涼宮ハルヒの錯綜   作:ドドロット

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第七話 明かされる事実3

ところで朝比奈さんのメイドコスプレ写真をハルヒはどうするつもりだったのかと言うと、なんとこのアマ、SOS団のHPに掲載しやがったのだ。

 

勿論俺はタイミングを見計らってその写真を全てそこから削除した。幸いにも、誰かに見られる前に消せたらしい。

横からこなたが「朝比奈さんは全国、いや全世界の紳士たちが覚醒して襲ってくるようなビジュしてるからねぇ〜。」と言っていたが、まさにその通りだ。こんな非力なお方を危険に晒す訳にはいかない。

 

あと、俺はハルヒに説教しておいた。ネットの危険性に関することを。するとこいつは「分かったわ。」とふてくされたように言って、しぶしぶデリートに同意した。

 

この際だから全て消去しておいた方が良かったのだろうが、それはちょっと惜しい。俺はハードディスクに「MIKURU」という隠しフォルダを作って、そこに朝比奈さんの写真を保存し、パスワードで鍵をかけた。

俺の観賞用にしておこう。

 

休日の、しかも九時に集合だと、ふざけんな。

とか言いながら自転車で駅に向かっている俺が情けない。

 

集合場所に到着するや否や、ハルヒから罰金と言われた。どうやら9時より前に来ても最後に来た奴は罰金らしい。初耳なんだが。

 

俺たちは喫茶店へと移動し、くじ引きでペアを決めた。結果はこうだ。

 

ハルヒとこなた

俺と朝比奈さん

長門とスネーク

古泉と仗助

トランクスと銀時

クラウドとトニー

 

「ふむ、この組み合わせね…。」

 

なぜかハルヒは俺と朝比奈さんを交互に見てから

 

「いい、キョン?これはデートじゃないんだからね。真面目にしなさいよ?」

 

「分かってるよ。」

 

なお、具体的に何を探すのかと言うと、とにかく不可解なこと、疑問に思えること、謎っぽい人間、時空が歪んでるとことか、地球人に化けたエイリアンとからしい。

 

喫茶店を出ると、マジでデートじゃないのよ、遊んでたら後でぶっ殺す、と言い残してハルヒはこなたを従えて立ち去った。

 

とりあえず俺と朝比奈さんはブラブラすることにして歩き出した。

 

俺たちが特に意味も無く川の河川敷を北上して歩いていると

 

「キョンくん、お話ししたいことがあります。」

 

と、朝比奈さんが思い詰めたような表情と決意が露わに浮かんだ瞳をして言った。今までの流れから考えてこの人は未来人か超能力者だろう。

 

桜のベンチの下に俺たちは並んで座る。しかし朝比奈さんは中々話そうとしなかった。そんな彼女を俺は気づかって

 

「安心して話してもいいんですよ。信じますから。昨日、屋上で異世界人たちのレザーやらエネルギー弾やらを見せられた時点で、俺の中で非現実的なことを否定する物は何一つとして粉々に破壊されましたから。」

 

と言った。

 

「そんなことが……わかりました。では」

 

手始めにこう言われた。

 

「私はこの時代の人間ではありません。もっと、未来から来ました。」

 

朝比奈さんは未来人だった。それと、前提としていつどこの時間から来たかは言えず、また未来に関わることを伝えようとすると強制的にブロックがかかるらしい。

 

時間というのは連続性のある流れのような物では無く、その時間ごとに区切られた一つの平面を重ねた物で、例えばアニメーションは、一見すると動いているように見てるが、実際は一枚一枚の静止画であるのと同じように、時間もデジタルな現象とのこと。

 

時間と時間の間には断絶があり、それは限りなくゼロに近い断絶で、それによって時間と時間には本質的に連続性がない。

 

時間移動は積み重なった時間平面を三次元方向に移動することだから、未来から来た朝比奈さんは、この時代の時間平面上ではパラパラ漫画の途中に描かれた余計な絵のような物で、何百ページもあるパラパラ漫画に落書きをしてもストーリーは変わらないのと同じく、この時代で歴史を改変しようとしても、未来にはそれは反映されない。

 

ちなみにこれらを踏まえると、某デロリアンの映画のようなことは出来ないことになる。ちょっと悲しい。

 

朝比奈さんがこの時代に来たのは、今から数えて3年前に検出された時間振動を調査するためで、しかしどうやってもそれ以上前の過去に遡ることは出来なかった。大きな断層が平面同士にあるのが原因らしい。そして、その時代に限ってなぜそれがあるのか、原因は涼宮ハルヒだった。

 

時間の真ん中に彼女がいた、と朝比奈さんは言う。ただ、それは禁則事項に関わるから聞かないで、と。

 

また、彼女はハルヒの近くで時間の変異が起きないか監視するために送られた者だった。

 

「……………。」と俺。

 

「やっぱり…信じてもらえないでしょうね、こんなこと。」

 

「いやいやいや!滅相もございません!それよりも、なぜ俺に言うんですか?」

 

昨日の屋上での件のせいで、俺は朝比奈さんの話を信じれない訳がなかった。

 

「あなたが涼宮さんに選ばれた人だから……詳しくは言えません。禁則にかかるから。」

 

「長門や古泉や異世界人集団は?」

 

「あの人たちは私と極めて近い存在です。強いて言えば、異世界人の方々はパラレルワールドとは違う意味での、時間ごと別々の世界から来たという点では少し異なりますが…。それにしても、まさか涼宮さんがこれだけ的確に我々を集めてしまうとは思いませんでした。」

 

「朝比奈さんはあいつらが何者か知ってるんですか?」

 

「禁則事項です。」

 

「ハルヒのすることを放っておいたらどうなるんですか?」

 

「禁則事項です。」

 

「て言うか、未来から来たらならこれからどうなるか分かりそうなんですけど。」

 

「禁則事項です。」

 

「ハルヒに直接言うとか…」

 

「禁則事項です。」

 

「…………。」

 

俺は黙り込んだ。禁則事項です、と言う時、無機質な感じと言う訳でもないのが救いだ。

 

「ごめんなさい…今の私には言える権限がないんです…。」

 

朝比奈さんは申し訳なさそうに言った。

 

「信じなくても」

 

「いえ、大丈夫です。信じますから。」

 

俺は親指を立てた。彼女を見ていて、どうも気の毒になったのだ。

 

「…ありがとう。」

 

すると朝比奈さんは少し嬉しそうに言った。よかったぜ。

で、俺は聞きたいことがあった。

 

「一個聞いていいですか?」

 

「何でしょう?」

 

「あなたの本当の年齢を教えてください。」

 

「禁則事項です。」

 

彼女はいたずらっぽく笑った。

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