青の悪意と曙の意思   作:deckstick

79 / 162
A’s編12話 ちょっとそこまで

 アースラが本局に到着し、リンディ・ハラオウンやクロノ・ハラオウンが慌ただしく行動を開始して数日。

 法的な部分は、予想以上に順調に話が通っていく。

 

 フェイト・テスタロッサとアルフは、予定通り不起訴で確定した。

 むしろ、嘱託魔導師の資格取得の応援をされる状態になった。具体的には、元陸士訓練校教官が教師役として名乗りを上げてきた。

 監視や裏側への取り込みを考えている可能性もあるけど、この人物自体は高齢が理由で事務仕事に移っただけの、軽く調べた範囲では問題の無さそうな人物。純粋な応援と考えて良さそう。

 今の私達に不足しがちな情報を持ってるし、拒否や排除する理由も無い。とりあえず様子見。

 

 成瀬カイゼとセツナ・チェブルーも、ミッドチルダでの身分を確保完了。

 最初から地球との二重戸籍が前提だけど、Sランクを目指せる金の卵。喜んで迎え入れられてたし、フェイト・テスタロッサと共に元教官の教えを受けてる。問題になりそうだった管理世界標準語の習得も意外なほど進んでる。

 それに、今はフェイト・テスタロッサが頭一つ抜けてるけど、この3人は比較的実力も近く、いい模擬戦の相手になってる。

 リンディ・ハラオウンの紹介という形で聖王教会とも接触。希少な真正古代(エンシェント)ベルカ式のデバイスと魔法の使い手という事で、賓客待遇で迎えられた。

 聖王教会からは、カリム・グラシアが登場。年齢が近くて話しやすい人物という、リンディ・ハラオウンの要望が通った結果らしい。予言の有効性が広まってないせいか引き籠っておらず、普通に時空管理局の本局で会ってた。

 

 総合的に見て、3人の嘱託魔導師の準備やミッドチルダでの足場作りは、とても快調。

 

 プレシア・テスタロッサは、色々な交渉や法務処理を開始。

 クロノ・ハラオウンだけでは最終決定が出来ないため、別の法務担当者も交えての話し合い。

 とはいえ、司法取引で事実上無罪の方向性は確定的。今は時空管理局の医療部門が、プレシア・テスタロッサの持ち込んだ技術の精査をしてる。

 特に興味を持たれているのは、遺体保存技術と、不安定なリンカーコアの安定技術。

 前者は技術転用で、事故等で切断された部位の結合手術の成功率を高める効果が期待出来る。違法魔導師との戦闘で負傷した局員の治療で、後遺症を残す確率を下げられるかもしれない。また、移植手術の際に、摘出臓器を運搬する際の劣化を防ぐ事も出来そう。遺体そのものを臓器移植用に保存する意図もあるかもしれない。

 後者は先天性の病気の治療に役立つ可能性が認められた。稀な病気だけど、体調に影響が出るほどのリンカーコア異常を有する者の生存に繋がるなら価値があると期待された模様。

 表向きの用途だけでも、放置するには惜しい技術。裏を考えると色々ありそうだけど、手札として有効だから、とりあえずは問題無い。

 

 八神家では、八神はやてと守護騎士一同を別荘に招待。

 本格的な訓練で使うための場所としてケアンズに該当する場所を教えて、八神シグナム&八神ヴィータとお姉様&八神チャチャで軽く手合わせして、八神はやての目が点になったり。

 みんなで入れる大きな風呂に入って八神はやてが喜んだり、この際に脱衣を手伝ってたリルの胸を揉むも、子供のやる事と軽く流されてへこんたり。

 幼女モードのお姉様と並んだ八神ヴィータが、身長で負けてて微妙に拗ねたついでに大人モードを教えてくれと頼みこんでたり。

 なんにせよ、お姉様に対してもだいぶ硬さが取れ、打ち解けてきた。

 

 こんな感じで、表や八神家の方はいい感じ。

 というわけで、リンディ・ハラオウンは。

 

「どうしたのリンディ、愚痴に付き合ってほしいって珍しいじゃない。

 そんなに第97管理外世界の事件は嫌な事があったの?」

 

「まあ、そんなところね。

 聞いてもらうお礼と言うわけじゃないけど、その世界のお酒を持ってきてるから、一緒に飲みましょ」

 

 レティ・ロウランの部屋で、内緒の話を始めようとしてる。

 個人の部屋に会話等を記録する物は配置されて無いし、盗聴器等も仕掛けられてないから、どこかの店で話すよりもよほど安全。家族はとある管理世界の本宅にいるから、本局のこの部屋には現在2人しかいない。

 ちなみに、持ち込んだのは地球産のワインをいっぱい。具体的には6本。食品については元々地球からの輸入があったし、非生物の加工品は制限も緩め。手続きは割と簡単だった模様。

 簡単な料理を食べつつ、少々お酒も飲んだところで、お話開始。

 

「それで、何があったの?

