青の悪意と曙の意思   作:deckstick

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無印編32話 新しい力?

 その後、きちんとリンディ・ハラオウンも交えて色々と説明。

 次元世界に驚き、ジュエルシードやロストロギアに困惑しつつも、とりあえず転生理由や現在の状況は理解した模様。闇の書については詳しく教えてないけど、お姉様が何とかしようとしているロストロギア、という事だけ軽く説明済み。

 また、セツナ・チェブルーが今までいた世界に戻る方法が不明なので、当面は次元漂流者扱いでアースラに滞在する事になった。

 時空管理局側の名目としては、次元漂流者の保護。戦力として取り込みたがってる様子が見えるのはお約束。

 だけど、セツナ・チェブルーはお姉様に懐いた。

 一波乱ありそう?

 

 そして、今はセツナ・チェブルーが滞在する事になった部屋に来てる。

 質素倹約を地で行く様な、シンプルな内装。

 ここにいるのは、お姉様、セツナ・チェブルー、リンディ・ハラオウンの3人。

 当然の様な顔をして付いてこようとした変態(ロリコン)は、お姉様が通路の先に蹴り飛ばした。

 変態(ロリコン)はそのまま日本へ。オタクの聖地を巡礼しに行った?

 とりあえずの排除には成功した。

 

「さてと、さっき聞けなかった質問の続きだが……リンディ、ここでの会話は記録されるのか?

 返答内容が少々恥ずかしいものになる可能性があるから、記録されるなら避けたい質問もあるんだが」

 

「な、何を聞かれるんですか!?」

 

 お姉様の質問に、セツナ・チェブルーが怯えた。

 言い方が良くない?

 でも、意図としてはそうとしか言えない。

 

「いいえ。プライベートの会話を記録するほど、管理局も無粋じゃないわ。

 とりあえず、私は話を聞かせてもらうわね。私が聞くよりも、エヴァさんが聞いた方が答えやすいみたいだし」

 

 リンディ・ハラオウンが、セツナ・チェブルーから直接聞きだすのを諦めた。

 効率を考えての選択かもしれない。

 とりあえず、お姉様が好きにしていいらしい。

 

「そうか、ならいいんだ。

 

 では、質問だ。

 原作を知らないのに主人公と同じくらいの強さを要求するというのは、何を考えているんだ?

 しかも、ファンシーな内容だと思っていたのだろう?」

 

「ああ、そういう事ですか。

 それはですね、魔法少女モノだと、主人公はそれなりに強いだろうなー、と思ったからです。

 何らかの方法で悪役を倒せるだけの強さを持っているわけじゃないですか。剣を使いたいという要求もしてましたから、剣で主人公と互角くらいになれたら、強者として充分な実力になるんじゃないかと」

 

「元は男だったのだろう?

 ファンシーな主人公と同じ変身を、男の身で行う事になる可能性は考えなかったのか?」

 

 可愛い救済者みたいな?

 カードキャプチャーさくらみたいな?

 ふりふりひらひら?

 男でもなんとかなるよ、絶対大丈夫だよ的な?

 

「……あ」

 

 セツナ・チェブルーの額に、でっかい汗が幻視できた気がする。

 これはまさか。

 

「気付いてなかったのか!?」

 

「は、はい……良かった、命懸けの生活でも、精神が病むよりはマシでした…………」

 

 なんとかならなかった。

 大丈夫じゃなかった。

 ここにもうっかり属性持ちがいた。

 命懸けの生活より嫌なのは予想外。

 

「やれやれ。それと、命懸けでゲームの様な世界、か……

 アレか? 魔法使い製造所とか、終末の幻想みたいな感じか?」

 

 冒険者突撃的な?

 召喚獣ばりばり的な?

 

「いえ、魔物を狩るモノたちが近いんじゃないかと。

 狩人と呼ばれる冒険者の様な人達が、生活に必要な素材を集めたり、街や村を護ったりするために魔物退治をしたりする感じです。素材から武器を作ったりする人もいましたし、かなり大型の魔物も相手にしていたので」

 

「素材から武器を作る、か……素材は倒した魔物から得たりするのか?

