流星が降る頃に   作:サツキタロオ

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最初見た時はツンデレかなと思ったけど結構暴君みたいなケリュドラ好き


ケリュドラ

「チェックメイト。」

「あーあ…また負けた。」

 

星穹列車の一室にて、ケリュドラは側近のヴァーリとチェスで勝負していた。

しかし、ケリュドラが強過ぎてヴァーリはこれで46敗目である。

 

「くそっ、もう一回だ!」

「…いや、これ以上やっても多分君が負ける。僕はもう飽きた。」

ケリュドラは椅子から降りて、そのまま何処かに向かう。

「おい、何処行くんだよ?」

「…忘れたのか?今日は僕と君の水入らずのデートをすると言ったじゃないか。」

「あれ、そうだっけ?」

 

ヴァーリは悩んだ。自分にはそんな約束をした覚えが無い。「熱中し過ぎて忘れてしまったのか?」とケリュドラに言われ、なんとなく納得するヴァーリ。

 

そうしてそのままヴァーリは疑念を抱きながらもケリュドラと共にデートに向かう事にした。

 

「デートつったって、何処に行くんだよ?」

「ふふん、プランなら既に決めてあるさ。まずはご飯を食べに行こう!」

そうしてケリュドラと近くの飲食店に入り、そのまま近くの席に座ってメニューを見つめる。

 

「金はどうした?」

「そんなものはアベンチュリンに頼めばいい。この前トパーズから聞いたんだ。」

(巻き上げてるだけでは…?てかトパーズは何言ってんだよ!?)

 

ヴァーリはそう思いつつもメニューを見つめ、ハンバーグとステーキのセットを頼み、ケリュドラはグラタンとカルボナーラを頼んだ。

 

「美味いな。」

「以前から…気になっていたんだ。こういう店に来るの…」

「ま、再創生以降はしばらく精密検査ばかりだったからな…無理無いよ。」

「………」

ケリュドラはその言葉を聞いて少し暗い顔をする。

 

鉄墓撃破後、再創生が行われたが、不思議な事が起こってオンパロスの住民はまるで本物の人間のように肉体を得た。

 

それによって黄金裔達は精密検査をしばらくの間受ける事になった。

ヴァーリにとってはそれが一番嫌だったのだが……

 

「…ケリュドラ、食べないのか?」

「…!ああ、いや…食べるよ。」

そうしてケリュドラはそのままグラタンを頬張った。

 

さっきと同じ美味しい筈なのに今は苦い味を感じた。

 

 

そうして二人はそのまま近くの公園に足を運んだ。

近くのベンチに座ると、ヴァーリはケリュドラに聞いてみた。

「…ケリュドラ、なんか今日お前変だぞ。いつもみたいに元気無いし…それになんか悩んでみるみたいだったし…」

ヴァーリにそう図星を突かれ、ケリュドラは溜息を吐いて応えた。

 

「…君は再創生で酷い目に遭った。それは覚えているだろう?」

「鉄墓が見えた今までのループの記憶の事だろ?」

「僕はそれをされて、初めて怖いと思ったんだ。死とかそういうのでは無い。」

 

「……君を…失い続けていたというのが…」

「君が好きだという事は嫌でもわかった。それが鉄墓によって仕組まれたプログラムであってもだ。」

「あの記憶を見て、僕は思ったんだ…もうヴァーリを失いたくない…」

「ケリュドラ…お前…」

「…愚かと思うなら笑ってくれ…僕は…」

 

すると、ヴァーリはケリュドラに抱きつく。

そうされたケリュドラの顔は困惑と安心が入り混じったような顔だった。

「あっ…ヴァーリ…」

「悪い。ケリュドラがそんなに思い詰めてたなんて知らなかった。」

「確かに、俺も鉄墓によってプログラムされていたとしても、俺は何度もお前の事を好きになった。」

「…ケリュドラ…そんなに思い詰めるな。俺が…俺達が居るから。」

「…‥ヴァーリ…」

ケリュドラもヴァーリに抱きつく。

 

「ありがとう…君の言葉を聞けて安心したよ…」

二人は離れ、ケリュドラは涙を拭く。

 

「…君には敵わないよ。僕もまだまだだな。」

「チェス以外なら、お前に勝てる自信がある。」

「ほう…言ったな?帰ったらまたチェスをしようじゃないか。」

「げっ!そりゃ勘弁…」

 

二人はベンチから立ち上がって、そのまま何処かに歩いて行った。

足取りを揃え、二人は楽しそうに談笑していた。

 

今日の太陽はいつもより輝いて見え、近くに咲いていた向日葵を照らしていた。




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