今回ちょっとR17.9かもしれない。
「秋作〜!」
「ん?」
秋作が斧槍の鍛錬をしていると、素裳が元気そうに声をかけていた。
よく見ると、いつもの服装では無く、白いワンピースだった。
「素裳…いつもの服じゃないんだな。」
「ちょっと!今日は休みだよ?秋作こそお休みなのに特訓してるの!?」
「わ、悪かったって。今日はデートだろ?」
秋作は少し顔を赤ながら斧槍を地面に突き刺して急いで服を着替えに向かう。
(たくっ、すっかり忘れてたぜ…)
いつもの服を脱いでこの前購入した服に着替えた。
「準備できたぞ。」
「やった!じゃあ行こ!」
素裳は元気そうに答え、秋作の手を引っ張って行った。
「それにしても何処行くんだよ。」
「そりゃあもう色んな場所だよ?」
「えっ!そんなに回るのかよ…」
「そうだよ?いっつも秋作アタシに無関心なんだもん…付き合ってるのに…」
「………」
秋作はその事を言われて少し顔をしかめる。
確かに最近は忙しかったのであまり構ってやれなかったから少し悲しんでいる素裳を見て、秋作も少し悲しくなった。
「…分かったよ。今日は一日付き合ってやる!」
「…!うん!」
それを聞いた瞬間、素裳は嬉しい顔をした。それは最近見た中でも一番の笑顔だった。
「じゃあ、最初は買い物行こ!いっぱい買い物しよ!」
そうして素裳と共にショッピングに向かい、二人は服を見に行った。
「ねえ、これとかどう?」
素裳は秋作に似合う革ジャンを見せてきた。
「…俺はこっちがいいと思うんだけど…」
秋作は特撮ヒーローのイラストが描かれたシャツを見せてきた。
それを見た素裳は少し引いていた。
「う、うん!秋作はなんでも似合うよ…」
「そう?じゃあ決まりで!」
そのまま買い物を終えた二人はそのまま近くのファミレスに向かった
「いっぱい買ったね〜。」
「だな〜。」
二人は席を取ってそのままメニューの乗ったタブレットを眺める。
メニューには様々な品が載っており、二人はそれぞれ何を頼むのかを悩んでいた。
「ねえ何頼むの?」
「お前は何頼むんだ?」
「アタシ、パスタとかにしようかな!」
「…随分珍しいじゃないか。いつもはハンバーグとか頼む癖に。」
「うっ…ちょっと…贅肉が…」
「贅肉ぅ…?」
秋作はジト目で素裳を見つめるが、次第に素裳が恥ずかしくなってはぐらかした。
「俺は好きな物を食べる素裳が好きだけどな。」
それを聞いた素裳は少し顔を俯き、別の物を頼む事にした。
(ううっ…そんな事言われたら頼んじゃったよ…)
素裳の前に厚切りステーキが乗ったプレートが置かれた。
(さよなら…アタシのスリムな身体…)
素裳はそんな事を思いながら厚切りステーキを美味しそうに食べた。
秋作は悪い顔をしてハンバーグを頬張った。
そうして数分して完食した二人は街を歩いていた。
「ドロボー!」
すると、後ろから荷物を持った男が走っているのを見て、秋作は足を出して転ばし、そのまま拘束した。
「わあ…」
素裳はその様子を見て驚きつつも凄いと感じていた。
「素裳、雲騎軍に連絡だ。」
「!あ、うん。分かった!」
素裳はハッとなってそのままスマホで連絡し、その後しばらくして泥棒は連れて行かれた。
「あ、ありがとうございます…」
「いえ、お気になさらず。」
荷物を返し、そのまま素裳の元に駆け寄る秋作。
「悪いな。トラブった。」
「………ううん。気にしないでいいよ。」
そうして気まずい雰囲気のまま、しばらく歩いていると、夜になってきた。
「観覧車乗らない?」
「突然だな。まあいいけど。」
観覧車に乗るものの、気まずさはまだ抜けていなかった。
「………秋作って…」
「ん?」
「やっぱりモテるよね!」
「……俺はそんなつもり無いけど…」
「ううん。モテるよ。」
「…秋作が色んな人に評価されてるのは嬉しいよ?でも、なんだかその分距離感じちゃって…」
素裳は落ち込んだまま話し始めた。景色にも目をくれず、暗い空間の中に静寂が広がる。
「アタシ…秋作に相応しいのかなって…」
「…」秋作は黙った。そして観覧車から降りた後、無言のまま何処かに歩き出した。
「秋作?」
素裳は不思議そうに秋作に着いていき、暫く歩いた先はホテルだった。
「…もう遅いし、ホテル取るか。」
「…うん…」
そのまま鍵を貰って最上階のエレベーターに乗った。
「…凄いね…高いよ。」
素裳は窓から辺りの光景を見つめた。
「………ねえ、秋作。」
素裳が振り返ろうとすると秋作は抱きついてきた。
「ッ…」
秋作は黙ったまま素裳に触れた。
そしてそのまま誘導されるように二人はベッドに潜り込んだ。
………………
「ねえ…」
「ん?」
「…今日、楽しかったんだ。」
秋作に抱きつきながら話し始める素裳。
「一緒にご飯食べて買い物して、遊園地にも行ったし…」
「秋作は楽しかった?」
「…うん。楽しかったさ。」
「よかった…」
そのまま二人はベッドから起き上がって窓の方を見る。
「秋作…」
「ん?」
「今日誕生日でしょ?」
「…覚えててくれたんだな。」
「当然でしょ?彼女だもん。」
また悲しげな表情をする素裳を見て、秋作は彼女に抱きついた。
「キャッ!……しゅ、秋作?」
「俺はお前を選んで正解だと思ってる。こんなに俺を思ってくれる女なんて、そう居ないからな。」
「だからあんまり悲観的になるな。お前には俺が持ってないようなものをいっぱい持ってるからな。」
素裳は暫く黙った後、少し微笑み秋作に抱きついた。
「……ふふっ、やっぱり秋作を選んでアタシも良かった!」
嬉しそうに笑う彼女を見て、秋作も笑みが溢れた。
(やっぱり、俺はこの笑顔が好きだな。)
彼は口に出さなかったが、心ではそう感じていた。
「…ねえ、明日はどうする?」
「……秋織とかも誘って…外食に行くか。」
「あ、いいね!」
二人はそんな事を話し合いながら笑った。
建物を照らすネオンは、喧騒に満ちた夜を明るく照らしていた。
純愛、最高や
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