 待っていれば素材がやってくるとも取れるが」

 

「確かに結構大きなドラゴンも襲ってくるので、倒せたらいい素材が手に入りますけど……村が無くなったとかも、割と聞く話でした。死に掛けながら村を捨てて逃げた事もありますし。

 来る直前はドラゴンから村の人を逃がすための殿(しんがり)をしていたんです。何人か仲間も死んでいて、私も死を覚悟していました。現実は非情です」

 

 大型のドラゴンとの戦闘中に体力が尽きて武器が壊れたら、確かに未来は真っ暗。

 死にかけてたと言われても納得出来る状態。

 

「そうか……やはりそこは現実に準拠するのか。

 と言うか、最初に状況を理解していなかったのは、死んだと思ったせいもあったのか?」

 

「はい。今回は子供からじゃないんだとか、どうして2回目で知った様な顔を見るんだろうとか考えちゃって……」

 

「なるほど、そういう事だったのか。

 話を戻すが、素材の加工についても現実的なのか? 要するに、ゲームにありがちな錬金や合成ではないかという確認だ」

 

「実際に武器を作っている所を見た事はありませんが、加工してくれるお店は鍛冶屋と呼んでいました。マリエの工房とかと違ってハンマーとかで作業していたみたいですし、魔法を使う人の話は聞いたこともありません。

 どの辺が魔法少女なのか不思議だったんです」

 

「なるほどな。確かに、聞く限りでは魔物を狩るモノたちが近いな……

 だが、全く同じと言うわけでもないのだろう?」

 

「そうですね。大きな違いは、特殊な効果を出せる剣技がある事、笛や戻る玉みたいな特殊な道具は無かった事、それに、私の様に飛べる人や獣人みたいな人ばかりだった事でしょうか。

 家の管理なんかを手伝ってくれる猫耳娘達は天国でした」

 

 猫耳メイド娘ハーレム?

 鳥なのに、まさかの猫属性?

 セツナ・チェブルーが来たよリーゼロッテ逃げてー、的な?

 むしろ逆? リーゼロッテが襲いそう。

 襲うのはどっちの意味だろう?

 

「お前、そういう属性か……?」

 

「い、いえ、性癖とかそういうモノじゃなくてデスネ。

 特に子供は、ちっちゃくて可愛いんですよ。こう、もふもふしてたりしてて」

 

 ちっちゃい猫耳メイド娘?

 ……にょ?

 ここにもロリコンが?

 

「もふもふ、か……リンディ、そんな種族は見付かっているのか?」

 

 流した―!!

 

(うるさい! 変態が来てから過剰に反応しすぎだ!)

 

「猫の耳を持つという事なら、使い魔なら見掛けるけれど……セツナさんが言っているのは、生来そういう姿の人達の事よね?」

 

 話を聞く限りでは、使い魔とかの後天的な話とは違うはず。

 だけど、魔力構成は何だか人工的な部分が存在する。

 大昔に作られ捨てられた合成生物が細々と生き残っていた可能性もある。

 今表に出していい情報ではなさそう。

 

「そうですね。というか、純粋な人っていましたっけ……?」

 

「私に聞くな。

 世界の調査は私より管理局向きの仕事だしな。世界の名前とか、手掛りはリンディにも言っておいた方が良いぞ?」

 

「世界の名前、ですか……うーん、聞いたことがありません。

 日本で世界と言えばあの世界を指すような感じで、名前らしい名前は無かったと思います」

 

 閉じた世界ならそんな感じ。

 自分達のいる世界が全て。それを指して世界と呼ぶだけ。

 強いて言えば、日本語だと「世界」が世界の名前に相当?

 

「やはり、次元世界を知らない世界か。管理局が見付けていても管理外、見付けてもいない可能性が高いのだろうな。

 元の世界が見付かったら、帰りたいと思うか?」

 

 今後の指針。

 重要な点。

 

「うーん、どうでしょう。

 戦友的な人はいましたけど、殺伐としていましたし。

 猫耳娘のもふもふだけが癒しでしたから、日本に住む事と比べてしまうと…………」

 

 セツナ・チェブルーの中で、日本がもふもふに勝利気味。

 コスプレなら猫耳娘も日本に存在。

 二次元になら多数。

 まさか、これが勝利理由?

