都市は都市でも人格ストーリー世界線に来ちゃった   作:薬指〝笛吹派〝スチューデント

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 機種変したので操作になれる為暫く投稿辞めてましたが、漸く新しいスマホの操作にも慣れてきたので投稿を再開します。

 ただし、機種変した時に前のスマホからプロットを書いたメモが上手く引き継げなかったので再度プロットを書き直すのに少々時間がかかりますから、また投稿が出来ない日がちょくちょく出ちゃうと思います。

 もし投稿がない日があれば、それはプロット書くのに悪戦苦闘してるんだなって思って頂けたら幸いです。


閑話『とある特色の動向とそれに伴う都市脅威について』

 路地裏に面したとある建物の中で、ある男女が向かい合っている。

 

 片方は青い装束に身を包んだ白い髪の男で、もう片方は紫の服を着こなした妙齢のご婦人であった。

 

 2人は知り合いなのか、互いに親しそうな雰囲気を醸し出している。

 

 だが、その建物内の空気は酷く剣呑で張り詰めたものなのである。

 

「随分とやらかしたみたいだね青い小僧、あたしの耳にも色々と噂が入って来ているよ」

 

 理由は単純で、知りたい事がある者とそれを知っていながら教えようとしない者が向かい合っているからだ。

 

 とはいえ、別にこの2人は特別仲が悪いと云うわけではない。

 

 むしろ良好であると云ったほうが良いくらいだろうから。

 

 それでも片方、白い髪の男には目の前のご婦人にどうしても聞いておかねばならない事があったのだ。

 

「久しぶりだね師匠、でも師匠は全部知ってるんだろ?俺が目指してる事もその為に何をやっているのかも全部知ってるけど、それが師匠の目的の為になるから放って置いているんだよね?」

 

「あんたまであたしに強く当たるなんて、これもあの子の影響かねぇ?」

 

「誤解しないで欲しいなぁ、俺...師匠にはとても感謝してるんだよ.....

 師匠が色々と裏で手を回してくれたお陰で沢山友達が出来たし、その友達たちも皆俺たちの古い友達に会いたがっているんだ.....」

 

 その言葉に紫の涙の目元が一瞬ピクリと動き、そしてすぐにまたその動きを止めた。

 

「友達、それはいったい誰の事だろうねぇ?」

 

 まるで何かを隠すように、何かを誤魔化すようなその言動は青い小僧、つまりは『青い残響』を刺激するだけであった。

 

「師匠も知ってるじゃないか.....それとも忘れてしまったのかな?駄目じゃないか友達を忘れたりしちゃ、村雨だって俺たちの大切な古い友達なんだからさ.....」

 

 嗚呼、やっぱりその名前だ。

 

 あたしの行く先々で必ず耳に入ってくるあたしがつけたあの子の名前、それがあたしに対して裏切りを咎めているような感覚があたしを苛んでずっと消えやしないのさ。

 

「俺から話を聞いて、俺に賛同して集まってくれた大勢の友達が皆あいつに会ってみたがっているんだ。

 だからさ、今あいつが何処にいるのか師匠は知っているだろうから.....俺にその場所を教えてくれないかな?」

 

「会って、それでどうするつもりなんだい?」

 

「出来ればだけど、村雨には俺と一緒に夢を見て欲しいんだ。

 俺たち皆の夢、俺たちが俺たちらしくいられるようになる世界を一緒に見て欲しいな.....

 だからさ、俺はあいつにも俺たちの仲間になって欲しいんだよ」

 

 正直そうじゃないかって気はしてたんだ。

 

 青い小僧が妹の次に仲良くしていたのはあの子だったからね。

 

 なら真っ先にあの子へ誘いをかけるだろうって思ってはいたさ。

 

 それでも教えてやるわけにはいかなかったから、なるべく顔を合わさないように動いてたってのにねぇ。

 

「そろそろ頃合いなのかもしれないねぇ、あの子は図書館の中にいるよ。

 でもね、あの子が今図書館の中の何処にいるのかまでは私にもわかりゃしないのさ。

 

 図書館の主である司書の意思じゃなくて、図書館自身の意思であの子が隠されてるのさねぇ」

 

「だから俺たちの仲間の中に一人だけやたらと図書館へ行きたがる友達がいたんだね。

 人形師、血染めの夜、狼の時間、昨日の約束、歯車教団の教祖、8時のサーカス、ブレーメンの音楽隊、泣く子、8人のシェフの1人、そして最後にもう1人、茨たちの主人。

 

 俺は本当に大勢友達を手に入れたけど、やっぱりその中に村雨も入っていて欲しいんだ.....

 師匠、どうにかして村雨に会う事は出来ないかな?」

 

「困らせてくるねぇ。こいつ、そういうのは頼みじゃなくて脅しって言うんだよ青い小僧」

 

 実際それは脅しに近いものであった。

 

 何せ、この会話を交わしている場所の周りには、2人の対談の終わりを今か今かと待ちわびている"友達"たちがひしめき合っているのだから。

 

 その全員が、2人の会話から望む答えが出るか否か?それとも紫の涙が言葉を濁して場を誤魔化そうとするのか?その結論を出す為に紫の涙へその視線を向けているのだ。

 

 これか脅しでなくてなんと云うだろうか?

 

「会うことは出来ないだろうけど、話す事くらいなら出来るかもしれないねぇ。

 最も、それもあの子次第なんだけどね、あの子の事だから何処かに"保険"を残している筈なんだ。

 

 もしその保険を見つけられれば...或いはあの子と話せるかもしれないよ」

 

「あぁ....ありがとう師匠。俺、本当は師匠が教えてくれないかもって心配してたんだ。

 もしそうなったら、俺も外で待ってる仲間たちも皆とてもがっかりするだろうから.....だから嬉しいよ。

 

 それじゃまたね師匠、話が出来て嬉しかったよ」

 

 去っていく青い残響の後ろ姿を見ながら、紫の涙は言葉を溢す。

 

「...そうかい、あたしゃ寿命が縮む思いだったよ」

 

 極度の緊張、それは紫の涙に過去一番の苦痛を強いたのかもしれない。

 

 ただし、それはかつて名までつけて義理の子として可愛がってすらいた子供を裏切ってしまったという事実に付随する代価であり。

 

 そして、その代価を支払う時は間近に近づいている。




【登場人物紹介】

『青い残響/アルガリア』
・皆さんご存知青キチ兄さん、主人公が序盤の方でやたらと見覚えのある台詞を言っていたのはこいつの影響。
・原作のメンバーに加え、なんか更に1人増えているみたいなので今から怖いね。

『紫の涙/イオリ』
・前々から少しずつ描写していたのだが、今回で実質主人公の義理の親であると確定した。
・それはそれでこれはこれだから、貴方には酷い目に合ってもらう。

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