「幻想入りチートオリ主を殺すだけの話」の世界
私は今日もいつものようにチートオリ主を殺した後管理空間へ帰った。
今回もよくいるチートオリ主だったので難なく倒せたが疲れた
思えばこの仕事を続けてから何年もたった
今まで様々なチートオリ主を殺したものだ
我ながら惚れ惚れする
奴に紅茶を入れてもらうとするか
と思いながら奴を探すも見かけない。
変だ
いつも奴は私が帰ったらすぐ来る筈なんだが…
奴を探しているうちに私は異臭に気付いた
この臭いは…まさか
いやな予感がした私は異臭のする方向へ駆け出した。
するとそこには足をもがれ、体をバラバラにされて体液をまき散らして無残な姿を晒した奴の変わり果てた姿を見つけた
私は驚愕した
この空間には奴と私しか来れない筈だ…勿論私は殺してなどいない。
何故だ?誰がこんなことを…
すると後方から老人のようなしわがれた声が聞こえた
「君がこの世界のチートオリ主か」
その声に気付いた私は咄嗟に振り返った
するとそこには真っ黒なもやがあった。
私は心を落ち着かせながらそのもやに問いた
「今私に話しかけたのはお前か!?何故ここにいるんだ!?」
もやは蠢きながら答えた
「そうだ 君がこの世界のチートオリ主だな?悪いが君には死んで貰うよ。
あの世で相棒と仲良くするんだな」
私は自身をチートオリ主と言われたことに激昂し言い返した
「私がチートオリ主だと!?ふざけるな!私はあのようなクズ共とは違う!私は主人から管理を任された管理者だ!」
そう激昂する私に
もやは感情のない声で無慈悲に返した
「違う、
君は管理者などでは無いのだ。
主人などいない、君が脳内で作ったまやかしだ
君は自らが屑と蔑むチートオリ主を相手に無双し、
平行世界を壊す悪質なチートオリ主なのだ。
私は君のような者を殺す存在だ、更には他の者と同じような存在である蜘蛛男を贔屓するその態度、間違いなくチートオリ主だ。
大人しく死んで貰おう」
黒いもやはそうまくし立てた後
私はこのもやに既視感を感じた。
私自身だ
この高圧的な態度、そして気に入らないものを勝手に断罪する傲慢さ、そしてなにより「私」という一人称までもまるで私とそっくりそのままだ。
私はその事を考えながらある一つの疑問が生じたのでもやに問いかけた
「お前も管理者なのか?」
もやは少しの間沈黙してから答えた
「…ああ、そうだ
私は並行世界の管理空間を管理する管理者だ。
お前のようなチートオリ主相手に無双する歪んだ管理者…チートオリ主を殺す存在だ」
パズルのピースが埋まった
どうやらこのもやは私の一つ上の段階の同業者の様だ。
「…お喋りはおしまいだ
君には今まで無双したツケが回ったのだ。
大人しく運命を受け入れろ」
私は何もかも悟り、答えた
「ああ、受け入れよう」
すると奴は拍子抜けしたように答えた
「ほう、君は抵抗したり命乞いをしたりはしないのか
珍しいな、初めてだよ
君のようなチートオリ主は」
だが私はこう付け加えた
「死ぬ前にこれだけ言わせてくれ
君は私と同じく自らの無双が産んだツケが回り、死ぬ。
これは避けられないんだ」
「言いたいことはそれだけか?
じゃあ君には死んで貰うよ
短い間だったがあの世でも元気で居てくれ」
黒いもやは自らの体を蠢かせ、体を剣のような形にし
私を斬った
私は薄れゆく意識の中で思った
この流れは永遠に繰り返される。と
◇◇◇
チートオリ主を殺した私は再び管理空間に戻った。
今回のマネキンオリ主はやけに物分りが良い奴だったから余計なことをして疲れないで済み助かった
最期の言葉が気になるがまあどうでも良いだろう
私は眠りにつこうとベッドへ足を運んだ
すると何か柔らかい物にぶつかった…何だ?
上を見上げるとそこには巨大な黒い球体があった。
そして球体から声が発せらた
「君がこの世界のチートオリ主か、私は君のような並行管理世界管理者チートオリ主相手に無双する、君のような者を退治する存在だ。
悪いが君には死んで貰うよ」
なるほど
あのマネキンのような奴が言った意味がようやくわかった
私は永遠に続く地獄の一部分らしいな
そう思った私はーーー
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