青の悪意と曙の意思   作:deckstick

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A’s編09話 危険な鍵

 その後も、話は長く続いて。

 八神はやてと主の出会いや、主とお姉様の出会い。それ以前の、お姉様が長く眠っていた事、八神はやての両親が亡くなった事、主の自主的な孤立の事、要するに内容は異なってもそれぞれ孤独な状態だった話が続き。ここ最近の出会いや友人関係の説明が終わる頃、これ以上は無理と八神はやてが音をあげて一旦就寝。

 最後まで話に参加してたのは、八神はやて、お姉様、守護騎士の計6人。守護騎士達には普通の和布団を用意したけど、思ったより気に入ってもらえて何より。

 学校がある主は早い段階でチャチャゼロとチャチャマルに連れられて寝室へ行ったし、プレシア・テスタロッサ、リンディ・ハラオウン、チクァーブの3人は、問題無さそうという事で話の途中で退散してた。

 八神チャチャは人数増加が確定したから、最初から台所で食器類の配置換えとかをしてた。

 

 夜が明けた金曜日の午前中は八神はやてと八神チャチャが中心になって、再び守護騎士達に色々と説明。この世界では魔法文化が公開されていない事、もう1冊の書の存在、転生者や原作知識、ニコポナデポ等の危険な能力等についても、だいぶ驚かれたけど理解はしてもらえた。

 変態(ロリコン)については、とりあえずヴィータには注意を促しておいた。神出鬼没で何を考えてるのか解らないけど、夜天の魔導書の関係者で、敵対はしてないと思われる人物。

 扱いに困る要注意人物(セクハラ的な意味で)と認識された。とりあえずはこれでいい。

 

 これで大きな出来事が終了したため、認識阻害の魔法を解除する事になった。小学生の1人暮らしではなくなったし、人の増減も一段落。これ以上余計な魔法を使い続ける意味は無いはず。

 その後、八神はやてが守護騎士達と共に服や日用品の買い物へ。守護騎士達が出かけるための服は、私達が夜の間に準備。従者達の服から、地球でおかしくない程度で大きさが合うものを選んてみた。騎士甲冑のデザインは既に伝えてあるけど原作通りだったし、それで買い物というわけにもいかない。

 買い物途中で予想以上に守護騎士に感情が現れたり、ヴィータがのろいうさぎのぬいぐるみを見付けて欲しがったりと、進展としては予想以上。

 最初に馴染んだのは、シャマル。服を自由に選べるのが嬉しいのか、始終ニコニコしてた。

 ヴィータはアイスクリームに釣られてたし、シグナムは戸惑いながらも馴染もうという意思は見せてた。

 ザフィーラはと言うと、朝に子犬モードを伝授したせいか、八神はやてがご機嫌で膝の上に乗せてた。最も近い位置で守ることが出来るからか、ザフィーラも特に異論や不満は無いらしい。少しだけど八神はやてへの負荷も減るから、一石三鳥。

 

 八神はやて達が買い物をしてる間、主は普通に学校へ。八神チャチャは食料品の買い物、お姉様は調査やらを続けてた。

 月村家のチャチャは、早速守護騎士の戸籍等の手続きを正式依頼。話はお姉様や主の話をした際に通してあったから、準備もある程度出来てる。お姉様に近い血縁者一行、両親が日本に帰化した後の子だけど、両親は既に亡くなっているという形で、書類上は八神姓の日本人となる事も事前に決定済み。

 外国籍にすると日本に住むための言い訳が苦しい。特にヴィータの説明が困難だから、仕方のない措置。でも、お姉様が日本に興味を持ち日本語が堪能な事の言い訳にも使えるから、結果的には良かった。

 なお、1週間以内には手続きが終わり、八神家の住人が正式に3人増える予定。仲間外れは勿論ザフィーラで、ペットの子犬という位置付けが確定した。騎士甲冑の応用で首輪も装備、飼い犬としての体裁も整えてある。

 

 夕食は、八神はやてと八神チャチャが中心になって準備。

 今日のメニューはご飯に味噌汁、漬物色々、豚肉と野菜の炒めものとヒラマサの刺身を大皿で。材料を大量買いしても大丈夫だし、魚1匹丸ごと買って捌いたから、見た目よりはお安め。

 テーブルに座るのは7人になり、とても賑やかな状態になった。これを見越してテーブルや椅子も準備してたから、問題無し。ザフィーラ用だった椅子が余ってるけど、これはあと2脚用意してある椅子と一緒に来客用とでもしておく。

