聖女ノアールの受難 〜私のMPはゴミクズ勇者のためにあるのではない〜   作:水上 空

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美食の罠!毒入りスープは運命の味

 

高級レストラン『黄金の胃袋』

 

ノアールが、クエスト報酬をはたいて一行を街一番のレストランへ連れてきた。

 

ノアール:「いい? ここは一流店よ。大声を出さない、暴れない、そして何より……フォークを喉に突き立てて死なないこと! 分かったわね、カイト!」

 

カイト:「分かってるって。俺だってマナーくらい……。お、この『黄金のコンソメスープ』、すごくいい匂いだな」

 

アイリス:「おお、騎士たるもの、食の作法も完璧でなくてはな。……む、このスプーン、やけに重いな(渾身の力で握りしめる)」

 

ルナ:「……あの、カイト様。隣の席の黒ずくめの人たちが、すごく怖い顔でこっちを見てます……」

実は隣の席には、この街の支配者を暗殺しにきた**『魔王軍・暗殺部隊』**が陣取っていた。彼らは標的のスープに、一滴で象をも即死させる禁断の毒を仕込んでいたのだ。

 

暗殺者:「(……よし、給仕がスープを運ぶぞ。……ん?)」

 

その瞬間、アイリスがスプーンの重さに耐えかねて(というか力みすぎて)、スプーンを派手に弾き飛ばした。

 

アイリス:「わわっ!? 止まらん、銀食器の反動が……!」

 

飛んでいったスプーンが給仕の足元を直撃。よろけた給仕の手から、毒入りスープの皿が宙を舞う。

 

カイト:「おっと、危ない! 俺がキャッチ……」

 

カイトが立ち上がった瞬間、またしても「床の絶妙なワックス」に足を滑らせる。

仰向けに倒れたカイトの口の中に、宙を舞った**『猛毒入りコンソメスープ』**が、一滴もこぼさずホールインワン。

 

カイト:「(ゴクッ)……あ、コクがあって……深い眠りに誘われるような……」

 

三途の川

 

カロン:「……おかえりなさい。死因、『他人の暗殺用毒スープの誤飲』。……カイト様、ターゲットじゃないのに死ぬなんて、暗殺者泣かせですよ?」

 

カイト:「……美味しかったけど、一瞬で心臓が止まった気がするよ。あ、スタンプお願いします」

 

カロン:(事務的にドン!)

「はい、18個目。……あ、ノアール様が今、レストランのテーブルをひっくり返して『一口も食べてないのに死ぬなぁぁ!』って呪文を練ってますよ」

ノアール:(呆然とする暗殺者たちの前で、杖をフルスイングする)

『――他人の不始末を喉に流し込み、メインディッシュの前に成仏する食い意地の張った盾。毒を吐き出す前に、私の怒りを吐き出しなさい。……【いい加減にしろよこの毒味係バカイトォォォ・デトックス・レザレクション】!!!』

 

ズドォォォォン!!(蘇生衝撃波でレストランのシャンデリアが落下)

 

カイト:「(ガバッ!)……ただいま! ……あ、なんか胃の中がすっきりしてる!」

 

アイリス:「おお! カイト殿、毒耐性を得るために自ら毒を飲み干すとは……。まさに騎士の鑑、毒味のプロフェッショナルだな!」

 

暗殺者たち:「(ヒィィィッ! 猛毒を飲んで一瞬で蘇ったぞ!? こいつら化け物だ!!)」

 

恐怖した暗殺者たちは、武器を捨てて店から逃げ出していった。

 

結局、暗殺を未然に防いだ(?)として、店長から「お礼」に大量のパンをもらった一行。

 

カイト:「よーし、パンを食べて元気出すぞ!……(モグモグ)……あ、喉に……」

ノアール:「(無言でカイトの、みぞおちを蘇生魔法を乗せた正拳突きで叩く)」

 

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