青の悪意と曙の意思   作:deckstick

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テレビ版の第3話(夜明け後)~第4話の開始直後(サブタイトルまで)に、がっつり対応します。
サッカーの試合の話です。


無印編05話 ストーキング

 一夜明け、日曜になった。

 主の家族、つまり主の両親と兄は、朝から3人で出掛けていて留守。

 主は、別荘に籠って魔法の練習中。

 お姉様は、サーチャーを飛ばして高町なのはの様子を見ている。

 

「今のところは、原作との齟齬は無いように見えるが……」

 

 見ているのは、サッカーの試合。

 応援に来ている高町なのは。

 膝の上に、フェレットもどきの姿もある。

 隣にはアリサ、すずかと呼ばれる少女の姿もある。

 外見や行動等を見ても、原作のアリサ・バニングス、月村すずかと判断して良さそう。

 アリサ・バニングスは原作同様一般人。魔力もリンカーコアも反応はほぼ無い。

 月村すずかもリンカーコアの反応は誤差水準。若干の魔力反応あり?

 コーチである高町士郎もいる。こちらも月村すずか同様、リンカーコアの反応は誤差の範囲だが若干の魔力反応がある?

 魔力量は二人とも魔法を使用できるレベルではない。

 封印や隠蔽としても不自然。

 リンカーコアを隠すにしても、漏れてる魔力相応に見えるようにした方が自然。

 

「そっちも気になる……くっ、色々面白すぎる」

 

 原作との比較は私達が担当。

 お姉様は気になる点の模索を推奨。

 試合は終盤。

 翠屋が2点取っている。

 原作なら、このまま試合終了。

 主将がジュエルシードを保有しているはず。

 身に付けてはいない模様。荷物に入っている?

 試合中に身に付けていたら、試合中に発動と予想。

 

「子供のチームだからな。試合自体は大したものではないだろう。

 ところで、リンカーコアと魔力量の対比で、選手の子供たちに不自然な者はいないか?」

 

 子供たちは、概ねリンカーコアと魔力量は対応する模様。

 アルハザードや夜天の資料と比較しても、極端な乖離は無い。

 明確な乖離は、やはり2名。

 

「人間らしからぬ身体能力の可能性がある人物だからな……何かあるのは間違いないが。

 そのうち調査してみるか?」

 

 現在は余力不足。

 私達の増員を検討?

 従者を調査に動員?

 調査活動の隠蔽に不安要素。

 ジュエルシードや夜天の件がある程度落ち着くまでは放置の気配。

 

「そうだな……急いで調べる程でもないか」

 

 

 ◇◆◇ ◇◆◇

 

 

 そして、昼。

 主は別荘から出てきて昼食を食べている。

 別荘内なら従者や私達と一緒に食事も可能だが、食べたという状況証拠を残す必要があるため、用意されているものをお姉様と喋りながら食べる事になっている。

 サッカーチーム及び原作の人物達は、翠屋へ移動して食事中。

 

「つまり、今のところは乖離が無い?」

 

「今日のサッカーの試合に関しては、そうなる」

 

 食事をとりながら午前中に見ていた情報を確認、併せて現在の状況を見ている。

 給仕としてチャチャマルが出ようとしたが、それは却下された。お姉様の手伝いも固辞。

 主が自分でできる範囲以上の事をしてしまい、家族に不信感を与えるのを避けるため。

 

「原作通りなら、もうすぐなのはがキャプテンの持つジュエルシードに気付くはずだが……」

 

「精神的に追い詰めるイベントのはず。

 傍観する?」

 

「物語としては、覚悟を決めるための意味のあるものではある。

 原作より悪化しなければ、傍観の予定だ」

 

「そう」

 

 原作三人娘、昼食終了。

 ケーキとジュースを注文。

 おいしそう。

 ケーキの製法の調査を検討。

 

「そっちに走るのか?」

 

「現状で特別問題となりそうな点は無い。

 原作を考えても、ケーキはおいしそうと思える」

 

「そうか?

 ……まあ、アコノが楽しみに出来るなら何よりか」

 

 調査余力不足が深刻。

 インターネットの積極的な活用を検討。

 主の父親が使用するために、インターネットに接続できる環境は存在。

 不在時の間借が有力候補。

 電子精霊も役に立つ。

 各地の国や研究所等に潜り込めば、色々と調べられる事は確認済み。

 出版社や放送関係、及び図書館の調査もより大規模に。

 地球の情報捜索は電子精霊を中心にして、私達は魔法関係に集中することも検討。

 

「……程々にな」

 

「おやつにおいしいものを食べられそう」

 

 付近に低レベルの魔力反応を確認。

 外見はガラの悪い衛宮士郎の様な感じ。

 ネギま、とあるに続き、Fateの介在もほぼ確定?

 身長や体格的に、中学生と予想。

 雰囲気は胡散臭い。

 人を見下している感じの目が嫌らしい。

 転生者の可能性が濃厚。

 

「来た?」

 

「来たようだな。

 勘違いオリ主様か……?

 とりあえず、魔力やらの解析を」

 

 魔力量は低い。

 Dランク程度?

