青の悪意と曙の意思   作:deckstick

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A’s編27話 未来の景色

 関係者達がバタバタと慌ただしく準備に追われる事、数日。

 その間に、八神チャチャマルが正式に八神家入りした。

 戸籍やらについては既に準備しておいたから、八神チャチャの部屋に服や荷物を少し増やしただけで、特別な事は何もしてない。

 とりあえず、これで5組目のペアとなり、1人の部屋はなくなった。最後の空き部屋はヴィヴィオが使うことになるだろうから、物置状態を続行。

 

 襲撃に関する後処理は、予想の斜め上を突き抜ける結果に。

 先日の襲撃者の1人が、とある管理世界に住む局員だという事、しかも勤務記録を偽装されての参加だという事の証拠が揃い、時空管理局の糾弾を開始。放置出来なくなったのか、せっつかれた監査も重い腰を上げた模様。アースラからの調査要請も一役買ってる。

 本人からは一応、正式な命令を受けての犯罪者の拠点襲撃任務に見えていた。ここまではまあ、どうかとは思うけど、一応予想の範囲内。

 正義感の強い人だったようで、本人も糾弾に参加なう。内部情報を公開して、只今大炎上中。アースラの通信設備を使用して、お姉様に謝罪と状況の説明もしてくれた。

 これは予想外。何だかやる事が迂闊過ぎて泣けてくる。

 杜撰じゃないのは、黒幕の隠蔽。指示の根がどこにあるかについてだけは、巧妙に隠されてる。

 トカゲの様に、頭の行方が見えないまま、末端が切られて終了する未来しか見えない。

 

 ここまで判明した時点で、襲撃された関係者への詳細説明。

 説明が無かったせいで状況を把握してない長宗我部千晴や、襲撃の無かった上羽天牙も含む。

 その結果、全体的に見て、ありえねー、という感想だった。私達もそう思う。

 襲撃に関しては今後もあり得るという事も伝えたし、お姉様の責任と言う人もいなかったから、とりあえずは一安心。

 

 それと同時に、闇の書発見の一報が時空管理局を駆け巡った。

 起動してない事になってるから、ギル・グレアムに対する裏側からの糾弾も弱い。むしろ、対策に参加して何とかしろという方向の圧力になり、既に現地拠点を持つアースラを率いるリンディ・ハラオウン、発見者のプレシア・テスタロッサと共同で対策を行う方向で調整が行われてる。

 ギル・グレアムの参加理由として、現場である第97管理外世界出身で局員に対して現地に関するアドバイスが可能である事、今後現地に入る際の多くの問題を回避出来る事が挙げられてる。

 だけど当面は、本局側の取り纏め及び情報収集を担当する事になりそう。裏側から見たら言葉の意味が変わるけど、その辺はギル・グレアムの手腕に期待。

 即座に潰せと言う声もあり、それを表裏から抑える役目を担う必要もある。

 

 予想してた闇の書とその主の引き渡し要求もあったけど、保護者であるお姉様が明確に拒否。

 2回の“時空管理局員を含む可能性がある襲撃”を主要因として挙げ、そんな強硬手段に出る組織に任せる気は無いと宣言した。特に2回目に関しては参加者自身が関与を認めてるから、無関係だと主張も出来ない。

 また、カリム・グラシアやシルフィ・カルマンと話した印象として、自分以上に古代ベルカの技術に詳しい人物がいるとは思えない事、表と裏に関する日本での社会的な立場、家族や仲間との関係も理由として挙げた。

 現地に居るリンディ・ハラオウンが早々に説得を諦めた事、レティ・ロウランが現地に投入する人員の調整……具体的にはマリエル・アテンザの駐留期間延長手続きを始めた事もあり、強硬には迫ってこなかった。

 

 こんな感じで、仮ながら対策を現地で行う事が決まった直後。今度は聖王教会からの指示が、カリム・グラシアとシルフィ・カルマンに飛んだ。

 曰く、闇の書に関する作業に全面的に協力する事。

 既に現地に居て、関係者との接点がある事が選定理由らしい。古代ベルカ製とされるロストギアが関係してる以上は放置出来ない聖王教会の立場と責任感が、速やかな指示に繋がった模様。

 人員の追加も辞さない……というか、送りたいという意向も伝えられてるけど、割と本気で取り組むつもりにも、余計な肩書付きの連中の得点稼ぎにも見える。

 

「つまり、有り得る色々な事と言っていたのは、これの事ですね。

 知っていたのであれば、もう少し教えて欲しかったです」

 

