甘栗美味しい。久々に食べた。
『何よりも純粋な狂人』
「……アリスっっ!!」
廊下を歩きつつトモダチとしゃべっていたらスラグホーン先生に話しかけられた。
息が切れていて苦しそうだ。無理しないでよおっさん。
まあ私にもリドルにも関係ないからどうでもいいや。さて、要件はなんだろう?
「どうしましたかスラグホーン先生」
「スラグホーン先生大丈夫ですか?」
トモダチも一緒になって心配を始める。あ、違う。ちょっと笑ってる。じゃあ心配じゃなくて……、嘲笑?なんだろう?
「……君が、トムを、ゆ…誘拐っ、したのは……事実か…?」
「?何故」
まああたりなんだけど、何故わざわざ聞きに来たのか。大体私はやらなきゃいけないことが沢山あるんだし、手早に済ませて欲しい。
「……ダンブルドアが…」
「……??では、ダンブルドア先生を信じないで聞きに来たと?」
「違っ、信じないではいるが、そんな疑惑が…」
「先生ったら!アリスがそんなことするわけないでしょ!第一、いつトムに会いに行ってるっていうの!」
いつも同室でちゃんと寝てるわよ!と私をかばうトモダチに、まあ確かにここには居ないんだしと少し笑ってしまった。いけない、いいこと言ってるはずなんだから。
「だから、私もそう思っていて…。何故そんなことに…」
どうやら私を疑って……というか犯人だと思っているのはダンブルドアのみのようだ。何故私を信じてダンブルドアを信じないのか甚だ疑問だが、取り敢えずバレたらバレたでおかしなことになっても困る。
この間までは当然の事をしたと思っていたけど、やっぱりダンブルドア達から見たら異常なんだって。魔法省の無能大臣が来ても闇祓いのおバカさんが来ても、面倒だし退学になっちゃう。
だから絶対秘密にするんだ。あの人のためになるなら、絶対、絶対秘密。
そうだ、また今度屋敷を広くしなきゃ。あの人が暇になってしまわないように、これ以上嫌われないように。
「……先生は、アリスを疑ってないんですね?」
「もちろんだ!」
「……何故ダンブルドア先生を信じないんですか?私よりもずっとずっと信用があるはずなのに」
それは、とスラグホーン先生は話し始めた。息切れして聞きにくかったので水を出してやると笑顔でお礼を言って、呼吸を正し話し出した。
弁解が多くてわかりにくかったが、私が、そんなことするはずがないとのとこと。そしてさらに、アリバイもあって、場所は見当がつかないし、メリットよりデメリットの方が多いし…と、理論付けても言ってくれた。
「先生はなんでアリスを疑うのかしら?」
「さあ、まあ…トムを好きな子などいくらでもいるだろう?」
「そうですよね…」
2人が疑問府を並べダンブルドアへの不信感を抱いた時に予鈴がなった。
スラグホーン先生も私達も急いで教室に向かおうとしたが、トモダチが一言
「先生、今度またこの事については…」
「ああ、わかった、今度だ!」
今度また話をするという約束を取り付け、また教室に向かって走った。
途中、ニックなどに危ないと注意をされたが謝りながらも走るのはやめなかった。いや、だって、占い学の教室めっちゃ遠いよ?
【疑いしか浮かべない狂人】
ダンブルドアェ…