 

「可能な範囲での情報収集を優先だ。転生者の特徴の特定は急がないから、じっくりやってくれ。

 しかし……これはひどい」

 

 勘違いオリ主、翠屋に到着。

 真っ先に3人娘に俺の嫁宣言。

 サッカーチームの男子と対立。

 3人娘は嫌悪を感じている模様。

 当然の反応。

 

「やはり、勘違いハーレムオリ主様だったか……まともな戦力にもならないだろうに、ほいほい翠屋に来る輩だ。予想はしていたが」

 

「この様子だと、転生特典にニコポかナデポを要求している可能性が高い?」

 

「有り得るが……具体的な要求は駄目みたいな事を言われなかったか?」

 

「言われた。

 具体的な物は、改悪か乖離が激しいと予想してる」

 

 勘違いハーレムオリ主は3人娘に突撃を敢行。

 選手達が人の壁となっている。

 ロリコン呼ばわりされている。

 言われた本人が何故か唖然としている。

 気付いていなかった?

 中学生が小学3年生に言い寄る構図。

 3人娘が年齢の割に大人びていると言っても、どう見ても子供。

 反論は難しい。

 

「……どこまで阿呆なんだか……」

 

「手の付けられない程度?」

 

 勘違いハーレムオリ主は高町なのはに手を伸ばすも、高町士郎に阻止された。

 選手達によるふるぼっこ。

 高町士郎が止める事態に。

 

「色々と突っ込みどころが……」

 

「分かりやすい結末にも思える」

 

 高町士郎が出入り禁止宣告。

 選手一同及び高町士郎と敵対。騒動フラグが立っている。

 場所と状況と行動が悪い。

 当然の結末。

 行動から察するに、ナデポを特典に持つと予想。

 

「お、諦めたか?」

 

 勘違いハーレムオリ主は落ち込んでいる模様。

 アリサ・バニングスと月村すずかに迎えが到着。

 高町なのはは高町士郎と共に帰宅する模様。

 原作同様の行動。だけど、明らかに護衛。

 

「……ん?

 サッカーチームのキャプテンは?」

 

「ジュエルシードを確認するはず?」

 

 他の選手達と、撃退を喜んでいる。

 マネージャーや応援の女子も同様。

 このまま解散の気配。

 

「気付かなかった……のか?

 いや、気付く状態にならなかった、が正しいか?」

 

「転生者の介入で変化した?

 ジュエルシードは?」

 

 ジュエルシードは鞄に入っている模様。

 マネージャーと連れ立って帰っていった。

 他の選手達もそれぞれ店を出ていく。

 

「さて……ストーリーも乖離が始まったと見るべきか?」

 

「予想された事態。

 だけど、内容が少々予想外?

 転生者の間抜けさだけが際立っている」

 

「ただ、乖離のタイミングが気になる。

 私達が介入可能になったのは、実質的に原作開始後だろう?

 アコノは能力的に考えて、気軽に会いに行ける状態ではなかったし、原作知識も思い出せていなかった。

 私が目覚めたのは、原作開始後だ。

 これも、神もどきの悪意か……?」

 

「ジュエルシード事件までの制限に該当する?」

 

「可能性はある。

 ただ、制限解除の切っ掛けが事件開始ではない気がしてな」

 

 現在判明している転生者は、主とお姉様を含めて4名。

 内1名は未だに原作開始に気付いていない模様。

 事件開始までとは言っていない。

 事件終了までの意味と捉える事も不可能ではない。

 嘘にならない範囲?

 

「かなり怪しいものだが……悪意、だろうな」

 

「人数を把握させない意味も含む?」

 

「かもしれん。

 さて、転生者も1人確認できて、残りは発動と封印を見守るだけか。

 そろそろ練習に戻るか?」

 

「そうする」

 

 

 ◇◆◇ ◇◆◇

 

 

 というわけで。

 主将はジュエルシードを発動。

 町は大樹に覆われた。

 高町なのははエリアサーチと遠距離砲撃でジュエルシードを封印。

 これだけで済めば、原作通り。

 

「やっぱり、乖離していたな……」

 

 レイジングハートのカノンモードを確認。

 特徴的なトリガーユニットも存在。

 装備は映画版であることが確定。

 高町なのははやる気に溢れている。

 主将が持つジュエルシードに気付いていなかった模様。

 微鬱展開を回避。

 この街を全力で守る宣言。

 ユーノ・スクライアと共に使命感に溢れている。

 

「いい事なんだろうか……?」

 

 自分を追い込まないという意味では、きっと。

 全力で無茶をするフラグとも考えられる。

 入局2年目の撃墜フラグは恐らく継続。

 

「だが、ここで学校を休むとか言い始めたのは……ああ、ユーノが止める役に回ったか」

 

 ユーノ・スクライアがなんだか男らしい。

 原作と違って抑え役に。

 生活を壊したくないとか、今更な話。

 探索により力を入れる羽目になった。

 

「ユーノの魔力の回復状況は?」

 

