都市は都市でも人格ストーリー世界線に来ちゃった   作:薬指〝笛吹派〝スチューデント

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 はいまたしても投稿が開いてしまったクソ作者です。

 何で皆さん私にやたらと仕事を振るんでしょうか?あまり期待されても困るのですが。

 それはさておき『肉斬骨断』編、第二話にございます。


追憶『肉斬骨断』②

「暇ですね」

 

 私を介抱してくださったあの方、何処か見覚えがあるような気がしますね。

 

 ...あぁ思い出しました。

 

 薄れゆく断片的な記憶の中に該当する人物が1名います。

 

 剣契頭目ムルソー、S社の元武官にして現反政府組織である剣契の頭目たるキムサッガッを元とした人格である。

 

「あの方の元へ転がり込んでしまったという事は...また悲劇が起こるのですね」

 

 その人格ストーリーと後に明かされた人格元のキムサッガッ本人とのギャップが凄まじいものであった為に再び大きな話題になったのは記憶に新しいだろう。

 

「困りましたね...私はもう悲劇なんて見たくないというのに、私が何かする度にその全てが悉く悲劇に繋がってしまいますから」

 

 村雨の心は幾度もの悲劇によって割れた鏡のように砕けてしまっていた。

 

 只人であれば最早立ち直れぬ程に、その心はもはや折れ切っている。

 

 しかし、目の前の誰かを救いたいという感情までは捨てていなかった。

 

「あの方は今何処におられるのでしょうね、此処ではあの悲劇が起こらないと良いのだけれど」

 

 あの悲劇、それは経験記憶と呼ばれるストーリーによって詳細が明かされたキムサッガッの体験した惨劇。

 

 それが人格ストーリーの世界と混じり合う事でどのような変化をしているのか検討もつかない。

 

「ねぇそこの貴女、部屋の影に隠れていないで出てきなさいな。

 私、言われた通り待っているのだけれどとても暇なの、どうか私の話し相手になってくれないかしら?」

 

「いつからお気づきになられていたのですか?」

 

「ずっとよ、最初から気づいてはいたのだけれども話しかける切っ掛けが思いつかなくて放置していたの」

 

 部屋の暗がりから現れたのはこれもまた見覚えのある顔、ムルソーはまだ剣契として活動を始めていなそうだけどこの頃からもう貴女はいたのね。

 

「お名前、聞かせていただけるかしら?」

 

「イシュメールと申します」

 

「イシュメールというのね、そう...良い名前ね」

 

 イシュメール、まだS社にいた頃はやっぱりエンドゥと一緒な髪型なのね。

 

 懐かしいわね、フィクサーとしての仕事をしている時に一度だけ剣契たちと一緒になった事があったわ。

 

 その時に出会ったのがエンドゥだった。

 

 とても鋭い目でこちらを見つめていて、その目を見てこの子は良い剣士になるんだろうなってそう思った。

 

 そのエンドゥの役割をこの世界で担っているのがイシュメール。

 

「貴女、良い目をしているわね...とても鋭くて切れ味の良い刀みたい」

 

「それはどういう意味ですか?」

 

「剣士に向いているという意味よ、昔あなたのような目をしている人に会った事があるのだけれどね、その子も貴女のように鋭い目で私を見つめていたわ。

 そして、その子はある人の元でずっと側に寄り添い傍らにあった。

 

 でもね、私はその子たちに合わせる顔がなくなってしまったからもう会うことは出来ないの」

 

「何があったんです?」

 

「間に合わなかったのよ、あの子たちがとても困っていて苦境に立たされている時に私はその事を知らずに仕事へ打ち込んでいた。

 仕事を終えた後、私があの子たちは行方不明になったと知ったのは全てが終わってしまってからだった」

 

 それは思い出したくなくて記憶の奥底に眠らせていた記憶、シンクレアを救う為にと仕事に邁進しているうちに段々と功績を積み重ねている時に私は剣契たちと一緒に仕事をした。

 

 彼ら一人一人は並みのフィクサー程度だったけど、全員の力が合わさった時は本当に美しい連携を見せてくれたわ。

 

 そして頭目のキムサッガッと、その傍らにいたエンドゥは特に綺麗な剣筋をしていた。

 

 暫くの間彼らと行動を共にした後、私は再び1人に戻って仕事を続けた。

 

 そうしているうちにある噂を聞かされたんだ。

 

『聞いたか?剣契たちが図書館に向かってから帰ってこないんだってよ』

 

『ひぇーまじかよ、おっかねぇなぁ!』

 

「その話、詳しく聞かせてくれないかな?」

 

『おっ?お前さん最近色々噂の新人じゃないか、まぁ座れよ!』

 

 そうして聞かされたのは、にわかには信じ難い内容でしたよ。

 

『あの暴力集団の剣契共が食うに困って図書館っつう最近噂になってるやべぇ場所へ向かったらしくてな、そんで戻ってこないからどうにも全滅したらしいって話なんだよ』

 

「!?」

 

『そういやお前さんは一回あいつらと一緒に仕事をした事があったんだっけ?あいつらどんな感じだった?』

 

「評判とは違って中々に礼儀正しい方たちでしたが、そうですか...全滅してしまったんですね」

 

『お前さんあんま気を落とすなよ、この都市じゃフィクサーが全滅するなんてよくある話なんだから』

 

 それで納得出来るほど、私は冷酷になりきれてはいなかったのですよ。




【人物紹介】

『イシュメール/エンドゥ(後のLCD現場推理チーム)』
・実は前回から既に部屋の影でスタンバってた人、エンドゥがS社時代からヤンデレ彼女みたいだったのかはわからないが、今回の場合尊敬するお頭がなんか自分の部屋に女連れ込んでるの見て気になって部屋の影から見張ってた。
 なんか思ってたのと違う感じだったうえに思ってた以上にクッソ重い話を聞かされてどう反応して良いかわからず頭から煙を噴き出している。

『村雨』
・今回で剣契フィクサー活動時代に剣契とも関わってた事が発覚した人、ネームドの数だけ引き出しはあるからこれからも厄ネタ満載で行かせてもらいます。
 ちなみに現在の見た目はは薄細ボディの儚げな美人さんである。

解決済みの人格ストーリー(例えば握らんとする者)の後日談は必要ですか?

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