壊れた人形師の鬼退治(連載開始)   作:蜜柑ブタ

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前バージョンからの書き直しです。
もとの文章の使える部分は残しつつ、鱗滝からの報告や手紙ですでに産屋敷が禰豆子のことを知っていて黙認していたという展開を書こうと頑張った…けど、ちゃんと書けたかとんでもなく心配……。



今回は、柱合会議。
原作で一歩間違えたらバッドエンド確定だった場面ですね。
ここで竈門兄妹を生かして、鬼殺隊に所属させなかったら……ってヒヤッとします。



オリキャラのヴァルがかなり空気読まずにシリアスな場をひっかきまわします。

からくりの君で未登場だった、白拍子のからくり人形に名前を付けて登場させています。

不死川がちょっと酷い目に遭ってます。注意!!


※からくりサーカスの連載の年が分かったので、一部書き換え。
2006年までで終わったのね…。



登場キャラについてきちんと書けているか分からないので、間違っていたら活動報告かメッセージで教えていただけるとありがたいです。
感想欄に書くと削除される可能性があるので。


ご指摘をくださった方、本当にありがとうございました!





それでもOKって方だけどうぞ。






いいですね?


第1話  会議でお披露目(※書き直し)

 

 

 

「ついたー! でも、ここどこー?」

「少しは静かにしなさい。」

 目隠しされて手を引かれるままに歩かされてきて、やっと目隠しを取られたヴァル。

 しのぶに軽く怒られるが背中にからくり人形入りの大きな葛籠を背負った状態で、周りをきょろきょろ興味津々な様子で見回している。その様子にしのぶは疲れたように深くため息を吐いた。

 葛籠が重すぎて数人がかりでも運ぶのが困難だから持ち主に運ばせるってことになったので、本当は背負って連れてこられるところだがそれができなかった。目隠しをし、こけさせないよう気を付けながら、手を引いて歩かせたのだ。

 ヴァルがもといた時代より古い造りの大きなお屋敷。だが日本の建築物だと分かった。

「あれ? 炭治郎も?」

「ヴァルも?」

 その場には炭治郎もいた。だが箱がない。

「あれ、禰豆子ちゃんは?」

「禰豆子は…。」

「なになになに? すごい暗い雰囲気? なんかあった?」

 ここに来る前に何かあったのか酷く浮かない顔をする炭治郎を純粋に心配するヴァル。

 そこへ。

「お前が話に聞いたからくり人形遣いか?」

「はーい! 自分でーす! からくりって太郎丸のことですよね! 実物はまだ見せてませんけど話は聞いてますよね⁉ 聞いてどう思いました⁉」

「…確かにこいつは、変な奴だな。」

 高身長でたくましい肉体をしており、奇抜な外見しているが顔立ちが非常に整った男が話しかけてきたのでヴァルはからくりの話につられて元気よく手を挙げて返事をしてベラベラ早口で喋るため相手を引かせた。

「うむ! 元気はつらつなのはいいが、とてつもなく奇妙だ!」

「なんて派手な髪! 炎みたい!」

「よもやっ⁉」

 まるで燃え上がる炎そのものような派手な色合いの長髪の男性を見つけるなり一気に距離を詰めるヴァル。

 あまりの素早さに炭治郎も長身の男も目を見開いて驚いた。近づかれた煉獄は思わず後ろにのけぞった。

「おいおい、今見えなかったぞ? どうやって煉獄との距離詰めた?」

「動きが速いってよく言われてました!」

「そうか! なるほどなるほど。ただの人間ではないというのはまことか!」

「そうなんですよ~。ちょっと色々事情があって…。知らない間に人間やめさられたというか…。」

「どういうこと?」

 炭治郎が顔を歪めた。妹を無理矢理鬼にされた身の上であるため、ヴァルが誰かに無理矢理普通じゃない状態にされたのは聞き捨てならないのだろう。

「うーん…、面倒くさい話なんだ。これって。」

 

「お館様のおなりです!」

 

「ほら、お前らはあっちだ。」

「なになに? あっ、炭治郎!」

「ぐっ!」

 黒子のような格好の人間がいつの間にか現れ、怪我をしている炭治郎を無理矢理引きずっていき、地面に麻でできてる布が敷かれた場所へ連れていかれる。ヴァルもそちらへ行けと催促され、傷の痛みに呻く炭治郎が心配だからついていった。

 すると別の黒子みたいな人間が禰豆子が入っている箱を持って館の方にそれを置いた。

 そしてふすまが開き、両隣りに高貴でありながら威圧感があるよく似た子供達が立ち、ふすまの奥から現れた男とそんな男の傍らに控える白い女。

 男の方は顔の半分がただれており、目が濁っていた。

 煉獄という男をはじめ、しのぶと義勇とあの奇抜な格好の長身の男と、いつの間にかいた別の男女と髪の長い少年と筋肉だるまを体現したような巨漢が恭しく跪いているのが圧巻だ。全員それぞれ外見に特徴があるせいだろう。

