聖女ノアールの受難 〜私のMPはゴミクズ勇者のためにあるのではない〜   作:水上 空

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バイオハザード扱いの盾!物置小屋のメランコリー

 

 

新居の裏庭:聖域(物置)の隔離

 

サキュバス店での醜態から一夜明け、ノアールは防護服のような聖衣に身を包み、長い火箸を使ってカイトの私物を庭に放り出していた。

 

ノアール:いい? カイト。あんたの体はもう、不潔なサキュバスの煩悩毒(エロドク)に汚染されてるのよ。この神聖な新居の敷居を跨ぐなんて、100万年早いわ!

 

カイト:ひ、酷いよノアール! 俺、心臓が止まるまで鼻の下を伸ばしてただけで、何もしてないんだよ!?

 

ルナ:……ノアール様。……庭の物置小屋に、強力な多重結界を張りました。……カイト様が不浄な心を抱いて外に出ようとすると、物理的に弾き飛ばされます。

 

アイリス:はっはっは! カイト殿、これも一種の「修行」だな! 己の欲望と向き合い、真の無我の境地に達するのだ!

 

カイトは、蜘蛛の巣だらけの物置小屋に一人閉じ込められた。食事はドアの隙間から、ノアールが火箸で挟んだ乾パンが投げ込まれるだけという、勇者とは思えぬ扱いだった。

カイト:……寂しい。あまりに寂しすぎる。そうだ、2枚目特典の「幽体操作」を使って、自分の影と鬼ごっこでもしようかな……。

 

孤独に耐えかねたカイトは、魂を半分だけ体から抜き、自分の「影」を幽体で追いかけ回し始めた。しかし、遊びに熱中しすぎたのが運の尽きだった。

 

カイト(幽体):捕まえた! ……あ。

 

幽体で影を強く踏みつけすぎた衝撃(霊的物理干渉)で、物置小屋の古い支柱がポッキリと折れた。次の瞬間、屋根裏に積んであった「冬用の重い薪」が一斉に崩落し、肉体のカイトを無慈悲に押し潰した。

 

三途の川(物置出張所)

 

カロン:はい、ピッ! 96回目。死因、……えーっと、「一人遊びが過ぎてのセルフ圧死」。……カイト様、自分の影と遊んで死ぬなんて、いよいよ末期ですね。

 

カイト:カロンさん……。俺、もう自分が「人間」なのか「動くサンドバッグ」なのか分からなくなってきたよ。

 

カロン:はい、ピッ! 3枚目カード6個目。……あ、ノアール様が今、小屋の崩壊音を聞きつけて、『証拠隠滅して逃亡しようとしたわね!?』って、さらに激怒してこちらに向かってますよ。

「――小屋ごとバックれようなんて、100年早いわよぉぉぉ!!」

 

ノアール:あんたの煩悩は、土に還るまで許さないんだから!! 徹底的に消毒してやるわ!! ……【いい加減にしろよこの孤独死バカイトォォォ・バイオ・ハイパー・レザレクション】!!!

 

ドゴォォォォン!!!

 

蘇生の爆風に「強力な消臭・除菌・滅菌魔法」が過剰に上乗せされ、カイトは七色の聖なる羽根を撒き散らしながら、物置の残骸からロケットのように射出された。

カイト:ガバッ! ただいま! ……って、ノアール! 石鹸の匂いがキツすぎて、脳みそまで洗われてる感じがするんだけど!!

 

ノアール:うるさいわね! まだまだ除菌が足りないわ! ルナ、高圧洗浄(魔力版)の準備!

 

ルナ:……了解しました。……カイト様、覚悟してください。……「煩悩」を、皮ごと剥ぎ取ります。

 

アイリス:よし、私も手伝おう! 物理的に皮を剥けば、中から清らかなカイト殿が出てくるはずだ!!

 

カイト:やめて! それはただの猟奇解体だから!!(逃げようとしてルナの結界に正面衝突)

 

バチィィィィン!!!

 

カロン(小窓から):はい、97回目、ピッ。……死因、結界による自業自得(反射死)。……おめでとうございます、100回大台まで、あと3回ですよ!

 

 

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