ゆらゆら系女子 伏黒恵   作:ユラユラしろマコ!

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私情

 

 

「いやなんもねーって、それより俺も伏黒もボロボロじゃん、早く病院行こうぜ」

 

 

「(今はどっちが主導権を握っているのか、コッチには分からないんですよ…!どうすれば良いんですか!?)」

 

 

この時伏黒には2つの案が浮かんでいた。

 

 

主導権が宿儺の場合

伏黒の術式【十種影法術】最強の式神【八握剣異戒神将魔虚羅】を相討ち覚悟で呼び出す。 

 

その場合は宿儺を殺害できる可能性は跳ね上がるが確実に自分と周囲の近隣住民への被害は避けられない。

 

 

主導権が虎杖にある場合

応援を呼び上層部に判断を委ねる

 

 

この場合は時間はかかるが安全に事態の処理が可能だが確実に虎杖は死ぬ。

 

 

そこに伏黒には既に虎杖へ個人的に僅かだが好意を抱いており虎杖を死なせたくないという事実が加わることで伏黒はどちらの二択を選べずにいた。

 

 

 

「(…やるしかない)」

 

 

「伏黒…?」

 

 

伏黒の気配の変化を感じ取り虎杖は困惑した声をかける。

 

 

「……布瑠部由良由良」

 

 

虎杖と伏黒の周囲が僅かな闇に包まれる。

 

 

「八握剣異戒神将…魔虚…」

 

 

祓詞は予想外の乱入者によって中断されることになる。

 

 

「今どういう状況?」

 

 

「なっ…五条先生!?どうして此処に!?」

 

 

「や!」

 

 

と軽く挨拶をする白髪の目隠しをした長身不審者こと五条悟は伏黒と虎杖を見やって言う。

 

 

「来る気なかったんだけどさー流石に特級呪物が行方不明だと上が五月蝿くてね観光がてらはせ参じたってわけ、いやー恵ボロボロだねーで?見つかった?」

 

 

「あのーごめんそれ俺が食べちゃった」

 

 

虎杖が申し訳なさそうに五条に言うと五条は文字通り停止した。

 

 

「マジで?」

 

 

「マジ」

 

 

「んー…ははっホントだ混じってるよ、ウケる、身体の異常は?」

 

 

「特に…」

 

 

五条は顎に手を当てて少し考えた後に質問する。

 

 

「宿儺と変われるかい?」

 

 

「スクナ?」

 

 

「君が喰った呪いだよ」

 

 

「あぁうん多分出来るけど」

 

 

五条はストレッチしながら答える

 

 

「じゃあ10秒だ、10秒経ったら戻っておいで」

 

 

「でも…」

 

 

渋る虎杖を納得させる様に五条は言う。

 

 

「大丈夫、僕最強だからあ、恵これ持ってて」

 

 

五条から投げ渡された紙袋を伏黒は怪訝そうに受け取り中身を覗きながら聞く

 

 

「何ですかこれ」

 

 

「喜久福」

 

 

「(この人…生徒に特級案件押し付けて買い物してたんですか…!?)」

 

 

「あ、土産じゃないよ、僕が帰りの新幹線で食べるんだ」

 

 

 

伏黒の方に振り向き要らない釘を刺す五条に宿儺が飛びかかる

 

 

 

「後ろ!」

 

 

五条はまるで宿儺が既に来ることが分かっていたかのように攻撃を半身にして避け背後に回り込む

 

 

「生徒の前なんでね、カッコつけさせて貰うよ」

 

 

宿儺が五条の方へ振り向く瞬間、宿儺の片腕を掴み固定しもう片方の手で宿儺の顔面にジャブを叩き込み吹き飛ばす

 

 

宿儺は体勢を整え苛立った声色で言う。

 

 

「全くいつの時代でも厄介なモノだな呪術師は」

 

 

宿儺は腕を振り上げ衝撃波を五条に放つ

 

 

「だからどうという話ではないが」

 

 

宿儺は次の瞬間、目に警戒の色が走る

粉塵の中から声がする

 

 

「7…8…9…」

 

 

粉塵の中から五条が姿を現すと五条の周りには瓦礫が停止するように張り付いていた。

 

 

「そろそろかな?」

 

 

そう五条が言うと一瞬宿儺の身体が痙攣し全身の入れ墨が薄れて消えて行く

 

 

「おっ、大丈夫だった?」

 

 

虎杖は五条に心配の言葉をかける

 

 

「驚いた、ホントに制御出来てるよ」

 

 

「でもちょっとうるせーんだよな」

 

 

「それで済んでるのが奇跡だよ」

 

 

頭をガシガシとする虎杖の額に五条は指を当てるとまるで電源が切れたかのように虎杖の身体が崩れ落ち五条はそれを支える。

 

 

「…何したんですか?」

 

 

「気絶させたの、これで目覚めた時宿儺に体を奪われていなかったら彼には器の可能性がある。」

 

 

「……」

 

 

「其処でクエスチョン、彼をどうするべきかな?」

 

 