「初めまして、人形遣いと…、鬼を連れた剣士の君。話は聞いているよ。」

 その声は不思議と引き込まれるような良い声だ。

「あなたは?」

「おい、頭が高いぞ!」

「えー?」

 黒子みたいな人のひとりに怒られて不満そうに声を出すヴァル。

「私は、産屋敷耀哉。鬼殺隊の頭目で、この屋敷の当主だよ。」

「あー、ご当主さんでしたか。って、…きさつたい? 初めて聞きますね。」

「…鬼を知らないとは聞いているけれど、本当に知らないんだね?」

「はい。全然。自分で動ける人形なら知ってます。」

「人形とは、君が操るからくりのことかい?」

「いいえ。人間を襲って生き血を啜り、不治の病気をまき散らす迷惑このうえない、自分で動ける人形です。自動人形(オートマトン)って呼ばれてます。」

「ほう…? それはそれは…。」

「人形が、自分で動く…? それに人を…。」

「そうそう。言葉も喋るし、自分でものを考えるし、大道芸人みたいに手先も動きも器用でね。力も強いし、固いし、銃火器を軽く避けるほど速いし。並みの武器じゃ倒せないやっばい奴ら。」

 炭治郎はそれを聞いて顔をゆがめていた。

 ただでさえ人間を喰い殺す鬼がいるのに、人間を血を啜って病気まで伝染させる自分で動ける人形がいるなんて聞いたことも見たこともないが、倒すことが困難なとてつもない脅威だとなんとなく認識したようだ。

「それって…、本当に人形なのか?」

「うん。そう。だいたいの奴は、精密な部品と疑似体液っていう病気の原因になっている液体が詰まってる。俺、それと戦う組織で人形師してた。自動人形を壊す強い人形を直したり、注文通り作ったり、整備したり……。俺もたまに自動人形と戦ってたし。」

「だからあんなに強かったのか⁉」

「そうそう! なんか俺って強いらしいけど、気にしてなかったなぁ。」

「なんで⁉」

「お前ら勝手におしゃべりするな!」

「まあまあ。何やら事情がありそうだから、聞きたいことが色々あるけど……。話が長くなりそうだから今は置いておく。先にすべきは、鬼を連れているという、剣士の方だね。」

「!」

 鬼を連れていると言われ、自分のことだと気づいた炭治郎の顔が強張る。

 禰豆子が入っている箱は屋敷の方。炭治郎よりあの見た目色々で屈強な剣士達の方が近い。

 彼らが強者であることは肌で感じており、自分では到底太刀打ちできないと分かっていたから無意識に手握りしめていた。

「竈門炭治郎といったね。君の実の妹が鬼となり、鬼である彼女を連れて水の呼吸の一門として迎えられたと聞いている。間違いないね、義勇。」

「はい…。」

「冨岡…てめぇ…。」

「鬼を見逃したのか! これは重大な規律違反だぞ!」

「えー、でも禰豆子ちゃんって人を襲わないって聞きましたよ?」

「お前な…、今この場がどういう場なのか分かってるか?」

 仲間割れをしている剣士達の会話に割って入ってくるヴァルに、きつい視線が集まる。

「全く分かっていないからあの調子なのだな。哀れな…。」

 一番体がでかいが瞳がない白目だけの男が両手を合わせ念仏を唱えるような仕草をする。

「なになに? 今、自分と炭治郎って何されてる?」

「今は、柱合会議です。あなた達の処遇について決める場ですよ。」

 しのぶが説明した。

「つまりご当主様の一声で死刑ってこともありえるってこと?」

「最悪そうなります。今の段階ではそうなる可能性が最も高いです。」

「そんな…!」

「だいじょうぶだって、炭治郎。」

「なんでそんなに楽観的なんだ!」

「だって…、なんかそんな気がするし。禰豆子いないと、絶対ダメだよ。そのためには炭治郎が絶対いる。絶対必要!」

「な…、それって…。」

「だーから、お前ら勝手にベラベラ…。」

「…それはどういうことかな?」

 怒られている途中で産屋敷が会話に割り込んできた。

「だって、明らか禰豆子ちゃんって、鬼と違うから。鬼なんだけど、違う。」

「それは何か確固たる証拠や確証があると?」

「鬼について全然まだ知らないけど、なーんとなく。」

「なんとなく…か。」

 まるで夢物語でも語るような言い回しに、場の空気が悪くなる。

 鬼であれば無条件で殺すことを掟としている組織であるから、鬼である禰豆子を身内だからとその隊員が連れ歩いているなんて組織として成り立たないに等しいので万死に値する行為なのだ。

