第二の人生は、闘争と謀略が世に渦巻く、剣と魔法の中世風冒険ファンタジー世界のようです。   作:ウルP

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2:オダ・ソーマ=レオンリング

 

二度と開くことがないはずだと思っていた瞼だったが、しかしその予想とは裏腹に、意識を取り戻すのと同時に淡い光を視界の中に取り込むことができた。

 

ただし、その視界というのはやけに朧げで、自分が今どこにいるのかが全くわからない。

 

唯一、視力が悪くなかったということだけが、自身の肉体的な部分で誇れるところだったのだが、ついにそれすら失ったということか。

 

 

「おお、見ろ、ヘレナ。目を開けたぞ!」

 

「あら、起きてしまったのね」

 

 

聞き馴染みのない声が耳に響いた。

 

なんなら、全身にビリビリと響いてくるほど、なぜだかとても重い音に感じる。

 

 

「ふぁぅ…」

 

「お、おお!喋ったぞ!」

 

「まあ、パパのことが気になるのかしら?」

 

 

…私は、「誰?」と言葉を発そうとしたはずだった。

しかし、口から漏れ出たのは、到底言葉とは言えない音だけだ。

 

舌も、顎も、全く思う通りに動かない。

妙に湿り気が多い口内から、涎が溢れ出すことを止められない。

そのくらいに、今の私は口が緩すぎるようだ。

 

 

「あぁぅ…」

 

「ムハハ、涎が垂れておる!」

 

「あら、お腹が空いたのね。今ミルクをあげますから…グリーズ、それではまた後で」

 

「ム、そうか。…何かあればすぐに駆けつけるからな、無理だけはするのでないぞ」

 

「ええ、婆やも居てくれますから、ご安心なさってください」

 

「うむ。では、私は公務に戻る」

 

 

誰かもわからない、おそらくは男女のものと思われる会話が、私の頭上を挟むようにして行われている。

 

会話の流れや、その意図が、よくわからない。

おそらく、赤子の世話らしき会話なのだろうが、ここは末期患者を寝かせるだけの病室だ…った、はずだ。

 

そこに、赤子?なぜ?

 

 

そんな疑問もそこそこに、おそらくすぐ近くにいるのであろう女性が、私に向かって声をかけてきた。

 

まるで、赤子をあやすかのように、優しく柔らかな声音で。

 

 

「さあ、オダちゃん、ミルクの時間ですよ。いっぱい飲んで、元気に育ってくださいね」

 

 

目の間に何があるのかもわからない状況だが、朧げに見えるのは…何かが差し出され、押し付けられているのがわかる。

 

大きく柔らかなそれは、いわば肉感とでも言えば良いのだろうか?

その程よい感触には、どこか安心感を覚える、気がする。

 

そして、なぜだろう。

それに触れていると、妙に空腹感が刺激されて、本能的に目の前に差し出されたモノに吸い付きたくなってしまう。

 

それが何かはわからないままだったが、しかし強烈な本能的欲求に抗うことができず、不安を抱く余裕もないまま、それに吸い付いた。

 

味覚や嗅覚というものもボヤけているのだろう、それの味は正直よくわからなかったが、なんとなくまろやかな感じだと思った。

 

 

妙な安心感と、本能的な欲求の赴くままに、目の前のソレで腹を満たす。

 

腹が満たされると、今度は強烈な睡眠欲に支配されていく。

うつらうつらと、意識は微睡み、瞼が落ちていく。

 

 

「まあ、寝る前にゲップが先ですよ」

 

 

眠気に沈みそうになる体を無理やり持ち上げられて、背中をトントンと叩かれる。

 

すると、腹の中に溜まっていたのであろうガスが、ポコンと喉から飛び出ていく。

「げぷっ」という小気味よい音が漏れ出て、出たと同時にお腹がかなり楽になった。

 

楽になったと思ったら、すぐさま睡眠欲に負けかけていた意識と体がガクッと沈んでしまい、またしても意識を手放してしまう。

 

