都市は都市でも人格ストーリー世界線に来ちゃった   作:薬指〝笛吹派〝スチューデント

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 仕事が忙しくて、このままだとシ協会フィクサーになっちゃうよ僕。


『ロボトミーE.G.O』④

「今・あ(今日変な奴が増えていたが、あれはお前の知り合いか?)」

 

『そうですか、また新しい子がこの会社へ訪れたのですね』

 

 私の力の一部を解き放ってからというもの、どうにも何かと繋がった...或いは共鳴しているような感覚が、まるで絡みついた蜘蛛の巣のように私から離れてくれないのです。

 

 そして、その感覚の正体を先ほど漸く理解しました。

 

『成る程、私の可愛くて愛おしい生徒たちの1人、その物語が都市に刻まれこの会社へと流れ着いたのですね。

 ...嗚呼、これは喜んでも良いのでしょうか?私にとっては嬉しい事ではあるのですが、今のこの会社にとってあの子たちは少々荷が勝ちすぎているでしょうし。

 

 もし、あの子たちが何かのきっかけで覚めてしまったら、私が助力する必要があるかもしれませんね』

 

 一方その頃、別の部門では職員たちが忙しく走り回っていた。

 

「あいつまた脱走したぞ!!!」

 

「今日はこれで何回目だ?これじゃアルリウネ以上に厄介だぞ!」

 

贖罪を刻め、遠き日に生きる彼の御方に届かせんが為に、彩を重ねよ、いつか遠き日に彼の御方と再開を果たさんが為に...故に我らは征く、自らを裂き、その痛みに身震いをしながら罪を贖う道を我らは征くのだ

 

 

【挿絵表示】

 

 

 先日新たに収容した幻想体T-08-01『贖罪を待つ茨』その管理情報を開くのに手こずって脱走祭が起きていたのだ。

 

 この幻想体、収容室内では血と肉で原型がわからぬ程に覆われた何かが巻きついた巨大な剣のような姿をしているのだが、収容違反を起こすと即座に人型実体と成って飛び出す為非常に厄介なのである。

 

 おまけに本体こそリスクレベル『WAW』であるというのに、収容違反時に飛び出す人型実体は何故かリスクレベル『HE』なのである。

 

 つまりはアブノーマリティ対応マニュアルの効果により、オフィサーが逃げずに戦うぎりぎりのリスクレベルであり、つまりは勝てもしないのに突っ込むから色々とまずい事を引き起こすのだ。

 

 その中でも厄介『職員の死亡に反応する幻想体を収容している場合』であり、またその他に『殺した職員やその死体を利用する幻想体』と組み合わさった時に最悪のシナジーを生み出す。

 

 そして今回収容違反を起こした『贖罪を待つ茨』の場合、よりにもよってその両方を併せ持つ凡そ最悪と言ってもいい類いの幻想体なのである。

 

 特に最悪なのは『職員がこの幻想体の攻撃によって死亡した場合』または『この幻想体が死体に接触した場合』に発動する特殊能力で、本体を鎮圧しない限り永続的に残存するオブジェクトを造り出す能力を持っているのだが、これらのオブジェクトは一定時間ごとに同室内の職員全てに対し10~15程度のWHITE属性ダメージを与え、更にダメージを受けた職員は一定時間6~8のWHITE属性スリップダメージを受けることになる。

 

 そう、非常に厄介なのである。

 

 おわかり頂けただろうか?この幻想体は『アルリウネ』と『白雪姫の林檎』を足して2で割った後、更にそこへ『笑う死体の山』やら『規制済み』やらのエッセンスを一つまみしたようなくっそヤバい幻想体だったのだ。

 

 誰だこんなもん収容したの、管理人だわ。

 

 とにもかくにも、そんなものが非常に高頻度で収容違反を引き起こすので、職員たちはいつも以上に疲れていた。

 

 なにせ、只でさえアルリウネという脱走魔を抱えているところにこいつなのだから。

 

