通算UA30000越えヤッター!
でも評価してくれた方の人数が49人……! あと一人……! な、生殺し……!
親切な方、じ、慈悲を……!
――比名子が変質するほんの少し前。
東京第1結界にて起きた出来事について、しばしの間記させていただく。
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[泳者による死滅回游への総則追加が行われました! <総則>11、受肉した泳者は泳者情報の名前欄に(受肉)と表示される]
理解するための前置きも、受け止めるための猶予もなく、そのアナウンスはあまりにも唐突に告げられた。
「……伏黒?」
場に居合わせた虎杖悠仁が、表情の抜けた伏黒恵を心配して声をかける。
その横にいた二人も伏黒の顔をのぞき込んだりおどけたりしている、気がする。
だが、今の伏黒にはそれにかまっている余裕も、思考の余地も存在しない。
立っているはずなのに、足元の感覚が頼りない。地面との繋がりが曖昧で、今にも崩れ落ちてしまいそうな錯覚。
言い逃れも、聞き間違いも、都合のいい解釈も、
――たまたま、彼女の情報を表示していた時のアナウンスだった。
伏黒津美記。伏黒恵が死滅回游に参加する理由。
呪いとは関りの無い世界に生きていた彼女を死滅回游に、呪術に関わらせたくなかった。それが、伏黒が戦っている理由だった。
「どうして……俺は……」
津美記が、覚醒型の泳者だと、決めつけていたのだろうか。
受肉した術師は、器の脳から現代の知識を得る。
だから、器の記憶を読み取り、器本人として振舞うことも可能なはずなのに。
「……これって」
掠れた声が、伏黒の側から漏れる。
虎杖だ。表示されたコガネの情報に目をやった彼も、伏黒の異変の原因を察したのだ。
受肉されていた。
乗っ取られていた。
津美記はもう、いない。
虎杖の、伏黒の、乙骨の、真希の、パンダの、秤の献身が、全て意味のないものだった――それを理解して、心が折れてしまったのだと。
「――済まない。こんな状況で申し訳ないのだが」
と、重苦しく沈んだ部屋の空気を切り裂く場違いなほど冷えた声。
全員の意識と顔がその声の主に向く。虎杖の、伏黒の、髙羽の、来栖の――否、来栖だけは顔を向けることができず、視線だけをその者に遣る。
何故ならその存在は人ではない。来栖華の体に受肉しながら、乗っ取りではなく来栖との共生を選択した千年前の術師だからだ。
「これは、なんだ?」
来栖の受肉体である天使は、伏黒と同様先程まで閲覧していたコガネの情報について指摘――指は差せないので、言葉のみで――した。
虎杖達の目が、今度は来栖に憑いたコガネに向く。目が向き……その目が更なる驚愕に見開かれた。
――それが意味するところを見た瞬間に理解し、しかし理解してしまったがゆえに頭の回転が追い付いてこない、脳にバグが生じたような思考の空白。
そこに記載されていたのは、虎杖悠仁にとって何よりも致命的な情報。
そして、天使にとっては何よりも、それこそ手を組んだ相手の第一目標よりも、優先すべき重大事だ。
「虎杖悠仁、君は、受肉体だったのか?」
文節を区切り、一言一言を強調するように、力を込めて話される。
天使と行動を共にしていた期間は僅かであるが、その間の喋りは常に機械的で感情が希薄。だが今の言葉にはかすかな、しかしはっきりとした嫌悪感が滲み出ていた。
「先程も言ったが、私の目標は受肉した泳者の一掃だ。器の自我を殺し沈める彼らの存在は神の理に反する」
繰り返される天使の信念と信仰。それは責めるというよりも、既に結論が出終わった末の断罪の前段階としての響きを帯びている。
「羂索の手の者とは異なる、外部の術師を装い――君達は、私を騙していたな?」
逃げ場のない問いだった。
戒律とそれから来る憎悪は、天使の行動において絶対の基準だ。コガネの情報という動かぬ証拠が提示された以上、説得の余地はないと虎杖達も分かっていた。
「――待って、恵は関係ない!」
弾かれたように、天使と同じ場所から声が飛び出す。来栖だ。
冷や汗と焦燥をありありと顔に浮かべた少女は、考えるよりも先に勝手に叫んでいたらしい。思考をまとめるようにぶんぶんと首を振るい、数秒の間に絞り出した答えをコガネの情報欄に指差すという形で提示した。
「ほら見て、恵の名前欄! 受肉してるなんて書かれてない! い……虎杖はともかく恵までなんて!」
虎杖を切り捨て恵の助命を嘆願する、裏返った来栖の声。そこに痛切さが見えたのは、「恵の友達を見捨てる」という行為が来栖にとって受け入れ難いからか。
それでも何度もコガネを指差し、必死になって声を張る来栖。だが、
「ダメだ」
短く、それでいて重い否定が来栖の言葉を叩き落す。
「確かに彼も虎杖悠仁に騙されていた可能性はある。
