レジデンスボロ船の住人達
風車村の朝。
クザンは帽子を深くかぶり、路地裏で膝を抱えていた。
クザン(……もうダメだ……)
昨日の出来事が頭をよぎる。
イナズマに髪を切られ丸坊主
眉毛も消失
村人に通報される
センゴクに爆笑される
アイス屋の売上ゼロ
借金取りに追われる
クザン(……家賃も払えねえ……
もう……住む場所がねえ……)
そこへ借金取りが現れた。
借金取り(おいクザン!!返済期限今日だぞ!!)
クザン(……無理だよ……)
借金取り(じゃあ家差し押さえだ!!出ていけ!!)
クザン(……っ!!)
クザンは追い出され、
本当に住む場所を失った。
■ クザン、屈辱の決断
クザン(……どこか……安い部屋……)
村の不動産屋に行くが──
不動産屋(つるつる頭はちょっと……)
クザン(差別だろ!!)
不動産屋(昨日の事件で“つるつる=危険人物”って通達が……)
クザン(センゴクのせいだろ!!!)
どこも貸してくれない。
クザン(……もう……あそこしかねえ……)
クザンは震える手で、
レジデンスボロ船の前に立った。
サカズキ(なんじゃクザン……そのつるつる頭は……)
クザン(見るな……)
サカズキ(つるつるじゃろ!!)
クザン(言うなって言ってんだろ!!!)
クザンは地面に手をつき、
土下座した。
クザン(……頼む……住まわせてくれ……
ここしか……空いてないんだ……)
サカズキ(お前……元三大将じゃろ……?)
クザン(今はただの……つるつるだよ……)
サカズキ(言うな!!)
クザン(お前が言ったんだよ!!!)
■ 住人たちが集まる
スモーカー(……クザンが土下座してる……)
たしぎ(つるつる……)
ギン(眉毛ない……)
ヨサク(犯人じゃね?)
ジョニー(犯人だろ)
クザン(違うわ!!!)
センゴク(おいおい……また騒ぎか……
……ぷっ……)
クザン(笑うなセンゴク!!!)
■ サカズキの条件
サカズキ(まあええわ……104号室、貸したる)
クザン(……!!)
サカズキ(ただし条件がある)
クザン(なんでも言え……)
サカズキ(わしの鉄板焼き屋で働け。
給料から家賃を天引きする。
逃げたら鉄板で殴る)
クザン(……わかった……)
サカズキ(それから──)
クザン(……?)
サカズキ(そのつるつる頭、帽子で隠せ。
住人が怖がるけぇな)
クザン(お前も怖がってんだろ!!!)
センゴク(わっはっはっは!!!)
クザン(笑うなセンゴク!!!)
こうして──
クザンは屈辱の土下座を経て、
レジデンスボロ船の新住人となった。
つるつるクザン、104号室の地獄初夜**
クザンはサカズキから鍵を受け取り、
レジデンスボロ船の 104号室 の前に立っていた。
クザン(……ここが……俺の新しい部屋か……)
築70年。
風呂なし。
壁は薄い。
床はギシギシ。
天井は今にも落ちそう。
クザン(……落ちぶれたな……俺も……)
鍵を回し、ドアを開ける。
ギィィィィ……
部屋は狭く、古く、湿気がこもっていた。
クザン(……まあ……屋根があるだけマシか……)
帽子を外し、つるつる頭を撫でる。
クザン(……イナズマの野郎……)
■ ① 104号室の“地獄の初夜”
その瞬間──
右隣の 103号室(ギン) から叫び声。
ギン(給料全部白逃げに取られたんだよ!!俺はどうすりゃいいんだよ!!)
クザン(……知らねえよ……)
左隣の 105号室(ヨサク&ジョニー) から麻雀の音。
ヨサク(リーチ!!)
ジョニー(ロン!!)
クザン(……寝れねえ……)
隣の隣の 106号室(シーザー) から爆発音。
シーザー(シュロロロロ!!実験成功だ!!)
ドォォォォン!!!
クザン(爆発してんじゃねえか!!!)
さらに、隣の隣の 102号室(たしぎ) から──
たしぎ(よろしゅうござんすね!?入ります!!張った張った!!)
クザン(……壺振りの声が丸聞こえだよ……)
そして極めつけは 101号室(スモーカー)。
スモーカー(たしぎ!!壺振りはもうやめろ!!)
クザン(……地獄かここは……)
■ ② 住人たちがクザンを“つるつる扱い”して揉める
廊下に出ると、住人たちが集まってきた。
スモーカー(おいクザン、つるつる頭で光反射させるなよ。眩しいんだよ)
クザン(してねえよ!!)
ギン(つるつるの人って犯罪者なんでしょ?)
クザン(違うわ!!!)
たしぎ(つるつる……なんか……かわいそう……)
クザン(慰めになってねえよ!!)
ヨサク(つるつるは運気が下がるって聞いたぞ)
ジョニー(部屋の前に塩撒いとくか)
クザン(やめろおおおお!!!)
シーザー(つるつる頭は実験材料に最適だな……)
クザン(近寄るな!!!)
住人全員(つるつる……つるつる……)
クザン(やめろおおおおおお!!!)
■ ③ サカズキの店で働くクザン(鉄板焼き修行)
翌朝。
クザンはサカズキの店「レッドドッグ」に出勤した。
サカズキ(おうクザン、今日から働けや)
クザン(……よろしくお願いします……)
サカズキ(まずは鉄板の掃除じゃ)
クザン(わかった……)
クザンが鉄板を拭こうとした瞬間──
サカズキ(そこは違う!!こうじゃ!!)
ガンッ!!!
クザン(熱っっっ!!!)
サカズキ(つるつる頭は熱伝導率が高いけぇ気をつけぇ!!)
クザン(知らねえよ!!!)
■ ④ イナズマが謝罪に来て、また頭をいじる
そこへ、床屋イナズマが店に入ってきた。
イナズマ(クザンさん!!昨日は本当にすみませんでした!!)
クザン(お前のせいで人生終わったんだよ!!)
イナズマ(お詫びに……眉毛アート”を持ってきました!!)
クザン(眉毛アート!?)
イナズマ(はい!!貼るだけで自然な眉毛が!!)
サカズキ(おお、ええやんけ)
クザン(やめろ!!俺に近づくな!!)
イナズマ(今回はバリカン使いません!!
“接着剤”です!!)
クザン(やめろおおおおお!!!)
ベタッ!!
クザン(うわあああああ!!!)
サカズキ(おお、眉毛生えたみたいじゃのう)
センゴク(ぷっ……)
クザン(笑うなセンゴク!!!)
■ こうしてクザンの“104号室生活”が始まった
壁が薄すぎて地獄
住人は全員つるつる差別
サカズキの鉄板修行は拷問
イナズマはまた頭をいじる
センゴクは毎日爆笑
クザン(……俺の人生……どこで間違えたんだ……)
風車村の空に、クザンの悲痛な叫びが響いた。