 

「…あらあら、ウフフ、本当に寝付きのいい子だわ」

 

 

 

 

あれから、1年が経過した。

 

この1年で、さすがに自分の置かれた状況というものを理解した。

 

 

私はの名前は、織田創真、33歳・男。…ではない。

 

いや、自認としてはそうと言えなくもないが、今の私の名前はそうではないという話だ。

 

 

私の名前は、オダ・ソーマ=レオンリング、1歳・女の子。

 

レオンリング家の長女。

父はグリーズ・ソーマ=フォン・レオンリング、母はヘレナ・リオール=レオンリング。

兄が1人居て、ダリル・ソーマ=レオンリング。

 

皆一様に、身なりの良い衣装を身に纏っている。

ただし、それらの衣装はどこかヨーロッパ風というか、貴族的というか、少なくとも日本社会に溶け込めるようなものではない。

 

知っての通り、ここは織田家ではない、レオンリング家だ。

 

 

視界が明瞭になってきた頃。

あまりにも理解不能な光景に、酷く混乱した覚えがある。

 

母を名乗る人物が私に乳を与え、父を名乗る人物が私を振り上げるように抱き上げ、婆やという人物がそれをキツく諌め、兄だという子供が私の頬にキスをした。

 

意味がわからない。

しかし、その感触も、光景も、全てが妙に現実味を帯びている。

 

 

翻って、今の自分が何者であるのかをよく観察し、考えてみたりもした。

 

ちっちゃい手足、まともに動いてくれない四肢。

…癌の末期には既に思う通りに動かなくなっていたが、そういうことではなく、今の私は動くには動くのだが、制御が効かないという状態だ。

 

そして、名前。

創真ではなく、オダと呼ばれる。

 

何度か耳にしたことがあるフルネームは、オダ・ソーマ=レオンリング。

発音的に、ソーマの部分は、伸ばし棒的なニュアンスを感じる。厳密には、母音のオといった感じの。ウではない。

 

さらに、性別。

自分では直接確認しようがないが、耳にする情報から察するに、今の私というのは、どうやら女の子であるらしい。

 

 

なんだ、これは?

 

いいや、こうして1年も過ごせば、流石に今の自身の置かれた状況について、情報の整理というものは十分できる。

 

記憶が確かなら、なぜこんな状況に陥っているのかという点はひとまず脇に置くとして、少なくとも今の自分というものは、まるで夢の中で設定したゲームキャラクターの…「ミッドガルズ伝記」のキャラメイキング時の設定、そのままのようである。

 

この状況を一言で表現するなら、転生。

もしくは、異世界転生という言葉が適切なのではないか?と、脳裏をよぎった。

 

 

いいや、流石に非現実的すぎる。私は、それを信じるほど夢想家ではない。

 

確かに、心が折れるまでの私は、こんな世界に憧れを抱き続けた。

しかし実際に存在しているはずの現実の私は、癌に蝕まれて死の淵を彷徨うばかりだった、そんな虚弱な男だ。

 

冷静に考えてみれば、これは言わば、夢の続きのようなものだろう。

死の間際にあって、意識が無限に近いほどに引き延ばされ、そんな中で見ているありもしない夢。

 

意識の中だけでゲームの設定を思い出しながら再現したように、その設定がそのまま反映されて夢の続きとなって現れているのだ。

 

…まあ、元のゲームはこんなリアルな3Dゲームではなくて、古き良き2Dドット描写のゲームだったはずだけど。

私が後年にプレイした3Dゲームのグラフィックとか、現実の私の空間認識力みたいなものが、夢の中で都合よく混ざってしまったのだろう。

 

夢なんていうのは、概ねそんなものだろうと思う。

 

 

これが夢であるならば、そして昔大好きだったゲームが都合よく超美麗3Dで再現されているというのなら、それを楽しまない理由はないだろう。

 