 そして、カリム・グラシアはちょっと拗ねてる。

 あまりの対処の速さに、何処までが仕込みか読み切れてない……というか、全てが仕込みと思われたかもしれない。

 

「夜天の魔導書については話を聞いていたけれど、闇の書との関係については教えられていなかったし。関連性に気付いていなかったのよ。

 闇の書については少しばかり詳しいつもりでいたから、過去の闇の書の事例と大きくかけ離れた現状が、なかなか結びつかなくて」

 

 リンディ・ハラオウンは、建前として用意してある言い訳での説明。闇の書について知ってるのはもちろん11年前の事件が原因で、これは本当の事。

 お姉様が実際に知るのは、夜天の魔導書について。闇の書については乖離の激しい原作知識という扱い。

 

「前回の事件で何らかの改変があったんじゃないかと疑いたくなるくらい特殊な状況だけれど、あれは間違いなく闇の書よ。

 ああ、私は一時期、娘を蘇らせる方法を求めて、手当たり次第に情報を探った事があるの。闇の書の無限再生についても調べたから、そういった関係もあって、ね」

 

 プレシア・テスタロッサは、真実が殆どの建前で説明。

 調べた経験自体は嘘じゃないし、アリシア・テスタロッサが蘇生した事も隠してないから、嘘を言う必要が無い。

 

「無限再生か……どう再生するかという情報を予め準備しておく必要があるし、実質的に疑似生命体かそれに類する存在でなければ意味が無いから、死者の蘇生には使えんはずだ。

 リンディが詳しいのは……やはり、11年前のアレか」

 

 この場には、お姉様もいる。

 この4人だけでテーブルを囲んで紅茶を飲んでいるのは、巻き込む気でいるから。

 せっかくの手札になり得る人物。可能であれば、取り込まない手は無い。

 

「ええ。あの時はクライドの副官として後方支援や調査を担当していたし。

 その後も……ちょっとね」

 

「そうか。歴史資料的な裏付けはユーノとグレアムに頼むとしても、やはり夜天の魔導書が闇の書になっているのはほぼ確定か。こんな所は、未来情報と一致するんだな。

 別物なら良かったんだが」

 

「研究者として、たらればは禁物よ。

 現実を現実と受け止め、その上で足掻くしかないわ」

 

「ああ、それは解っている。だが、認めたくない現実もあるさ」

 

 ポットから紅茶を注ぎ、角砂糖をポイポイ放り込むと、お姉様はソファーに凭れ掛かり、悲しげに眼を閉じた。

 放り込む時にリンディ・ハラオウンの目が輝いた事なんて見てない。

 会話が白々しく聞こえるのは、禁則事項なので指摘しちゃいけない。

 

「それにしても、随分と詳しいと言うか……過去の記憶に、何かあるのですか?」

 

 よしきた。

 カリム・グラシアが不思議そうにしてるけど、本当のこと伝える前に、まだする事がある。

 

「そうだな……カリム。

 ヴィヴィオの秘密は、どの程度守れそうだ?」

 

「公開が騒乱の元になる事は理解出来ていますし、何より、ヴィヴィオ様自身が望んでおられません。

 父には雑談で、オリヴィエ陛下の肖像画とよく似た人物に会ったと伝えましたが、何らかの情報が漏れた場合の火消しをしやすくする事が目的です。

 闇の書に関して時空管理局が動き始めた以上、見なかった事にするよりも、最初から似た人物がいる事を前提とした方が隠しやすいはずですから」

 

 ヴィヴィオや周囲の振る舞いでボロが出なければとなるけど、妥当な判断。

 少なくとも、完璧な隠蔽よりは難易度が低い。

 

「そうか。

 さて、私の記憶についても同程度の爆弾になりかねんが……聞きたいか?

 少なくとも、広まると色々面倒な事になる情報だ。

 先に言っておくが、この情報を知ってからは、選択の余地なくこちら側についてもらうぞ」

 

「闇の書……いえ、夜天の魔導書に関する重要な情報、ですね?