 配膳も終わり、夜天組(シグナム、八神はやて、ヴィータ、シャマルの順)と曙天組(お姉様、主、八神チャチャの順)が向かい合う形で座って、食事開始。

 

「エヴァンジュと言ったな。

 子供の姿が本来の状態だと聞いているが、普段はその姿でいるのか?」

 

 話をしたいせいか箸を使うのを早々に諦めたシグナムが、正面に座る大人モードのお姉様に訪ねてきた。

 その手にあるのは、スプーンと茶碗。いまいち締まらない。

 

「私を呼ぶ時はエヴァでいいぞ。

 この姿でいるのは、日本……今いる国の法的にはこの年齢と姿という事になっているからだ。子供の姿では不都合や面倒も多いからな。チャチャも同じ理由で今の姿で過ごす事になっている。

 少々負荷があるから常にというわけにもいかんが、関係者以外の人前に出る可能性がある時はこの姿でいると思ってくれ」

 

 つまり、通常状態として、大人組はお姉様、八神チャチャ、シグナム、シャマル。

 子供組は、主、八神はやて、ヴィータ。

 ペットの子犬として、ザフィーラ。

 もちろん外見での話で、内面を考えると意味不明になる。

 

「そうか。

 今になって聞くが、闇の書の本来の名が夜天の魔導書とは……どういう事だ?」

 

「ザフィーラが夜天の主と言っていただろう。その意味は解っていなかったのか?」

 

「……そうだな。こう言うべきだという記憶に従っていただけだ。

 ザフィーラ、お前はどうだ」

 

「あれは主に対する宣誓だ。

 理解していた以上の意味を考える必要は無かった」

 

 話し方は変わってないけど、子供っぽい声、子犬の姿、犬用の皿で食事をするザフィーラ。

 シグナム以上に締まらない。

 

「お前達の記憶も完全ではない様だから、考えた事を覚えていないだけかもしれんぞ。

 誰かと戦った記憶はあっても、以前の主がどうなったかの記憶は無いのだろう?」

 

「……確かにそうだ。

 何故、私は今までそんな事にも気付かなかったのだ……」

 

「シグナムだけじゃねー、アタシ等だって同じだ。

 でも、このゴハンがギガウマだってのは、ぜってー忘れねー」

 

 箸を握りしめながら、ガツガツ食べてるヴィータ。

 好き嫌いは無いみたいだけど、やっぱり箸は難敵らしい。

 

「忘れんでもええ様に、何とかして闇の書を夜天の魔導書に戻さんとな。

 そのためにも、みんなの協力が必要や。よろしくな?」

 

「もちろんです。はやてちゃんも早く元気に歩けるようになって欲しいですし。

 闇の書が夜天の魔導書に戻ったら、治せるんですよね?」

 

 意外にも器用なシャマルが、ぎこちないながらも箸で食べつつ首を傾げてる。

 確かに、かなり重要な点ではあるはず。

 

「治る。そもそも負荷と侵食が問題だから、それが無くなれば何とでもなるしな。

 早く自由に歩けるようになって欲しいのは私も同じだ。解決してから半年以内に、2人ともある程度歩けるくらいまでは回復させてみせる」

 

「まだ私を回復させていないのは、はやてと同時の方が疑われにくいから。

 姉妹になる時に病院も同じになっているし、試した薬や治療法がうまく効いた事にして、一緒に回復する予定」

 

「来年の今頃には、私も歩けるようになってるって事やね?」

 

「そうだな。どの程度歩けるかは筋力や体力次第だが、最低でも家の中を歩けるくらいにはする。

 自由に外を歩けるようになるのは……1年くらいはかけるべきだろうな。急激に治すと、体にも対外的にも無理が出やすい」

 

「そっか。うん、楽しみや」

 

 

 ◇◆◇  ◇◆◇

 

 

 そして、翌日。要するに土曜日。

 そろそろ空間が安定してきたから本局への帰還準備を始めるという連絡を受けて、挨拶ついでに守護騎士の顔見せのために、翠屋に行く事になった。

 集合時刻は午前10時。開店直後の、比較的客が少なめの時間帯。全員集まると凄い事になるから混雑する時間は避け、特に必要でない八神チャチャは食料品の買い物担当という事に。

 

「管理局の者も来るそうですが、本当に大丈夫なのですか?」

 

 店に向かいつつも、シグナムは心配そうにしてる。

 八神はやての車椅子を押してるシャマルや、その隣を歩いてるヴィータも、口には出してないけど同じことを思ってる表情。

 

「大丈夫や。実を言うとな、みんなが来た時も管理局の提督さんがいたんよ?」

 

「本当ですか?」

 

「そうや。リンディさんとプレシアさんがいたやろ?