 いくら私が飲む方だと言っても、こんなに持ってくるのだから、余程長い話なんでしょう?」

 

「ロストロギア関連の話なのだけど……駄目ね、信じられない事ばかりだから、何処から話したらいいのかすら悩むわ」

 

「そう。ジュエルシード事件は色々と噂になっているわよ。若返りや蘇生を実現する代物の情報なんて、権力者や金持ちからしたら垂涎の的でしょうし。

 技術部から流れてきた噂だと、扱い方によってはジュエルシードも似た効果を発揮する可能性があるそうじゃない。調査結果によっては、時の人になっちゃうかもね」

 

「今の話が細事になる、とても公開出来ない事実があるのが一番の問題なのよ。

 ねえ、レティ。これを見てもらっていいかしら?」

 

 そう言いながらリンディ・ハラオウンが空中モニターを展開。

 そこに表示されてるのは、3つの資料。

 1つ目、公式に提出されたもの。

 2つ目、裏や司法取引での交渉時に使用されているもの。

 3つ目、お姉様の関係者向け非公式設定をまとめたもの。

 凄い早さで目を通していくレティ・ロウランが、どんどんしかめっ面になってく。

 

「……明らかに矛盾があるわ。どういう事?」

 

「この3つの資料だけど、後の物ほど真実を語っているのよ。

 そして、八神エヴァンジュさんだけど……闇の書の悲劇の終焉を目指しているわ」

 

「闇の書?

 貴女も因縁があるロストロギアでしょう。個人に任せるつもり?

 その存在を秘匿するという事にもなるわよ」

 

 その時点で、提督としては背任を問われても仕方ない立場になる。

 時空管理局の提督という同じ肩書を持つ身としては、見過ごせないはず。

 

「結果的に、そうなってしまうわね。

 別に時空管理局を裏切るとか、そういう話ではないの。2つ目の資料に出てきた次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティが、裏で最高評議会の方達と繋がっているらしいのよ」

 

「背任に確信がある、という事かしら?

 もしそうなら、それも見過ごせないけれど……証明は出来そう?」

 

「今はまだ難しいわ。

 だけど、エヴァさんの情報が漏れた場合は、結果的にエヴァさんと時空管理局の間で戦争になりかねないのよ。そうなってしまうと、最悪の場合は時空管理局が崩壊するわ」

 

「それはまた、物騒な話ね」

 

 レティ・ロウランが呆れてる。

 普通に話すには、スケールの大きすぎる内容。信じてもらえなくても仕方ない。

 

「だって、エヴァさんは闇の書の妹ですもの。最悪の場合は闇の書を持って本局を襲撃すると断言されたし、それが可能だと言えるだけの実力は見せ付けられたわ。

 ある提督が闇の書の存在を知っていて、裏で動いていたのだけど……その関係者をジュエルシード事件があった第97管理外世界で捕らえて、本局内の提督の私室にまで秘密裏に連れて行ってるわ。つまり、本局にすら侵入出来る事を証明済みよ。

 だけどその提督の計画は、闇の書を封印する為に、魔導師を無差別に蒐集させて完成を目指すものだったらしいけど、それでは犯罪になるから駄目だと言って行動を止めていたし。

 エヴァさんは、悪い人ではないのよ……素直じゃない上に、優秀すぎるだけで」

 

「……色々頭が痛くなる情報が、ポンポン出てくるのだけど。

 闇の書の妹、本局への自由な侵入、提督の裏の計画……私を過労死させるつもり?」

 

「いえ、提督の計画については中断……少なくとも凍結はしてもらっているわ。

 エヴァさんについては、信用してあげてとしか言えないけれど……無差別蒐集を止めたのがエヴァさんだから、察してもらえると有り難いわ」

 

「はぁ……監査は何をやってるのかしら。

 いくら人手不足でも、これほど色々発生しているのに気付かないなんて」

 

 レティ・ロウランがため息をつきながらワインを口に運んでる。けど、全て表では信頼される立場の人物だったり、完全に裏側だったりする話。

 監査が後回しになったり、そもそも監査の範囲に入らない可能性も高かったりするから、気付かれないのは仕方ない部分もある。

 