「どうすれば禰豆子ちゃんが違うって証明すればいいですかね? 何か試して上手くできたら…って案があるなら…。自分、鬼知らないんでどうかお願いします。」

「そのことなんだけど…。」

 産屋敷が何かを話そうとした。

 その時だ。

 

「鬼を連れた隊士がいるって聞いたが、どこのどいつだ⁉」

 

 そこへ荒々しい足音と共に箱へ近づく白髪で傷痕だらけの男がやってきた。

「不死川! 大事な会議に遅れてくるとはいい度胸だ!」

「っるせぇよ! 任務が難航したんだ! この箱にその鬼が隠れてんのか? おい、出て来い! 鬼が人間を襲わねーはずがねーんだよ!」

 そう言って不死川という傷痕だらけの男がギザ刃の刀を抜き、箱を突き刺した。

 炭治郎が悲鳴を上げ飛び出そうとした。

 しかしそれより早く動いた奴がいた。

「成敗!」

「ブッ⁉」

 いつの間に拾ったのか、手頃な石を不死川という男の横っ面に投げてぶつけたヴァル。

 あまりの剛速球に誰も対応できなかった。

 不死川の手から箱が床に落ちる。

「て、てめぇ…、なにしやが…。っ⁉」

「禰豆子ちゃん、だいじょうぶ⁉ うわっ、血が出てるし! 鬼だから信用ならないのは分かるけど、この子は暴れずに大人しく言いつけを守ってるのになんてことするだ!」

 石が命中した顔の箇所を手で抑えた不死川から禰豆子が入った箱を奪ったヴァルは、不死川を完全無視して中の禰豆子を心配しつつ不死川を指差して抗議した。

 中からカリカリと音が鳴り、まるでだいじょうぶだと伝えてくるようであった。

「よかった~。痛かったよね~。頑張ったね~。」

「なんだお前…、今…、どうやっ…?」

「普通に速く動いただけだけど?」

 コロッと表情を変えて、キョトン顔でそう答えるヴァルに不死川は力が抜けそうになるがすぐに気を持ち直した。

「普通の奴が目で追えない速さで動けるか⁉」

「ただの人間じゃないから?」

「人間じゃねーのかよ⁉ お前も鬼か⁉ …いや、鬼じゃないのか。太陽に当たっても生きてやがる。」

「確かに。太陽は平気。その代わり…。」

 ヴァルは、箱を片手で抱えたまま自身の頭の髪を掴む。

 そして頭を覆っていた黒髪のウィッグを外した。

 露わになったのは、坊主に近い短い白銀の髪の毛。

 それから両目につけていたカラーコンタクトも取る。

 髪と同じ色の白銀に輝くような光沢のある両目が露わになった。

 それを見て場の空気が変わる。

 無意識に刀に手を置く者達がいる中、それを制止したのは産屋敷だった。

「…君は、いったい何者なのかな?」

「しろがね。そう呼ばれている人間だけど人間と違う何かかな? この通り、髪の毛と目の色が銀色で、歳をとる速度が普通の人間より遅くて多少の傷じゃ死なないし、死ぬときもまともじゃない。自動人形っていう怪物と戦うために生きている。そういう存在。」

「しろがね…。なるほど…、だから普通の人間とそこまで能力の差が…。」

「あっ、それは関係ないです。」

 しかし、あっさり否定するヴァル。

 それを聞いて思わずズッコケる者達が数名。

「自分の場合は、脳みそが壊れた影響で運動能力がおかしくなって速く動けるってだけみたいですから。他のしろがねはこんなことないですよ。俺が! 俺だけがすごい変なだけ!」

「強調するところか⁉」

「変な人…。」

「確かに…。」

「脳が壊れた影響で身体能力が…? 確かに脳の機能についてはまだ未解明な部分が…。」

「はーい、変なしろがねでーす! 他のしろがねからたくさん言われてましたー!」

 自分がしろがねの中で異端であることを強調するヴァル。彼なりに他のしろがねは、変じゃないことを伝えているつもりだ。

「…どっちにしろ人間じゃないってことだろうが?」

「体質が改悪されてるだけで、基本的に中身は一応人間じゃない? 俺はともかく、他のしろがねは、普通の人間からしろがねになってるから。ただしろがねになる時に飲む物のせいで人形を憎んでいる他人の記憶や感情が一部入って人形への憎しみと人形を操る能力が強制的に植え付けられちゃうけど、ほとんどそのままの人格と記憶があるし、見た目はこれだけどよっぽど専門に特化していて隠れて仕事してる人以外は別にして、人形と戦う以外は普通に人間の社会で仕事したりして生きてるよ?」

