井芹仁菜の兄になりました、助けてください   作:占地

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 部屋にこもって、SNSの投稿を眺める。私たちはいいライブをした。そしていい曲を作っている。それでもダイヤモンドダストには勝てない。
 そして、私たちの味方をしてくれた人は、最大の味方はもういない。

 部屋は真っ暗で、光が入ってこない。カーテンを閉めているからだ。
 ファン1号は、宗一郎だった。

「こんな、こんなことって…」

 あるわけがない、長野の湖で浮かんだ嫌な予感は本当だった。これほど嘘であってほしいと思ったことはなかった。
 あいつの姿が、声が浮かんでは消えていく。宙ぶらりんのお守り。そして、小さい頃読んでもらった、詩。外で遊ぶのをやめてまで付き合ってくれた、あの記憶。

 『愚かしい』

「…っ、せからしかー!」

 布団の上でもがく。

 それでも、時間は進んでいく。


第十三話 平熱(仁菜視点)

 フェスの熱狂を経て、私たちは念願のプロになった。

 事務所から給料をもらい、本格的なレコーディングを行い、私たちの曲が「商品」として世に送り出される。けれど、夢見た世界は想像していたよりもずっと世俗的で、忙しなかった。桃香さんは楽曲の細部を詰める作業に追われ、私はといえば、喉から手が出るほど欲しかった場所にいるはずなのに、どこか心が浮ついて地に足がつかない。

 

 どれだけ練習をしても前に進んだ気がしないのだ。そんな停滞した空気を変えようと、ルパさんとすばるちゃんが提案したのは、息抜きのための「東京散策」だった。

 

 川崎を飛び出し、たどり着いた都会の雑踏は、まるであらゆる感情をかき混ぜた不協和音のように騒がしい。私たち五人は、その奔流に呑み込まれないよう、固まって歩くのが精一杯だった。

 

「こんなことしてる暇、本当はないんだけどな」

 桃香さんは頭をガシガシとかきながら言う。最近は音楽的なことでぶつかることも増えてきている。後に引くような喧嘩はしていないけれど、それでも桃香さんの目元には疲労が浮かんでいる。

 

「まぁまぁ、桃香さん。根を詰めすぎても、いいメロディは降りてこないよ」

 

「そうですよ。音楽は心の余裕から生まれるものですから」

 

「はぁ……。一応、私ら金をもらってる身なんだぞ」

 

「桃香の言う通りよ、締切までしっかりと完成度を上げる。それをファンに届ける。それがプロでしょ」

 

「わかってる、わかってるって。でもさ智、甘ーいもの食べたいでしょ?季節のパフェ、いいのあるんだよね」

 

 私はメンバーのやり取りを半分聞き流しながら歩いていた、その時だった。

 

 雑踏の向こう側に、一瞬で私の意識を奪う人影がいた。

 センターパートに整えられた髪。清潔感のある白いシャツの袖を軽く捲り、ベージュのチノパンをさらりと着こなしている。

 ……あいつだ。

 

 かつて実家にいた頃の、死神のように周囲を拒絶し、黒ずくめの服で執着心を撒き散らしていた姿とは似ても似つかない。そこにいるのは、どこからどう見ても、爽やかで知的な「非の打ち所がない大学生」だった。

 

 私は慌てて建物の影に隠れる。そうして隠れた後、強い自己嫌悪に襲われた。なんで私がコソコソしてあいつが堂々としてるんだ、普通逆でしょ。そして急に隠れた私をみんなが怪訝な顔をして見てくる。

 

「何やってんだ、仁菜」

 

「も、桃香さん、いるんです、あいつが」

 

「あいつぅ? って、ああ、おまえの兄貴か」

 

「早く隠れてください、気づかれますから!」

 

「なんで私たちまで」

 

「文句言わないで、早く!」

 

 そうして私たちは全員で建物と建物の間の影に隠れる。

 

「……こう見ると、やっぱり普通の大学生だよな。仁菜が言ってることとは、なんか違うっていうか」

 

「桃香さん! 私が嘘ついてるって言いたいんですか……!?」

 

「そうじゃないけどさ、今までの行動とか」

 

「何か、企みがあるに決まってます!そうじゃなければあいつがあんなことするわけない」

 

「…ふーむ」

 

 桃香さんがあいつを見ながら、呑気なことを言う。

 私はあいつを真っ向から否定するために、慌ててスマホの画面を突きつけた。お姉ちゃんから送られてきた、以前のあいつの写真だ。画面の中の宗一郎は、今よりもずっと刺々しく、触れるものすべてを切り裂くようなオーラを放っている。

 

「へぇー、今と比べると、なんかすっかり垢抜けた感じだね。ニーナとは大違い」

 

「すばるちゃん! 私、今すっごく真面目な話してるんだけど!」

 