しかし、これが夢だとして、死んでエンディングを迎えた後で、もう一度キャラメイクから遊べるか?というと、そんなことはない気がする。

というより、次の瞬間には意識が完全に途絶えて、強制終了となる可能性だって考えられる。

 

私というやつは、まさしく死の淵に居たはずなのだ。

今この瞬間を楽しむ以外に、余裕なんてものはない筈である。

 

何をきっかけにして、いつどのようにこの夢の世界が強制終了するかもわからない。

やり直しはナシ、セーブ&ロードもできるかわからないから変なプレイも避けて、なるべく中断せずにぶっ続けで、長く遊び続けられるようなプレイスタイルを心掛ける。

 

 

…ところで、セーブ&ロード以外にも、レベルアップに必要な機能などには触れることができるのだろうか?

 

ミッドガルズ伝記というゲームのレベルアップシステムには、3種類のものがある。

 

一つ目は、フィジカルレベル。

FLvと表記され、経験値を貯めてから睡眠すると、経験値が肉体に反映されてレベルアップする。

このレベルが上がるごとに、成長率を元にしてキャラクターの基礎ステータスが上昇していく。

 

二つ目は、スキルレベル。

各技能ごとにSLvという表記でレベルが用意されており、フィジカルレベルのための経験値とは別に、各技能ごとの技能経験値を貯めており、一定以上貯まったらその場でレベルアップする。

スキルレベルが高いほど、技能別のボーナス補正を得られるようになっていくので、上げやすい技能はガンガンあげたほうが有利に働く。

 

三つ目は、エーテルレベル。

ELvと表記され、エーテル…魔素というエネルギーを消費していずれかの基礎ステータスの固定値を上昇させるという形で成長できる。

ゲームの仕様通りなら、どの基礎ステータスを成長させても1レベル上昇してしまい、通常は最大で120レベルまで、特殊な条件を満たせば最大で255レベルまで上げることができる。

 

 

特定の行動を取ればレベルを上げられるフィジカルレベルとスキルレベルは良いとして、エーテルレベルは「女神像」という像に向かって成長用のシステム画面を開き、そこでどの基礎ステータスを上げるか選ばなければならない。

 

そう、システム画面である。

ゲームウィンドウと言っても良い。

 

あまりにも現実味のある視界。

手元にコントローラーなどはなく、…あったとしても、今の私にはまともに操作などできないだろうが、仮にあったとして、どうやってシステム画面を操作するのか?そもそも、システム画面は表示されるのか?

 

…エーテルレベルは、このゲームの成長システムのキモの一つでもあり、特化育成するか、それとも弱点を補うかなど、プレイングの幅を自由に増やせる要素になっているので、できれば触れられるようになっていて欲しいと思ってしまう。

 

 

赤ん坊である自分は、1歳になって少しは体を動かせるようになったからといって、まだまだハイハイしかできない身である。

 

もう少し頑張れば立って歩けないこともなさそうだが、そうだとしても自力で女神像を探し出すことはまだ無理だろう。

 

家を出て教会に向かえば、この夢の世界が本当にゲームの設定そのままだというのなら、ほぼ確実に見つかるとは思う。

赤ん坊の自分では、自力では絶対に辿り着けないが。

 

 

しかし、逸る気持ちを抑えることも、少し難しい。

 

何度でも思ってしまうが、エーテルレベルはこのゲームのキモのシステムの一つだ、できればすぐに確認したい。

 

せめて、今すぐにシステム画面を開けたなら、少しは安心できるだろうというのに…。

 

…いや、これは夢なのだから、コントローラーなんてものがなくても、システム画面の操作までできるんじゃなかろうか?