「若白髪ってことにすれば確かに気にならないかも。」

 桜色の髪の女性がそう言葉をこぼした。

 生まれつきだったり、若くして髪の色が白くなってしまう体質の人間はいるのだ。もちろん色が変わるより前に、若くして抜け毛が早い人だっている。環境による影響なんてなく、それとは関係ない不公平に思えてしまう生まれ持った体質というものがあるのだ。

「それでも悪目立ちするから、隠す人は隠してるけどね。かくいう俺もそう。面倒くさいから、こうやってカツラ被ったりして。ま、これはこれで色んな髪型を試せるから楽しい!」

「お前のその楽観的さも、しろがねだからか?」

「違う違う。しろがねは、明るい人て少ないかもしれないよ。色々重たい過去があるって人が多いせいだね。だいたいの人は自動人形がバラまく不治の病でどん底だった人だったりが多いうえに、しろがねになる時に頭に流れ込んできた人形への憎悪を植え付けられた効果もあって以前の自分でいられないって言えばいいのかな。自分のこれは、脳みそが壊れた影響。壊れて、変な形に直ったから運動能力も情緒もおかしいってさ。」

「なんだ、その脳みそが壊れたってのは?」

 不死川が鋭い眼光で問いかける。

「…壊されたっていうのが正しいかな~? なんか3歳ぐらいの時に。頭の中をグチャグチャにされて、本当の名前も、どこで生まれたかも、親の顔も…、人間としての基本的な色んな物もぜーんぶ壊れて粉々になって分からなくなっちゃったらしくって。」

「お前…。」

「ヴァル…。」

 想像もできないがとにかくとてつもないことをされて、脳みそが壊されてしまい、異常な運動能力や感情や行動が普通じゃないということが分かり、空気がまた変わる。微かな憐れみと同情する物に。

「気が付いたら人形に興味が湧いてて、そのおかげで壊れた頭の中がくっついて、廃人にならずにこうやって会話して、感情も出せるようにはなったけど、壊れた物は壊れたままでさ。くっつき方がメチャクチャなんだって。だから変に明るいとか、空気が読めないとか、何考えてるか分からないとか、いくら叱ったりして言い聞かせても直らない。もうどうやっても直せないって、どのお医者さんからも匙投げられちゃった。ヴァル・ノーバディって名前もあとからもらった名前だし。最初は、『何者でもない』って意味のノーバディだけだったんだけど、それは酷い名前だって言ったしろがねがあとからヴァルって名前をくれた。それが今の俺。人形師のヴァル・ノーバディだ。」

 しろがねという特異体質に変異した人間であるが、ヴァルはその中で誰かに脳を破壊されて今に至るという。

 その想像もできない重く残酷な内容に産屋敷でさえ言葉を失っていた。

「話し戻すけど、禰豆子ちゃんがだいじょうぶって証明ってどうしたらいいです?」

「おま…。」

「話が逸れてしまったね。実は、この件についてはすでに把握済みなんだ。左近次から炭治郎の修行中の禰豆子について、それまでの様子や活躍について、詳細にね。」

「えっ、それって…。知ってて今まで見て見ぬふりしてた?」

「そうだね。そういうことになる。」

 その産屋敷の言葉に義勇とヴァル以外の者達は驚愕していた。

「さこんじって、どこのどなた?」

「水の呼吸の育手だよ。鱗滝左近次といってね、義勇と炭治郎のお師匠様と言えば伝わるかな?」

「なるほど! つまり偉い人!」

「そして…、禰豆子がもしも人を襲った時、義勇と共に切腹して詫びると。」

「うわ、それって侍の切腹⁉ えっ、この時代ってその辺り? 戦国真っ只中?」

「なに言ってやがんだ? んなわけねーだろ!」

「あ、すみません。ちゃんと聞かなきゃならなかったです。忘れてました。」

「なにかな?」

「今の年号ってなんですか?」

「大正だよ。」

「たいしょー-----⁉ なんか全体的に前時代的って思ったけど、結構昔だった!」

「なに言ってんだてめーは⁉ そんなおかしいことか⁉」

「だって、自分、西暦2000年代から来ましたもん。大正なんてとっく終わって、平成って年号だった! ……だったよね? 確か俺がいた時代は、2000年は過ぎてたから、もっと先だったかな? 忙しくてまともに日付確認してなかったな…。」

