推しに会うために縄文時代に転生したけど推しに会えず現代まで来てしまった 作:ふぁ!?
やっちまったZE!唐突な推しとの交流で妙な声が出ちまったZE!く、自分のコミュ力が憎い、せめて自己紹介をせねば!
「ア、オレハトナリノジュウニンデス」
「俺…?ボソッ
えぇと、これからご迷惑をおかけするかも知れませんがよろしくお願いします」
……バカなのかな?そりゃあ隣に住んでるんだから隣の住人じゃん!俺の名前って隣の住人だっけ?違うだろ!えぇい!勇気と言葉を絞りだせ俺!
「あ、あの」
ゆっくり深呼吸して、気持ちを落ち着けて名前を言うだけ、名前を言うだけと頭の中でお経の様に唱えて
「八代永遠って言います。何か困った事があれば遠慮無く頼ってください」
「はい、その時はよろしくお願いします」
あっ(昇天)
「はっ!」
ここは…私の部屋?そうか、私は推しと会話出来た衝撃が強すぎて意識が飛んでいたのか、時計の針は午後17時を指しているどうやらかなりの時間意識が飛んでいたらしい、だが時間帯的にはちょうどいい、隣に彩葉が来た時様に3000年前程前から考えていたあの作戦を使わせてもらおう!
「そうと決まれば準備だ!」
はい皆さんこんにちは、私はお隣の彩葉さんの部屋の前に立っています。私が考えた作戦それは…ずばり「作り過ぎちゃったから貰ってくれません?」である!古来よりラブコメではヒロインが意中の相手とより親密になる為のきっかけ作りと自分の料理スキルのアピールが出来るまさに無敵の作戦!この作戦を思いついたあの日から料理を学び、精進してきた私に不覚は無い!と、思っていたのですがいざドアの前に立ちインターホンを押すとなるととてつもなく緊張してしまう。手が震え、心臓の鼓動も早くなっているのが分かる。しかし、ここで引く訳には行かないのだ!ここで引いてしまったら彩葉とお近づきになる機会を失ってしまう、そしてなにより
「これ、1人じゃ絶対食べきれないし…」
前世ならともかく今の女の体では2人分のご飯は胃袋的にだいぶキツイので今更部屋に帰って食べるとか無理なのでもう腹をくくるしかないのです。大丈夫、この時期の彩葉は恐らくお金も無いし人からの好意を無下にするような子でも無いので断られる事は無い!
「よし、押すぞ」
震え手と爆発するんじゃないかと思う程の心臓を鼓動を感じつつ私はインターホンを押した
《彩葉Side》
「よし、荷解きはこれで終わり」
ふぅーと一息をつく私、京都から東京に身一つで引っ越して来たが部屋も見つけ、バイトも決まりなんとかやっていける状態には持ち込めた。
「気張らんとあかんなぁ」
そう言えばさっき隣の人に挨拶に行ったけど…
《時は少し遡り》
「とりあえず荷解きは後にして挨拶に行かないと」
「あー緊張するなぁ大丈夫かなぁ?怖い人とかだったらいややなぁ」ピンポーン
「はいはーい」
あ、女の人の声よかったー同性ってだけでも安心だ
「あ、すみません、隣に引っ越して来た物なんですけど引っ越しのご挨拶に伺いました」
もうちょっと愛想よく言ったほうが良かったかな?引っ越しの挨拶とかしたこと無いからわからへんよぉ
『助けて?そないなこと気軽に言えるのが私の娘やなんて、ほんま驚きやわ。この世で頼れるんは自分一人や言うたよな?もう忘れてしもたん?』
かつて母に言われた言葉が頭をよぎる、そうだ私はもう1人なんだから全部自分で解決しないとアカン。
「あれ?」
そう言えば全然出て来ないけどどうしたんだろう、返事が返ってきたので部屋には居るはずだが全然出てくる気配がない。
「え、もしかして引っ越し初日そうそうに嫌われた…!?」
ウソでしょ、まだ会ってすら無いのに?いや、もしかしたら何か事情があるのかもしれないここはもう一声かけてダメそうなら帰ろう。
「あのー?」
「あ、すみません今出ますね!」
返事が返ってきてドアが開く、中から出てきたのは長い黒髪に私より少し年上、たぶん成人はしてるだろう女性が出てきた。まともそうな人でちょっと安心した
「始めまして、今日から隣に引っ越して来ました酒寄彩葉と申します。あ、これ引っ越し蕎麦です」
女の人は引っ越し蕎麦を受け取らずかと言って何か言うわけでも無くただただ私を見つめていた。
「あ、あの?」
「ア、アリガトウゴザイマス」
と、とてもか細い声で返答され引っ越し蕎麦を受け取ってくれた。人見知りな人なのかな?と思いつつ引っ越しの挨拶の切り上げ方が分からず困っていると
「ア、オレハトナリノジュウニンデス」
「俺…?ボソッ
えぇと、これからご迷惑をおかけするかも知れませんがよろしくお願いします」
