涼宮ハルヒの錯綜   作:ドドロット

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第三話 強奪と潜入

毎日放課後ここ集合ね、とハルヒが全員に言い渡して、この日は解散となった。

 

肩を落としてトボトボ歩く朝比奈さんの後ろ姿を見て俺は気の毒になったので

 

「朝比奈さん、別に入んなくていいですよ。あいつのことなら任せてください。俺が何とか言っときますから。」

 

「いえ」

 

立ち止まって彼女は目を細め、まるで綿毛のような声から

 

「いいんです。入りますから、あたし。」

 

「ろくなことになりませんよ。」

 

「大丈夫です…あなたもいるんでしょう?おそらく、これが時間平面上の必然なのでしょうね…。それに長門さんやトランクスくん、東方くんがいるのも気になるし…。」

 

「へ?」

 

「え、や、何でもないです。それでは…。」

 

朝比奈さんは抱きしめたくなる笑顔を俺に向けて去って行った。いや〜、鼻血が出てきそうだぁ〜。

 

「俺も入るぜ。特に断る理由はねェーからな。」

 

「僕も入ります。」

 

その後、仗助とトランクスもそう言った。

 

次の日。

 

「パソコンが欲しいわね。」

 

SOS団の設立を宣言して以来、長テーブルとパイプ椅子、本棚ぐらいしかなかった文芸部室にはやたらと物が増え始めた。ハンガーラック、給湯ポッドに急須、大量の湯呑み、CDラジカセ、一層の冷蔵庫、カセットコンロ、土鍋、ヤカン、数々の食器。あと風呂とトイレさえ設置すれば生活できそうなほどだ。

 

「この時代にパソコンが一つもないなんて、許し難いことだわ。」

 

誰を許さないつもりなんだ。

 

一応メンバーは揃っていた。相変わらず長門は定位置で小説を読んでいるし、来なくてもいいのに生真面目に来てしまった朝比奈さんがパイプ椅子に腰をかけ、こなたが漫画の単行本を読んでいてそれを横から覗く仗助、トランクスは宿題をしていた。

 

ハルヒは机から飛び降りると、俺に向かって怪しい笑いを向けて

 

「調達しに行くわよ。」

 

と言った。

 

「どこに行くんだ?電気屋でも襲撃するつもりか?」

 

「まさか、もっと手近なところよ。でもその前に…。」

 

そういうとハルヒは部室を飛び出した。

数分後

 

「じゃじゃーん!今日からSOS団のソリッド・スネークよ!」

 

ハルヒは例の顔も声も渋い男、スネークを連れてきた。

 

「何で連れてきたんだ。パソコンを調達するのと関係があるのか?」

 

「あるわよ!彼に「潜入得意そうね!」って言ったら、「よく気付いたな。」って返してきたもの!SOS団への入部も承諾してくれたわ!」

 

お前は勢いが全てなのか。

 

「じゃあスネーク!作戦はこうよ!」

 

ハルヒはスネークの耳にコソコソ作戦を伝えた。それを聞いた彼は「了解した。」と言って、何処からともなく用意したダンボールを被って部室の外に出て行った。

 

そして、ついて来なさい、と命令された俺と朝比奈さんを連れて、2軒隣のコンピュータ研究会へと向かったのだが…そこではカオスな光景が広がった。

 

まずハルヒが無条件でパソコンを寄越せと言い、当然コンピ研部長は断るのだが、ハルヒは彼に朝比奈さんの胸を触らせてその瞬間を写真に収め、パソコンを渡さなかったらこの写真をばら撒く、と脅したのだ。それでも部長や部員達は抗議するが

 

「じゃあ、あんた達でみくるちゃんを『自主規制』してたってことにしようかなぁ〜」

 

などと、とんでもないことを言ったのだ。

で、とうとう部長は彼女に最新型のパソコンを渡したというわけさ。

 

「え?」

 

文芸部室に戻った俺は目を丸くした。何とテーブルの上にノートパソコンが6台置いてあったのだ。そんな俺に気付いたのか、スネークは語った。

 

「お前達がコンピ研の気を逸らしいている間に、予備のパソコンを6台調達しておいた。ダンボールはそのためさ。」

 

なるほど、だからダンボールを被って……って、なに感心してんだ俺は。

 

「スペックはそこそこある。ハルヒの調達した物程ではないが、ノートパソコンと考えれば悪くないだろう。」

 

「気が聞くじゃないスネーク!」

 

ハルヒは上機嫌になってスネークの背中をバシバシと叩いた。

 

それにしても、パソコンを使って何をするのだろうか。

まあ、程なく明らかになったのだが。

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