「逆に平成ってなんだ、おい⁉ 大正が終わってるってどういうことだ!」

「西暦2000年…!」

「何年?」

「えーと…、今は…、西暦にすると…。」

「100年ではありませんが、間違いなく数十年先…。」

「意味が分からん…。つまりなにか? お前、ずっと先の時代から迷い込んできたっていうのか?」

「たぶん、そういうことかな? だって……。建築様式といい、刀の感じからして……。」

 太郎丸を起こす。

 見るのが初めての者達は、驚き、声を上げる者さえいた。

 本当に葛籠の中はどうなっているんだという話だ。

 そして鞘から太刀を抜いて皆に見えるようにかざした。

「皆さんのと比べて、素材からして作りが違う。」

「確かに! 見たこともない業物じゃないか! 先の時代の刀であるのならば当たり前か!」

「赤い武者…。」

「すごい…、からくりってこんなのだったっけ⁉ 人間にしか思えない!」

「人間の鼓動も気配もない。動くと金属が当たる音と、何か固いものが擦れながら回る音がする。」

「目が見えないから分かるんだ?」

「見えないからこそ、人形であることがよく理解できる。しかし、これほど精巧で緻密に作られた物は知らない。」

「太郎丸は、特に手をかけてるから! 一番最初に作ったし、何度も壊れては造り直し…を繰り返しまくったから、もう何体目の太郎丸だっけってぐらい造ったもん! 日本の戦国武将の伝承を形にしたくて、見た目と動きを重点において! 太刀も自動人形をぶった切るように特注だし! 一番手をかけてるし、これからかけてく予定のうちの子でーす!」

「からくりをうちの子って、なんだそりゃ?」

「それぐらい手をかけて造った傑作ということじゃないですか? でも、からくりって言われなかったら、人間と間違えそうなぐらいカッコいいい~! あの大きさなら、あれぐらいの大きい刀が似合うのも分かっちゃう!」

「甘露寺…。あれは人形だ。」

「分かってるよ、伊黒さん。」

「ほう! これが下弦の鬼を斬ったというからくりか! 生還した隊士達から聞いたが、まさに戦国の武者のごとき圧を感じる! 人形とは思えん!」

 弱い蜘蛛の鬼達以外の下弦の伍については斬ったというか、実際は突き刺したが正解。

「でしょでしょ! 太郎丸はすっごい自信作だから人形との戦いでよく使ってて、まあ、そのせいでよく壊れてたんですけど…。でもそのおかげで、改良点が次々に見つかるから実戦に使うのが一番だって分かったし、まだまだこれからって感じで…!」

「ぜひ、一戦交えてみたい!」

「なに言ってんだーーー⁉」

「血迷ったことを言わないください。」

「狂ったか煉獄⁉」

「僕もやりたい。」

「お前も便乗しようとするな…。」

 表情が乏しい長髪の少年剣士の肩を掴む奇抜な格好の男。

「皆、落ち着くのだ。」

 赤い武者のからくりの登場や煉獄の発言にどよめく他の者達にそう声をかける巨漢。

「えっ…、それは……、うーん…。ぜひとも実戦経験ありありの本物の日本刀を使う剣士との模擬戦はしてみたいって思ってたけど……。」

 ぜひととも模擬戦をやりたいのだが、理由があって渋るヴァル。

「どうした! なにか不都合でもあるのか⁉」

「えっと……、もう太刀が…、限界で…。いつ折れても不思議じゃなくって…。替えがあったのに、たぶん時代を超えた時に向こうに置いてきちゃったから、替えがないんだよ~~~!!」

 太郎丸専用に用意していた替えの太刀がないことを改めて思い出して、頭を抱えて大げさに嘆くヴァルの様子にただごとじゃないと誰もが感じた。

「そうか…、では刃を交えるのは無理ということか…。」

 あからさまにしょんぼりする煉獄。

「あっ、いけなくはないよ。」

 コロッと態度を変えるヴァル。

「どっちだ⁉」

「たぶん、あと数振りで折れるから……。」

 ヴァルがチラッと産屋敷の方を見た。

 それに気づいた子供達からヒソヒソと声をかけられ産屋敷は、少し考えてからすぐに答えた。

「そのからくりの太刀については、こちらでなんとか手配をする。安心して欲しい。」

「ありがとうございます! なら安心して模擬戦やりましょう!」

「やる気がすごいな! ぜひ! 頼めるか⁉」

「模擬戦とはいえ……、下手すると大怪我しますよ~? 頑張ってください!」

「たいした自信だ! ではっ!」

「ちょっと待て!! 俺は納得できねぇ!!」

「どうした不死川!」

「いくらお館様がご納得されたうえで、水の一門が責任を取るって一筆を書いたって言ってもなぁ…。鬼は、しょせん鬼だ!」

 すると不死川は、自身の手首をギザ刃の刀で斬りつけた。

 血が流れ出て滴り落ちる。

「うわ、なになに⁉ あっ、禰豆子ちゃん。」

 いきなりのことにヴァルがわざとらしいほどの挙動をしていると、箱から禰豆子が出てきて床に降りた。

 フーフーっと何かに耐えるように不死川の手首から流れ落ちる血を見つめている。

「禰豆子! 頑張れ! 耐えるんだ!」

 炭治郎が必死に呼びかける。

 ここで不死川を襲えば先ほどの産屋敷の言葉通り、水の一門が全員切腹しないといけなくなる。

 義勇も顔色を悪くしていたし、他の者達も不死川の強行に表情を変えていた。だが不死川の言わんとしていることが理解できるからか、本気で止めに入る人がいない。それは、義勇も理解しているようだ。