一人称が俺なんて少し変わっているなとか、隣の住人ですなんて返答にこの人もしかして私より緊張してない?とか思いながらとりあえずは引っ越しの挨拶はできたしお辞儀をして部屋に戻ろうとすると
「あ、あの」
呼び止められ振り返ると、深く深呼吸をして意を決したような表情で
「私の名前は八代永遠って言います困った事があれば遠慮無く頼ってください」
と、言った。先ほど頭をよぎった母の言葉もあり私は恐らく頼れない、頼る事は無いだろうなとどこかで思いながら
「はい、その時はよろしくお願いします」
我ながら酷い気もする。頼る気も無いのにこんな返答をする自分に若干嫌気を感じながら部屋に戻り荷解きと部屋の物の配置を開始した。
《時は戻り》
「いい人そうで安心したけど私から積極的に関わる事は無いかなぁ」
時刻は19時を回りお昼も食べずに作業をしていた私の体は空腹で限界を迎えていた。
「うっ、お金がない」
つい最近まで中学生だった私はバイトも出来ず、今まで貯めたお小遣いを使い上京したのでお金には余裕がない
「うっ」グゥー
だけど人は何かを食べなければ死んでまう生き物、今日を生きねば明日は無い。意を決して財布を持ち外に出ようとすると
ピンポーン
「?はーい」
今から外に出るつもりだっのですぐにドアを開けると外に居る人影がビクッと震えたのが分かった。ドアの外に立っていたのはお隣の八代永遠さんだった。
「あ、あの先ほどどうも」
と、一礼をすると何かを前に差し出してきた。
「そ、それでなんですけど先ほど貰ったお蕎麦を使って天ぷら蕎麦を作ったのですが少し作り過ぎってしまって…よければ貰ってくれませんか?」
差し出しされたのはお椀に入ったお蕎麦だった。海老の天ぷらが豪華に3本とネギが少々入っているお蕎麦は湯気だっている所みると今出来上がったばかりのようだ
「い、いえ頂けませんよ!」
頭では分かっている、家計は火の車どころか爆発一歩手前ぐらいの財政状況、ここで貰えば今日の晩御飯代は浮きお腹も膨れるのだが先ほど1人で生きていこうと決めて早々他人の手を借りるのはどうなのかと私のちっぽけな意地がそれを許さない
「えぇ!?」
まるで断られる事を想定していなかったかの様な声をあげ目に見えてあわあわしだした八代さん
「そ、そう言わずに貰ってもらわないと困ります!」
と、こちらに器を押し付けてきた
「こ、こんな高価な物貰っても何も返せませんよ!?」
と、私は器を押し返す
「高価なんかじゃありませんよ!その辺のスーパーで買ってきた海老を揚げて鰹節から出汁を取ってネギを切っただけの普通の蕎麦ですよ!」
「もうお店レベルじゃないですか!」
海老天も蕎麦つゆも自作って手が込みすぎでしょ!?
「し、仕方ありませんこうなったら…」
「な、なんですか?」
「駄々をこねます」
「はい?」
何を言ってるんだこの人は?駄々をこねる?
「酒寄さんがこのお蕎麦を貰ってくれるまでここで駄々をこねます!良いんですね!とっくに成人してる大人が駄々をこねる姿を道行く人に見られても!良いんですね!?」
「なっ、何ですかその脅し方!?第一それで恥ずかしい思いをするのは八代さんじゃないですか!」
「酒寄さんの部屋の前でやってるとなると話が変わると思いませんか?」
「ぐっ…!」
確かに自分の部屋の前で駄々をこねられるのは世間的にも私的にも嫌だ、とういうかこの人たかが蕎麦1つでプライト捨てすぎじゃない!?ホントにさっきと同じ人なの!?
「さぁ、どうしますか!」
「うぐぐ…!」
ダメだ今ここで負ければ私はまた何処かで甘えてしまう、でも蕎麦のいい匂いが私のお腹と脳を刺激してまともな思考が出来ない!うぅ…!でも負ける訳には…!
「さぁどうぞ!」
「……ありがたく頂きます」
違います負けてません後でお金をお支払いすればお店で買ったのと一緒なんですなので私は負けてません
「ありがとう御座います!」
ぱぁ、っと嬉しそうに笑うと八代さんはお蕎麦と一緒持っていた割り箸を渡して部屋に戻って行ってしまった。私は部屋に戻り蕎麦を啜る。
「おいしい」
ちょうどいいぐらいに冷めた蕎麦は優しい味で海老もサクサクで本当に店でも開けるくらいおいしかった。何かと心配だった1人暮らしもこれならやっていけるかなと思った引っ越し初日だった。
後日お金は受け取って貰えなかった。
コソコソ裏話
部屋に戻った八代は蕎麦を渡せた達成感とやりすぎて嫌われてないかなあといった不安感で静かに荒れ狂っています。
主人公の名前の読み方は
八代(はちよ) 永遠(とわ) です読み方はからり無理やりですが許してください。
京都弁は調べて書いた浅知恵なので間違っていたり、使えそうな京都弁や誤字、脱字等あれば感想で教えてください!
ここまで読んで頂きありがとう御座います