青の悪意と曙の意思   作:deckstick

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テレビ版の第9話に対応する部分が、まだあります。


無印編36話 海の上で

 その後もお姉様によるセツナ・チェブルーと成瀬カイゼ、ついでにチクァーブも加わっての基礎訓練は続く。

 昼を過ぎて休憩を取る頃には、3人ともかなりの成長を見せた。既にデバイスの出力や補助能力の限界が見え始めていて、現状でも大雑把に見てAからAA程度の実力を発揮出来ると見て良さそう。

 相性を考えなければ、武装隊やユーノ・スクライアと対等以上で、高町なのはやクロノ・ハラオウンに及ばない水準と言える。

 

 成瀬カイゼは飛ぶことに慣れてなくて、今は陸戦仕様。現時点でもAAAクラスの魔力量と繊細な魔法制御力が強み。幻術や拘束系の適性が特に高く、移動や攻撃等も悪くない。ユーノ・スクライアとティアナ・ランスターと飛行適性と大きな魔力量を足したらこうなりそうな感じ。

 

 セツナ・チェブルーはバリバリの空戦仕様。こちらも魔力量はAAAクラスで、高い瞬発力と思い切りの良さが特徴的。魔法無しだと高速高機動高威力の近接攻撃型で、フェイト・テスタロッサから遠隔攻撃を引いて攻撃力を足した様な感じ。魔法の適性次第だけど、遠隔攻撃も可能な万能型の前衛や遊撃になる事が期待できる。

 ちなみに、お姉様と行った初めての模擬戦の会話はこんな感じだった。

 

「何だその150度ターンや空中静止や急加速は! 本当に翼で飛んでいるのかお前は!?」

 

「これくらいできないとドラゴンと空中で戦えませんよ!

 それに、魔法が使えない様に妨害しているとか言っていたのに、エヴァさんは魔法を使っているじゃないですか!」

 

「私は対策があるからいいんだ! というかどうしてこの弾幕を抜けてくる!?」

 

「魔法弾は斬れるじゃないですか! ドラゴン3匹の集中攻撃はもっと苛烈でしたよ!!」

 

 自己紹介の時に自由に空を飛びたいと望んだと言っていたけど、自由すぎる。技法としては明らかに虚空瞬動で、翼で姿勢の補正をしている様子。AMFの影響をまるで受けないのに魔法で飛んでるとしか思えない動きが可能で、更に高威力の剣術も問題なく使える。StrikerSなら対ガジェット戦やゆりかご突入戦の切り札になれる存在だと判明。

 

 チクァーブは空戦仕様でバランス型。既に最大でSの人工リンカーコアの魔力を持て余し気味だから、もっと良いデバイスを考慮する段階に来てる。

 要するに、魔法戦の経験不足を考えなければ高町なのはに迫る水準と言えるし、持久力のある戦力として充分あてにできる。最大で12人のAクラス以上魔導師と計算できる分、現時点でも高い水準と言っていい。分体も比較的自由に増やせるようなので、安全な場所に逃がしておくことで疑似的な不死性を確保出来るのは確実で、余剰魔力は分体の生成と維持に回している模様。

 

 という感じに調査や指導は進み、今は食堂でおやつの時間。

 成瀬カイゼによると、変態はどこか別の遠い世界へ行ってるらしい。とても平和。

 高町なのはとユーノ・スクライアは別の訓練場で戦闘訓練を行ってる。

 お姉様は戦闘訓練が不慣れな設定。最初の模擬戦は立会無し記録無しで行い、それ以外はアースラのスタッフに手伝ってもらって簡単な戦闘訓練を交えたりしていた。

 レベルが違う以上は、当初は別での訓練が妥当という判断。

 だけど。

 

「全員、予想以上の成長だな。

 正直言って、この速さで上達するとは思わなかったぞ」

 

「そうなんですか? 結構必死だったのですが」

 

 あまり疲れてる様には見えないセツナ・チェブルーが、首を傾げてる。

 元々命懸けの戦闘を経験しているためか、根が真面目だからか、学習能力がとても高い。

 