 

「まあ、見付かったらの話だ。今はあまり深く考えなくてもいいだろう。

 元々が日本からの漂流者に近いんだ、日本に戻ると言っても問題は無いだろうしな。

 そろそろ話を戻していいか?

 その世界の魔法や特殊な技術について聞きたいんだが」

 

「あ、はい、分かりました。

 明確に魔法と呼べるものはありませんでしたが、妙に効果のある薬品類や、剣技がそれっぽい感じです」

 

 無意識に扱う魔法で効果を増強した薬品の可能性も?

 剣技は微妙な位置。

 現れた時に魔力がほとんど減っていなかった事を考えると、魔力の減少を伴わない技術?

 あれ程消耗かつ負傷する戦いで、剣技を使っていなかったとは思えない。

 

「剣技? そういえば、持っていたのは野太刀か?

 折れていたが、かなり大きそうに見えたが……」

 

「形としては、そうなると思います。

 雷撃を通しやすい武器なんですが、私が使っていた神形(かみなり)流に雷を扱う技があったので色々と相性が良かったんです。手に入れてからずっと愛用していました」

 

 武器はやっぱり狩人さん的。

 斬破系の刀に近いと推測。

 でも、剣術はネギま派生系?

 内容が同一かは不明。要調査。

 

「そうか。今後も、武器は野太刀がいいか。

 使い慣れた物に近い方が良いだろう?」

 

「そうですね。手に入るのであれば、それが一番ありがたいです」

 

「わかった。可能な限り何とかしよう」

(とりあえず、日本刀の詳細な製造方法と、現存する刀匠の調査を頼む。

 可能なら私達で技術を確保しておきたい)

 

 了解。

 技術は、恐らくノウハウの塊。

 時間がかかりそう。

 

(構わん。時間よりも内容を優先で頼む)

「ところで、剣技とはどんなものだ?

 魔法ではないのだろう?」

 

 魔法と呼べるものは無いと言ってた。

 でも、本質的には魔法的な何かである可能性は否定出来ない。

 

「そうですね……気を練って身体能力を高めたり、放出する事で様々な特殊攻撃を……」

 

「気!? 本当に気なのか!!?

 ようやく明確な手掛りが見付かったか!!」

 

「え、ええと、いったい……?」

 

 お姉様のテンションと機嫌が急上昇。

 セツナ・チェブルーが戸惑ってる。

 リンディ・ハラオウンも、口には出さなくても驚いてる。

 

「ああ、すまん。ネギまの魔法やら技やらを色々と研究していた時期があってな。

 その中で、何の手掛りも無かったのが気に関するものだった。

 クククッ、研究者の血が騒ぐぞ。頼む、研究させてくれ!

 その代り最高の野太刀と、魔法の技を確約するぞ!」

 

「え、ええ、それは構わないのですが……いいのですか?」

 

 セツナ・チェブルーがちょっと引いてる。

 お姉様は少し落ち着くべき。

 

「いい? ……ああ、そうだ。

 リンディ、今の気に関する事は、当面は公表しない方が良い。

 私が思っている通りのものなら、大変なことになる可能性が否定できん」

 

 お姉様が、ちょっと落ち着いた?

 ついでに、重大な問題に気付いた。

 主に、情報の隠蔽工作。

 地球での魔法の扱いの様な物。

 

「あら、どうしてかしら?」

 

「今のミッドチルダは、魔法の能力も割と重要な人物評価や人生設計の要素になると思うが……あっているか?」

 

「うーん、魔法に頼りきりと言うわけではないし、魔法とは直接関係がない職種も多いのだけれど……重要と言えるほどかは微妙だけれど、技術や体力を高めたり補ったりできる分、無視できない要素ではあるわね」

 

