ロングラン・スリーピース・アリス・コンプレックス 作:電動ガン
あまねちゃんが頻繁に家にくるようになって数週間。あまねちゃんは学校が終わってから保健室でのシール交換もほどほどに俺の家に遊びに来てパソコンでお絵描きをしている。休みの土日なんかは午前中から来てお昼を食べ、夕方5時までお絵描きという極限の集中力を見せている。まぁ別に俺ん家で迷惑かけてるわけでもない。パソコンもインターネットに繋がってるわけではないし。あまねちゃんの迷惑にもならないだろう。ところで今の俺なんだが。
「・・・。」
俺は収入について悩んでいた。いや金はある。賠償金で。だが収入がゼロ。いくら金があるからと言って金が出て行くだけだと精神に悪い。減り続ける金は確かに俺の精神を蝕んでいる。だがこの体は公式年齢7歳。どう考えても就職なんか出来ない。最低でも15歳からと法律で決まっているのであと8年待つ必要がある。流石に8年で賠償金は尽きないだろうが8年も金が出ていくのを黙って見てるというのは胸が張り裂けそうになるくらい精神に悪い。まじでどうする。
「・・・。」
「なるほど〜」
「・・・。」
今日もあまねちゃんはパソコンでお絵描きに来ている・・・が。なんかスマホを見てる。
「ここはこういうショートカットを・・・」
「あまねちゃん何見てるの?」
「これですか?これはイラストレーターさんの講座配信です♪」
「配信・・・配信か。」
配信・・・これだ。
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
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・・・・・・・
・・・・・・
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俺の家には計3箇所パソコンが設置されている。リビング、俺の寝室、そして趣味部屋。内訳はリビングにiMacu、寝室にMacubook、趣味部屋に自作最強スペPCだ。この自作最強スペPCで配信をすれば配信の広告収入で収入に出来るのではないか、ということ。そして早速やってみた。
「こんばんは〜山ノ上はやてだよ〜」
>>こども?しかも白いな。
>>こんばんわ〜アルビノちゃんだ!
初めての配信の同接は2人。まずまずだ。
「まずは自己紹介するよ〜まずは俺は7歳で〜」
>>7歳!?
>>俺っ子とは点数高いですぞ。
「そうだよ〜あとね〜」
とりあえず自己紹介からアイサツは大事と古事記にも書いてある。疎かにしたら同接なんてこないし広告収入なんて夢のまた夢。リスナーを大事にしてリピーターを増やして行こう。
「以上だよ。じゃあ今日は仮面ドライバーウエハースのボックスを開けていくね。」
>>女の子だけど仮面ドライバーか。
>>夜だからウエハース全部食べちゃだめだぞ。
「はーい。じゃあまずひとつ目!えっと・・・・・・あ〜タイガードライバーだ。イーグルドライバーが欲しいんだけどなぁ。」
まずはゲーム配信とかより子供っぽい配信の方がキャッチーかと思い開封配信にした。あまねちゃんが帰った後家電量販店に走り食玩のボックスを買ってきた。これで掴みはバッチリ・・・・・・の筈。
「あ〜またタイガードライバーだ。」
>>なんでやタイガードライバーかっこええやろ。
>>イーグルはあの武器かっこええよな。
「バリバリ。むしゃむしゃ。」
>>ああ^〜 ¥100
>>ああ^〜 ¥100
「わ!ありがとうございます!次の開けましょう!」
おひねりが飛んできたのでお礼を言っておく。この配信プラットフォームは登録してすぐ広告収入が見込めるしおひねりも解禁されている。ただ個人情報の提出がシビアだった。しっかり異人変化症かも確認された。
「あ!!イーグルドライバー出た!にへへ。」
>>かわいい。
>>イーグル出て良かったね。
「はい!あと12個あるのでどんどん行きます。」
まだ同接が2人しかいないから広告収入は見込めないな。でもおひねりが割と良い。俺が可愛い女児だからか結構簡単におひねりを投げてくれる。女児パワーすごい。
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・・・・・・
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「あむっ。バリっ。むしゃむしゃ。」
>>ああ^〜 ¥100
>>ああ^〜 ¥100
配信は1時間。19時から20時までやった。そしてわかったことがある。何故か俺がウエハースを食べると2人いたリスナーがおひねりを投げてくれるのだ。これで今日は800円ほど稼いだ。調子に乗らないようにしよう。
「ごくん。ごちそうさまでした。」
>>15枚食べ切ったわこの子。
>>イーグルいっぱい出て良かったね。
「今日はこの辺で終わろうと思います。それでは皆さんまたね〜」
>>じゃあね。
>>フォローして通知オンにしたわ。
終了。1時間やって手数料抜いて670円。時給として考えるとかなり少ないが小学生が1時間で稼いだと考えると話が変わる。これはすごいぞと手応えを感じていた。よし。定期的にやろう。
⏰
数日後。
「じゃああまねちゃんまたね〜」
「はい♪また学校で!」
あまねちゃんが帰った!よしなにか配信のネタ買いに行くぞ。ここ数日でスマホのカメラだったのを一眼レフカメラに変えて画質を向上させ、マイクも無線マイクにして機動性も向上。配信プラットフォーム『ペガサス』の課金もして配信時間を1時間から無制限にした。準備万端だ。
「さて・・・配信のネタは何にするか・・・」
家電量販店に向かいおもちゃコーナーを物色する。おもちゃ開封配信でも良いけど女の子のおもちゃを買ってもいらなくなるので俺の趣味の物にしよう。おもちゃ配信か・・・むむむ。
「あ!はやてちゃん!」
「んえ?」
声を掛けられたので振り向くとそこにはさやかちゃん。そしてそばにはお父さんらしき人。
「さやかちゃんどうしたの?」
「えへへ・・・あのねー!パパにポコモンカード買ってもらうんだよー!」
「へー。」
「はやてちゃんは何買いに来たの?」
「え?俺は、特に何も考えてない。見にきただけ。」
「そっかー」
ちょっと話をしたらさやかちゃんはパパの手を引いて催促し始めた。邪魔しちゃ悪いな。
「じゃ。さやかちゃんまたね。」
「うん!またねー!」
ポコモンカードか・・・・・・その手があるな・・・・・・でも問題は俺はカードゲームをやらないのでカードの強い弱い、レア度の高低がわからない。ダメだなこれは。
「うーん・・・何か無いか・・・何か・・・」
ウロウロと徘徊するが何も良い案が出てこない。まぁでも奥の手は趣味部屋に積まれている物をネタにすればいいが。でもそれは俺の顔が映らず手元だけになるのでもしかしたらおひねりの頻度が減る可能性がある。可愛い女の子を見に来たのに映ってるのが手元だけだったらリスナーは帰ってしまうのは自明の理。趣味部屋の物で楽をするとしっぺ返しが痛すぎる。
「配信ってこんな大変だったのか・・・」
配信業で多く稼いでる人はすごいな。最近だとVtuberもいたな。Vtuberも良いが。運良く手に入れた俺のこの超絶美女児顔を活かすにはVtuberの選択肢は外れる。難しいな・・・
「まぁ稼ぐって大変な事なのには変わらない。いつか、投資より収入が多くなるのを祈ってがんばろう。」
とりあえず今日の配信のネタだ。俺は家電量販店のおもちゃコーナーで唸り続けるのであった。