 そんなふうに喋る私たちの目の前で、信じられない光景が繰り広げられた。

 買い物袋をぶちまけて途方に暮れていたお年寄りの元へ、あいつが迷いなく駆け寄ったのだ。あいつは地面に膝をつき、泥のついたリンゴを一つ一つ、丁寧に拾い上げている。

 

「 何、あいつ……! 親切なフリしてるん!?」

 

「 私には普通にいい人に見えるけどな」

 

「すばるちゃん! 私は嘘なんか…」

 

「だからわかってるって! ニーナが嘘なんかつけるわけないし。ね、智?」

 

「……そうね、単に親切というより、何か含みがあるように見える。仁菜の言う通りよ」

 

 智ちゃんの鋭い指摘に、私は激しく同意して何度も首を振った。けれど、ルパさんだけは穏やかな目で彼を見つめていた。

 

「そうでしょうか? 私もすばるさんと一緒で、心の底からの親切心でやっているように見えますが」

 

その直後、今度は観光客らしき外国人の夫婦があいつに声をかけた。

 

「Excuse me, could I have a moment? I'm lost.」

 

(……ほら見ろ、英語で捲し立てられて困ればいいんだ!)

心の中で意地悪な呪文を唱えた私の期待は、次の瞬間、流暢な発音によって粉砕された。

 

「Yes, that's fine. Where do you want to go? Oh, here?」

 

 あいつはスマホの地図を指さしながら、淀みのない英語で道順を説明し始めた。それどころか、会話は楽しげな世間話にまで発展していく。

 

「Are you married? That's great. So, you came to Japan for your honeymoon?」

「Oh, thank you. Have a great trip.」

 

「わあ、ペラペラじゃん。何お兄さん、完璧超人なの?」

 

「……いい旅を、ですって。お兄さん、すごくスマートですよ」

 

「むむむ……っ!」

 

 私の苛立ちが頂点に達した時、さらなる事件が起きた。

今度は、カメラを回した派手な髪型の二人組――底辺YouTuberらしき連中があいつに突撃したのだ。あいつが最も嫌うはずの、下品で無意味な街頭インタビューだ。

 

「おにーさん、めっちゃかっこいいっすね! 今何されてる方ですか?」

 

「大学生です」

 

「え、どこの大学? 俺、◯大なんだけど。あ、ごめん言いづらいか大学名は!」

 

 茶化すような連中に対し、あいつは謙遜するように首を振った。

「僕の大学なんて、たいしたことないですよ」

 

(嫌味か! 最大級の嫌味なのかあいつは!)

私は物陰で歯を食いしばる。

 

「ま、そうっすよね。で、聞いていいっすか? イケメン、今まで彼女いたことないわけない説やってるんですけど!」

 

 低俗だ。こんな質問、あいつなら氷のような沈黙で無視するか、蔑みの目を向けて立ち去るはずだ。なのに。

 

「悪いですが、これまでもお付き合いしてきた人はいません」

 

「ゲぇー!! まじかー!」

 

「なんで!? 意味がわからん。お兄さん、もしかしてED!?」

 

「ED? EDって何ですか、桃香さん」私は会話に出てきた単語が分からず首を傾げる。

 

「え!? いや、私も……わ、わからないなぁ。ルパ、わかるか?」

 

「ええ、EDというのはですね……」

 

「待て待て、ルパさん! ダメだってば!」

 

 すばるちゃんが必死にルパさんの口を塞いでいるが、頭に浮かんだ疑問はすぐにかき消えて、私の意識はあいつの言葉に釘付けになっていた。

 

「まさか。これまでも今も、必要と思ったことがないだけです」

 

 脳内にある「かつての冷徹な兄」と、今目の前でYouTuberをいなしている「目の前の男」が激しく衝突し、火花を散らす。あいつは、こんな人間ではなかったはずだ。

 何もかもを見下して、何もかも完璧にやり通す、いっぺんの隙もない、そんな宗一郎だったはずだ。

 

 それがなんだ、今のは。ぶつかって落としたものを拾って、外国人の人を助けて、あまつさえあんな最悪なインタビューに真面目に答えている。

 じゃあ、なんで、私には…。

 沸々と、腹の底から名前のつけられない感情が湧き上がってくるのを感じた。

 

「お兄ちゃんが……まさか、そんな……」

 

 呆然と呟いた私の言葉に、周囲の空気が一変した。

 

「おや。お兄ちゃんと呼ぶんですね、仁菜さん」

 

 ルパさんの楽しげな声に、私はハッと我に返った。動揺のあまり、一番口にしたくない呼び名が無意識にこぼれてしまった。

 

「あ……! い、いや! これは違くて……! お、おに……『おに軍曹』って言おうとしたんです! そう、地獄の軍曹!」

「そりゃ流石に無理あるでしょ、ニーナ」

 

