冥王 レイリー先生。シャーレに立つ!!   作:なにやってんだおまえぇ!

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皆様いつも誤字報告お気に入り登録、評価、感想ありがとうございます。結構誤字が目立ってしまうのでこれからもお世話になってしまうと思います……

それでも今回の話も楽しんでいただけると幸いです。


第十二話 ん、銀行を襲う ドン!!

 

 

─────ブラックマーケット─────

 

 非合法とは思えない程に大規模に形成された市場、堂々とそこを歩く人々、何も知らない人が見たら大きな商店街の一つだと思うことだろう。しかし、その実態は理性があるだけの無法地帯。既に生産中止、または製造を違法とされた火器類が堂々と売られている始末だ。

 

「ここがブラックマーケット……」

 

「わあ、ずいぶんと賑わっていますね?」

 

「連邦生徒会の管轄外のエリア……こんなに大きいだなんて」

 

「店を出すのに許可とかの面倒な手続きが要らないらしいからな。店の数が増えやすい分規模が広がる速度も速いのだろうな」

 

「レイリー先生、行ったことあるとは言ってたけど詳し過ぎるでしょ……」

 

 何故このジジイはここまで詳しいのか。そりゃあ勿論、彼はアビドスに出張するよりも前は結構な頻度でここを訪れていたからである。キヴォトスは学園都市という都合上、酒類はネット通販、またはブラックマーケットくらいでしか販売されていない。さらにここには賭け金に制限が無いギャンブル場が少なからずある。故に彼の大好物であるハイリスクギャンブルが楽しめる貴重な場の内の一つとなってしまっている。ギャンブルというのはその性質上相手とよく言葉を交わす。その際にブラックマーケットについての知識を得ていたのだ。 ちなみにこれは余談だが、このジジイは既に負け過ぎて何度か身ぐるみを剥がされ済みである。*1

 

「こ、こんな賑やかな場所の道の真ん中を私なんかが歩いていいのでしょうか……」

 

「胸を張りなさいハルカ。こうした無法地帯を堂々と歩いてこそ私たち便利屋68よ」

 

 紅いコートをマントのようにたなびかせながらハルカを元気付ける。……まあ、肝心の彼女は堂々と、というよりワクワクしているという状態の方が当てはまるような内心であるのだが……。

 

「社長、ピクニックじゃないんだよ」

 

『カヨコさんの言う通りです。皆さん、気を引き締めて下さい! いつどんな事が起こるかわからないんですから!』

 

「まあまあメガネっ娘ちゃん、せっかくこんな大人数で来たんだからもう少し楽しんでもいいんじゃない?」

 

『メガネっ娘ちゃんって私のことですか!? 私の名前は奥空アヤネです! ちゃんと名前で呼んで下さい!』

 

「ありゃりゃ、怒っちゃった。こわーい」

 

 からかいのターゲットにされてしまったアヤネ。真面目さ故に馬鹿正直にツッコミを入れてしまうその姿勢はムツキにとって格好のイタズラ相手と言えるだろう。

 

 そんな和気藹々とした空間が広がっている中で、レイリーは見聞色の覇気で大人数がこちらへ向かってきていることを察知した。

 

「メガネっ娘ちゃんにムツキ。どうやら漫才を繰り広げている場合ではなくなりそうだ」

 

『レイリー先生まで……!! それと漫才じゃありませんっ!』

 

「先生、メガネっ娘のアヤネを怒らせると拗ねてオペレートを放棄しちゃうから、ほどほどにして」

 

 悪ノリしつつ、シロコはレイリーが視線を向けている建物と建物の間の通路を見つめる。あまり広くない通路であるからか光が乏しく、奥が暗くなっていて見えない。しかし、叫び声? のようなマヌケな大声と共に人2人分の人影が徐々に形を成していくのが見えてくる。

 

 

「うわあああ! まずいですまずいです! つ、ついてこないで下さい〜!!!!」

「ちくしょー! こいつら何人いるんだよキリがねーぞ!!」

 

 やがて見えてきたのは大量の不良に追われている少女と少年。少女の方は制服と羽根からトリニティ生徒と分かるが、少年の方は制服というよりはTシャツ一枚といった様子でありどこの所属か判別ができなかった。

 しかし、他とは大きく異なる特徴があった。人間の体をした、ロボでも獣人でもない男であるという点。そして誰からもはっきりと認識できる麦わら帽子ような形をしたヘイローがあることがその異質さを表していた。

 

 そして、その少年の姿を見たアルとレイリーは目を丸くする。

 

「ルフィ!? あなたなんでこんな所にいるの!?」

 

(やはり彼がそうか……!)

