都市は都市でも人格ストーリー世界線に来ちゃった   作:薬指〝笛吹派〝スチューデント

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 はい、また筆が止まってたクソ作者です。

 仕事がキツ過ぎるよこの時期、元々息抜きのつもりで書いてたこの作品がここまで来ちゃうともうメインになり始めているよ。

 読者の皆本当にありがとね。


追憶『肉斬骨断』

コアページを開いたローランに、いつも通りページの中の文章が語りかけてくる。

 

 

 幻鏡の中で揺蕩い流れ行くこの身は、常に悲劇を招くばかりか更なる悲劇を生んできた。

 

 ならばこの身のこれまでに、いったい何の意味があったのだろうか。

 

『わからない、もう何もかもわからないんだよローラン』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 体中が痛む、まるで全身が裂けて罅割れているかのような苦痛だ。

 

「まだ動かないほうが良い、体中がボロボロだから」

 

「...」

 

「そうだそのままじっとしていた方が良い、あまり無理に動くと傷が開く」

 

「貴方が私を運んでくれたのですか?」

 

「そうだな、確かに私がお前を運んだ」

 

 なんていうざまだろう、この体はきっと私の心が弱き故に砕けたまま造り出されたのだ。

 

 心が折れて、そうして砕けてしまったから体もまた砕けたままになったのだ。

 

 ならば私は、本当に愚かでしかない。

 

「しかし不思議だな、S社は人の出入りが厳しく制限されている筈だがお前は何処から流れ来たのやら」

 

「私の来歴ですか...きっと誰にもわからないのでしょうね、それがわかるとしたら母様くらいでしょうから」

 

「母様とは?」

 

「紫の涙イオリ、母様はそう呼ばれております」

 

 嗚呼、この時の愚かな私はまだあの忌々しい紫の涙を母と呼び慕っていたのでしたね。

 

 自分の事ながら思い出すと腹立たしい事実ではあります。

 

 でも、お婆様が邪魔をしていると知らなかったあの頃の私にとってお婆様は本当に母様のような存在でしたから、それもまた仕方のない事なのかもしれませんね。

 

「紫の涙、高名なフィクサーだと聞いているがその者がお前の母なのか?」

 

「ええ義理ではありますが一応母ですね、もっともあちらがどう思っているのかは今はもうわからなくなってしまいましたが」

 

 お婆様は途中から私に干渉しなくなっていましたからね、でも私が計画の邪魔になり始めると途端に顔を出して私の行く先々で妨害をしてきました。

 

 余程私の行動がお婆様にとっては計画に差し障るものだったのでしょう。

 

「ふむ、大体の事情はわかったが何故お前がS社にいるのかは未だに見えて来ないな」

 

「私はそういう性質ですから」

 

「何か翼の特異点のようなものに巻き込まれているのか?」

 

「大体そのような認識であっていますね、私の場合はもっと複雑ではありますね」

 

 その記憶もまたこの頃は思い出してはいませんでした。

 

 その由来と真実を知ったのはカルメンとの2度目の邂逅で自らの本質を知り、K社で全ての根源へ還った後の事ですから。

 

「取り敢えずお前の事は他の者にも話しておく、暫くはこの部屋でじっとしているように」

 

 今回は此処までにしましょうか、私も一度に全てを見せられるわけではありませんからね。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 ローランがコアページを閉じると本に刻まれた名前が顕になる。

 

『かつて遠き翼の本』

 

「ほんとにあいつは何者なんだ?この前はオリヴィエから教えて貰ってた情報を当てずっぽうで言ったら当たっちまうし、それでも謎は深まるばかりで更にこの本のタイトルはえらく不穏なものときた。

 

 あ~あ!本当に厄介なもんに首を突っ込んじまったもんだよ...とはいえ、この本の力はガチだしなんでこんなもんポンと渡してくれたんだろうな」

 

『やぁローラン、私からの贈り物は気に入ってくれたかな?』

 

「おわっ!?お前はこの前の!」

 

『覚えてくれていたようで嬉しいよ、その本は私の持つ側面の1つから記憶を複製して作ったものだ。

 それと前に渡した本を組み合わせればこれからの接待で非常に心強い力になってくれるだろうね』

 

「おい!お前にはまだ聞きたい事が山程あるぞ!」

 

『それはこの前も話したし、全てを簡単に教えて貰えるとは思わない事だね。

 この都市において、情報は最も貴ばれると同時に最も危険な武器でもある。

 

 それは君自身も身に沁みてわかっている筈だけれど?』

 

「それもそうか...って納得出来るか!!」

 

『さて、今回はこれでお開きにしようか...どうやら次の接待も近いようだから』

 

「おい待て!いきなり出てきて好き勝手こっちを振り回して消えるんじゃねぇよ!!!」

 

『私の計画も概ね順調に進んでいる、君たちも励みたまえよ...いや、励まれ過ぎても困りものだな?まぁ程々に頑張りたまえ』

 

「おいちょっとぉ!?」

 

 悪いねローラン、全てを一度に話してしまったら君はあまりの情報量でキャパオーバーするだろうから、また今度話してあげるとしよう。




【登場人物紹介】

『ムルソー/剣契頭目』
・今回の主役その1、多分酷い目に合う。

『ローラン』
・ここまでの追憶は全部ローランが見たコアページの内容、なお読んでる最中にバチカル(村雨の偽名)がちょっかいをかけてくるハプニングがあったがそこまで影響はないと思う。

『村雨』
・今度は頭目ムルソーのところへ転がり込んだが、2連続で心叩き折られたので体が若干壊れかけの状態でポップした。
 そろそろ救いも与えてあげたいが、そうするとこいつに関わったやつが中々に酷い目に合いそうというジレンマ。
 女形態のこいつに惚れたやつとかろくな目に合わんぞ、多分付き合って生き残れるのが特色クラスしかいない。

解決済みの人格ストーリー(例えば握らんとする者)の後日談は必要ですか?

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