「特に管理局だと実力のある魔導師の方が危険だが手柄を上げやすい身分に立ちやすそうだし、昇進にもだいぶ影響しそうに思うが。管理局でなくても、業務の補助的な役目で魔法を使うとか、インテリジェントデバイスや使い魔に業務を補佐させる場合があっても不思議ではないしな」

 

「確かに、執務官や武装局員になるにはある程度実力のある魔導師であることが必要だし、影響がないとは言えないわね。

 もちろん、指揮官や司令官には魔法とは別の能力が必要だし、上の立場になるほど魔法を使う機会が減るから、特に陸では魔法が使えない人に昇進の機会を多く用意しているのが現状ね。その意味では……そうね、魔法資質によって、昇進の道筋が大きく異なる事にはなるわね。

 インテリジェントデバイスはメンテナンスのコストも馬鹿に出来ないし、特に高度なAIは管理や調整も大変だし相性問題も多いから、一般的な業務への影響は限定的かしらね。使い魔は人として別枠になる事が多いから、忠実な部下とセットとして扱う事が多いわ。だけど、優秀な使い魔を長期間維持するのは負担が大きいから、これも影響は……ね」

 

「少なくとも管理局の陸では、最初は魔導師が有利、ある程度以上は魔導師である事が足を引っ張る感じになるのか?

 優秀な戦力は現場に置いておきたいだろうからな」

 

「そうね、魔導師が戦力として期待されている事は確かね」

 

 人手不足なら、余計に人事やらがそう配置しようとするはず。

 本人が断りにくいように、もしくは本人が望むように誘導する可能性も高い。

 

「なるほどな。そんな扱いが暗黙の了解となっているところに、魔法とは別の素質、別の体系の、質量兵器に似て非なる戦闘能力をいきなり放り込んでみろ。素質が無くて今の体制やらに不満を持つ人間が殺到してパニックになる可能性が否定出来んぞ。

 しかも、想像する限りでは非殺傷設定など無いだろうからな。魔法と認めずに制限したい現体制派と新しい可能性を見たい反体制派が衝突する事態となっても、私達は責任を取れん。

 少なくとも、私は混乱の原因となりかねない技術を無闇に公開する気は無い。その程度の分別はあるつもりだ」

 

 地球で魔法を大っぴらに使わないのと、ある意味では似た理由。

 管理外世界を相手にしたことのある提督なら理解出来るはず。

 

「そうね……セツナさん、剣技というものは非殺傷設定が可能なのかしら?

 ええと、相手を死傷させず、捕縛する事に特化する攻撃が可能か、と言い換えれば通じるかしら」

 

 リンディ・ハラオウンは、セツナ・チェブルーの知識の無さについて理解出来た模様。

 転生者というレッテルと、詳しすぎるお姉様に惑わされてただけだった?

 元々異世界の文化に触れる事の多い役職。慣れていなかったわけではないはず。

 

「言っている事は何となくわかりましたけど……生き残る事だけでも必死なのに、相手を生かしたまま捉える余裕なんてありませんよ。

 それに、剣で攻撃しているのに死傷しないなんて、どんな謎技術ですか?」

 

 原作の非殺傷設定は、本当に謎。

 建造物や島が吹き飛んでるのに人や服は無事なんて、どんだけー。

 私達の非殺傷設定は、建物は劣化程度でも死傷者が出る事があるのに。

 これを考えると、剣で攻撃しても死傷しない謎技術があってもおかしくない?

 

「そんな事だろうと思った。

 だから、剣技や気に関する技術は……レアスキルと言い張れば何とかなるか?

 だが、本当に魔法以外の資質に依存する技術であれば、迂闊に知られたらまずいことになる。少なくとも、騒動に巻き込まれて静かに暮らせないのは確実だ。

 地球で魔法が使えるとばれた状態を予想してみれば、大体あっているはずだ」

 

「そ、それは嫌です……」

 

 とりあえず、状況は理解してもらえた。

 あとは、本人の努力と周囲の協力次第。

 

「と言うわけで、詳細は私が調べる。

 この手の情報は、知る者が少ないほどいい。管理局で調べるには、何となくでも内容を理解出来る技術者を秘密裏に探すなんて曲芸が必要になるだろうからな。

 魔法資質に依存していて、非殺傷設定も可能に出来る技術……要するにミッド式とベルカ式の様に、根底は近いが別系統なだけならば公開しても問題は小さいはずだ。まずはそれに該当するかを確認する。

 リンディもそれでいいか?」

 

「そうね、私は気と言われてもよく分からないけれど、エヴァさんなら概要くらいは理解しているという事よね?

