都市は都市でも人格ストーリー世界線に来ちゃった   作:薬指〝笛吹派〝スチューデント

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『炎拳事務所生存者』②

「悪い、また一つ迷惑をかけてしまったな」

 

「いや、仕事を手伝ってくれたことは本当に感謝してるぞ、まさか協会に登録してない身所属だとは思わなかったが」

 

「いやぁ~、何か俺のフィクサー免許存在しないことになっててさ。

 でも現物があるうえに何かそこそこ等級高めってことでハナ協会の上役さんたちが頭を悩ませちゃったみたいなんだよね」

 

 そう、俺のフィクサー免許はこの世界線に来る前のを持ち越したやつだった。

 

 そのせいであらぬ疑惑が浮上し、最終的に俺の身元を炎拳事務所引き受けにすることで合意が成立した。

 

 まさか俺があの炎拳事務所に転がり込む事になるとはな...あぁ、そういえば人格ストーリーで散々グレゴールが言及してた〝姐さん〝だったっけか、あれにも会ったよ。

 

 ちょっとそれはないだろって人選だったが、流石はと納得もした。

 

 それでも流石にネットの考察に過ぎなかった『炎拳グレゴールんところの姐さんユーリそっくり説概念』がまじになっちまった世界はやり過ぎじゃあなかろうか。

 

 お陰で初対面だってのに悲鳴をあげかけたぞ。

 

「さて、晴れて炎拳事務所所属になったことだし俺も仕事を取ってくるかね」

 

「なんだ、早速仕事をするつもりなのか?」

 

「あぁ、さっさと実績を積み上げてこの事務所に貢献したいからな。

 俺みたいな身元不明の不審人物を引き受けてくれたんだから、その恩には報いねばなるまいてな」

 

「ゆっちゃなんだが、あんまり気を張らなくて良いぞ?うちの事務所はそこまで規模はでかくないしな」

 

 あぁ、まぁ確かにそうなんだが。

 

「何かお前ら、このまま放っておくとどっかで無理して望まぬ未来を得てしまいそうだから、そうなる前にこの事務所を最高のものに仕上げる手伝いがしたいんだ」

 

「お前さんやっぱ変な奴だな?」

 

「そうか?まぁそうかもしれないなハハハッ!」

 

 そして時は過ぎ、俺はとある仕事の依頼を受けていた。

 

「都市悪夢級案件とは中々に穏やかじゃないな?実績のない俺にそんな重要な仕事を任せて良いのか?」

 

「君に見せてもらった変装能力を買っての判断だよ、君の力は実に素晴らしいもののようだからね」

 

 ハナ協会の上役らしき男は言葉を続ける。

 

「君にはそう...都市悪夢級案件ラ・マンチャランドに潜入してもらいたい」

 

「はいは~い、どのみちこっちには拒否権なんかないんだからあんたは指示だけ出してくれば良いっすよ。

 あぁ、先に言っておきますが俺は裏切りに関しては過剰な程の報復行動に出ます。

 どうかその辺り、お忘れのなきようによろしくお願いしますよ」

 

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「本当によろしいのですか?」

 

「何がだね?」

 

「あのような得たいのしれない人物に今回のような重要案件を任せてしまってもよろしいのでしょうか?」

 

「ハハハッ心配性だね君は!ノープロブレムなんの問題もないよ。

 今回の依頼はあくまでも潜入任務で、潜入して以降の事は何も言っていない、ならその後彼が何をしようがどんなしくじりをしようが全ては彼の責任であり、全ては彼のせいだということになる。

 だから、我々はただ座して待っていれば良いのさ、彼が有用な〝何か〝を掴んで戻ってくるのか、それともしくじって血袋と化すか、どちらにせよ我々はなんの損もしないのだかっ...!」

 

 突如、べらべらと耳障りな言葉を並べ立てていたハナ協会上役の声が途絶える。

 

「部長どうされました?えっ...きゃぁぁぁ!!!」

 

 男は、その頭を30cmはあろう大きな釘で貫かれていた。

 

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「あ~あ、だから言ったのに...裏切りに対する報復は過剰な程に行うって言った筈だろう?本当にわかりやすいやつで逆に困るよ。

 余計なことを喋りまくるもんだから、お陰で速攻裏切り防止に仕掛けた玩具が作動しちゃったじゃないか...でもやっぱ釘は好きじゃないね、シンクレア誑かして悪い道に誘ったクソアマを思い出すから」

 

 ハナ協会の上役に仕掛けておいたもの、それは予め設定した条件に抵触する行為を対象が行った場合に実体化して脳天に突き刺さるようにされた特殊な釘である。

 

 実の所あのクソッタレの宗教団体周りを探ってる時に見つけた設計図が元だったりするので、クソアマを想起するのはあなかち間違いではないのかもしれない。

 

 おそらくクローマー枠だったファウストが義体保持者を拷問するために設計した新型拷問具か何かだったんだろうが...まぁかなりエグいなあれ、殺しはしないけど脳の感情を司る部分を丁度ぴったり串刺しにするように出来てたし。

 

「さてさて、ラ・マンチャランドに行くとしますかね。

 まじで、今度こそ本当に胃に優しい状態であってくれよ?前回の最後は本当にきつかったからな」

 

 あぁ、俺もうストレスで涙が出そうだよ。




【登場人物紹介】

『炎拳事務所の姐さん』
・ネットで見かけた炎拳グレゴール世界線の姐さんユーリそっくり説を採用してみた。
 深い意味はないけど読者諸君リンゴはお好きかな?

『ハナ協会の上役さん』
・一応部長クラスだったが、フィクサーをよく使い捨てにすふのであまり評判は良くなかった。
 この後脳の感情を司る部分に釘がぶっ刺さったせいで色々あかんことになった。

『グレゴール』
・主人公が事務所に所属してくれたことを内心結構喜んでる。
 善き人なのであまり酷い目には合わせたくないけど此処は都市なので仕方がない...後ガチャの恨み。

『主人公』
・シンクレア周の時に変な物を色々と手に入れて四次元バッグの中に仕舞い込んでる。
 ストレスで涙が出そうになってる一般模範的都市フィクサー(激ヤバEGO持ち)ちなみに周が切り替わる度に毎回実績を積み直す羽目になることが確定している。

【登場物品紹介】

『釘』
・正式名称「扁桃体に対する干渉と審判」主に刺した対象へ感情爆発を意図的に引き起こす為の針、または杭。
 握る者ファウストが設計したは良いが予想外に変な事象を引き起こした為、仮拠点の一つに廃棄され置き去りにされていた設計図を元に主人公が再設計&発動条件を変えた結果生まれた(元は義体であるかどうかという質問に対し偽りの証言等をすると発動する仕組みだった)
 形成材質は人間Orそれに属する生命体から抽出した鉄分。
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