 お2人やヴィヴィオ様は御存知なのですか?」

 

「ああ、知っている」

 

「そうですか……」

 

 カリム・グラシアはしばらく目を閉じ、考え込んで。

 そして。

 

「……解りました。

 教えて下さい」

 

「ふむ。本当にいいんだな?」

 

「はい。リンディさんが時空管理局の一員として参加しているのですから、少なくとも、悪を為す事を目的としていないと予想しました。

 それに、協力するという聖王教会の指示とも矛盾しない、と。

 ヴィヴィオ様も真実を知った上で保護下にいる以上、ここを離れる選択肢はありませんし」

 

「多くの秘密を抱える事になるから、ある意味では裏切る事にはなるんだが」

 

「それでも、必要だと判断しての事ではないかと。

 先日の襲撃の件もありますし、可能な限り安全に事を運ぶための隠蔽や工作であれば、止むを得ないと判断します」

 

「ふぅ……私としては有り難いが、ホイホイ人を信じるのもどうなんだ?」

 

「ふふ、これでも人を見る目はあるつもりです。

 決して悪人には見えませんし、悪人を信用なさるヴィヴィオ様でもありませんよ」

 

 人がいいと言うか、何と言うか。

 信用された事を素直に喜べないような、喜んでいいような。

 

「やれやれ……まあいい。

 今言えるのは、私が持つ過去の記憶についてだ」

 

「主に、ベルカの技術面についてが多いような印象ですが……その内容ですか?」

 

「いや、由来だ。

 私の過去の記憶では、私は夜天の魔導書の妹だ」

 

「妹? 魔導書の、ですか?」

 

 カリム・グラシアが、めっちゃ不思議そうにしてる。

 管制人格に関する知識が無いか、あまり情報が残ってないのかもしれない。

 

「そうだ。

 夜天の魔導書は広い意味での融合騎であり、人格がある。

 私の記憶は、その妹……デバイスだから妹機と言うべきか? その融合騎のものだ」

 

 この説明なら、ギリギリ嘘じゃないはず。

 夜天の魔導書の妹機の管制人格の記憶を、本人が持っているだけ。

 本人じゃないとは、言ってない。

 

「それで、技術面の情報が多いのですね……当時の名は、何と?」

 

 あら、意外に驚かれない。

 流石ベルカ、記憶の継承程度では驚かない?

 Vividのヴィヴィオ然り、アインハルト然り。ベルカ系だと割とありがちなのかも?

 

「魔導具としては、曙天の指令書と呼ばれていた。

 指令書と言いながら、やっていたのは資料庫の整理や魔法の研究だがな」

 

「曙天……曙……夜明け? それに、夜天……

 まさか!?」

 

 カリム・グラシアの顔色が変わった。

 ちらっと部屋の様子を確認すると、紙の束を取り出し、その紐をほどいて。

 その紙が輝いたかと思うと、カリム・グラシアを取り囲む円を描くように空に舞った。

 

預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)か。紙が空を舞うのは、古代ベルカ式の魔法のようにも見えるが……予言自体はどうなんだろうな」

 

「恐らく、使用条件が厳しい血統魔法の一種のようなものではないかと考えています。

 それよりも、これを」

 

 浮かんでいた紙が、お姉様の方に飛んでくる。

 内容は当然、古代ベルカ語。だけど。

 

「これは……」

 

「昨年得た予言です。幻の書の協力もあって翻訳は終了していますし、夜、そして夜明けを示す言葉がある事は解っています。

 夜天と曙天、2つの名を示しているのであれば、或いは」

 

「ええと、これは、カリムさんの予言よね。

 私達にも解るように読んでもらってもいいかしら?」

 

「……そうだな。

 

“生きる人形が生み出される地

 幾多の魂が交錯し 死を厭わぬ者が血塗られた鎖を断ち切る

 溶け行く氷が舞い 囚われた死者達が役目を終え

 絶望に蝕まれた夜が 夜明けの祝福を受ける”

 

 どうとでも解釈出来そうだが……経緯はともかく、成功すると取れるのか?

 随分と道は険しそうだが」

 

「全体的に不穏な言葉が多いので、気になっていました。

 絶望に蝕まれた夜というのは……先ほどの話と併せて考えると、闇の書となっている夜天の魔導書を示す可能性があるのではないかと」

 

「……主を殺してしまう運命に絶望していたという情報に準拠するなら、そうなる。

 それを夜明け、つまり曙の名を持つ私が何とかする。そう読みたいところだが……」

 

「他が随分と物騒な言葉が並ぶわね。生きる人形とか、囚われた死者とか……

 これの心当たりはあるのかしら?」

 

「例の知識をあまりあてにするなよリンディ、既に参考情報ぐらいにしか役に立たん。

 その上でだが……まあ、順に考えるか。

 生きる人形は、傀儡兵や戦闘機人、クローンも該当する可能性があるか。生み出される地であるなら工場かそれに類するものがあるという事だろう。数人攫われている事も考えると、スカリエッティが手を出してくる……いや、そういった施設のある場所を使う可能性がある、程度か。