 ニヤニヤと近づいてくるメンバーのからかいを振り切るように、私は衝動のままに走り出した。

 

「おい、どこ行くんだ!隠れろって言ったのはお前だろ!」

 

「うるさいです!!」

 

 必死に走った。あいつの目の前まで。

 

「ちょっと!」

 

 私は雑踏をかき分けて駆け出した。

 すばるちゃんたちの制止する声も耳に入らない。ただ、あの余裕めいた背中を追いかけずにはいられなかった。

 背後から飛んできた私の鋭い声に、少し先を歩いていた白いシャツの背中がピタリと止まる。

 

 ゆっくりと振り返ったあいつの顔には、かつて私をゴミでも見るかのように見下していた、あの冷たい嘲笑はなかった。ただ、突然怒鳴られたことに対する純粋な疑問符だけが浮かんでいる。

 それが、どうしようもなく私の神経を逆撫でした。

 

「何? 今の」

 

 息を切らし、肩を怒らせながら、私は親の仇でも見るような目で彼を睨みつけた。

 

「……何と言われても。何が何だか」

 

 あいつは本当に心当たりがないというように、小さく眉をひそめて困惑の表情を浮かべた。その白々しい態度に、私の中でぐつぐつと煮えていた感情が完全に沸点を超えた。

 

「さっきの!! 何あの低俗なインタビュー。あんなのに答えても、何の意味もないじゃん! それに見ず知らずの外国人とか、泥まみれのリンゴ落としたおばあさんとか、いちいち助けて……。何がしたいの、いい人アピール!? 最悪なんだけど!」

 

 自分でも、ただの言いがかりに近い無茶苦茶な理屈だとわかっていた。人助けを責めるなんて異常だ。でも、どうしても許せなかったのだ。

 かつて私がいじめで苦しみ、家族がバラバラになりかけていたあの地獄のような家の中で、あいつはただの一度だって私を「助けて」はくれなかった。ただ冷たい正論で私を切り刻み、見捨てたのだ。

 

 それなのに、どうして赤の他人にはあんなに優しくできるのか。

 

「……彼らはあれで飯を食っているんだ。だから、協力できることがあれば、と思っただけだよ。それに、みんな困っていたじゃないか」

 

 あいつの口から出たのは、どこまでも平坦で、論理的で、そして完璧な「正論」だった。

 その言葉を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった。

 

「結局、下に見てるってこと?」

 

「え?」

 

「自分は安全な場所にいて、余裕があるから、かわいそうな底辺のYouTuberとか迷子の外国人を哀れんでやってるんでしょ!? だったら安心した。あの頃と何も変わってない」

 

 私はギリッと歯を食いしばり、あいつの胸ぐらを掴まんばかりの勢いで一歩踏み込んだ。

 

「私の時と、なんも変わんない……!」

 

 正論を振りかざし、自分が「正しい」側から一切降りようとしないその傲慢さ。

 『お前が悪い』と切り捨てられた、あの息の詰まるような記憶がフラッシュバックして、視界が涙で滲む。

 

 あいつは、私のその痛切な叫びを聞いて、ふっと少しだけ目を伏せた。

 さあ、言い返してこい。いつものように、私の論理の破綻を指摘して、冷たく鼻で笑ってみせろ。そうすれば、私はあいつを心の底から憎み続けることができる。

 

「……そうか。悪かったな、不快な思いをさせて」

 

 しかし。

 あいつの口からこぼれたのは、反論でも嘲笑でもなく、信じられないほど素直な、そしてどこか悲しげな「謝罪」だった。

 

「…………え?」

 

 私の思考が、完全に停止した。

 悪かった?

 あの、自分が絶対に正しいと信じて疑わなかった、世界で一番傲慢な井芹宗一郎が?

 他人の心を平気で踏みにじってきた男が、私の言葉で、私に向かって謝った?

 

「……なんで、何で謝るの?」

 

 気がつけば、私はひどく情けない、震える声を出していた。

 こんなの違う。私の知っているあいつじゃない。こんなふうに簡単に折れて、申し訳なさそうな顔をする人間じゃない。

 

「お兄ちゃんは……そんな人じゃない!!」

 

 お兄ちゃんは、もっと冷酷で、もっと嫌な奴で、絶対に私なんかに謝ったりしない。

 だからこそ、私は全力で抗って、歌で殴り飛ばしてやるって決めたのに。これじゃあ、まるで私がただのヒステリーを起こしている我儘な子供みたいじゃないか。

 

「おい仁菜、落ち着け!」

 

 背後から強い力で腕を引かれた。追いついてきた桃香さんが、パニックになりかけている私を背中からがっしりとホールドする。

 すばるちゃんたちも合流し、息を呑んであいつを警戒するように睨みつけた。

 