 パニックが起こる可能性を考えると、少なくとも詳細が判明するまでは知る人が少ない方が良いのは確かだし……仕方ないわね」

 

 セツナ・チェブルーの、当面の身柄をげっと。

 問答無用で隔離されたり連れ去られたりする可能性は、かなり低くなった。

 リンディ・ハラオウンがそれをするほど腹黒とは思えない。

 

「と言うわけだ。無用な騒動を避けるためにも、当面は技術の詳細を秘匿する。

 使うなとまでは言わないが、なるべく言い訳のしやすい物を選んでくれ。

 それと、代替技術の確保と、使用する際の判断基準や言い訳を理解してもらうために、早急に魔法を教える。

 この方針で行くぞ」

 

「わかりました。まずは、剣技や気を使わない様に気を付けます」

 

「それでいい。

 当面の武器とデバイスをどうするかだが……棒術は使えるか?」

 

 お姉様の入門用デバイスで、武器になりそうなものは棒型のみ。

 本来、杖は直接攻撃に向かない。

 それ(レイジングハート)を振り回していた高町なのはは、色々間違ってる。

 フェイト・テスタロッサが振り回していたバルディッシュは(アックスフォーム)(サイズフォーム)

 形状的には間違ってない。

 でも、良い子は真似しないでね。

 

「はい、一応は習得しています」

 

「よし。なら、暫定として棒型のデバイスを今日中に一つ渡す。

 性能はそれなりだが、入門用には最適だ。

 まずはそれで、魔力やデバイスの扱いに慣れるといい」

 

「はい、分かりました!」

 

 セツナ・チェブルーがすごく素直。

 流石桜咲刹那もどき。

 標準で忠犬属性付き?

 

「さてと、他には……」

 

「あの、転生した人は、それなりにいるんですか?」

 

 やっぱり気になってた?

 お姉様の対応が慣れてるせいもあるかも。

 

「その事か。確認済みはお前で20人目だ。内3人は死んでいるし、半分以上は私もまだ会っていないがな。

 ニコポやナデポを要求したらしい阿呆も複数確認済みだが、まともな連中も当然いるぞ。会ってみるか?」

 

「会えるんですか?

 えーと、宇宙船の中なのに?」

 

「こちらから行く方が平和だろうが……リンディ、何人かアースラに呼んでいいか?」

 

「そうね、構わないわ。

 私としても、会って話をしてみたいし」

 

 艦長(リンディ・ハラオウン)の許可が出た。

 調査的なものを兼ねると予想。

 でも、一度顔を合わせておくのは、今後を考えるといい事かもしれない。

 

「そうか。転送はどうする? 必要なら私がするが」

 

「一応は防御結界のある次元航行船に、そんなに軽々しく転移しないでほしいわね。

 それに、昨日来た時は手に怪我をしていたでしょう? 無理は良くないわ」

 

「……見られていたか」

 

 リンディ・ハラオウンが、きちんと引っかかってた。

 偽装は完璧。

 お姉様のばつが悪そうな演技もいい感じ。

 

「そりゃあ、ね。

 じゃあ、転送ポートに行きましょうか。

 エヴァさんは、来てくれそうな人に声をかけておいてくれないかしら。転移が可能なくらいなのだから、出来るのでしょう?」

 

「隠す必要も無いか。可能だな」

(今動けそうなのは、アコノ、カイゼ、チクァーブか……千晴と亜美は?)

 

 長宗我部千晴と真鶴亜美は、現在高町家の道場で魔法の基礎練習中。

 2人とも今日が初回。同じ日に来たのは偶然。

 指導担当のチャチャが説明してたところ。

 現在、本人達の希望を確認中。

 

(アースラに行く?)