 

「ん? あー! アルじゃねぇか! おーい!」

 

「ぎゃー! まずその後ろの集団なんとかしてー!!」

 

 手を振りながらアルの方へ走ってくるルフィの後ろには数え切れないほどの不良集団がいた。全員、彼を追っている様子だ。

 

「しつけぇんだよ! ゴムゴムの……! 

 

 体を半回転させて蹴りの体勢に入るが、彼の隣を並走する少女。阿慈谷ヒフミに待ったをかけられる

 

「だ、だめですルフィさん! これ以上暴れたらマーケットガードが来ちゃいます! そしたら大事になってナギサ様や皆さんにご迷惑をかけてしまいます!」

 

「ナギサ……ってことはミカにもか! じゃあダメだな……ちくしょー! 逃げるしかねェのかー!」

 

 

 

 

 

\\\\\\l l l l l l l //////

        ギンッ!!       

//////l l l l l l l\\\\\\

 

 

 

「これなら、騒ぎを起こすこともない」

 

 2人を追いかけていた不良集団が一斉に気絶して地面に倒れ伏す。

 

「え、えぇっ!? 追っ手が全員いきなり倒れちゃいました……」

 

「今のは……覇王色……?」

 

「ほう、知っているのか?」

 

「うん、でも使える奴見るのはおれ以外にはおっさんが初めてだ。あとおれは使うと無関係のやつまで巻き込んじまう」

 

(不完全とはいえ、もう使えるステージまで来ているのか……!)

 

「習得しているだけ大したものだ。アルたちから少し君の話は聞いている。君の頭の上に浮かぶその紋章は、精悍な男に良く似合う。会いたかったぞ、モンキー・D・ルフィ!!

 

「ええっと、ルフィさんのお知り合いですか?」

 

「いやおれ知らねぇぞ、おっさん誰だ?」

 

「ああすまない、申し遅れた。私はシルバーズ・レイリー、シャーレの顧問をやらせてもらっている者だ。よろしくな」

 

「そっか、よろしくな! レイリーのおっさん!」

 

(例え生徒になっても君は先生とは呼ばんのだな……フフ、懐かしいな)

 

 シャボンディで出会った頃はおっさんと呼び、ルスカイナ島で修行していた頃はレイリー呼びとまず先生という単語で呼ばれることはなかった。どうやら15歳で学生という立場になっている彼であっても人の呼び方は変わっていないようだ。

 

「あの、助けていただき本当にありがとうございました! 私はトリニティ総合学園2年生の阿慈谷ヒフミです! こちらのルフィさん私と同じトリニティの生徒さんで、一年生です。制服が違うのは、実はルフィさんは転入生でして、まだ制服をもらってないんです」

 

「制服着ればおれも羽根生えるのかなぁ」

 

「さ、さすがにそれはあり得ないと思います……。皆さんに助けていただかなかったら大変なことになっちゃうところでした。改めて本当にありがとうございます」

 

「あいつらぶっ飛ばしてもぶっ飛ばしても来るからよ、だから助かった! ありがとう!」

 

「なに、礼には及ばん」

 

 

「しっかしヒフミちゃんにルフィくん、トリニティの生徒さんがなんでわざわざこんな危ない場所に来たの?」

 

「あはは……それはですね……実は探し物がありまして……もう販売されていないので本来は買う事ができない物なのですが、このブラックマーケットでは密かに取引されているらしくて……」

 

「戦車?」

 

「違法な火器とか?」

 

「化学兵器とかですか?」

 

「お前ら物騒だな」

「あなたたち物騒ね!?」

 

 場所が場所とはいえ、ノータイムでこの3択を出すことができるシロコ、ホシノ、ノノミは何かあった未来では最悪の世代にでもなっていたかもしれない……これには普段ボケがちのルフィも思わずツッコミに回る。

 

「そ、そんな物騒なものではないです……えっとですね、ペロロ様の限定グッズなんです」

 

 ヒフミは自身の背負っていたバッグを下ろして中からぬいぐるみを取り出す。その容姿は彼女が背負っていたバッグと同じ顔をしており

 ⎛ಲළ൭⎞←こんな感じのトチ狂ったような表情でまさしく珍獣と呼ぶのが良く似合うぬいぐるみであった。

 

(((珍獣だ……)))

 シロコ、ムツキ、カヨコの3人の思考が一致する。

 

(こんな顔をした海王類を見かけた事があるような気がするぞ……)

 レイリーに至っては海にいる怪物扱いしている始末だ。

 

「これのアイス屋さんとコラボした際のバージョンを探しているんです。限定生産でして、100体しか作られていないグッズなんですよ」

 