 適合不良はだいぶ治まってきた模様。

 負荷の高さにより、現状でも回復遅延は大きいと予想。

 元々戦闘向きではない上に体調不良。全力戦闘は困難。

 探索に力を入れ過ぎると、戦闘補助に使える魔力が大きく減少する可能性も。

 転生者との衝突に対処できるかは未知数。

 

「うーむ……馬鹿な転生者の影響を考慮すると、ある程度情報は与えた方が良い気がするが……」

 

 現時点では、致命的でない。

 致命的になる可能性も否定出来ない。

 介入を切っ掛けに致命的な事態となる可能性も否定出来ない。

 お姉様の思うままに。

 主はきっと、お姉様の決定に異を唱えない。

 

「決定的な理由が無い以上、とりあえず現状維持が無難か……?」

 

 お姉様がそれでいいなら。

 

 

 ◇◆◇ ◇◆◇

 

 

 そして、夜。

 いつも通り、食事や入浴が終わった後の、主を交えた情報交換の時間。

 

「また、転生者を確認か……」

 

 外見はナギ・スプリングフィールドを悪人顔にした印象。

 高校生程度の年齢に見える。

 魔力は膨大。計測値では高町なのはを大きく超える。

 現状でSS相当。

 所持デバイスはストレージタイプで低機能。

 詳細は現在調査中。

 

「魔力特化型?」

 

 公園で魔法を練習中。

 制御力は低い。

 高町なのはの様に力技で行使するには、デバイスが力不足。

 

「特化型と見て良さそうだな。

 魔法関係を特典に選ぶと、低機能のストレージデバイスを貰えると考えていいのか?」

 

「エヴァは低機能?」

 

「……違うな。

 となると、融通が利かない要求でもしたか?

 神もどきの悪意を大きく受ける何かを仕出かしたと見るべきか……」

 

 とりあえず監視対象に加える。

 オリ主系転生者が多い。

 鬱陶しい未来を容易に予想。

 

「転生者の程度の悪さは予想を超えてる。

 隠蔽もまともに行っていない?」

 

 結界等は無い。

 夜で人気が少ないとはいえ、通行人が全くいないわけではない。

 見られる危険性は排除できていない。

 

「これは、本格的に介入を検討すべきか……?

 まともな転生者は迂闊に動いていないから見付けられていない事を信じたいが……」

 

「警戒はしておく方がいい」

 

「そうだな」

 

 隣の市で、別途魔力反応。

 気付かれにくい術式での転移後、速やかに魔法の残滓及び魔力の隠蔽。

 多重転移は行っていない。転移自体を気付かれない様に行動している。

 発見は偶然。調査区域や調査時間がずれていた場合、見逃していたと予想。

 外見及び行動的に、フェイト・テスタロッサ及びアルフと推測。

 防護服は装着していない。バルディッシュも手袋に装着している模様。

 

「来たか」

 

「きちんと対処している。

 これがまともな魔導師の行動のはず」

 

「そうだな。

 重要人物だ、監視を継続してくれ。

 住居を確保しているか、すぐにするはずだ。その辺も探ってくれ」

 

 了解。

 双方の呼称を確認。フェイト・テスタロッサ及びアルフと確定。

 フェイト・テスタロッサとアルフ、魔力の残滓の多さを不審に感じている。

 探索妨害と思われるスフィアを多数配置する模様。

 簡易的なものだが、範囲はかなり広い。

 

「……原作にこんな話は無かったはずだな?」

 

「無かったはず」

 

 テレビ版の初登場時は、この近くにジュエルシードがあるという会話のみ。

 探索妨害はジュエルシード捜索の障害となる可能性が高い。

 本人達もそれを認識。

 他の魔導師との接触や、接触後に探られる事を警戒している。

 

「一応敵側のはずだが、何故称賛したくなる……」

 

「行動が、魔導師としてとても正しいから」

 

「そう、だな……どうして、他の転生者はこんななんだ……

 なのはも実践主義なのか焦っているのか、まともに練習してる様子は無いし…………」




無印の原作乖離、勝手に始まりました。
でも、まだブレイクと言えるほどではありません。ちょっと脇道を覗いた程度ですね。

アコノの味覚は概ね正常です。美味しいものは美味しいと感じます。
味の評価を聞かれたら、それなりに正しく答えられます。
食事は口にできる物ならOKで、胃が受け付ける限り不味くても何の問題も無く食べますが。
美味しくても感動も喜びも無いので、料理を作る相手としては最低でしょう。
味見役としては(失敗していても嫌がらない・怒らないので)最適かもしれません。


2012/11/20 原作の人物のリンカーコアについての、表現を修正(皆無だと意味合いが強すぎたので)
 皆無→反応はほぼ無い
 皆無→反応は誤差水準
2012/12/05 以下の表現を修正
 リンカーコアを漏れる魔力相応に見せる方が自然
  ↓
 リンカーコアを隠すにしても、漏れてる魔力相応に見えるようにした方が自然
2013/07/03 切欠→切っ掛け に修正
2014/06/26 入力→入浴 に修正
2017/09/06 だいぶ収まって→だいぶ治まって に修正

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