 

 主からの通信。

 主にも、アースラに集まる話を連絡済み。

 

(ああ。アコノは、別荘にある棒型のデバイスを持ってきてくれ。

 物は妹達が分かるからな)

 

 アースラ内への直接転移は、無理がかかる設定。

 主が持ってきた方が、転送より説明がしやすい。

 

(わかった。今は翠屋だから、公園に移動する。

 原作で転移に使っていた場所でいい?)

 

(そうだな。そこで頼む)

 

 長宗我部千晴、真鶴亜美の両名、共に了承。

 公園へ行き、主と合流する予定。

 カイゼ、チクァーブ両名も了承。

 こちらは、山中に滞在。ここから直接転送を希望。

 

(そうか。ありがとう)

 

「連絡が付く連中には了解を貰った。

 3人は、なのはがアースラに来た時に使った公園に集合予定だ。

 別の2人はいつでも転送可能だ。山の中だから、いつでもいいらしい」

 

「そう、随分と早い連絡ね?」

 

 リンディ・ハラオウンも驚く早さ。

 本当に早かった。

 特に、長宗我部千晴と真鶴亜美の連絡が即座に付いた事が奇跡。

 

「今日も日本は休日で、高町の道場で私の従者が魔法の指導をしていたんだ。

 普通は、こんなに早く連絡が付くわけがない。学校や仕事だってあるからな」

 

「なるほど、そういう事ね。

 ゴールデンウィークと言ったかしら、確かに街の人の動きは休日みたいだったわね」




ついに、千晴と亜美が魔法の練習を開始していました。
10話で作っていたデバイスが大人気。これで5個になります(セツナの分を含む)。
千晴の魔法練習開始が遅い? エヴァ達と出会って、まだ1週間です。ゴールデンウィークは友人や家族との約束もあるでしょうし、ちょっと遅い程度だと思いますよ。


今回は、ちょっとわかりにくいかもしれない名前改造ネタ等の多い回でした。元ネタが分からなかった人用の答えやヒントを置いておきますね。
可愛い(Pretty)救済者(Curer)←今はドキドキ!でしたっけ。
カード(Card)キャプチャー(capture)さくら←キャプター(captor)じゃありませんよ。
魔法使い(Wizard)製造所(ry)←あ、ワードナさん。アミュレット貰いに冒険者いっぱい行きますんで。
終末(Final)幻想(Fantasy)←召喚獣! 召喚獣!
・マリエの工房(アトリエ)←無印編04話に続き2回目の登場。大艦巨砲主義ならマリー? うにー!
・にょ←これだけで正しいものもヒットするグーグル先生達は凄いね。でも“にゅ”だとヒットしない。
魔物(Monster)狩るモノ(Hunter)たち←むしろエルフを脱がすフトドキモノたちが狩られるべき。
元ネタが全体的に古めなのは私の仕様です。ご了承(あきらめて)ください。


(おまけ) ありそうな疑問に先に答えるコーナー

Q:高町家、御神流の神速等は、どうして研究していないの?

A:高町家とは、信頼関係や大人の取引を優先したからです。

研究より実利を取る必要があったので、そちらを優先した結果です。
初接触(温泉旅行)では、情報と魔法の技術指導と労働力(チャチャ)を提供して、信用と道場利用権と料理の技術指導を得ています。
ここで研究したいからモルモットになってくれと言い出すほど面の皮は厚くありません。
それに、高町家の普段の訓練もあるでしょうし、なのはが順調に御神流を習得していくようなら指導風景を観察すればいいとも考えられます。
結局詳細に研究出来る程には使ってくれませんでしたが、戦闘中に高町兄・姉が使う可能性もありました。次元震の時に妙だと感じた程度でしたね。

今回は、ギブ&テイクが成立します。むしろ、セツナからの提供が皆無の状態だったので、エヴァとしても要求しやすかったとも言えます。これで、必要以上にセツナの立場を下げなくても済みますから。


Q:管理局の昇進に関する話の根拠は?