 幾多の魂は、大勢が参加するとかだろうな。少人数で何とかするわけではないという事だろう。

 死を厭わぬ者……相打ち覚悟で、血塗られた鎖……闇の書の呪いを断ち切る、かな。

 解け行く氷……氷結魔法が失敗するか、破壊でもされて脱出されるかだろう。

 囚われた死者だが……役目を終えるとなると、今は活動しているという事か。ここはあまりいい感じがしないな。

 間違っている可能性もあるが、とりあえずこんな所だ」

 

 他にも色々解釈は出来そうだけど、一番無難なのはこんな感じ。

 一番厄介そうなのは、やっぱり死者について。

 

「そう……大物次元犯罪者が介入してくる可能性を考えると、何か手を打っておくべきかもしれないわね」

(でも、囚われた死者って……可能性として考えられるのは、別荘の?)

 

「連れ去られた連中の内、2人はまだ保護出来ていないんだ。

 その捜索という名目で調査は行えないのか?」

(その可能性は否定出来んが……あいつらの役目は別荘の維持だ。その役目が終わるとなると、別荘が崩壊する事を意味するぞ。

 それに、守護騎士は人を取り込んで作成されている可能性が高いようだ。もしそうなら、囚われた死者という定義にあいつらも該当する。守護騎士の消滅を示唆している可能性もあるぞ)

 

「依頼はしているけれど、あまり動きは無いわね。

 手掛かりが無いことを理由に、失踪した人物のリストに入れただけになっているわ」

(それなら、夜明けは夜の終わり、夜天の魔導書の消滅を意味する可能性があるという事ね。

 守護騎士の役目の終了という解釈も出来てしまうし)

 

「やはりな。捕らえた1人が犯罪者になっていたという事実は軽視されているか」

(……あまり考えたくない可能性だな。

 まあ、全力で足掻いてみせるさ)

 

「その辺も含めて本局に戻った時に依頼してみるつもりだし、闇の書関連で注目が集まった状態だから、もう少し動いてくれるんじゃないかしら。

 それと、アースラにアルカンシェルを搭載する事が決まったそうよ。護送も兼ねて、一度戻ってこいという事ね」

 

 この辺は、今朝通知があった最新情報。

 時空管理局として、最悪の事態に対応するための切り札を用意しておきたい気持ちは解る。

 ギル・グレアムとの交渉でも出てたし、筋書き通りでもある。

 

「そうなると、2週間ほど離れる事になるのか。

 その間にも襲撃がありそうだが……捕縛は可能なのか?」

 

「エイミィと武装局員の一部は残しておくし、嘱託魔導師や民間協力者依存だけれど、一般的な部隊よりも充実した戦力が残るわ。

 魔法を知られてしまった同居している親戚の人達も、随分と素質がありそうなのでしょう?」

 

「まあ、そうだな。すぐには無理だろうが、将来的にはかなりの実力者になれそうだ。

 その意味では、カリムには朗報か? 真正古代(エンシェント)ベルカの術者が増えるぞ」

 

 実際は既に完成した技術を持つ騎士だけど、その事実は公表出来ないし。

 お姉様が鍛えた事にするのが、色々な方面に説明しやすいのは確か。

 

「この様な形で増えるのは、不本意ではあるのですが……

 やる気のある若者を指導して頂くわけにはまいりませんか?」

 

 巻き込まれ系は矜恃が許さない?

 依頼したい内容も、聖王教会の立場を考えるとまあ解る。

 

「私は基本的に研究者だから、大勢を指導するのは向かん。

 シルフィにデバイスの製造技術を伝えるつもりだが、それが形にならないと、教える以前に製造に手いっぱいになる可能性だってあるしな。

 カイゼやセツナ辺りを勧誘して指導してもらうのは、本人達がどう思うかはともかく、私は止めんぞ」

 

「そうですか。それも手ではありますね……

 でも、諦めませんよ」

 

 

 ◇◆◇  ◇◆◇

 

 

「……というわけで、お前達が勧誘される可能性を上げておいた。

 好きな道を選ぶといい」

 

 こんな感じでセツナ・チェブルーに説明なう、いん・別荘のお風呂。

 今の日本は夜中で、今日から学校へ通い始めたから昼間は時間が無く、食事と宿題を終えてから少し訓練をした後の状態。

 主や八神はやて達は既に入浴を終えてるし、途中まで一緒に訓練してた成瀬カイゼも同様。そもそも男性がこの場に居る事はないし、近接担当で参加してたチャチャゼロは軽く体を流しただけで風呂を出ていってる。従者達もこの時間はあまり使わないらしい。

 つまり、今は広いお風呂に2人しかいない。

 

「好きな道、ですか……

 ええと、あまりイメージは湧かないんですけど、エヴァさんに恩を返すのって、どうやればいいでしょう?」

 

「別に恩とか貸し借りとかは、気にしなくていいぞ?