「僕は、多少なりと暗殺者の組織で鍛えられていたからだろうね。

 デバイスが貧弱だと気付いていたから、基礎的な部分を中心に練習していたのが良かったんだと思うよ」

 

 成瀬カイゼは、暗殺者集団出身。

 低品質とはいえその頃からデバイス持ちで訓練していた事もあり、3人の中では最も経験が長い。

 

「我等は、分体を使用しての同時修行が可能でございます。

 その恩恵は計り知れぬものがあると推測いたします」

 

 短時間でも、高効率の修業が可能なチクァーブ。

 訓練時は、子ネズミ10匹が飛び回ってた。2個は地球での活動に割り当てている様子。

 ちなみに、今の姿はちょっと丸めのネズミ耳を付けた犬上小太郎の姿で、クッキーの様なお菓子を食べてる。子ネズミの姿では食べられないため、らしい。

 でも、悪戯小僧的な外見でこの口調だから、違和感が半端ない。

 

「それでも、大したものだ。

 この様子なら、時の庭園に行っても大丈夫だろうな」

 

「時の庭園……ですか?」

 

 原作を知らないセツナ・チェブルーが、やっぱり首を傾げてる。

 というか、さっきから首が傾いたまま。

 

「プレシアのいる場所だね。分かりやすく言えば、敵ボスの本拠地だよ。

 だけど、ジュエルシードはまだ海のものが残っているんだろう?

 原作通りいけば、その後の決戦後のはずだけど」

 

 成瀬カイゼの解説。

 それなりに正確。

 ちゃんと覚えている模様。

 

「リンディと話を付けてある。

 うまく行けば、海でフェイトが無茶をした際にフェイトを確保、攻撃の逆探知で座標を特定して突入する。そうなった場合は、私はクロノやリンディと共にプレシアと話をしに行く予定だ。

 一緒に突入するなら、なのはと一緒に動いてくれ。派手に暴れて傀儡兵を惹きつけてもらえると助かる。

 それと、チクァーブには駆動炉の早期制圧を頼みたい」

 

「なるほど、プレシアのSS級の条件を封じ込める作戦でございますな」

 

「プレシアの心を折るつもりかい?」

 

 チクァーブの意図の考察は正しいけど、成瀬カイゼの予想はちょっと過激過ぎ。

 交渉で有利に立つためなのは間違いない。

 魔力の外部供給を断てば、実質的にそうなりそうではあるけど。

 

「いや、話をするために頭を冷やしてもらう程度のつもりだ。

 そのためにも、駆動炉の破壊は避けろよ?

 まあ、時の庭園が崩壊するようなら、心臓部のロストロギアを持ち出しても構わんが」

 

 やりたいのはあくまで交渉。

 従属させたいわけじゃない。

 

「承知いたしました」

 

「あの、私も……ですよね?」

 

 納得したように頷くチクァーブ。

 その隣では、やっぱりセツナ・チェブルーが首を傾げたまま。

 

「例の件で自信が無いなら出なくてもいいが、行ってくれると助かる」

 

「分かりました。頑張ります」

 

「そうか。無理をするなよ」

 

 出来れば、気に関する技能をあまり使わないでほしい。

 セツナ・チェブルーがどっちの方向で頑張るのか謎。

 報告。高町なのはと、ユーノ・スクライアが訓練を中断、休憩のため食堂に向かってる。

 フェイト・テスタロッサとアルフは海に向かう模様。

 タイミング的に、原作と同様になりそうな気配。

 

「ん? あいつらが休憩か……原作では、確かなのはとユーノが話している時に、フェイトが無茶をするんだったか」

 

「結構しんみりした雰囲気の話だった気がするね。

 ただ、そうなる要素もあまり無い気がするのは気のせいかい?」

 

 原作では、しんみりと言うか、悲しげと言うか。

 だけど、そもそも1人じゃない。

 ここに仲間が4人いる。

 

「いや、同感だ。良い事なのか分からんが、なのはの精神的な負担は原作よりだいぶ軽いはずだ」

 

「エヴァちゃん、他の人達も休憩してたんだ」

 

 2人が食堂に到着。

 お姉様の姿を見て、満面の笑みを浮かべてる。

 暗くなる要素が見えない。

 

「ああ。お前達も休憩か?」

 

「はい。今日はジュエルシードの捜索や回収はしなくていいって……何かあったんですか?

