こんにちは、明日から本気出すものです。
『頭脳派な狂人』
さて、ところ変わってここは今は使っていない教室。埃は前もって掃除しておいたためないが、どことなく古い香りがする。今日はここで、私の取り巻き、基友人とやらがとりつけた約束通りにスラグホーン先生とお話しをする。
・・・なぜ説明口調なのかって?だってわからないとつまらないでしょ?・・・もとからつまらないですかそうですね。まあ、そんな話は置いておく。この部屋もどこにダンブルドア先生の耳があるかわからないから闇の魔術ぎりぎりの古から伝わる・・らしい、我が母国JAPANの結界を貼っておいた。
神社とかのお札が必要かなと思ったけど適当な紙に呪文を書いて魔力をこめるだけでよかった。最初は力の加減がわからなくて紙をはじけさせたりしてしまったがまあそんなことはいいだろう。
「こんにちは先生」
「こんにちは」
「こんにちは、二人とも。・・・さて、あー・・・話す、とは?」
「・・・ダンブルドア先生のたわごとについてです」
「たわごとは言いすぎじゃないかな」
「アリスのことなのよ!言い過ぎとかそんなことじゃないわ、だって本当にダンブルドア先生は―――その――――嘘を――――――」
我が友人はどうやらまたしも私のことで怒ってくれているらしい。ありがたいことだが、本当のことを言っているダンブルドア先生のことを考えるとちょっぴりかわいそうかも?
友人をなだめて話を進めるよう促す。スラグホーン先生は話を整理しながらわかりやすく簡潔に話してくれた。だがその話にはいろいろと穴があるためそこを補う質問をしなければいけなかった。
度々質問を重ねたところ、ダンブルドア先生は勘違い――――というより深読みをしているようだった。頭のいい先生がこんなミスを犯すなんて珍しい!私は好奇心に打ち勝とうとし、緩む頬を懸命に引き締めた。私はそこまで深い理由でやっていない。ただ、ただリドルのために。ほかでもない、普通の偽善者とはちがう――――私といてくれる唯一の人間のために。
「・・・ダンブルドアは―――・・・混乱しているのだろう・・・きっと・・・いや、そうに違いない」
「でも、先生がそんな勘違いをするかしら」
あ、もちろんアリスを疑っているわけじゃないのよ、と友人はあわてて付け足した。私はほとんど、被害者(加害者?)にも関わらず悩む二人を前に突っ立っているだけだったが。
「そんな、無責任なこと冗談でもいうかしら?それも生徒を犯人だなんて―――」
「・・・そうだな、何者かがアリスに罪をかぶせようとしたのかも・・・いやしかしダンブルドアがそんな生徒のちゃちな行動でだまされるわけが・・・」
「そうなんですよね・・・」
うーん、と悩みだした二人を見てふと思った。まるで他人事のようにふるまっていて悪いが、なんとなく犯人として会話に加わると勘のいいスラグホーン先生なんかに気付かれてしまうかもしれない。それは困る。
最初は軽率すぎた、よりにもよってダンブルドア先生にあんなこと平然とバラすだなんて。リドルに会える時間がただでさえ少ないのにさらに減ってしまう。こっちと向こうの時の流れの設定は違うんだから、あの人が退屈して出て行ってしまうかも。・・・あ、嫌だ。そんなのヤダ。怖い。心配だから早く会いたいな・・・。
「ねえ、生徒って決めつけるのは早いんじゃないかな?」
「え?・・・・ああっ!そうね、そうだわ・・・確かに、それは考えてなかった・・・」
「いやしかし、そんなことをする教師は私の同僚にはいない。これは断言しよう」
はっきりとした意思を宿した目で先生は断言した。あらら、残念。ダンブルドア先生とともに葬れるかなと思ったのに。できれば頭のいい先生。でもさすがに出来すぎてるよね、うん。んー、でも・・・あの深読みが『本当だった』と思わせて、あっちの思い通りに行動してるふりをしたら面白くなる?でもなあ、リドル・・・うーん・・。
あ、いいこと思いついた。
「でもアリスはやってないし―――「ううん」・・・・え」
「私だよ」
「・・・アリス?」
「私がやったんだ、きっと」
「冗談でしょう・・・ねえ笑えないわ・・・」
「・・・アリス・・・、君は何に気付いた?」
「先生?」
「気づく?」
私たちの疑問の声に先生は何かを悟ったようで、言葉を選んで慎重に話し出した。
思いがけないくらいとんとん拍子で驚いたけどまあ予想通りかな?観察力と盲信がすごいスラグホーン先生なら私を信じてなにかしら言ってくると思ったけど、王道って。ちょっと笑ってしまいそうだった、まさかこれが目的?なわけないよね。
「もしや・・君の知っている誰かが犯人だと?」
「・・・・・・そんなわけないですよ」
目を伏せ乾いた笑みを浮かべる。今なら女優になれる気がしたけど泣けないから無理だ。なる気ないけどね。
「アリス―――、誰なの?」
ささやくように友人が聞いてくる。いくらなんでもこいつらチョロすぎない?それとも演技か?本当は私なんて信じてなくて―――――――、いや、やめた。疑心暗鬼に陥ってもあまりいいことなんかない。
人間、というよりこいつらを過大評価しすぎたかもしれないと考えながら私は「言えない」と言って焦ったように腕をさすり、もう時間がないから解散しようといった。
これでも昔は心理学を勉強していましたし、見た目演出は得意だよ。
善き友人はまた先生に話す約束を取り付けた。
「二人とも!」
「「?」」
二人が振り返った瞬間杖を振る。二人の頭の中・・・今の時間の記憶を、思い出すには問題なくともその内容を誰にも知られないようにした。洗脳の魔法バージョン・・の、応用だ。ちなみにこれは三人ならわかる。話すときもまた然り。
「何をしたの?」
「結界といた」
「ほっほう!もうそんな上級魔法ができるのか!たしか東洋の魔術だったな?」
「ありがとうございます」
【危険で安全な狂人】
乱文失礼しました。頭よさげな文って苦手。
ダンブルドア先生の推測は未公開。だってあの人みたいな頭私にはないもの。