日向サンジ 通称革靴のサンジ テキヤ 料理人として武者修行中
玉木茶々 七歳 通称お玉 茶屋 お玉の里を一人で切り盛りする七歳の少女
金山太郎 通称 戦桃丸 八歳 マルコの舎弟 触れずに物を拭くことができるあしがらどっこいの使い手
呉服山 鶴 通称 お鶴 呉服店店主
斎藤マル子 通称マルコ 戦桃丸の兄貴分 大不良で職業はとび職 実家の銭湯が潰れ そこに仲間達と家族として暮らしている 異名はとびまるこ
サンジ(ゴソゴソ... ふう〜 よし、こんなものでいいか!
ある夜、フーシャ村外れに食材のキノコを採取に来ていたサンジは二人の子供を見つける。
一人は見覚えのある、以前祭りで出会った少女の、お玉だった。
サンジ(おう!どうしたんだ? 確かお玉ちゃんだったよな?
お玉(あっ!サンジさんでやんす! 戦桃丸くん、人が来たでやんす!
戦桃丸(俺とこっちのお玉は道に迷ったんだ。帰れないんだ。
戦桃丸は何故か右手に狩りをしたのか鶏を持っている。
話によると、お玉はお茶屋を一人で切り盛りしているらしく、茶葉を摘みに出ていた。そして、戦桃丸という子は狩りをしていたが、兄貴分とはぐれて道に迷ってしまったとのこと。
サンジ(そうかー。よし、兄さんについてきな。
サンジはそういうとゆっくり歩き始めた。
お玉(助かったでやんす! 暗いから何も見えなくなっちまって。
二人とも電灯も持っていなくて途方にくれていたそうだ。
サンジはお玉の茶屋近くまで二人を連れて戻って来た。
お玉(もうすぐうちにつくでやんす。
ぐう〜...二人の腹が同時に鳴る。
戦桃丸(わい、腹減った。お玉もか?
お玉(同時に鳴ったでやんす。フフッ。
二人は笑っている。
サンジ(よし、兄さんがなんか作ってやる。兄さん、こう見えて料理人修行中なんだ。
お玉(そうだったんでやんすね。前にもらったお好み焼き、おいしかったでやんす。でも、うちはそこでやんすが、今日迷ってしまったから食材を買いにいけなかったんでやんす。
そのときお鶴が現れた。
お鶴(あら、お玉ちゃん。こんな遅くにどうしたの?
お玉(あっ、お鶴さん
お玉は道に迷ったところをサンジに助けてもらったとお鶴に伝える
お鶴(あら、そうなのかい?サンジさんと言ったね。ありがとう。よかったらうちに寄っていかない?大したものないけどご飯を作るよ
サンジ(いや、悪い。遠慮しとくよ
お鶴(若いお兄さんが遠慮なんてするもんじゃないよ。ほら、お玉ちゃんとそっちの...
戦桃丸(戦桃丸だ
お鶴(戦桃丸くんも一緒にね お鶴はサンジの手を掴み強引に家に案内した
サンジ(お鶴さん、悪いんだがさっきお玉ちゃんにご飯を作ってやるって約束したんだ。材料費は俺が払う。
サンジが財布を出そうとするがお鶴が止める
お鶴(それじゃあお礼にならないだろう。料理人さんなのかい?それなら、私が作るよりも上等なものができそうだね。食材があるものなら勝手に使っていいから、お願いできるかい?
サンジ(まかせろ!
戦桃丸(さっき獲ったこの鶏、飯に使えるか?
サンジ(おお、助かる。でもいいのか、兄貴分とはぐれたんじゃないのか?
戦桃丸(たぶん、途中ではぐれたから、わいのことをみんな探してるかもしれない。お鶴さん、でんでん虫借りていいか?
お鶴(そこだよ!)
お鶴が指を刺す。
戦桃丸は電話すると向こうから男の声がする。
マルコ(戦桃丸! 無事だったのかよい! 先に帰ったと思っていたが家にいなかったから探しにいくところだったんだよい。
戦桃丸(迷っちまってたんだけど 親切な人が助けてくれたんだ 飯ごちそうになっていくから 先に飯くっておいてくれ ごめんなマルコの兄貴。
マルコ(そういうことかよい わかったよい! もう迷わないかよい?