A:海(リンディやグレアム)と、陸(レジアスやゲンヤ)からの推測です。

海はリンディやグレアム(共に提督)の様に、魔導師が割と上の立場で出てきます。クロノも順調に昇進している(STSで提督)ようですし、クライド(提督)はMOVIE2ndでデバイスを遺品に残す設定に出来たのだから魔導師だったのでしょう。
伝説の3提督の能力は不明ですが、個々の能力が重要になりそうな黎明期の功労者が魔導師として無力という可能性は低いでしょう。レティ(やっぱり提督)は額の模様的にリンディの同類でしょうか?
なお、提督は艦隊の司令官(転じて海軍の将官)を指し、階級は「准将、少将、中将、大将、元帥」のいずれかだそうです。将と魔導師の大安売りです。艦長なら一佐で良いはずで、艦長や司令官が魔導師である必要は無いはずなのに。
アースラは単独で動いている様ですし、1艦だけで艦隊扱い、艦長が艦隊司令を兼任するイメージですかね?

陸はレジアス(中将)やゲンヤ(部隊長で三佐。STSのなのは&フェイトの一尉より上)の様に、魔力資質の無い人が肩書を持って登場する事が多いです。オーリス(三佐)も魔法を使う様子が無いので同様でしょう。
高ランク魔導師であるゼストは首都防衛隊所属で部隊を率いて突入する立場だったので、ゲンヤと大差ない階級だったはずです。STSのはやてが二佐、隊員が約2500名のアメリカ陸軍第75レンジャー連隊の連隊長でも大佐(=一佐)なので、将ではないと思われます。
そして、質量兵器が禁止されているという事が、魔力資質が無く最前線に立てない人(レジアスやゲンヤ)が現場からの叩き上げである可能性を狭めます。

運用面を考えると、陸はカバーする範囲が狭く、戦力の適時投入も比較的容易なので、魔導師は「運用しやすい戦力」である事が求められるはずです。魔導師でなくても良い立場には魔導師でない人を置くために、事務方のエリートコースの方が上の階級まで行きやすい&司令官の育成コースがあると考えた方が自然です。
海は逆に、艦長や艦隊司令も「補給や交代が難しい現場付近」に行くため、魔導師を配置してもいざと言う時の切り札となる事が期待できるでしょう。原作でもリンディが次元震を抑えたりしてましたし。

以上から考えると、海と陸では昇進や配置の基準に大きな違いがあるはずです。
そうなると、海と陸の双方が人手不足に悩んでいるなら、魔導師が昇進しやすい海に流れる→陸の戦力減少&陸の上層部がそれに反発する、といった感じで仲が悪くなるのは必然です。


なお、インテリジェントデバイスの相性問題は「ユーノがレイジングハートを使いこなせなかった」点と「レイハ以外に他人のインテリジェントデバイスを使う描写が無い(デュランダルはストレージデバイスらしいです)」点からの推測、使い魔については登場する使い魔の少なさ(リニス、アルフ、リーゼ姉妹程度)からの憶測になります。
エヴァの入門用デバイスですか? 指導特化で補助能力は低いからいいんです。ユーノもレイハさんをちょっとだけ使ってたし、レイハさんがヴィヴィオの指導をしてたじゃないですか。


2013/04/26 以下を変更
「タイミングが良かったからだ。
 普通は、こんなに早く連絡が付くわけがない。
 学校や仕事だってあるからな」
「それもそうね」
  ↓
「今日も日本は休日で、高町の道場で私の従者が魔法の指導をしていたんだ。
 普通は、こんなに早く連絡が付くわけがない。学校や仕事だってあるからな」
「なるほど、そういう事ね。
 ゴールデンウイークと言ったかしら、確かに街の人の動きは休日みたいだったわね」

エヴァの入門用デバイスですか? 指導特化で補助能力は低いからいいんです。ユーノもレイハさんをちょっとだけ使ってたじゃないですか。
  ↓
エヴァの入門用デバイスですか? 指導特化で補助能力は低いからいいんです。ユーノもレイハさんをちょっとだけ使ってたし、レイハさんがヴィヴィオの指導をしてたじゃないですか。


2020/01/29 ―(横線)→ー(長音符) に修正
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