 昼頃に集めたジュエルシードは全て渡してますけど、急に事態が変わるような事があったとは聞いてないですし」

 

 ユーノ・スクライアは、難しい顔をしてる。

 ここにいる目的を果たさなくていいと言われても、喜べないらしい。

 

「場所は分かってる……だよね?」

 

 高町なのはは、お姉様が言っていた言葉をちゃんと覚えてた。

 でも、動かないことが不思議らしい。

 

「そうだな。簡単に言えば、今はフェイト待ちだ」

 

「フェイトちゃんを?」

 

「待つ?」

 

 高町なのはとユーノ・スクライアの頭の上に浮かぶ疑問符。

 セツナ・チェブルーと共に、3人の頭が傾いてる。

 

「この辺は、原作知識なんだが……近いうち、恐らく今日か明日にでも、フェイトが目立つ行動をするはずだ。

 それを待っている」

 

「そ、そうなんだ……」

 

「つまり、それが残り6つのジュエルシードの手掛り、という事ですね?」

 

「そうとも言えるが……むしろ、その先への足掛かりだな。

 大体の場所は分かっていると言っただろう?」

 

「そうですか。良かった、それほど長期化はしないんですね」

 

 ユーノ・スクライアは明らかにほっとしてる。

 

「そうだな。予想が正しければ、さほどかからずに……ん?

 どうしたカイゼ。何か言いたい事でもあるのか?」

 

「いや、しんみり要素を根底から吹き飛ばす人物がここにいたか、と思ってね」

 

 成瀬カイゼの指摘はとても正しい。

 今回は明らかにお姉様が原因で乖離が進行。

 原作のユーノ・スクライア曰く、もしかしたら結構長くかかるかもね、寂しくない?

 原作の高町なのは曰く、一人ぼっちでも結構平気。

 

「……ああ、そういう事か」

 

「えっと、しんみり要素って……なに?」

 

 お姉様は納得しても、高町なのはは余計に混乱してる。

 とても不思議そうに、疑問を口にしてる。

 

「何と言ったらいいか……本来この場面は、ユーノが長期化するかも、1人で寂しくないか、となのはを心配する場面でな。

 それに対してなのはは、昔1人で家にいる事が多かったから慣れてる、等と妙に寂しそうな顔で語り、ユーノは自分の……うん? お互いの孤独に同情、共感するイベントを蹴倒した事になるのか。

 済まないな。お前達の仲を邪魔する気は無かったんだが」

 

「な、仲を邪魔するって、そそそ、そんな仲じゃ……」

 

「そ、そうそうっ! まだそんなに……」

 

「ははは、満更でもなさそうに見えるぞ?

 それに、ユーノにははやての件で力を借りたい事もある。今回の事件が終わっても地球に居てほしい人物だから、予定通りに事が進めば会う機会などいくらでも作れるはずだ。

 お互いの過去やらは、後でゆっくりと話し合ってくれ」

 

「だ、だからそういうつもりじゃ……」

 

 ユーノ・スクライアの顔が真っ赤。

 明らかに意識してる。

 むしろ、お姉様のせいで強く意識してしまった可能性も。

 

『エマージェンシー。捜査区域の海上にて、大型の魔力反応を感知!』

 

 空気を読まない警報来た。

 フェイト・テスタロッサは、もうちょっと準備に時間をかけるべきだった。

 

「来たか。とりあえず司令部に急ぐぞ!」

 

 

 ◇◆◇ ◇◆◇

 

 

「な、なんて事してるのあの子達!」

 

 司令部では、エイミィ・リミエッタがモニターを見ながら叫んでる。

 モニターには、海上に巨大な魔法陣を展開しているフェイト・テスタロッサの姿。

 その傍らには、アルフの姿もある。

 人の姿。見た目は映画版に近い?