 いずれこういう場面に直面すると予測できていただけに。

「鬼が人間を襲わないでいられるはずがねぇ! ほら、喰いたくて仕方ないだろ? 喰いついてこい!」

「……むんっ!」

 血を見せつけてくる不死川だったが、禰豆子はギュッと目をつむり、そっぽを向いた。

 それから要らない要らないと言わんばかりに何度も首を横に振って、鬼の食人衝動に耐えているようだ。

 反応が明らかにおかしい。

 あの山で怪我をしていた炭治郎の血には、こんな反応をしていなかったからだ。

「あなたも普通じゃない?」

「俺の血は、特別でな。稀血っていって、鬼どもがこぞって狙ってくる血を持つ人間の中でも特に特別なんだよ。……まさか拒否しやがるとは。」

「納得したかい? 実弥。」

「……。」

「なるほど! 普通なら我慢できず絶対飛び掛かってくるぐらい絶対美味しいって鬼が感じる血を見せて匂い嗅がせてもだいじょうぶなら、禰豆子ちゃんは、人を襲わないだいじょうぶな鬼ってことが完全に証明できるってことか~。ここで頑張れなかったら、炭治郎のお師匠さんも義勇さんもお兄ちゃんの炭治郎も死罪ってことになるし、よく頑張ったよ! すごいよ、禰豆子ちゃん!」

「むぅ!」

 ヴァルの言葉に禰豆子は、瞼を上げ誇らしげに腕を上に上げた。どうや喉元過ぎれば熱さを忘れたようで、不死川の稀血に引き寄せられる鬼の本能を完全に抑え込んだようだ。

「…てめー、なんかしたか?」

「ううん。なーんもしてない。禰豆子ちゃんの気合いと根性なんだから、認めてあげてよ。」

「お前な……、鬼を放っておくことがどれだけ大事か分かってねーな?」

「昨日の夜に初めて見て戦ったし、何も知らないもん。そうだ、ダメ押しに……、よし! 禰豆子ちゃん、ちょっといい?」

「おい、なにを…!」

 ヴァルの行動は早い。とにかく速い。

 そして。

「ウズメ!」

 太郎丸をあっという間に葛籠に納め、それから別の人形が葛籠から飛び出した。

 スタッと軽やかに地面に着地したのは、白拍子の姿をしたからくりだった。

「んなっ、別の人形が出てきやがった⁉ あの葛籠どーなってんだ⁉」

「だからあんなに重たかったんだ!」

「あれ? さっき武者が納まったのに…。」

「…どこからどうやって出した?」

「しかも糸が張る音が微かに聞こえる。糸を付け替えている。」

「いつ?」

 あの葛籠の中がどうなっているんだとみんな困惑した。

 実は、太郎丸と一緒にお披露目していないからくりがあと二体入っているなんて、ヴァル以外の誰もまだ知らない。

 ウズメという名称をつけられている白拍子が禰豆子のもとへ歩み寄る。

 その足取りは、からくりとは思えないほど滑らかで、本物の人間の白拍子のようである。

 禰豆子は、目の前にやってきたからくりを前にして身を縮める。さながら威嚇しようと身構える猫のように。

「踊ろうか。踊ってくれる?」

 ヴァルが指と腕を動かしウズメが身に着けている衣装の袖から小さな太鼓と細めのバチを一本出す。

 そして軽やかな足踏みでリズムを取り、太鼓を叩きながら、踊り始めた。

 明るい曲調の太鼓の音に合わせて、ウズメが太鼓を叩きながら踊る。

 修行して踊りを極めた芸達者のようでいて、場を盛り上げる軽やかさで親しみのある踊りと奏でられる太鼓で奏でる音に、最初は警戒していた禰豆子の表情が和らいでウズウズしだす。