 

うん、よく考えてみたら、キャラっクターメイキングの時だって、意識の中だけで操作できていた。

あれと同じ感覚でやれば、操作できるのではないか?そんなことを思いついた。

 

 

状況を再現するべく、よく思い出してみる。

 

瞼を閉じ、意識の湖に沈み込むように、深く深く意識を潜らせる。

 

深い意識の中で、イメージを形にする。

あの時は、ゲームのあらすじ、そしてその流れでキャラクターメイキングの項目選択画面を再現した。

今回は、システム画面を記憶から呼び起こし、再現する。

 

 

…意識の中に、システム画面が浮かび上がり、はっきりと形になっていく。

 

簡易的なステータス表記が上部に表示されていて、名前、性別、年齢、FLv、ELv、HP、MP、SP、異常状態、健康状態、精神状態、体型、所持金、所持エーテル…という情報が記載されている。

 

名前、性別、年齢は、そのまま私自身のパーソナリティだ。

オダ・ソーマ=レオンリング、女、1歳。…うん、間違い無いだろう。

 

FLv…フィジカルレベルは、2。

おっぱいを飲んで寝てばかりのはずだが、なぜかすでに1レベルだけ上昇している。

戦闘以外の方法でもフィジカルレベルの経験値を得られる場合があるのだが、どうやって得たのかは心当たりがない。

 

ELv…エーテルレベルは、0。

そりゃあそうだ、一度もエーテルレベルを上げていないのだから。

これは女神像に祈りを捧げ、専用のレベルアップのシステム画面を操作しなければ上げられないので、順当である。

 

HP、MP、SP。

これらはそれぞれ、ヒットポイント、マジックポイント、スタミナポイントとなる。

 

ヒットポイントは、生命力そのもの。

これが尽きたら死んだということになる。

 

ゲーム設定的には、持久力的な意味に体力ではなく、あくまで生命力の指標で有り、この数値が高いから体力や持久力が高いという話ではないらしい。

とはいえ、ヒットポイントの成長には、主に体力の基礎ステータスを上げる必要があるので、ニアイコールみたいなものではあると思う。

 

マジックポイントは、魔法を使用するために必要なポイントとなる。

これが尽きてもただちに死にはしないが、一定以上の割合まで減ってしまうと、スタミナポイントが残っていても疲労状態となり、空っぽになると衰弱状態にまで陥る。

MPの自己回復性能の強化は、イコールで死ににくさ・持久力の強化になるというのは、そういう意味である。

 

スタミナポイントは、肉体的な疲労度を可視化したもの。

これが8割以上残っているうちは、HPとMPの自然回復力にボーナスがかかり、4割を下回ると今度は疲労状態になってデバフがかかり、2割を切ると過労状態で自然回復がほぼ不可能になり、空っぽになると過労死する。

 

スタミナポイントの減少に対して、満腹でないならば食事を摂ることで少量回復するし、風呂や睡眠などでキチンと休めばほとんどの場合は全快まで回復できる。

ちなみに、満腹かどうかはステータス画面で確認できないマスクデータなので、食事での回復はあまり当てにしないほうが身のためだ。

…今の私なら、感覚で腹持ち具合がわかるし、少しは当てにしても良いかもしれない。

 

そういえば、食事の話で思い出したが、食事を摂ることでもごく少量だがフィジカルレベルの経験値は得られたはずだ。

私のフィジカルレベルが1だけ上がっていたのは、毎日食事を摂っていたおかげということかもしれない。

 

異常状態、健康状態、精神状態、体型。

これらはそのまま、現在の状態を表すものだ。

 

異常状態は、毒や火傷や流血など、肉体的な異常状態を示すもの。

健康状態は、疲労や病気などの目に見えにくい部分の肉体的な状態の指標となる。

精神状態は、魅了や混乱といった精神的な異常状態を示すもの。

 

そして体型は、極貧・痩身・細美・普通・豊満・肥満・肉塊、という7段階で表記される。

痩身以下だと痩せすぎ、肥満以上だと太り過ぎで、それぞれ軽度のデバフを受けるようになる。

さらに、極貧か肉塊になると、凄まじいデバフを受けるようになる。

私のビルドだと、ちゃんと食べないと極貧に下がる可能性があるので、食事には十分気をつけなければならない。

 

異常状態:平静。

健康状態:健康。

精神状態:健康。

体型:痩身。

…うん、体型以外は全て正常だ。

 

体型は、もうどうしようもない。

デメリット特性で痩身以下に固定されてしまっているので、いくら食べても、成長しても、ずっと痩せっぽちのままだろう。

…うーん、こういう状況になるのだったら、もっと自分の理想を突き詰めたキャラクタービルドにしたかったな。

 

最後に、所持金と、所持エーテル。

当たり前だが、どちらも0である。

 

…所持金は、財布みたいな物に入れておけば、勝手に計算してくれるのだろうか?