 あいつは、私と、私を守るように囲むメンバーたちを静かに見渡し、そして小さく息を吐いた。

 それ以上言い訳をすることもなく、あいつは静かに身を翻し、私たちに背を向けた。

 

「逃げるの!?」

 

 去っていくその背中に向かって、私は裏返った声で叫んだ。

 これ以上どうしていいかわからない感情の奔流を、ただ相手にぶつけるしかなかった。

 

 あいつは一度だけ足を止め、肩越しにこちらを振り返った。

 その横顔には、ひどく穏やかで、けれどどこか寂しげな色の『微笑み』が浮かんでいた。

 

「きっとまた会うことになる」

 

 雨音のような静かなその一言だけを雑踏に残し、彼は人混みの中へと消えていった。

 私は桃香さんの腕の中で、ただ呆然と、その白い背中が見えなくなるまで立ち尽くしていた。

 

 喉まで出かかった罵倒も、問い詰めたい疑問の数々も、すべてが胃の奥にどろりと沈んでいく。

 

 何よりも許せなかったのは、去り際に彼が見せたあの顔だ。

 今の一瞬だけ。ほんの一瞬だけ、あの歪んだ口角の奥に、かつて私のことを見ていたあの遠い日の面影が重なった。

 

「……っ、意味、わかんない」

 

 視界がぐにゃりと歪む。

 頭の中の「憎むべき兄」という完成されたパズルが、たった一言でバラバラに崩れ落ちていく感覚。支えを失った私の膝は、まるで糸の切れた人形のように崩れ落ち、アスファルトの冷たさがジーンズ越しに伝わってきた。

 

「仁菜、大丈夫か?」

 

 頭上から降ってきた桃香さんの声は、驚くほど柔らかかった。いつもなら「シャキッとしろ」と背中を叩くはずの彼女が、今は壊れ物を扱うような手つきで私の肩に手を置いている。それが余計に、今の自分の無様さを強調しているようで。

 

「大丈夫に、見えますか……?」

 

「減らず口が叩けるなら、大丈夫だな」

 

「……全然、大丈夫じゃないです……」

 

 滲んだ視界の端で、都会の冷たい風が吹き抜けていく。

 あいつは何なんだ。何を企んでいる。謝るくせに、傲慢で。見下しているくせに、親切で。

あの日、実家の電話の向こう側で私を『愚かしい』と切り捨てた冷血な男と、今、「また会うことになる」と言った男。どちらが本当の井芹宗一郎なのか、今の私には判別がつかなかった。




それから数日。私は抜け殻のようになっていた。
練習にも身が入らず、バイト中もあいつの言葉が耳の奥でリフレインする。そんな私を見かねたのか、いつもの溜まり場に集まった時、ルパさんが静かに、けれど決定的な一言を放った。

「本心を知りたいのなら、部屋に忍び込むのが一番です」

「……は? 何言ってるんですか、ルパさん」

 私は耳を疑った。ティーカップを置く所作すら優雅な彼女の口から、およそ教育に悪い単語が飛び出したからだ。

「すごいこと言うな、この人……」

「ちょ、ルパ! さらっと不法侵入を推奨しないでよ!」

 すばるちゃんと智ちゃんが、呆れたような、あるいは戦慄したような声を上げる。けれど、ルパさんはどこ吹く風で、微笑みを崩さないまま言葉を継いだ。

「自室は、その人の最も純粋なプライベート空間です。外では完璧を装う人でも、そこには隠し事も、嘘も、取り繕いも存在しません。そこにこそ、仁菜さんの探している『答え』があるはずですよ」

「答え……」

 私はその言葉を反芻した。
あいつが東京でどんな生活を送り、どんな思いで私のライブに来たのか。私たちの演奏を評価するとき、どんな顔をしていたのか。

「……あんな奴、どうでもいい。そう思ってた。でも……」

 でも、わからないままなのは、もっと嫌だ。
 もしあいつが、今も私を馬鹿にするためにあんな「いい人」を演じているのだとしたら、私はその化けの皮を剥ぎ取ってやりたい。逆に、もしあいつが――。

「……行く。私、あいつの部屋に行く」

「えぇっ!? 本気なのニーナ!?」

「本当にバカ。こうなったら猪突猛進なんだから……」

 智ちゃんが頭を抱える。桃香さんは黙ってギターの弦を弾いていたが、やがて不敵な笑みを浮かべて私を見た。

「いいんじゃないか。白黒ハッキリつけねえと、歌の強度が弱くなる。ちゃんと決着つけなきゃな」

 井芹宗一郎の本心。
 それを見つけ出すための『不法侵入』という名の宣戦布告。
 私はお姉ちゃんに事情を説明し、住所を教えてもらい実家から帰るときにもらった合鍵を手でいじる。「何かわかったら教えてね」と、お姉ちゃんは心配そうな声で言っていた。
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