 目をキラキラさせる様子は、小さい子供のように好奇心に満ちている。

「さあ、踊ろう! いっしょにー!」

 ヴァルもウズメを繰りながら後ろの方で踊るあまり目立たぬ者のように踊り始める。

 禰豆子はやがて見よう見まねで動きを真似て踊り始めた。

 猿轡をされているから声を出せないが、楽しそうな息を漏らし、楽しそうに明るく笑う。

 その様は、鬼とは思えない幼い子供のようだ。外見年齢より精神年齢が幼いことを表わしていて、そして攻撃する意思を持っていない。

「楽しいね、禰豆子ちゃん!」

「むーっ!」

 キャッキャッと楽しそうに踊って笑う禰豆子は、とてもじゃないが鬼とは思えない。、

 不死川の稀血を拒否し、そして今、からくり人形と共に一緒に楽しそうに踊ってはしゃいでいる。

「ねえ、これでもダメ?」

 良いところで切り上げてからヴァルが不死川に聞いた。

 不死川は認めたくないという感情を隠さず、だが難しい顔をした。

 視線の先には、もう終わり?って言いたげに白拍子の袴を掴んで名残惜しそうにしている禰豆子がいる。

「うんうん。見事な人形繰りだ。この目で見れないのが残念だけれど、この足に伝わる床からの振動だけでも、普通の人形ではないと分かる。そしてとても楽しく、嬉しそうな禰豆子の様子も伝わった。鬼が持つ飢えも、殺気も欠片もない。ただの無邪気な幼子も同然。これほどに異質な鬼はいまだかつて確認はされていない。ヴァル、君の言う通りかもしれない。彼女はぜったに必要な存在かもしれないということが。」

「じゃあ、禰豆子ちゃんは…。」

「炭治郎と禰豆子を鬼殺隊に受け入れる。異論がある者はいるかな?」

 産屋敷は、他の者達にそう尋ねると不死川を始め他の者達も何も言わなかった。

 炭治郎は、泣きそうな顔で心の底から安堵していた。義勇もほっとした顔をしていた。

 ヴァルはヴァルでウズメと一緒に手を叩いて喜びを表わしていた。ウズメはもちろん手を叩く動作をヴァルが糸で操って行っている。

「鬼殺隊の当目として、これから期待しているよ。竈門炭治郎。竈門禰豆子。そして次は君だ、ヴァル。」

「自分?」

「先ほど出してくれた武者のからくりの太刀のことだ。鬼殺隊に刀を卸す刀鍛冶の職人達が集う場所がある。そこへ君のことを紹介したいと考えている。君の期待に添えればいいんだけど…。」

「ぜひぜひ! 太郎丸の太刀は、日本刀の職人に最初は頼んでたんですけど、もうご高齢だったから、引退する前に修行させてもらって技術を継承してから自分で造るようにしたしたんです!」

「あの業物は君が造ったものだったのか⁉」

 煉獄が驚いていた。

「えーと、もう…何本目だっけ? お師さんの技術を守りつつ、試行錯誤して配合を変えたり、多種多様な人形をぶった切るのに適した刃の角度とか……。それと太郎丸自体の調整とか…。人形って固いから、どうしても刃毀れしやすくて研いでたらあっという間に無くなっちゃうし、芯の部分が限界迎えて折れちゃうし。今ある太刀は芯の部分が限界で…。」

「それほどの脅威なのか…。君が戦っていた人形とは…。あれほどの太刀を何本も…。」

「中に色々入ってたりして、それも影響するんですよね。化学物質とかで腐食するとか。」

「厄介じゃないか!」

「本当に厄介だったんですよ! 吸ったら苦しみぬいた末に死ぬ毒入りの爆弾を体内に入れてるのがいた時は、倒すのはもちろん、後始末が大変でした!」

「よく無事だったな⁉」

「爆弾の無力化と同時並行で倒さなきゃいけなかった! 自爆されたり、斬るとこ間違えたら何百人も死ぬところだったし!」

「ちょっと待て! まさか集落の真ん中でやりあったのか⁉」

 奇抜な格好の男が会話を聞いてて思わず割り込んできた。

「千人以上人が住んでるところのド真ん中だったから……、本当にもう…。毒がばらまかれたくなかったらって恐怖に怯える住人達を操ったりして……。まっ、なんとかなったよ。やればできる! でもって、できた!」

「どう攻略したんだ…?」

「簡単に言えば…、奇襲? やっぱり人間って疲れると注意散漫になるし、それも恐怖で支配されてたからね。余計に疲れてたみたいだったから、隙をついて毒入り爆弾を壊さないよう慎重にザクッとして、外も中身もバラバラに分解して。毒入り爆弾は取り出して別の場所で解体して安全にして終わり。しかも3体も同じのがいて、街に複数ある主要な場所を陣取ってたから同じ方法で他の場所にいる人形に利用されている街の人達にも気づかれる前に、壊されたって分からないようにサッと暗殺みたいにやった。」

