第0話 プロローグ
「わぁぁ、見てあなた! 芽華が“個性”を使ってるわ!」
「本当だ、今日はお祝いだな!」
私の名前は
現在、両親に盛大に祝福されている3歳児。
ちなみに私は、いわゆる転生者という奴らしい。
前世の私は、オタサーに所属する女子大生だった。
猛暑が続く真夏のある日、熱中症で意識を失い、そのまま生涯を終えた。
気がつくと私は、何も無い白い空間に迷い込んでいた。
私はそこで、子供か大人か、男か女かもわからない謎の存在から、説明を受けた。
若くして死んだ私は、賽の河原へ送られるはずだったけど、次に転生する世界で善行を積んで天寿を全うすれば、地獄行きを無かった事にしてくれるという話だった。
私が新たな転生先として選んだのは、『僕のヒーローアカデミア』、通称『ヒロアカ』の世界だった。
何を隠そう私は前世では、ヒロアカのキャラクター、轟焦凍くんの夢女子だったのだ。
チート“個性”で無双して、推しと恋愛できるなんて最高すぎでしょ。
「ああ、言い忘れていたが、この世界にはもう既に───
神様が何かを言っていたけど、この時の私は、その発言を大して気に留めていなかった。
神様からの説明が終わった後、視界が急に明るくなり、私の意識はそこで途絶えた。
そして今世の私は、おおよそ人が欲しがるものを全て持って生まれた。
トップヒーローで、高身長、高学歴、高収入の3高が揃った父親。
資産家の令嬢で、美人で心優しい母親。
絶世と言っても過言ではない容姿。
あらゆる分野で天才と称される、卓越した才能。
幼少期から様々な分野で活躍して手に入れた名声。
そして、強力かつ万能な“個性”。
運良く今世の私は、主人公達と同い年に生まれたから、雄英に行けば推しに会える。
轟くんや爆豪くんの会話に、一回混ざってみたかったんだよね。
今回の人生、超バラ色じゃん。
なんて思っていた時期が、私にもありました。
「本日限りをもって、お前を除籍処分とする」
「酷い…あんたがそんなことする奴だと思わなかった…!!」
「最低……」
「お前…自分が何をしたかわかってるのか?」
「お前が死ねばよかったのに」
気がつくと私は、恩師から除籍を宣告され、今まで一緒に切磋琢磨してきたクラスメイトからゴミを見るような目を向けられていた。
男子は失望と困惑が入り混じったような表情を浮かべ、女子は泣き崩れながら私を責めた。
私の好きな彼に至っては怒りに満ちた表情で私を睨みつけ、彼の近くにいるクラスメイトの女子からは暴言を浴びせられた。
こんなはずじゃなかったのに。
どうして、こんな事になったんだろう。
どこで判断を間違えたんだろう。
これは、ヒロアカ世界に転生した私が、破滅の人生を歩むまでの物語。