それと所持エーテルだが、これはダンジョンでエーテルの塊を拾って吸収したり、モンスターを倒すなどして吸収して集めるものである。

 

エーテルの吸収。

今の自分が行うなら、どんな感じなのだろう。

その場面に直面したらわかるのかもしれないが、少し怖くて、少しワクワクする。

 

 

システム画面には、他にも「ステータス」「技能」「装備」「所持品」「仲間」「メモ」「オプション」…といった項目が並んでいる。

 

ざっと各種項目を確認し、どれもゲームのままだと思いながら確認を進め、そしてオプションを開く。

 

本来なら、ここにセーブ&ロードや、各種設定、ゲーム終了などの項目が表示される。

だが、この時表示された項目は、たったの二つだけ。

セーブと、ゲーム終了。

 

ロードはない。でも、セーブはできるらしい。

試しにセーブを行ってみる。

既存のセーブデータは存在せず、とりあえず空いているセーブスロット…スロット1に保存してみる。

…プレイ時間が1年以上経過した、異常なセーブデータが作成された。

 

ゲーム終了…は、流石に試す気になれない。

そもそも、この時点でロードの項目がないのが不穏だ。

ただの想像でしかなかったが、本当にゲームの終了=現実の自分の死なのかもしれない。

深層心理みたいなところで、そんな認識が強く働いてしまっているのだろうか。

 

 

諸々確認してから、あらためて思ったが、やはりこの夢の世界はほとんど忠実に「ミッドガルズ伝記」のシステムや設定を再現していると思う。

 

もちろん、これがあくまで夢であるためだろう、ご都合主義みたいな改変がいくつも見られる…ビジュアルがハイクオリティ3Dになっていたり、オプション設定が深層心理を反映しているかのような不穏な項目だけになっていたり、などがあるが。

 

しかし、ステータスやら何やらまるっきりゲームの仕様そのままとなっている。

これなら、もう少し年齢的に成長して、エーテルレベルを上げることができるようになりさえすれば、色々と…自由に、この夢の世界を楽しむことができるはずだ。

 

妙に現実味のある世界で、憧れだった「外の世界で遊ぶ・楽しむ」というのを、擬似的にでも体感できるかもしれない。

そんな予感が、私の小さな心臓を高鳴らせる。

 

…小さな心臓という割には、やけにハッキリと、ドクンと脈った気もするが。

夢の中で意識したことだから、少し大きく感じたということなのかもしれない。

 

 

今の私は、まだ1歳になったばかりの赤ん坊である。

 

ゲームの仕様通りなら、早ければ2歳になるまでに立ち上がれるようになり、3歳までには自由に歩けるようになる。

そうなってからがこのゲームの本番で、日々の生活の中で少しずつ成長し、理想のキャラクターの育成を目指す。

 

今の私にとっては、「理想の自分を目指す」と言い換えても良い。

 

 

乾き切って、ヒビだらけになっていたはずの心が、潤っていく。

 

少なくとも、生きる希望というものを抱き始めている、その実感がある。

 

例え、現実の自分が死の淵にあって、次の瞬間には完全に死んでしまうかもしれないという状態だったとしても。

今、夢の世界で生き始めたこの私は、生きる希望を見出してしまっている。

 

ああ、早く歩けるようになりたいなあ。

 