 その片方の人が提督さんや」

 

「そうでしたか。どちらもかなり力のある魔導師だと感じたので、警戒していたのですが」

 

「でも、何も無かったやろ。だから、心配ないよ。

 エヴァさん、今日は何人くらい来るかな?」

 

「声を掛けたのが今朝だから、アースラの連中は来るとしても、地球在住の連中は半分も来たら多いんじゃないか?」

 

「だけど、みんな興味はあるはず。意外に来るかもしれない」

 

 と、お姉様と主が正反対の意見を出しつつ、翠屋に到着。

 

 先ずは店先で、リンディ・ハラオウンとクロノ・ハラオウンが登場。

 時空管理局の提督と執務官と紹介されて守護騎士に緊張が走るも、言ってみればそれだけ。1人は顔を見てるわけだし、ごく普通に、これからよろしくと挨拶して終了した。

 お姉様はクロノ・ハラオウンから、嘱託魔導師の資格を取る為の資料や、知っておいた方がいい法律などの各種情報を受け取ってた。法に触れずに蒐集する参考になればよし、そうでなくとも今後必要になる知識だろうと判断して、法務処理の合間に纏めてくれていたらしい。

 店からケーキの箱を持って出てきたエイミィ・リミエッタとも挨拶すると、帰還準備があるからと3人は帰っていった。帰還自体はもう少し後になる……と言うか、ギル・グレアムの使い魔、リーゼアリアが来るか確認してからにするとの事。

 

 店に入ってすぐ、高町なのは、アリサ・バニングス、月村すずかの3人に声を掛けられた。

 八神はやてや主の友人達という事で、こちらも普通に挨拶。

 

「えっと、シグナムさんに、シャマルさんに、ヴィータちゃんに、ザフィーラくん。

 うん、覚えた。大丈夫!」

 

「ちょっと待て、何でアタシはちゃん付けなんだ高町ナントカ!」

 

「だって年下でしょ? それに、なのはだってば、な・の・は!」

 

 うん、見た目に惑わされてるけど、とっても普通。

 

 その後も、高町家の人が全員顔を出したり、アレックス・オーラムがテスタロッサ一家を連れて来たり、転生者の一部……セツナ・チェブルー、成瀬カイゼ、真鶴亜美、夜月ツバサが来たり。

 上羽天牙は家が遠いから。長宗我部千晴と馬場鹿乃は怖いから、黒羽早苗は興味が無いから来ないと連絡した際に返事があったし、変態(ロリコン)はまだ遠い世界。

 チクァーブは昨日既に会ってるから、これで顔見せは終了。の、はずだった。

 

(東渚が接近中、か……)

 

 今いるのは、大人モードのお姉様、主、八神はやて、守護騎士3人と1匹、高町なのは、高町恭也、夜月ツバサ。高町恭也は高町家保護者代理兼剣士としての血が騒ぐ人物代表として、夜月ツバサは道場経由で来るのが遅かったからまだ残ってた。

 子犬モードとはいえザフィーラがいて店先に出されているテーブルを使ってるから、店の近くに来た時点で見える場所。それなりに人通りがあるし、お互いに迂闊な事は出来ない。こちらは認識阻害と認識誘導を完備してるけど。

 

「エヴァさん、どうしたん?

 何か難しい顔をしとるよ」

 

「ああ……あまり関わりたくないタイプの転生者がこっちに向かっていてな。

 何を考えているのかよく解らん相手で、ある意味では危険な能力持ちらしいんだが……」

 

「な、何よ。聞けって言うの!?」

 

 お姉様の視線を受けて、夜月ツバサが怯えてる。

 今見るのは、そういう意図としか思えない。

 

「……今無理に聞く必要も無いか。

 解除は出来るようになっているな? 掛け直しは私でも可能だから、気が向くか、気になったら聞いてみてくれ」

 

「解ったわ。たぶん、やらないけど」

 

 夜月ツバサは明らかにほっとしてる。

 この様子だと、多分やってくれない。

 

「もうしばらくすると見えてくるはずだ。守護騎士の4人は、はやて達を守ってくれ。

 話は私が「私がする」アコノ、お前が前に出る必要は「今まで矢面に立っているのは私」……」

 

 お姉様の言葉を、主が凄い勢いで遮ってる。

 どうしてもお姉様を前に出したくない?