 そのストレスと疲労は尋常ではないものになるだろう、つまり残業フィーバーで職員全員がユジンしたのだ。

 

 そして、収容違反時に出力される人型実体の戦闘力自体も中々厄介であり、造り出すオブジェクトとは別にこいつの攻撃属性はBLACK属性である、

 

 もう一度言おう、なんでこんなもん収容した(残り二つの方なら()()()あんましないからまだましだったのに)

 

 まぁそんなこんなでこいつが暴れ散らかすものだから当然ながら非常事態レベルが爆上がりするわけで、そうすると更に悪さをする連中の特殊能力発動を誘発してしまう。

 

 特に魔法少女とか。

 

「最悪だ!非常事態レベルが上がったせいで魔法少女が収容室から出やがったぞ!!!」

 

 ほら言わんこっちゃない。

 

『愛と正義の名の下に~。今ここに参上!』

 

 こうなるともう始末に負えないというか、経験者の方々ならもうおわかりだろう。

 

『誰かは悪党にならなきゃいけないの、私は正義の魔法少女なんだから』

 

 憎しみ女王顕現である。

 

 だが、一つ思い出して頂きたい。

 

 村雨もとい『幾万幾多の悲劇とたった一つの鏡』その特殊能力は何も危険性だけではない。

 

 非常事態レベル2以降限定ではあるが、甚大なデメリットとの等価交換なのか『F-08-01』にはとある特殊能力が存在する。

 

『嗚呼、なんとなく誰かが来るような予感はしていました...私の力が御入り用ですか?』

 

「管理人のり特殊作業を命じられけり...許されよ」

 

【特殊作業:『鏡を割る』】

 

 YES? Or No?

 

  ↑

 

では、全ての悲劇を鏡の中に閉じましょう

 

 F-08-01の観測情報No.5『施設が非常事態レベル2に達すると特殊作業が発生した』

 

 これに該当するものが『鏡を割る』であり、その効果は全ての悲劇を鏡の中に閉ざす。

 

 つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ただし、この特殊作業で無かったことにした非常事態が幻想体の収容違反だった場合、その該当幻想体に対し1日の間一切の作業が不可能になる。

 

 全ての事柄には大抵なにかしろの対価は付いて回るものだから。




【登場人物紹介】

『T-08-01/贖罪を待つ茨」』
・とある人物が引き起こした事件が元で生まれた幻想体、本人ではないが能力と攻撃属性2属性持ちが凶悪過ぎて大惨事になった(※ちなみにE.G.Oはちゃんと強いので安心しよう)
 元になった事件は〝今はまだ起こっていない〝主人公を収容しちゃったせいで因果逆転が起きてしまっているのである。
・挿し絵は作者の自作、あんまりうまくないかもしれないからとても不安だけど、やっぱり登場人物をイメージしやすくするうえで挿し絵も偶には必要かなと思いまして、今回拙いものではありますが描かせて頂きました。

『良秀/ロボトミー抽出E.G.O:残香/寂しさ』
・良秀語が結構難しくてちゃんと描写出来てるか不安、まじで不安!!!

『イサン/『ロボトミー抽出E.G.O:厳粛なる哀悼』
・管理人に指示されて特殊作業を行ったが、この後少し落ち込んだ。

『F-08-01/幾万幾多の悲劇とたった一つの鏡』
・今回で廉価版の逆行時計みたいな能力を持っている事が判明したこの作品の主人公、お前どっちかっていうとラスボスの方が似合いそうな能力ばっかだな?もしや原作のネームドと戦う時に勝てないのは、そのせいで相手側に主人公補正ついちゃってるからでは?と作者は首を傾げた。
・なお呼び込む幻想体が本当にヤバいやつばかりなので、メリットとデメリットがとんとんくらいになっている(なおこいつのリスクレベルはZAYINなので結構序盤に収容出来てしまうのが厄介さを際立たせてしまっているような気がしないでもない)

解決済みの人格ストーリー(例えば握らんとする者)の後日談は必要ですか?

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