「別口だけれど、最高評議会の方達が裏側で動いているみたいだから、それも関係するんじゃないかしら? 監査が優秀だと、動き辛いでしょうし。

 そうそう、最高評議会とジェイル・スカリエッティの間に、レジアス・ゲイズ中将がいるらしいの。大物が動き過ぎね」

 

「ちょっと待ってリンディ。レジアス・ゲイズ中将って……犯罪者嫌いで有名な、あの?」

 

「あの、よ」

 

 信じられないと言いたげなレティ・ロウランと、信じたくないけどと言わんばかりのリンディ・ハラオウン。

 2人はため息をつきながら、ワインを口に運ぶ。

 

「……管理外世界で発生した事件じゃなかったの?

 どうして、ミッド地上の情報まで出てくるのよ」

 

「事件自体はそうだったのだけど、ね。

 発端の時点で時空管理局とジェイル・スカリエッティが絡んでいて、それをエヴァさんに暴かれた感じよ。プレシアさんの証言から判明した事もあるから、ほぼ間違いないと思えるし」

 

「そう……クロノ君が言っていた事を思い出すわね。

 確か、世界はこんなはずじゃない事ばかりだ、だった?」

 

「そんな感じね。

 今までの話は迂闊に手を出したら危険だから、無理に対処せず、前提の知識として思ってもらえばいいわ。早めに手を打つべきではあるけれど、今の情報を知っているとばれた時点で、私達が切り捨てられるもの。

 ここからが本題なのだけど、闇の書の守護騎士達を、犯罪者の対策に使えないかしら? 無差別じゃなくて、犯罪者から魔力を蒐集するためなのだけれど」

 

「また、随分と突飛な事を。出来ると思ってるの?」

 

 レティ・ロウランが頭を押さえてる。

 時空管理局の裏に対処しない事と、守護騎士を使った犯罪者対策。両方とも頭が痛そうな話ではある。

 

「出来る出来ないじゃなくて、やらないといけないのよ。

 とりあえず、これを見て」

 

 そう言いながら再生したのは、闇の書の起動前後のやり取りの記録。

 六芒星の魔法陣は隠してあるからちょっと配慮してあるみたいだけど、お姉様がリンディ・ハラオウンと話した内容まで映ってた。

 

「……1つずつ確認させて頂戴。

 この小さな女の子が、闇の書の主ね?」

 

「そうね。八神はやてさん、まだ9歳になったばかりの、つい最近まで魔法の存在すら知らなかった女の子よ」

 

「そして、闇の書は既に起動している?」

 

「起動している場面は、今見せたでしょう?」

 

「守護騎士も、活動を開始している?」

 

「まだ蒐集等はしていないから、生活を始めているという表現の方が正しいわね。

 戦闘になった時の事を考えているなら、魔導師ランクでの評価だとAAからS-くらいになるそうよ」

 

「闇の書の主の隣にいる、金髪の女性……少女や本になっているけど、この……人? 表現が難しいけど、この人が闇の書の妹ね?」

 

「そうね。八神エヴァンジュさん、はやてさんの保護者でもあるわ」

 

「後から入ってきた車椅子の女の子が、エヴァンジュさんの主ね?」

 

「そうね。八神アコノさん、ジュエルシードの報告書だと小野アコノさんという名前だったわ。

 あの事件の後に、はやてさんと姉妹として縁組しているのよ」

 

「何度か出ている、夜天と言うのは?」

 

「闇の書の、本来の名前だそうよ。正式には夜天の魔導書というらしいわ」

 

「この場にプレシアさんがいるのは?」

 

「エヴァさんが自分の存在を隠すために、矢面に立たせる気でいるのよ。

 闇の書の妹だなんて知られた時点で危険物扱いは確実だし、ジュエルシードを使えば若返りが可能と知られたら、余計な手出しがあるのも間違いないでしょう?

 だけど……エヴァさんは過去に色々問題があったらしくて、時空管理局の裏側というか、最高評議会からジェイル・スカリエッティに繋がる人達を敵視しているわ。

 迂闊に手出しされる事があれば、本当に時空管理局の危機なのよ……」

 

 ついに、リンディ・ハラオウンに泣きが入ってきた。

 事実そうなのだから、始末に負えない感じ。

 

「……とりあえず、次のお酒を開けましょう。

 素面ではやってられないわ」

 

「そうね」

 

 そして、しばらくは無言での飲食。

 その間、約10分。

 

「……このままだと、何も解決しないわね。

 あの映像を振り返ると、闇の書の守護騎士は自らの意思で蒐集する事は無いし、今は話が通じる主が手綱を取っていると見ていいのね?