 

「強制発動、ね……エヴァさんの言っていた通りの展開になったわね。

 クロノ、対攻撃魔法防御の準備を。エイミィはその補助と、攻撃元座標を特定する準備を」

 

「予定通りですね。了解です、艦長」

 

「は、はい!」

 

 リンディ・ハラオウン驚かずに仕事をしてる。

 指示を受けたクロノ・ハラオウンとエイミィ・リミエッタは、即座に行動開始。

 ここまでは予定通り。

 ジュエルシード、発動。

 原作と同じ、残りの6個全部。

 要するに竜巻6本。

 フェイト・テスタロッサは劣勢だけど健闘中。当たれば封印可能な攻撃を放つことが出来ている。

 ただ、別の竜巻がカバーに入ってる?

 ジュエルシードが連携を取ってる?

 フェイト・テスタロッサの消耗が激しい。このままだと撃墜は時間の問題。

 結果としては、原作同様。

 

「聞いてはいたけれど、何とも無茶をする子ね」

 

「ですが、あの竜巻の連携が無ければ、封印出来る可能性がありそうです。

 場合によっては、全て奪われていたかもしれません。確かに賭けですが、無謀だったとまでは言えそうにありません」

 

 リンディ・ハラオウンはちょっと呆れ気味。だけど、クロノ・ハラオウンの考察にだいぶ違いが。

 フェイト・テスタロッサの健闘ぶりが光る。

 お姉様達、司令部に到着。

 ういーん。

 

「フェイトちゃん!? あの、私急いで現場に!」

 

「ええ。エヴァさんとユーノさんは、なのはさんのサポートをお願いできるかしら?」

 

「はい!」

 

 高町なのはの声が響き、リンディ・ハラオウンが即応する。

 原作と違い、出撃が予定されてる。

 ユーノ・スクライアの返事も気合が入ってる。

 抑止の声は無い。

 

「ああ、任せろ。

 カイゼとセツナとチクァーブはここに残って、可能なら防御(クロノ)の手伝いをしろ。

 お前達の魔力もあれば、プレシアの攻撃を防ぎやすいだろう」

 

「ああ、分かった」

 

「分かりました!」

 

「了解いたしました」

 

「転送ポートを開きます。戦闘区域を避けて少し上空に転送します。飛行魔法の準備をしておいてください」

 

 アレックス・オーラムが転送準備を開始。

 いざ、戦場へ。

 

 

 ◇◆◇ ◇◆◇

 

 

 3人纏めて、転送完了。

 雲の上。少し上空?

 凄く上空。

 

「伝えるのが遅くなったが、封印が終わった後に黒幕から強烈な攻撃が来る可能性が高い。2人とも、そのつもりで防御魔法の準備をしておいてくれ。最優先はフェイトの保護で、ジュエルシードは封印さえ済めば回収は後回しでいい。

 あと、私は基本的にそれの対処と事後処理のために来ている。封印には失敗しそうにならない限り手を出さないからな」

 

「そ、そうなんですか。分かりました」

 

「うん、わかった。大丈夫!」

 

 プレシア・テスタロッサはフェイト・テスタロッサを監視中。恐らくジュエルシードの封印後に次元跳躍攻撃が来る。

 言うべき事は言った。後は、力勝負。

 

「よし。では、いくぞ。黒龍、セットアップ」

 

「いくよ、レイジングハート。

 風は空に。星は天に。輝く光はこの腕に。不屈の心はこの胸に。

 レイジングハート、セーットアーップ!」

 

『Stand by ready』

 

 2人が変身。

 なんて魔法少女らしい展開。

 でも一瞬。お約束の脱衣が無い。

 

(緊張感が足りんぞ)

 

 緊張する要素が無い。

 原作通りなら、封印まではお姉様の存在は不要。

 プレシアの魔法は、カートリッジ25発を投入した防御魔法で防ぐ。

 逆探知に10発の予定。余裕は防御魔法もう1回分に加え、念のため対アルフ用に4発。

 負傷の偽装でまた痛い。

 想定以上の事が起きない限り、それだけ。

 