「簡単にまとめられねーほど、とんでもなくやばくて派手な戦歴じゃねーか⁉ まさかひとりでやったとか言わねーよな⁉」

「すごいんだな君は! 俺の頭ではしっかり理解できなかった部分があるが、ますます君と、君のからくりと戦ってみたくなった! どうか頼めるか!」

「落ち着け…、さっきの話が本当なら、こいつそーとーやばいぞ? そうでなくてもあんな素早く動け…。」

「じゃあ、さっそくやりましょう! こちらこそお願いしまーす! 太郎丸!」

 ウズメを葛籠に納めて、太郎丸を葛籠から出す。

「お館様! お止めにならなくていいのですか⁉」

「彼のからくり人形が気になるし、いいよ。」

「よし! お館様の許可も下りたことだ! では、始めよう!」

「よろしくお願いします!」

 煉獄が前に出て、自身の日輪刀を抜いた。

 太郎丸も適切な距離を取る操りをされて煉獄と向き合う。ヴァルも操りがしやすい位置に移動した。

 炭治郎は、禰豆子が中に戻った箱を腕の中に抱え、ハラハラとした様子で見守るしかできなかった。

 

 

 これが鬼殺隊の最高戦力である、柱という階級の人間との初の模擬戦であった。

 

 

 




原作との乖離が酷かったことをまずお詫びします。
以後気を付けます。それでも間違っていたら教えていただけると大変助かります。

不死川が会議に遅れてきたのは、会議前に言っていた任務が難航していたのと、鬼を連れている隊士がいると聞いて鬼への怒りや憎しみが強くなる彼の過去のこともあって一時的に自分を制御できず先走ったという展開にしました。
産屋敷が認めているとはいえ、納得できず自身の稀血を使ってでも行動を起こしたけど、結果的に禰豆子が特殊なことを証明したことになった。
ちゃんと書けたかな?


ダウンロードの実験で脳を破壊されて、脳の機能がおかしくなり運動能力にも異常が発生したというのは後付けです。
ただ当人は重要視していないし、自分で戦う気がない。からくり人形に拘っているし、自動人形と戦うために芸を習得することも含め、実はそういうのが不得意分野です。
そのために代わりに芸ができる人形ができないかって考えて、白拍子のウズメを作ったという背景にしています。

4体の人形入りのクソ重たい葛籠をどうやって運ぶ?って考えて、苦肉の策で目隠しして本人を運ばせるってことにしました。
からくりの君もですが、あの葛籠からどうやって別の人形をサッと出せるのか……。
折りたたまれているのは分かるけど、次郎丸→弁慶丸→太郎丸の順でどうやって出したんだろう……って、深く考えちゃいけないけど。

なお残り2体(次郎丸と弁慶丸)のことはまだ話してない。
下弦の伍との戦いで太郎丸のことだけが報告に上がっていて知られていて、白拍子の人形が出てきてビックリされたのが今回。
あとで計4体の人形を所持しているって知らせて仰天されます。

ヴァルが禰豆子が必要だって言っているのは、直感です。
普通の鬼じゃないって点が本当の意味で鬼退治に必須じゃないかという予測。
特効薬みたいな感じに使えるのではって。
竈門兄妹を心配してるのは本当だし、助けようとしているのも本当。
鬼殺隊が鬼を発見次第すぐに倒すのが普通だっていう考えも理解している。

しろがねって立ち位置としては、一応人外って括りで良いのか?
しろがね同士で超低確率だけど子供を作れるけど、しろがねにはならないみたいだし。
エレオーノルはどうなんだっけ?
お腹の中にいるときに柔らかい石が母親から移ってるけど、生まれてから赤ん坊の時にフランシーヌ人形が溶けた生命の水を摂取しちゃってしろがねになってしまったという設定でしたっけ?

あとからくりサーカスって西暦何年の時代が舞台でしたっけ?
たぶん2000年代は間違いないはず……。間違ってないよね?
そこから大正時代にタイムスリップというか、似てるけど違うパラレルワールドにトリップ?
違う大正時代とはいえ昔の時代であることに違いはないから、近代技術を盛り込んだからくりの整備と修理とかに苦戦する予定だけど、すぐに代わりになる技術を作ったり見つけたりします。
そのため基本的な居場所は刀鍛冶の里になる予定。
今後、善逸や伊之助とも会う予定。

模擬戦は、まずからくり人形がどれほどのものなのかってことを伝えるために産屋敷の前でやることは決めていました。
そのため初の模擬戦は煉獄を選んでみました。
鬼を倒せるほどの武者の形をしたからくりって聞いたら、たぶん興味を持ちそう…っていう勝手な思い込みです。
これだと伊之助も戦いを挑んでくるかもしれないので、模擬戦をさせるか考え中。
もうこの流れで分かる人には分かるかもですが……、無限列車は……。


次回は、煉獄との模擬戦です。
ネタバレすると、耐久値が限界だった太刀が折れちゃいます。



※からくりサーカスが完結した年(2006年)を確認していなかった筆者の完全なミスでした。
申し訳ありませんでした。
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