もしも全面的ヤンデレなら   作:本気は後で出す

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こんにちはリドル誕生祭やってます今日から本気出したものです。

『何よりも憎しみを持った狂人』




説得

 

 

「アリス!!」

 

廊下の端に見えたリボンと白髪に声をかける。

 

相手は一緒に歩いていた友人に断るとこちらにとてとてと駆け寄ってきた。

 

「こんにちはダンブルドア先生。どうかなさいましたか?」

 

何時も通りの笑顔で…いや、いつもより笑顔かもしれない。とにかく笑顔で言うアリス。

 

「…リドルを解放してくれんかのう」

 

「何故?」

 

「あの子はこの学校の生徒じゃ。それに人権もある。…本人から許可はあるのかのう」

 

「…許可?」

 

笑顔のまま質問を続けるアリスに少し寒気がする。

 

「…そ、そうじゃ。アリスが一緒にいたいからといってさらっていいものではなかろう?それは世間の常識じゃ。それくらいもう知っておろう」

 

「…世間の常識?」

 

「…マグル界でも魔法界でもあるルールじゃ。人間はこうして…」

 

「ぷっ…」

 

いきなりアリスの笑顔が歪んだ。吹き出したと思えばそのまま狂気じみた大笑いをする。

 

そしてずいっと寄ってきた。その顔はもう笑顔ではない。

 

嫌悪感を隠すこともない赤い瞳。…いや、これは紅い瞳、といったほうが正しいだろう。

 

ただ、その裏側にチラチラと紫が見えた。だからどうというわけでもないのだが。

 

「…人間の常識がどうかしたんですか…?」

 

「…は?」

 

「そんなくだらないもので縛らないでくださいよ、まったく。純血主義者がひっくり返せばマグル嫌いなのと同じように私もマグル…いや、人が嫌いなんですよ?そんな雑踏の中に紛れているだけでイライラするのにどうして縛られなければいけないと?

まあ私もここにいる身ですからね、考えては居ましたよ。そういう常識からやってはならない、って。でもよく考えたらおかしいじゃないですか!人間でもない私がわざわざここに来てあげてるのにさらにルールに縛られてあげる?あれれ?これって強制じゃないなあおかしいなぁ。ね?先生は賢いから分かるんでしょ?ねえ?でもあの子はちゃんと言ってたんです、可哀想、大嫌いな憎いアリス。あの子はずっとずっと、私に言ってきましたよ?最後に死ぬその時までずっと私におしえてくれました。

ああダンブルドア、あなたは教師じゃないですか!なら教えてくださいよねえ、この世界じゃない私の世界の常識を、ルールを。あははっ、出来ないでしょうね?私の正体を知らない、リドルにばーっかり目が向いていた可哀想なおじいさんのダンブルドアにはわからない。ああ、わからないなんてなんて哀れなのでしょう?可哀想に、あんな世界でもこんな体でも正気な私が見れば見るほど人間ってのは狂ってますね。偽善、うそうそうそうそ。でもね、リドルは違うんですよ?ああ、賢くていい人だ。

偽善と嘘にまみれた「愛」が自分の生きる理由だと考えるダンブルドア。愛がすべてに勝つのならほら、私を救って見せなさいよ?ねえ?出来ないでしょうね??それどころか私が何処にいるのかもわからないのに?あははっあはははははは!!愚かで愚かで自然と笑えてきます!あはははははははははははは!!!」

 

「……っ…何じゃと…」

 

「あっ、もうこんな時間…。就寝時間ですよダンブルドア先生、私はもうおやすみなさいします。じゃあまたね!」

 

「…。」

 

時間を見るとたっと走って行ってしまったアリス。どういうことだ?混乱する。

 

何だ、何がおかしいんだ。どこから私は間違えた。アリスは何処で狂った。どうして?

 

 






【正気な狂人】

Oh…。なんということでしょう、アリスさんが早口でまくし立てて帰って行きました。


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