戦桃丸(もう 森は出たから帰れるからだから大丈夫だ。
マルコ(了解だよい! あんまり遅くなるなよい。
そういうとでんでん虫は切れた。
お鶴(サンジさん わたしも手伝おうかね?
サンジ(向こうで座っててくれ だいじょうぶだ ありがとな。
サンジ以外の三人は茶の間に向かって歩いていった。
サンジは料理に取り掛かっていた。
サンジ(卵 鶏 このタマネギも使えるな よし!
サンジはタマネギを刻み、鶏肉を煮込みはじめた。
しばらくして、料理が出来上がった。
サンジ(できたぞ! 人数分あるから、たっぷり食べてくれ!
サンジはどんぶり大盛りの親子丼ときのこの吸い物をテーブルに置いた。
お玉(わあ! 美味しそうでやんす!
戦桃丸(わい よだれが出る。ゴクッ!
お鶴(あら、本当に美味しそうだよー。
いただきます! 皆は手を合わせる。
戦桃丸(ガツガツがっついて、もぐもぐ食べる!
お玉(もぐもぐ...美味しいでやんす!
お鶴(本当だ 美味しいねー。サンジさん、あんた料理うまいんだねえー。
サンジ(まだまだ修行中だけどな。
皆 夢中で食べている。
戦桃丸(これなんていうんだ? わいはじめて食べた、うまい!
サンジ(親子丼だよ。親子丼食べるの初めてって珍しい奴だな。
戦桃丸(わい 両親いないから、マルコの兄貴に拾われるまでろくな飯食ったことなかったんだ。
サンジ(...そうか、悪いこと聞いちまったな。許してくれ。
サンジは頭を下げる。
戦桃丸(気にすんな。今、わいにはマルコの兄貴や家族たちがいる。
サンジ(そうか、
サンジは微笑む。
お玉(おらも早くに両親亡くしてるでやんす。戦桃丸くんと一緒でやんす。
お玉は健気に笑いかける。
お鶴は少し涙ぐんでいる。
お鶴(お玉ちゃん、困ったときはわたしに言いなよ。あまり力になれないかもしれないけど、ご飯くらいならいつでも食べさせてあげるからね。
お玉(ありがとうでやんす!
四人は談笑しながら食事をたいらげた。
お鶴(もう今日は遅いし、お風呂に入って泊まって行ったらどうですか? お玉ちゃんは近いから、明日帰っても大丈夫だよ。
戦桃丸(わりいな、じゃあまたでんでん虫貸してくれ、兄貴に電話する
お鶴(はいよ
サンジ(お鶴さん、俺も厄介になっていいのかい? 旦那さん怒るんじゃねえか?
お鶴(あらやだよ、こんなおばさんつかまえて。亭主はもうだいぶ前に亡くなったんだよ。密室で屁をこいて、キセルの火で引火しちまってね。放屁化学、狐火の職員だったんだよ。
サンジ(また悪いこと聞いちまったな。今日はよく地雷を踏んじまう、すまねえ。
お鶴(もう昔のことだよ。気にしなさんな。
お鶴は五右衛門ぶろに使う牧を取りに行った。
戦桃丸とお玉は相撲をしている。
お玉(戦桃丸くん強いでやんす。
戦桃丸(わいはクマにも負けないんだ。
お玉(すごいでやんす!
お鶴(サンジさーん、戦桃丸くん、お風呂沸いたよー。先に二人はいっちまいな。お玉ちゃんは私とあとで入ろうねー。
お玉(わかったでやんす。
サンジ(すいません、お鶴さん、先にいただきます。行くぞ戦桃丸!
二人は服を脱ぎ、風呂場に入っていく。
バシャー!サンジがお湯をかぶる。
サンジ(お前身体傷だらけだな。その年で苦労してんだな。
戦桃丸(マルコの兄貴がいるから今はそんなに苦労してない。
サンジ(マルコってあのとび職の、とびまるこくんか! 有名な不良で仁義に厚いっていう。
戦桃丸(わい、兄貴のことだいすきなんだ。
サンジ(いい兄貴分に拾われたな....
こうして四人は川の字になって床につくのだった。