 優先順→優先順位
 同時に一部駆動炉の停止を伴うエネルギー供給量の削減を行い→同時に一部駆動炉を停止してエネルギー供給量を削減
2017/05/03 叉に掛ける→股に掛ける に修正
2019/07/31 批判も出始めている→批判がまた出始めている に変更

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