「フェイトの邪魔を、するなぁぁぁぁ!」

 

 アルフが気付いた。

 叫びながら突撃してくる。

 

「違う! 僕達は君達と戦いに来たんじゃない!」

 

 ユーノ・スクライアが防御魔法を展開して、足止め。

 いい位置取り。アルフの勢いが完全に止まった。

 

「ユーノくん!」

 

「今はジュエルシードを止めないと。放っておいたら融合して、手の付けられない状態になるかもしれない。

 止めるんだ。2人のサポートを!」

 

 アルフが止まったところで、チェーンバインド。

 竜巻の動きをかなり抑え込んだ。

 なんて男らしい。

 その間に、高町なのはがフェイト・テスタロッサの目の前に到着。

 お姉様は、未だに雲の中。

 まだ姿を見せる必要が無い。

 

「フェイトちゃん、手伝って。

 ジュエルシードを止めよう!」

 

『Divide energy』

 

 レイジングハートからフェイト・テスタロッサに、光の帯が飛んでく。

 大量の魔力譲渡。

 驚いてる驚いてる。

 

『Charging』

 

 バルディッシュが展開していた鎌が、本来の大きさに復活。

 さっきまでは、だいぶ小さくなってた。

 やはり、魔力の限界が近かった模様。

 

『Charging completed』

 

「2人できっちり、はんぶんこ」

 

 アルフ、チェーンバインド発動。

 竜巻の動きの抑え込み、ほぼ成功。

 

「ユーノ君とアルフさんが止めてくれてる。だから、今のうち。

 2人でせーので、一気に封印!」

 

『Cannon mode』

 

 レイジングハートは砲撃形態になり、高町なのはは上空へ。

 フェイト・テスタロッサ、呆然と見送ってる。

 バルディッシュを見た。

 高町なのは、魔法陣を展開開始。

 

『Grave form, set up』

 

「バルディッシュ……?」

 

 バルディッシュが勝手に変形。

 フェイト・テスタロッサが驚いてる。

 相棒かっこいい。

 

「ディバインバスター、フルパワー。一発で封印、いけるよね?」

 

『Of course, master』

 

 高町なのはとレイジングハート、砲撃準備。

 普通の砲撃なのに何だか集束っぽい。

 フェイト・テスタロッサがやる気になった。

 魔法陣展開。

 

「せーの!」

 

「サンダーレイジ!」

 

「ディバインバスター!」

 

 ユーノ・スクライアとアルフ、退避。

 何だか海は大惨事だけど、封印成功を確認。

 司令部で、エイミィ・リミエッタとクロノ・ハラオウンが驚いてる。

 ジュエルシードを6つ浮かべて、高町なのはとフェイト・テスタロッサが見詰め合ってる。

 

「フェイトちゃんに言いたい事、やっと言えるね。

 私は、フェイトちゃんといろんなことを話し合って、伝え合いたい。

 友達に、なりたいんだ」

 

 やっぱり、映画版が基本?

 ちょっとだけ変わってる。

 フェイト・テスタロッサは驚いてる。

 アルフも驚いてる。

 時の庭園より報告、プレシア・テスタロッサが次元跳躍攻撃の準備を開始。

 お姉様は、速やかに2人の傍へ。

 

「攻撃来るぞ! なのは、フェイトを守れ! ユーノもしっかり防げよ!」

 

「ええっ、もう!?」

 

 ユーノ・スクライアは驚きつつ、2人の近くへ移動。

 

「フェイトちゃん、こっち!」

 

 高町なのははフェイト・テスタロッサを抱き寄せて、防御魔法の準備開始。

 何だか百合百合しい絵面に。

 上空に紫の魔力光を観測。

 どう考えても次元跳躍攻撃の前兆。

 

「かあ、さん……?」

 

 その様子を見ていたフェイト・テスタロッサが、呆然と呟いてる。

 防御魔法を展開する発想も無さそう。

 

「来たぞ!