「だっはっはっはっ! やっぱいつ見ても思い切った顔した鳥だなぁー!」

 

 散々な言われようの可哀想なペロロであるが、そんな中ノノミだけはヒフミ側の人間だった。

 

「わあ⭐︎モモフレンズですね! 私も大好きです! ペロロちゃん可愛いですよねぇ! 私はミスター・ニコライが好きなんです」

 

「わかります! ニコライさんのあの哲学的な所がかっこよくて! 最近出たニコライさんの本『善悪の彼方』も初版で買いました!」

 

「……ねえカヨコ、何の話か分かる?」

 

「いや、私こういう系には疎いから……」

 

「有名なキャラクターだったりするのかな? あの感じだと」

 

「そういえばペロロって食ったらうめェのかなぁ」

 

「た、食べ物なのでしょうか……?」

 

「いやぁ、おじさんは最近の若い子にはついていけんよぉ」

 

「歳の差一年くらいしかないでしょ、そもそも歳とかそういう関係じゃないでしょこういうのって」

 

「私に関しては、多分歳の影響だろうがな」

 

 ヒフミとノノミ以外のメンバーは完全に蚊帳の外状態であり、2人の微笑ましい談義が終わるまでただじっと見つめていた。

 

 大体10分くらい経過したくらいだろうか、モモフレンズ談義は一区切りついたらしい。

 

「あはは……失礼しました。そういえば、皆さんはどうしてここに?」

 

「ヒフミちゃんと同じ感じだよー。私たちも探し物してるんだー」

 

「ええそうよ、私たち戦車を探しているの」

 

「社長……包み隠さずに言ったね」

 

 企業秘密はどこへやら、思いっきり情報を漏らす。寝不足とルフィがいて気が緩んでいるのが原因と見ていいだろう。そもそも依頼ではなく同盟なので、企業秘密は適応外かもしれない。

 

「せんしゃ?? お前ら金ねぇって言ってただろ。買えるのか?」

 

「買うわけじゃないよっ、この子たちの探し物なの」

 

 ムツキはアビドス生徒達に視線を向ける。

 

「お前らやっぱ物騒だな〜、ハハハ。でもここで戦車探すのおもしろそうだ! よしヒフミ! おれ達もついていくぞ!!」

 

「ええっ!?」

 

「おもしれぇ場所は大人数で探検したらもっとおもしれぇからな! 心配すんなって、アル達は悪ぃ奴らじゃねェし、あびどす? も悪い奴らじゃなさそうだ」

 

「あうぅ……え、えっとお世話になります……」

 

「ハハハ、どんどん賑やかになっていくな!」

 

「大人数でピクニックみたいです⭐︎」

 

「……言っとくけど、私たちも使う目的で戦車探してる訳じゃないからね?」

 

「いや、もし見つけれたら購入して使うのもあり、これで敵を一網打尽にする」

 

『シロコ先輩!? 違法品であることを忘れないで下さい!?』

 

 

 

 


 

 

 

「お困りのようですね。カイザー理事」

 

「……便利屋68が依頼継続を断念した、私としたことが評価を誤っていたようだ。プロでもなんでもない、ただの甘っちょろい仲良し集団のガキどもだったみたいだな」

 

 ため息を吐きながらカイザー理事はより深く椅子に座り込む。そしてしばらくの間資料と思わしき書類に視線を置いた後、書類を机の上に用済みのものを捨てるように置いた。

 

「データによる計算ではアビドスに勝機は無かった筈だが、どうやらその肝心のデータが大きく間違っていたらしい。どういうつもりだ? 黒服」

 

 横目で自身の隣に立つ黒服を睨むカイザー理事、しかし黒服は特にそれに対して何か感情を込めることはなく、ただ冷静にレスポンスを返す。

 

「……データに不備はありません」

 

「なんだと?」

 

「これは単に、アビドスの生徒がさらに強くなった。と解釈すべきかと」

 

「もう一つ解釈がある筈だ。アビドス側に強力な戦力が付いた。あのシャーレのジジイだ。まさか知らないとでも言うつもりじゃないだろうな?」

 

「ああ、レイリー先生ですか。ええ存じておりますとも、確かにあの方も大きな要因と言えるでしょう」

 

「この資料にあの老いぼれのデータは無かったが……貴様は奴をどこまで知っている?」

 

「ハッキリと申し上げますと未知数としか言いようがありません。思想、限界、能力の詳細全てが分かっていません。そもそも神秘が無いのにも関わらずあの戦闘能力はイレギュラー中のイレギュラー。解析には時間を要しますので、データの提供は難しいかと」

