ONEPIECE ANOTHER DREAM   作:徳武

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第四十八話「クザン、アイスクリーム屋として再出発する」

「クザン、アイスクリーム屋として再出発する」

夜汽車を降りた翌朝。

クザンは、

フーシャ村の外れにある、

かつて自分が営んでいた小さなアイスクリーム屋の前に立っていた。

 

看板は色あせ、

窓ガラスには砂埃がついている。

 

クザン(……ここか……

俺の……原点……)

 

ポケットには、

夜汽車で食べた“アイスクリームの天ぷら”の余韻が残っていた。

 

クザン(……やるか……

もう一度……)

 

◆そこへシャッキーが現れる

シャッキー(クザンちゃん……

やっと戻ってきたのね)

 

クザン(シャッキーさん……)

 

シャッキーは、

レイリーの嫁であり、

とんでもない金持ち であり、

そして――

クザンのアイスの大ファン だった。

 

シャッキー(あなたのアイスがないと……

わたし……ヒステリー起こすのよ……)

 

クザン(……えぇ……)

 

シャッキー(出資するわ。

店、全部直しなさい。

あなたのアイスが食べられないなんて……

耐えられないの)

 

クザン(……助かる……)

 

シャッキー(助かるじゃないの。

あなたのアイスは……

わたしの人生なのよ)

 

クザン(重いな……)

 

◆店は一気に再生する

シャッキーの資金力は凄まじかった。

 

新しい冷凍庫

 

新しいショーケース

 

新しい看板

 

新しい内装

 

新しい制服(クザンは嫌がった)

 

シャッキー(クザンちゃん、似合ってるわよ)

 

クザン(……働いたら負け……

でも……アイス売るのは……勝ち……)

 

◆そこへマッフィー宮がやってくる

マッフィー宮(クザンくん……

お店、再開したんだね)

 

クザン(マッフィーさん……)

 

マッフィー宮(あなたのアイス……

ずっと食べたかったんだよ)

 

クザン(……どうぞ……)

 

マッフィー宮は、

バニラアイスを一口食べて、

目を細めた。

 

マッフィー宮(……おいしい……

やっぱり……クザンくんのアイス……

世界一だよ)

 

クザン(……ありがとう……)

 

◆そしてマルコも常連になる

マルコ(マッフィーさんが来るなら……

俺も来るんだよい)

 

クザン(……なんでだよ……)

 

マルコ(マッフィーさんの隣の席……

空いてるんだよい?)

 

マッフィー宮(マルコ、来てくれたんだね)

 

マルコ(もちろんだよい)

 

クザン(……なんだこの店……

アイス屋なのに……

恋愛サロンみたいになってる……)

 

◆シャッキーの依存はさらに深まる

シャッキー(クザンちゃん!!

今日のピスタチオは!?

ピスタチオはあるの!?

ないなら暴れるわよ!!)

 

クザン(落ち着いてください……

ありますから……)

 

シャッキー(よかった……

あなたのアイスがないと……

わたし……壊れちゃうの……)

 

クザン(……重いな……)

 

◆クザン、静かに笑う

店のカウンターに立ちながら、

クザンはふと思った。

 

クザン(……逃げてばかりだったけど……

こうして……

またアイスを作って……

誰かが喜んでくれるなら……

悪くねえな……)

 

夜汽車で食べた“アイスクリームの天ぷら”の味が、

胸の奥で静かに灯り続けていた。

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