投げかけられた質問に伏黒は閉口する。

呪術師としての責務と私情の間で意思が揺れる。

 

 

「…借りに器だとしても呪術規定に則れば虎杖は死刑対処です」

 

 

伏黒の言葉に五条は眉を少し上げる。

 

 

「でも…死なせたくありません」

 

 

「私情?」

 

 

「私情です、何とかしてください」

 

 

伏黒の率直なお強請りに五条は思わず笑いが溢れる。

 

 

「クックック…可愛い生徒の頼みだ、任せなさい!」

 

 

五条は目隠しをしているが最高のスマイルでそういった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

包帯の巻かれた後頭部を擦りながら五条先生と虎杖がベンチに座って話しているのを見ていた。

 

 

今回の任務には不可解な点が多かった。

 

 

索敵に優れる【玉犬】の二匹ともが直前まで反応出来なかった呪霊、しかし蓋を開けてみれば実力は術師の2級程度の呪霊

 

奇襲されるなんてことはまずあり得ない、直前にあの場所に呪霊が呼び出されでもしなければ【玉犬】が反応出来る。

 

 

それにそもそもの話宿儺の指が一介の高校の百葉箱の中にあることが土台可笑しい

 

 

しかし一介の呪術師さもや学生が考えた所で意味はない。現在の事に目を向けるべきだ。

 

 

虎杖は五条先生への率直なお強請りのお陰で【宿儺の指20本を取り込む】まで死刑執行が延長となった。

 

 

一見延命の様に見えるがそもそも宿儺の指20本も取り込めば五条先生以外では殺すどころかマトモに傷もつけれない筈だ。そして五条先生は死刑執行人にはならないだろうからつまり実質的な死刑の取り消しだ。

 

 

そして虎杖は宿儺の指捜索と器としての強化の為に実質私1人だった同じく呪術高専東京校の1年生として転入する事になった。

 

 

「おっ!伏黒!元気そうじゃん!」

 

 

「包帯(コレ)見てそう思いますか?」

 

 

虎杖がサムズアップしてくるのを見るとなんだか腹が立つ、そもそもあんなに人離れして頑丈だと知ってれば態々庇って傷を負う必要もなかった。

 

 

「まぁ良いです、貴方はコレから私と同じ呪術師の学校に転入します」

 

 

私の言葉に五条先生が余計な情報を付け足す

 

 

「因みに1年生は君で3人目」

 

 

「少なッ!?」

 

 

◆◆◆

 

 

 

「また随分無理したね伏黒」

 

 

「すみません、家入さん」

 

 

呪術高専に到着した伏黒は美貌よりも先に目の隈に眼がいってしまう女性、家入硝子に反転術式で傷を治して貰っていた。

 

 

 

「今回は運良く跡残んなかったけど、気をつけなよ女の子なんだから」

 

 

「別に傷が残っても良いです、戦闘に支障が出ないなら」

 

 

伏黒の言い分に家入はため息をつき白いラテックスの手袋を外しデコピンする

 

 

「折角綺麗な顔に生まれたんだから大事にしなよ、あと髪もしっかり手入れしときな、禿げるよ」

 

 

「……禿げるのは嫌です」

 

 

伏黒は頭がピカピカに禿げた自分を想像し肩の下辺りまで伸びた黒髪を纏めた部分に思わず手をやる。

 

 

「さっさとシャワー浴びて寝な、私の反転で傷は治せても疲労は回復させられないから」

 

 

「…はい」

 

 

その後シャワーを浴びて自室のベットに身体を投げ出して天井のシミの数を数える、若干前より増えている気もしなくもない。

 

 

今回は反省点が多い

今回の様に呪霊の奇襲に気づけない事はコレから等級が上がることで増えるだろう、奇襲された後の対処を編む必要がある。

 

 

式神による打開

 

式神は影絵を作る必要があり作った後に一瞬の隙が生まれる、奇襲後の対策には向かない。

 

 

相手を怯ませられる道具や呪具

 

これは確かに効果的かもしれないが物理的にと言うか重量的に難しい、嵩張るモノは確かに影にしまえるがその重量は負担しなければならない、余りゴチャゴチャと影にしまうと自重で動けなくなりかねない。

 

 

そうなると一番単純で効果的なのは筋力による打開

 

鍛えてるつもりだがやはり女性である以上禪院先輩でもない限り筋力には期待出来ない

 

 

「(せめて男だったら話は変わったかもしれない)」

 

 

そんな事を自分の細腕をみながら思ってしまう。

 

 

そうなると自ずと道は一つ

 

影に潜り態勢を立て直す

 

拘束された状態には無力だが其処には目を瞑るしかない。

影には潜れるが長時間は潜れない、影の中では呼吸が出来ない。

まさに一時的な避難や移動でしか使用出来ない。

 

 

長時間の使用をする為には……肺活量を鍛えるしかない

う

 

結局何だかんだ言って最後はフィジカルが全部解決するのだと悟った。

 

 

 

 

 




皆さんって伏黒ってツンデレかクーデレどっちだと思います?私はクーデレ派です。

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