 

「トリニティのモンキー・D・ルフィさんと共通した力を使う……神秘から逸脱した力。暁のホルスと同等、いやそれ以上に興味深い……」

 

「何か言ったか?」

 

「いえ、こちらの話です。お気になさらず」

 

 

 

 


 

 

 

 

 全員で戦車の情報を求めて三千里……と言うほどでは無いが、ブラックマーケットの散策を続けて既に数時間が経過していた。しかし、大人数であっちこっちの店舗を回っているのにも関わらず目的の戦車は影も形も見えない。

 

「なあー戦車どこにあるんだ? もうずっと歩いてるぞ」

 

「おじさんの腰と膝はもうとっくに悲鳴をあげてるよー」

 

「えっ、ホシノさんはおいくつなのですか?」

 

「ほぼ同年代っ!」

 

「しっかし、こんなに見つからないものなのかな? 戦車って大きいしパーツくらいはそろそろ見つけたいんだけど」

 

「よっぽど細かく分解されてるって事だろうね。それこそ、ここで販売されてることを隠すかのように」

 

「し、しかしいくらここを牛耳っている企業でもここまで徹底的に隠すことは不可能なはず……それに、ここにいる企業たちはある意味開き直っていますので、本来はあまり隠蔽とかはしない筈なんです。ほら、あそこに見えるビルがあるでしょう? あれがブラックマーケットに名を馳せる闇銀行です」

 

 ヒフミの指差す方向には10階建てはあるくらいの大きさで、真っ黒な資材とガラスで構成された大きなビルが建っていた。

 

「闇銀行?」

 

「ブラックマーケットで最も大きな銀行の一つです。聞いた話だと、キヴォトスで行われる犯罪の15%の盗品や盗まれた資金があそこに流されているそうです……さらにその犯罪行為で流された資金が融資や武器や兵器に変えられてまた他の犯罪への援助となる。そんな悪循環が続いてしまっているのです……」

 

「じゃあ悪い銀行なのか」

 

「銀行というより、そもそもここ自体が碌な場所じゃないからな」

 

 その碌な場所じゃない所のギャンブル場でお世話になっているお前が言うな。もしアロナが厳しい性格だったらそんな風に言われていたであろう。

 

「いずれにしても、流石に何時間も歩いてると疲れるわね……ちょっと休憩しない?」

 

 数時間も歩いてまともな成果がないこと、さらに隠蔽されていることを知った状態で無理に探し続けようとしたら気が滅入ってしまう。そのため適当な位置に座って休憩を取ることにした。

 

「ん? なんかうまそうな匂いがする!」

 

「本当ですね、何やら甘い匂いしますね?」

 

 匂いを辿っていくと一軒のたい焼き屋さんが営業していた。

 

「ちょうどいいです⭐︎! 休憩ついでに糖分補給としましょう。私がご馳走します! 先生は今待ち合わせが少ないでしょうし」

 

「すまん、本当に無い」

 

「いいんですレイリー先生、私がみんなと一緒に食べたいから買うんです⭐︎全員あんこ入りでいいですか?」

 

「買ってくれるのか! お前いい奴だなー! ありがとう!」

 

「ありがとねゆるふわちゃん、ここは厚意に甘えちゃおうかなっ」

 

 

 たい焼き屋で紙袋いっぱいに入ったたい焼きを購入。そのまま休憩に移行するのだった。

 

 

「いっただっきまーす! あーうまかった。ごちそうさまでした!」

 

「……毎回思うんだけど、ルフィの食べる速度は手品か何かなの?」

 

 食べた、というより消えたと言った方が正しいくらいの速度でルフィの手にあったたい焼きが消滅した。おそらく彼はその気になればたい焼き屋の材料分全てを食い尽くすことも可能だろう。

 

「あはは……私まで申し訳ないです」

 

「ここまで付き合って下さっているんですから当然ですよ〜」

 

「この借りはいつか必ず返すからね! 待っててちょうだい!」

 

「アル様……素敵です、かっこいいです……!」

 

「いや、たい焼きの分の借りってどのくらいで返せるものなの……?」

 

「それにセリフがなんか敗走した悪党みたいなセリフになっちゃってるねー」

 

「う、うるさいわね! 借りを作らない。それが便利屋68のモットーよ!」

 

「また新しいモットーが増えた……」

 

 

「アヤネちゃんには戻ったらちゃんとご馳走しますね。私たちだけでごめんなさい……」

 

『あはは、大丈夫ですよノノミ先輩。私はここでお菓子とかつまんでいますし…………ってこの反応は……皆さん! 休憩中のところ申し訳ないですがそちらに武装した集団が接近中!』