 

「転生特典無効化の危険性を考えると、夜天対策の中心にいるエヴァを危険に晒すわけにはいかない」

 

「だが、主であるお前に何かあれば、私も無事では済まん。

 それなら、まだ私が前に出た方が対処しやすい」

 

「エヴァの力なら、後ろに居ても対処出来る。姿を隠しておいた方が対処も楽かもしれない。

 もし私の特典が無効化されても、感情が戻る位しか効果が無い可能性も高い。

 他に失う可能性があるのは精々魔力くらい。死ななければ問題無い」

 

「そういう問題じゃないだろう!?

 命が残る保証も無いんだぞ!」

 

「特典を無効化された場合の危険性はエヴァの方がずっと高いし、命は恐らく特典じゃないから、きっと大丈夫。

 もし私が魔力を失ってもエヴァの主でいられたら、ずっと守ってくれる?」

 

「それはもちろんと言うかどこのプロポーズで死亡フラグだ馬鹿者!!」

 

「話し合い中済まないが、私が話をしよう。

 このまま言い合いを続けても埒が明かん。必要に応じて念話で指示をしてくれ」

 

 少々呆れた表情のシグナムが、お姉様と主の間に割って入った。

 確かに、お互いを危険に晒したくないと言いあっても、決着はつかなそう。

 

「ところで、特典の無効化、って言った?」

 

 話が切れたところで、夜月ツバサも参入。

 思いっきり聞こえてた。

 

「……言ったな。本人のメモでしかないが、そういう能力を要求したらしい。

 確定ではないし、どう歪んでいるか解らん以上、実際の効果にいい意味での期待は出来んぞ」

 

「そう。でも、アタシが前に出ちゃいけないって理由も無いわね。

 聞いてやろうじゃないの、ソイツが何考えてるか! 魔力が無くなろうが構わないわ、特典を壊せるならして見せればいいのよ!」

 

 テンションがやけに上がってる。

 確かに、呪いの様な能力を消せる希望ではある。どう歪んでるかが恐ろしいけど。

 

「あー、歪みは……気にならんのか」

 

「なるほど、大体は理解出来た。能力が惜しい転生者でなければ問題ない可能性が高いという事だろう?

 俺が前に出よう。魔導師が相手でも、時間稼ぎくらいは出来る」

 

 高町恭也、出陣。

 この場の中で、恐らく最も盾役に相応しい人物。ナデポ対策的な意味でも。

 

「仕方ない、恭也を中心に、シグナムとツバサも前に立ってくれ。一応法治国家だ、何かあれば私が何とかするから、少なくともこちらから仕掛ける事だけは避けてくれよ。

 私は姿を消して最悪の事態に備える。アコノは3人への口頭での指示を頼む」

 

「解った」

 

 

 ◇◆◇  ◇◆◇

 

 

 お姉様は翠屋に入る振りをしながら幻影と転移で姿を消し、高町恭也とシグナムは何故か店にも置いてある木刀を手に、テーブルの傍らに立ってる。

 どう見ても2人とも戦闘態勢。シグナムがデバイスや騎士服を展開していないだけマシだけど、威圧感という意味では恐ろしい。

 

「なんや、おっかない事になってきたなぁ」

 

「事情に詳しい2人が、あれほど警戒しているんだ。

 それに、ニコポやナデポだったか。そんなものでなのはや君達を操られるわけにはいかないさ」

 

「今から来るのが持っているのはナデポみたいだから、触れられなければ大丈夫なはず。

 名前は東渚、能力は転生特典の無効化とナデポの2つはほぼ間違いないと見てる。

 あと、今からツバサの事をアーニャと呼ぶ。変に名前を知られるより、恐らく理解出来る名前の方を印象付けた方が安全だと思う」

 

「解ったわ。じゃあ、アンタは木乃香でいいわね」

 

「それが、姿が似ている人物の名前か。覚えておこう」

 

 ピリピリした雰囲気に、八神はやてが呑まれかけてる。

 その横では、高町恭也と主が情報交換したり、主が夜月ツバサに方針を伝えたり。シグナムは黙って聞いてるけど、色々説明はしてあるから理解してるはず。

 シャマルとヴィータ、それにザフィーラは八神はやてのすぐ傍で守りの構え。ヴィータは主も守れる位置にいる辺り、嫌われてはいないらしい。

 高町なのはは八神はやてよりも遠くなる位置。高町恭也が盾役として最前列にいる以上、問題は無いはず。

 

 そうしているうちに、東渚が姿の見えるところまで来た。

 何とか頑張って笑顔風の表情を浮かべてるつもり?

