もしも全面的ヤンデレなら   作:本気は後で出す

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あけましておめでとうございます。明日から本気出す者です。

『声が嫌いな狂人』




Folie

 

 

side ???

 

ぴちゃん、ぴちゃんと水の音がする。

 

ぬるい風が吹く、

 

気持ち悪い、気持ち悪い。

 

黒い影が蠢く

 

枯れた枝のような真っ黒な手を見る

 

足りない、足りない?

 

ふよふよ、ふよふよ

 

真っ黒なユウレイのように

 

ひらひら、ひらひら

 

唯一の面影を揺らして

 

ぽろぽろ、ぽろぽろ

 

何故か何かが溢れる中

 

ふわふわ、コツコツ

 

僕は元に戻る

 

 

 

 

 

 

side Riddle

 

「リードルー!!」

 

ハートを撒き散らしながら無邪気にアリスは言う。

 

…来たか。

 

アリスが来るときは夜から朝になるみたいだ。そしてここから出る方法は今の所闇に飲まれた階段のみ。

 

ただし、そこからは未知の場所だし安全とは思えない。

 

「見てみてきて来て!」

 

にこにこしながら僕の手をまた引くアリス。そしてまたそれを振り払う僕

 

触れないでくれ、その意思を汲むことはない。

 

本来なら警戒して行くべきなのだがここは別世界らしい上、アリスは僕を盲目的に愛しているらしいので遠慮はしない事にした。ただ、暴力は振るわないようにしている。

 

「ほらっ」

 

じゃーん、とまた言って階段を見せる。闇に飲まれていたはずの階段は途中まででは無くなり、下の階が見える。

 

訳がわからない。どうして、

 

「…何をした…?」

 

「え?だから私の世界だって言ったでしょー!ちょっと疲れるからちょっとずつやるけどね」

 

「…ここは何階だ」

 

「どうしようか、それ。何階でもいいよリドルが決めて」

 

「…?」

 

依然としてにこにこし僕を見るアリスはもうあの嫌な目をしていなかった。

 

値踏みするようなあの目は居心地が悪かったから丁度いい。

 

「…あ、5階以上にしてね」

 

「何?」

 

「ここの高さ5階くらいだし」

 

忘れてたと悪びれもなくアリスが言った。

 

「…何階まで?」

 

「何階でもいいよ、50とか100とかでも」

 

アリスがこう言ったら多分そうなんだろうから考える。

 

どうすればいい。

 

………そうだ、

 

「5だ」

 

「じゃあ5階ね〜。下の階は訓練部屋と…」

 

アリスが先立って僕を案内して行く。5階は主に体を動かさない部屋だったが、4階は体が鈍らないようにする部屋が多かった。

 

「で、ここが武器倉庫〜」

 

楽しそうにアリスは案内して行く。武器倉庫で最後のようだから初めに武器倉庫に入る。

 

当然かのように反応を伺いながらアリスが付いてきた。そういえばコイツ身長伸びてないな、入学当時から。

 

「どうよどうよ、モーニングスターとかあるけど」

 

実用できる武器が新品の状態であった。刀から銃器、奥には戦車シェルターなんかもあったけど実用的なのかわからない。ここで戦車出してもいいのか。

 

5階に戻ろうとしたらさらに下の階へと階段がのびていた。また途中から闇に飲まれているあたり、きっとアリスが改造しなければ僕もいけないんだろう。

 

暫くしてからアリスが「あ」と言って、そろそろ行かなきゃだと言い階段を降りていった。

 

迷いなく闇に飛び込んだアリスは闇にすぐ溶け込んで見えなくなってしまった。すこし頭を突っ込んで様子を見たが、またスキップしているかのようにひらひらしているリボンと真っ黒でドロドロした何かが沢山いるところしか見えなかった。

 

真っ黒なドロドロに見覚えがある事に気付き厨房へ向かうと真っ黒なよくわからない生物のようなものが居て「何かご用ですか?」と書いてあるプレートを見せてきた。どうやら口がきけないらしい。

 

この生物は敵意がないみたいだけど、あのドロドロたちからは敵意が感じられた。やっぱりあそこには行かないほうがいいだろう。

 

 






【誰よりも優しい狂人】

4階完成。地下やら庭やらもそのうち出来ます。多分、それまでにダンブルドアが解決してなければ。


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