 その上で、管制人格を起動するために必要な魔力を無差別に蒐集しないために、犯罪者対策に名乗りを上げている……」

 

「現時点では、罪は犯していないのよ。

 だけど、はやてさんの命がそう長く持たないから、あまり悠長にも出来ないそうよ。

 無下にしたら何が起こるか、想像出来るでしょう?」

 

「……想像したくないわね。だけど、エヴァンジュさんはCランク相当でしょう?

 何かおかしくない?」

 

「魔力量での評価なのよ。64発のカートリッジを同時にロードする事が可能なデバイスを持っている、ベルカ式を極めたような技術の持ち主だから……Cなんて評価は、飾りだそうよ」

 

「……理不尽の権化の様な存在ね。

 とりあえず、立場と時間を考えると、局員になるのは難しいと思うわ。

 他に考えられる手段としては、自警団への組み込み……これも身分が問題だし範囲が狭すぎるわね。民間協力者……1つ2つの事件ならともかく、数をこなすには問題が出るわ。傭兵……戦時ではないから微妙ね。正直言って、あまりいい手段は無いわ。

 そもそも、いくら犯罪者でも、捕らえる際に過剰に傷つける事は避けるべきだし」

 

「でしょうね……協力してくれそうな人が3人、嘱託魔導師を目指しているのだけど、その協力者という形なら行けそうかしら?

 少数で対応する為に、相手の無力化を優先して処理した、とか」

 

「それならまだ何とかなるでしょうけど、まだ準備が整っていないでしょう? あまり時間をかけたくないなら、初動の遅れは後になって響くわ。それに、あくまでも民間協力者だし、協力しすぎるのは問題になるわよ。

 クロノ君の助手には……やっぱり身分が足りない、か」

 

「やっぱり、時空管理局として真っ当な方法と言うのは無理があるかしらね。

 妥協出来る代案があればいいのだけれど……」

 

「いっそ、義賊的に活躍してもらう方がいいかもね。

 現行犯の逮捕であれば民間人でも可能だし、明確な証拠と身柄を速やかに引き渡してもらえば、当局の手柄という形にして存在を隠す事が出来るかもしれない。犯罪者の復讐を防ぐ為に匿名での通報を受け入れているのだから、逮捕者の情報を残せない事を不問にしてもらうことは不可能ではないわ。

 こちらから多くの情報を流せないから効率はあまり良くないし、誤認は絶対に避けないといけないけれどね。本局に侵入出来る実力が本物で、ある程度の調査も出来る力があれば、正当な手順を踏むよりはマシでしょ」

 

 ある意味で、犯罪者の拠点を襲撃する事を黙認してもらうという形?

 情報はレジアス・ゲイズやジェイル・スカリエッティの芋蔓と、公開されてる手配書やらを元に本腰を入れて調査すれば何とか。

 時空管理局内は徹底して秘匿してるけど、末端の犯罪者の管理は結構いい加減な所があるし。

 

「なるほど。その路線なら何とかなりそうだな」

 

「えっ!?」

 

「エヴァさん……それが可能だとは知っているけれど、心臓に悪いわ」

 

 大人モードで闇の書と清酒の一升瓶を持つお姉様、八神シグナムを伴って部屋に侵入。

 レティ・ロウランが呆気にとられてる。

 リンディ・ハラオウンは、ものすごく驚きつつ困った顔。

 

「いや、何が出来て何が出来ないか、はっきりした方が動きやすいからな。やり取りに無駄な時間を使う気は無いから、直接話をしに来たんだ。

 ああ、挨拶がまだだったな。私は八神エヴァンジュ、夜天の魔導書の妹だ。今は闇の書と呼ばれている姉の主である八神はやての後見人もしている。

 ちなみにこれが闇の書で、これは土産の酒だ。で、こいつが守護騎士のまとめ役だ」

 

「初めまして、レティ提督。

 私はシグナム。守護騎士ヴォルケンリッターの将を務めている、剣の騎士だ」

 

「初めまして……ちょっとリンディ、どういう事?」

 

「これは……予想外過ぎるわ」

 

 レティ・ロウランが思わずと言った感じで返事をした後、凄い目でリンディ・ハラオウンを睨んでる。睨まれてるリンディ・ハラオウンも頭を押さえてるけど。

 

「なに、私がその気になれば、本局の様子を見る事も出入りも可能だというだけだ。

 というわけで、犯罪者を捕らえ、証拠と共に速やかに当局へ提出する方向で大丈夫か?