「! おっさん!!」

「ああ、私も感知した。すまないねアヤネ君、助かった」

『お気になさらず! ここは身を隠すのが最善かと……』

 

 全員で建物の影に身を隠す。しばらくして見えてきた武装集団は車の護衛をしている様子だった。しかし、問題なのはその護衛されている車だ。カイザーのマークが車台側面に貼り付けられていた。

 

「あれは……マーケットガードです! ここブラックマーケットでの最上位の治安維持組織です!」

 

「ご、ゴツい武装ロボ……!?」

 

「ルフィ……目をキラキラさせていいほど穏やかな存在じゃなさそうだよ」

 

「あの車……カイザーローンだよね? 一体何をしにここまで……」

 

「か、カイザーローンですか!?」

 

「ヒフミちゃん、何か知ってるの?」

 

「はい、カイザーローンはかの有名な巨大企業グループ。カイザーグループが運営する企業です。カイザーグループは合法と違法の隙間のグレーゾーンで上手く振る舞っている多角化企業で、既に私たちのトリニティ区域にもかなり進出していて、悪影響を考慮し、ティーパーティでも目を光らせています」

 

『多角化企業……それならカイザーが戦車等の武力保有していることも、ブラックマーケットをもう統制できるほどの影響力も説明もできますね』

 

「皆んな見て! 車の中から職員が出てきたわ!」

 

「闇銀行の職員と話している様子ですね?」

 

「ルフィ、回収は頼んだよ。バレないようにね」

 

「おう、任せろ」

 

 カヨコは小型の機械をカイザーの職員の側に投げ込む。

 

「カヨコ、今何を投げたの?」

 

「盗聴機。この無線機と繋がってるから、これであいつらの会話を聞き取れる」

 

(機械での盗聴……! なんだか突然アウトローっぽくなってきたわ!)

 

 ──

 ────

 ──────

 ────────

 

『集金を預けに来た……訳ではないようですね』

 

『はい、先に契約の変更をお願いしたく。集金を開始するのはそれからです』

 

『変更?』

 

『はい、アビドス高校から集金した資金の提供先をヘルメット団からカイザーPMCへと変更して頂きたいのです。こちらが契約書です』

 

 カイザーの職員から渡された契約書に銀行職員は一通り目を通す。

 

『了解しました。では、従来の集金確認書類は全て処分した方がよろしいでしょうか?』

 

『はい、なるべく早くお願いします。万が一がありますので』

 

 ──

 ────

 ──────

 ────────

 

 盗聴器から聞こえてきた会話は以上だった。

 

「ゴムゴムの 〝JET(ジェット)キャッチ〟」

 

 目にも止まらぬ速さで腕を伸ばして盗聴機を回収する。

 

「……そういえば、あんたたち言ってたわね。ゴムみたいな子だって。ってそんなこと今はどうでもよくて!! 何よ今の会話!? あれって私たちが一生懸命返済してたお金がヘルメット団に流れてたってこと!? ふざけないで!!!」

 

『落ち着いてセリカちゃん! ……いつもより回収に来るのが遅いと思っていたけど、これが理由だったんだ……』

 

「まさかここまで腐りきっているとはな」

 

「カヨコ、録音はしてあるかしら?」

 

「うん、これは大きな証拠になる。……けど、もう一押し欲しい」

 

「書類だとかなんだとか、まだ処分されてねェんだろ。じゃあそれぶん奪っちまえば証拠ってのになるだろ……!」

 

「る、ルフィさん? ま、まさか……!?」

 

「おれはムカついてんだよヒフミ……! たい焼きくれた奴らがこんな目に遭ってるのに納得できねェ……!!!」

 

「ちょうどいい、残金がすっからかんだったんだ。補充するか。犯罪資金に使われるなど勿体無いしな、私がもっと有意義に使ってやるとしよう」

 

「ん、残された道は一つしかない」

 

「レイリー先生? シロコ先輩? もしかして()()なの!?」

 

「ん、当然………………」

 

 

 

「銀行を襲う」

「銀行をぶっ飛ばす!!!!」

 

ドンッ! 

 

 

 

 

 

 

*1
発覚した場合のユウカの胃痛は計り知れない……可哀想なユウカ……!! 





ルフィ補修授業部行き確定演出。 え?ミサキはどこへ行ったのかだって?トリニティにいますよ。きっと多分おそらく……

バカやってるアホなルフィも大好きですがクレバーなルフィも大好きなんです。

今回も閲覧いただきありがとうございました。次回もお楽しみにして下さると幸いです。皆様の感想、考察お待ちしております
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