 悪人顔のせいか、胡散臭い引き攣った表情にしか見えないけど。

 既に夜月ツバサの表情も引き攣ってる辺り、何を考えているのやら。

 

「やあ、そんなに殺気立ってどうしたんだ?」

 

「どうしたも何も、ナデポなどという洗脳技術を持つらしい人物を前に、警戒するなと言う方が無理だろう」

 

 頑張って普通を装う感じで声を掛けてきた東渚を、高町恭也が言葉で切り捨ててる。

 木刀に手を掛けてるし、既に殺気も漏れてる。

 威圧感ばっちり。

 

「い、いや、一度も効果を発揮した事が無いから、そこまで警戒する必要は……」

 

「嘘ね、命に係わる危機を救えば効くんでしょ。

 頭の中は凌辱する事でいっぱいじゃない、18禁が凌辱に直結するなんて人間腐ってるわよそもそもとらハは凌辱ゲーじゃないわよ!」

 

「アーニャ、一応言っておくと3には凌辱シーンがあるはず。

 それに、なのはと同年代で凌辱を連発するのはどうかと思う」

 

「知ってるけどコレの頭の中に純愛なんて言葉は無いわ!

 それに、木乃香もこの世界じゃ未成年なんだから一緒じゃない!」

 

「静かにしてくれ、話が進まない。

 東渚だったな、いったい何をしに来た。なのはや友人達をどうするつもりだ」

 

 思いっきり脱線していく夜月ツバサと主に苦言を言うと、高町恭也がより威圧感を放つ。

 返答次第では斬る気でいる、木刀だろうが間違いないと思わせる雰囲気。

 

「どうって、そりゃ仲良くなって」

 

「組み伏せて犯す気満々じゃないこのペドフィリア!

 転生特典の破壊で脅す? いいじゃない、やってみなさいよ!」

 

「貴様、読心系か!」

 

「今頃気付いたって遅いわ! 10メートル以内じゃないと効かないってとんだ不良品ね!

 だいたい魔力も消せない上に1回しか使えない特典破壊なんて怖くないわ、読心を消せるかやってみせればいいじゃない!」

 

「アーニャ、あまり煽り過ぎない方がいい。

 こんなのが暴走すると、理解出来ない事を仕出かす危険性がある」

 

 夜月ツバサの下心感知が絶好調、効果を叫ぶことで教えてくれてるのはとてもありがたい。

 何故か主は注意しながら下がってるけど。

 

(私は壊されたくないと思わせた方がいい。

 恐らく、今回は手札を切る時じゃないと考えてる。危険性も予想の範疇だったし、私に使ってもらうためにも、これくらいの演技はする)

 

(アコノ、それでも危険性はあるんだぞ?

 だいたい、本人がそう思っていても、その根拠が怪しすぎる)

 

(その裏付けは取る。踏み切るのは、情報を確定させてから)

 

(……無茶はするなよ)

 

「ふ、ふん。どうも、変な虫がいるようだね。

 待っていてくれ、高町嬢、八神嬢。必ず救い出してみせる!」

 

「何が救い出すよ、自分のモノにするって心の声は騙せないわよ!」

 

 夜月ツバサに罵られながら、東渚退場。

 えーと、今回のまとめ。東渚は要警戒、だけど当面は主の希望で処分不可。少なくとも無効化の能力解明までは。

 残念と言うより、なんて面倒なと文句の一つも言いたい気分。

 せめて、頭がとても残念な人じゃなければ放置で良かったのに。




チャチャは、別荘の食糧関連技術も扱えます。
つまり、生きている豚を用意されても平然と屠殺からスタート、生きているヒラマサ(約1mになるブリの仲間。美味しいですよ)が手に入ったら嬉々として頭をかち割ります。
生きている状態では売っていないので、八神家で行われる事はありませんが。


2013/10/11 最初の「長い話」の内容を軽く書き足し。
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