 強いて言えば、友人でいてくれたら嬉しい。それ以上は特に無いな」

 

「そ、そうなんですか?

 夜天の魔導書の事とか、色々とありますし……」

 

 色々と言っても、今のところはほぼ夜天の魔導書関連に限定されるけど。

 範囲を広げても、事後処理程度まで。それも結果次第の出たとこ勝負になりそうだし。

 

「……私は、全てに見返りを求めるほどのロクデナシに見えるのか?

 いや、言い訳無用なほどの事をしている自覚はあるが」

 

「いえ、そうじゃなくてですね。

 何か手伝える事とかは無いかな、と……」

 

「打算的な話がいいのか?

 そうだな、現状でもAAA認定を受けられる魔導師のお前が友人として近くに居てもらえると、私の存在や実力を隠しやすい。

 これでどうだ?」

 

「どうだって……そんな事でいいんですか?」

 

 そんな事と言われても、お姉様としては割と大事なのに。

 特典で友人を望んだのは、伊達じゃない。

 

「闇の書の情報が表に出たからな。

 カリム達への渡りをつけるのも終わったし、リンディ達に対する貸しとしての役目も果たしてくれた。充分に返してもらっているよ。

 後はお前の人生だ。お前自身で道を選ぶといい」

 

「どっちも私達の事を考えてだとしか思えませんし、説明などはカイゼさんが中心でしたし……

 でも、解りました。ゆっくり考えてみます」




現在の八神家の部屋割りは、こうなっています。
(1階)
・はやて、ヴィータ
・アコノ、エヴァ
(2階)
・チャチャ、チャチャマル
・シグナム、シャマル
・カイゼ、セツナ
・空き部屋(現在は物置扱い。そのうちヴィヴィオが来ると思っている)

ザフィーラは居間あたりに居る事が多いですが、6LDKて。
はっきり言って、原作で描かれた外観的に厳しいです。2階の4部屋はともかく、1階のアコノ部屋が無理です。
というわけで、八神家はアニメの描画を色々と無視して巨大化しています。原作で多く描写されていた部分と比べると、大雑把な外見は似ていて、LDKが少々大きくなった感じです。その上で、他を魔改造してあります。

いや、最初は本当にアニメ版の図面を書こうとしたんですよ。特に玄関周辺が謎空間過ぎる事と、1階にアコノ部屋が必要だったので諦めましたが。
1話の外観でいきなりバルコニーや窓の位置や家の角がだまし絵状態だったり、玄関と上の壁の位置が外観と内観で合わなかったり、リビングとダイニングのドアの模様が入れ替わったり(3話。シャマルがエプロンを脱いでいる時と、その直後のはやての方に歩いてくる時で違う)、リビングのドアの横に窓があったり(4話)なかったり(3話)、リビングのドアがスイングドア(4話はリビング側、6話は廊下側に開いている)だったり、はやての部屋に外からは見えない窓(4話でヴィータが出て来た際に奥に見える大きな窓。外観では細い縦長の窓が2本あるだけ)があったり、階段の上り口と行き先が謎(4話でリビングからは、正面で右斜め上に上り、その先で右=ダイニング側に曲がっているように見えるけど、1話等を見る限り玄関からの距離が無さすぎるし、ダイニングのドアにぶつかるはず)だったり、そもそも玄関が存在する空間が確保出来なかったり(外観の玄関ドアの位置≒リビングのドア近くになるはず)、外観が映る(1話3話6話)たびに玄関周りに違和感があったり、6話で守護騎士が出てきたら机と本棚が一時的に消失したり、守護騎士やベッド等の配置を見る限りはやて部屋がどう考えても10帖以上ないとおかしかったり、風呂のタイルが伸びたり手すりが増えたり(3話と6話)、6話の前半と後半で塀の模様が変わってたり隣の家が消失(1話と3話は逆側の家が消失)したりするくらいだから、都合のいいように変えても問題ないよねっ!


2014/02/13 Vividに絡めた説明がしつこかったので、若干削減
2014/02/14 まいませんか?→まいりませんか? に修正
2016/04/06 仕込みが読み切れて→仕込みか読み切れて に修正
2019/09/23 解け行く→溶け行く に修正

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