 情報は何とかして集められるだろうから、どの程度までやっていいか、やる際にはどんな手順が無難かを相談したいんだが」

 

「……リンディ。常識って何だったかしら?」

 

「思っていたよりも儚い物だと、改めて思い知らされたわ」

 

 

 ◇◆◇  ◇◆◇

 

 

 というわけで、レティ・ロウランやリンディ・ハラオウンと、今後の方針ややり方を相談。

 結果、戦闘集団を名乗り、犯罪者組織やらを中心に潰して回る事になった。

 手順としては、犯罪者組織の拠点や研究所に証拠となるものが存在する事を確認し、強襲。そこにいる魔導師から蒐集、無力化した上で全員を捕縛し、速やかに現地の当局に通報して回収してもらうという流れ。

 証拠を破棄されない事が絶対条件となるし、謝礼的な物は一切無いけど、必要以上の罪に問われる事は回避出来るはず。

 義賊団として情報戦も仕掛けた上、襲撃の際に金銭類を奪い犯罪被害者への義援金や支援団体への寄付、局員の戦闘支援も行い、一般人や現場に近い局員からの支持も集めてしまおうという方向となった。

 蒐集の痕跡に関しては、リンカーコアに強力な封印を施す事で偽装。自動解除は約2週間で、内部に治療魔法も仕込むから、その間に回復すれば何の問題も無い。回復が間に合わなくても、強引に押さえつけられたことによる疲弊や損傷と診断される可能性が高いと判断。

 

「よし、これならそれなりのペースで集められそうだ。

 実働は基本的にシグナムと……そうだな、ついでに紹介しておこうか」

 

 というわけで、ここでの会話を伝えていた場所から、八神ヴィータと八神シャマルを転送。

 ちなみに、いたのはとても近い管理世界、隠蔽処理をした個人転送で移動出来る場所。

 八神はやてはザフィーラと一緒に日本でお留守番だから、今回の顔見せはこれで全員。

 

「鉄槌の騎士、ヴィータ。よろしく」

 

「湖の騎士、シャマルです」

 

「……ここまでされると、何と言うべきかすら迷うわね」

 

 レティ・ロウランが、遠い目をしてる。

 現実逃避したくなる気持ちは解るけど、挨拶をしてる八神ヴィータと八神シャマルがちょっと哀れ。

 

「ちなみに、戦力としては一級品だぞ? 偽装もする必要があるから、常に全力を出せるとは限らんがな。

 顔を晒せないから、騎士甲冑も専用で考えるべきか……正体を隠せる格好ははやてに考えてもらうとして、まずは手頃な犯罪者の捜索だな」

 

「手頃な犯罪者って……そんな簡単に見付けられる?」

 

「管理世界で公開されている手配書とやましい連中が潜みそうな場所を突き合わせれば、少しくらいは見付かるだろう。

 やましい事をしてる連中は、管理局内にもいるからな。手軽な連中が見付からなければ、そいつらの証拠でも集めるさ」

 

「そう……」

 

 もう好きにしてと言いそうな雰囲気のレティ・ロウラン。リンディ・ハラオウンも似た雰囲気だけど、心配しなくても大丈夫。

 少なくとも、必要以上の犠牲は出さないから。




遺体保存技術はプレシアによる改良付きとなっていますし、「表の世界」に情報を公開したプレシアの技術という扱いとなります。
脳味噌の維持技術やスカリエッティの保存技術は公開されていない(ほいほい公開する立場じゃないでしょう?)とすれば、特許は申請が早い者勝ちですし、不自然じゃないはずです。


欠損とかは魔法で治療出来ないの? という疑問もありますが、
・撃墜なのはは、立って歩けるかも危ぶまれた。
・ラグナ(ヴァイスの妹)は失明したままらしい。
という感じに原作で魔法万能説が否定されているので、通常の医療技術も大事だと思うのですよ。


ところで、ヴィータの身長って、公式には設定されてないんですかね?
ネットで調べる限りではその様な情報が無かったので。無印なのはも似た感じですが。
この話での身長設定は、次の後書きにちょっと書く予定です。


2015/02/10 体調に影響を出せる程のリンカーコアを保有する者の→体調に影響が出るほどのリンカーコア異常を有する者の に修正
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。