 ロードカートリッジ、装甲障壁(Panzerhindernis)!」

 

「は、はい! スフィアプロテクション!」

 

 お姉様が展開する大きな障壁と、ユーノ・スクライアが展開する球形の防壁。

 計算上は余裕を持って防ぐことが可能なはず。

 25発ロードに合わせて負傷偽装。やっぱり痛い。

 攻撃は原作同様の雷撃。

 地表付近に新たな前兆を発見。お姉様の介入に伴う多段攻撃化?

 

(アルフはフェイトの守りに入ったな?)

 

 ユーノ・スクライアの防壁の内側にもう1枚の防壁を展開してる。

 アルフにフェイト・テスタロッサを見捨てる選択肢は無いとは思ってたから、行動自体は想定内。

 だけど、高町なのはの防御に2枚足しても力不足。SSの本気は伊達じゃない。

 ジュエルシードは浮かんだまま放置。防壁の外だから、外部からの回収に支障はないはず。

 

(予想通りとは言っても、やはり力不足か。

 この攻撃の後で、さっさとプレシアがジュエルシードを回収してくれればいいが……)

 

 最悪の場合は、ここからチキンレース?

 チャチャマルは介入準備を整えてる。いつでも転移可能。

 障壁を維持したままではリロードが出来ない、黒龍の安定性の低さが仇に。

 初段の威力は予想範囲内だけど気持ち低め。少しカートリッジを節約できそう。

 

「そうか。ロードカートリッジ、装甲障壁(Panzerhindernis)!」

 

 22発ロードとそれに伴う負傷偽装をして、下方に新たに障壁展開。

 ギリギリだけど防御力に問題は無さそう。

 プレシア・テスタロッサは……たいへん、3段目と4段目の同時攻撃を準備開始。

 正確な攻撃位置は未確定だけど、海上のどこかなのはほぼ間違いない。

 これ以上の連続行使は確実に命を削る。無茶しやがって。

 

(クソッ、フェイトが持つ2つの為にここまで命を懸けるか!?)

 

 可能性としては、有り得ないとは言えない。

 ここで押さえないと後が無いと焦っていると見て良さそう。

 

(非殺傷設定にはなっているな!? 直撃でも死にはしないだろうな!!)

 

 それは恐らく大丈夫。直接的に殺すつもりは無い模様。

 攻撃位置判明。3段目はお姉様狙い、4段目はアルフの球状防壁の内部。

 プレシア・テスタロッサが吐血。このままだと命がヤバイ。

 

(庭園に痕跡を残すのは不味い……やむを得ん、4人は死ななければいい。逆探知も諦めるぞ)

「ロードカートリッジ、装甲手楯(Panzerschild)!」

 

 予定外の17発ロードでの、三角形魔法陣型の盾展開。

 念のため負傷を偽装、またちょっと痛い。

 お姉様だけを守る、最小限の盾。3段目については防ぎ切れる?

 4段目がフェイト・テスタロッサと高町なのはに直撃、バルディッシュとレイジングハートが破損。ユーノ・スクライアとアルフも痺れてる。

 物質転送の気配。ジュエルシードとバルディッシュと、レイジングハートを回収する模様。

 

「なのはの無力化までする気か!? 空気を読み過ぎだろうプレシア!!」

 

 高町なのはがジュエルシードを持っていると思い込んでいる可能性も。

 転送が終了、攻撃も終息。

 4人が墜落の気配、救援が必要に見える。

 

「ああもう、しっかりしろお前達!」




無印編23話から続くテレビ版第9話に対応する部分ですが、ようやく話が原作に戻りました。
ん? 戻った?


今回の話は、結構原作の場面の描写が入りました。でも、台詞が基本映画版です。
そして、妹達が茶茶を入れています。チャチャだけに。
でも、これでやっと無印も原作ブレイクらしくなってきた感じです?


2013/06/07 魔方陣→魔法陣 に修正
2013/06/21 犬神→犬上 に修正
2019/07/31 飛行適正→飛行適性 に修正
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