もしも全面的ヤンデレなら   作:本気は後で出す

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どうもお久しぶりです、明日から本気出すものです!
神様の方書き進めてたらなんとなくヤンデレが恋しくなったので更新(`・ω・′)

『現在地不明の狂人』


固定概念

 

 

かつんっかつんっと妙にリズムのある楽しげなブーツの音が聞こえて目が覚めた。時刻は午前3時。どうやら私は資料をまとめている内にいつのまにかうたた寝をしていたようだ。明日の授業の予定や準備はすでに出来ているのでまだ時間に余裕はあるし、まだ大丈夫、大丈夫…と危ない思考回路に陥ってまたうつらうつらとし始めた所でまたはっとした。

 

今の靴音は誰のものだ?

 

カツンッ

 

はっとした瞬間足音が止まった。背中の毛が逆立ち、鳥肌が立つ。気づいてはいけなかった。気づかない方がよかった。でももう遅い。どうすればいい?どうすればこの状況を打破できる。考えろ。考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ…

 

「先生」

 

歯の根が合わない、ガチガチと震える。この恐怖は未だかつて味わったことがない。なにに怯えているのか、なにが起こって、足音の正体は誰なのか。

 

そして先生と誰かに呼ばれた気がするのだが、こんな夜更けに生徒が出歩いているわけもない。どうしたんだ。どういうことだ。

 

再び震えていると今度はノックの音が響いた。嫌に響く重苦しい音だ。脂汗が滲み、暑いのに体温が一気に下がった気がする。誰だと言おうにも声が出ない。怖い。関わってはいけない。

 

「先生。スラグホーン先生」

 

コン、コン

 

そこでやっと私は平常心を取り戻した。この声は安全な人のものだ。私の寮の今までで一番の秀才、アリスの声だ。しかしこんな夜更けに何の用だろう。もしや、トムについて何かわかったのだろうか?

 

「あ、ああアリス…どうしたんだこんな夜更けに」

 

扉を開けようとして躊躇する。これは本当にアリスか?

 

偽物のわけがないと首を振って扉を開ける。そこにはアリスが笑顔で立っていた。

 

「すみません、おやすみのところ…」

 

「いや、いや構わん。で、何の用だね」

 

少し突き放した言い方をしてしまったかもしれない。しかしもう遅い。

 

「…。ミランダって居ますよね」

 

「あ、ああそんな子がいたな、確か…。ミランダがどうかしたのかね」

 

「彼女が犯人かと思われます」

 

……………は?

 

今、アリスは、なんと言ったんだ。

 

ミランダ。ミランダはたしか飛び抜けて優秀なわけでも、かといって才能がないというわけでもない平凡な生徒だったはずだ。そして彼女もトムに惹かれた者のうちの一人だったはず。動機はあるがだからといってやるものだろうか?第一場所は?時間は?やり方は?

 

それに、どうして今そんなことを言うんだ?

 

「彼女が姿を消しました。昨日が終わるまでに自白すれば、大事にならないようにするといったにもかかわらず彼女は姿を消してしまいました。先生、私はどうすればいいのでしょう?」

 

「誰だ」

 

「…え?」

 

「君は誰だね。アリスは私に意見など求めない。大切な友人が居なくなったというのに笑ったりしない。お前は誰だ?」

 

やはり扉を開けるべきではなかった。私は間違っていなかったんだと確証を持ってアリスに詰め寄る。

 

「…あの、おっしゃっている意味がよくわかりませんが。つまり私が偽物だと言いたいのですね?」

 

「ああ」

 

「それは勘違いですよ先生。なんなら私にしかできないような、そう、たとえば東洋の結界を張るとか…しましょうか?」

 

「…。いや、すまなかった。私の勘違いだ。ほら、今教師に見つかったら罰則をくらうぞ。送っていこう」

 

本当にこの子はアリスだった。ただ混乱して頭のネジが飛んだだけのアリス。ならどちらが本当のアリスなのだろうか。

 

私にはわからない。

 

 





【昔を思い出す狂人】

ぎゃー、ささっと書いたのが丸出しの恥ずかしいクオリティですね。でも更新したいので出します。書き直しできたらいいなーっていう感じで。
次は神様更新出来るかとおもいます。

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