▼よもやま・システム画面

・「メイン画面」
主人公の状態が簡単に確認できる、システム画面を開いた直後の画面。
ここから各種項目を選択し、より詳細な情報を確認できるようになっている。
傭兵や仲間を得た場合、「仲間」の項目から、似たような状態確認が可能となっている。

・「ステータス」
基礎ステータスの詳細などを確認できる。
体力・知力・筋力・頑丈・魔力・祈力・敏捷・器用・技術・話術・魅力・幸運・名声…という、13種類の基礎ステータスが存在する。
基本的にはどのステータスも、エーテルレベルによって固定値上昇させた量に応じて、一定レベルごとに何らかのボーナス効果が得られる。
例えば、体力を上げまくると、正真正銘のまったくの疲れ知らずにだってなれる。
最後の「名声」だけは他と少し異なり、基本的にはフィジカルレベルやエーテルレベルでは上昇できない。
特性の獲得かイベントの達成でのみ上昇または減少し、一定の数値まで上昇するごとに名声によるボーナス効果が得られるようになる。

・「技能」
100種類以上もある技能のスキルレベルが確認できる。
…と言っても、初めは何も表示されていない、空白の画面となっている。
その技能のスキルレベル経験値を獲得したときに、初めてこの画面に技能の名前が表示されるようになる。
隅々まで遊んでいないと全種類の技能を把握すること自体が不可能で、この技能を探し当てること自体が、隠し要素兼やり込み要素の部分になっている。

・「装備」
主人公の装備を変更したり、故障状態の確認などが行える。
仲間の装備の変更は行えないが、プレゼントすると気に入ってくれたら装備してくれたりする。
装備が故障するとまともに使用できなくなり、中には素手より弱くなるものも存在する。
リペアキットを常備したり、装備修理の技能を育てるなどして、常に対策しておきたい。
なお、女神像を利用することで、エーテル消費での装備の修理や強化ができる。

・「所持品」
装備品以外のアイテムを確認できる画面。
消耗品、貴重品、書物、遺物で分類される。
「遺物」は、装備品ではないものはこちらに纏められており、エーテル消費で補充できる「女神の薬瓶」の個数などをここで確認できる。
女神の薬瓶は、HP・MPを瞬時に大回復できる貴重な薬。SP(疲労)は回復しないので要注意。

・「仲間」
現在組んでいるパーティメンバーの状態を確認できる。
メイン画面で確認できる「主人公の状態」とほぼ同じで、なぜか所持金と所持エーテルまで確認可能。
とあるケチな傭兵を仲間にしたとき、「金がないから貸してくれ・払ってくれ」などと言われるイベントがあるのだが、実はちゃんとお金を持っていることがここでわかる…という小ネタがあったりする。
また、病気だったり、催眠状態だったりも把握できるので、違和感のある仲間を助けるための重要な確認画面としても機能する。

・「メモ」
自身の行動のログと、現在請け負っている依頼や目的、何らかの形で入手したメモや手紙などの内容が確認できる。
依頼や目的の達成状況(薬草を必要個数集めるというものなら、その目標個数と現在個数の状態など)をすぐに確認できるので、なかなか便利。
また、メモや手紙は、現物を失ってもこの画面で内容だけ確認し直せるので、たまにとても便利に働く。
行動ログは、直近100件までしか表示されず、移動以外の行動をするたびにログが追記されていくので、あくまで「以前はどこまでプレイしたんだっけ?」と思い出すためのもの。

・「オプション」
本来は色々な設定…画面サイズや音量調整などもできるが、今は「セーブ」「ゲーム終了」の二つしか選べない。
現状は、ほとんど意味のない機能となっている。

・その他
システム画面には明確に表示されていないが、隠し要素で「称号」というものがあり、ゲーム中の行動次第で獲得できたり、獲得不可能となったりする。
称号は、プレイ中は「セーブデータ」にだけ、そして最新に獲得した称号だけが表記される。
エンディングを迎えた後で「プレイ中に幾つの称号を獲得したか」の詳細が確認でき、クリア後のおまけ要素の開放条件などに紐づいている。
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