殺すまではともかく、見逃す選択肢はあり得ない。そう断言して反論を圧し潰そうとする天使は正論だ。平時なら伏黒でも同じ考え方をする。
そも、もともと利害関係の一致のみで同行していた仲。関係性が希薄で、感情に訴えられるだけの関係性は築けていない。
誤解を解く術を、なにも持ち合わせていないのだ。
「違うって言ってるでしょ!!」
来栖の怒鳴り声が上がり、空気が軋む。
二心同体の錯雑する意思が表層に現れ口論を交わす、世にも奇妙な光景が繰り広げられている中で。
「――もういい」
ぽつりと落ちた伏黒の声が、その衝突すら遮断する。
感情の温度を感じさせない、ただ事実だけを置いていくような声音。
虎杖が「伏黒?」と狼狽した様子で振り向くと――見えたのは、両手を交差し親指を重ねる“鳥”の影絵。
「――『鵺』」
影が揺れる。
地面に広がる黒が波打つように膨れ上がり、その中から形を持って現れるは、雷を纏った怪鳥。
「来い」
短く命じる伏黒の声は硬い。その強制力に押されるように、虎杖は躊躇いながらもその背に飛び乗った。
次の瞬間、世界が引き剥がされるような感覚と共に、鵺が空へと飛び上がる。
「クソッ!」
「駄目!!」
追おうとする天使と止めようとする来栖、同じ体に宿る二つの意識は未だにぶつかり合い続け、まともに行動することすらままならない。
そしてその口論の声も、もはや意味を持たない距離へと遠ざかっていく。
風が耳を裂き、景色が流れ、何もかもが一瞬で置き去りにされる。
――その場に残された髙羽文彦は伸ばした手が何もつかめなかったことを理解するよりも早く、ただ空を見上げて固まっていた。
「……何も、できなかった」
笑いに変えることもできない現実が、胸の内側に重く沈む。
伏黒の、人の笑顔が死んでいく瞬間を目の前にして、何一つ為せなかった自分がどうしようもなく滑稽で、無様で、
「俺、芸人だろ……?」
自嘲が、地面に落ちた。
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――鵺が方向も定めぬまま空を駆け、やがて適当な場所へと降り立つ。
ようやく風の流れが止まり、静寂が戻ってくる。だがその静けさは安堵ではなく、むしろ何かが致命的に欠けた居心地の悪さに満ちていた。
「……伏黒、」
これからどうしようか。虎杖が伏黒に相談しようとした口が、閉じる。
――苦悩。
その言葉を体現したかのような横顔を目にして、伏黒を気遣ってしまったから。
(……俺の中の、宿儺)
史上最悪の呪いの王。残酷、残虐、非道、己の快不快のみが生きる指針の災いの権化。
この存在を身に宿し、この存在によってこれまでどれほどの惨事が巻き起こされてきたか。
――――宿儺を、俺ごと天使に消してもらえるなら。
虎杖は、あの時の天使の怒りをそのまま受け入れたって構わなかった。
だが、
(……それどころじゃねぇ)
この状態の伏黒を放っておくなどあり得ない。
津美記が肉体を乗っ取られた今、虎杖の中で何を優先するか、その順番が組み変わっていく。
「――オマエの中の、宿儺」
前髪をぐしゃりと掴み、悶え苦しむように思い悩む伏黒。彼がふと、眉間に力が入りすぎて普段以上に鋭くなった視線を虎杖に向ける。
「来栖の中にいる天使もそうだ。それぞれ理由は違うが……アイツらは器の意識を沈めず、共生状態にあるよな」
淡々とした言い方。だが、彼の内心は明らかに平常ではないことは、ここまでの様子で分かり切っている。
「もし、もしだ。津美記も、同じ状態だったとすれば……」
「……いや」
――それは、無理筋ではないか。
だって、そうだろう。宿儺が虎杖を乗っ取れないのは虎杖が器として強靭すぎるからだし、天使の場合は自身の信念と戒律が完全な受肉を許さなかったがゆえだ。
どちらも極めて特殊なケースで、3例目が存在するとは考えられない。そも、自身がそういう状態にあるのだとすれば、津美記あるいは受肉した術師のほうから伏黒に打ち明けているはずだろう。
頭の鈍い虎杖であってもいくらでも反論が思いつく。であるのに、術師の中でも頭の切れる方である伏黒がそれに気づかないはずが――、
「……頼む、虎杖」
伏黒が手をかざし、それ以上の言葉を制止する。
「……そういうことに、しておいてくれ」
その言葉の意味、それに込められた思い、虎杖はどちらも聞いた瞬間に察する。
理屈ではない。伏黒の説に無理があるのは、伏黒本人が最もよくわかっている。
伏黒が今、求めているのは、
(――折れないための、線か)
天使という特大の危機が差し迫っている。にもかかわらず津美記のことで頭を満たしてしまえば、虎杖達はまず天使に殺される。
今、折れるわけにはいかない。冷静さを失うわけにはいかない――折れるのは、津美記と対面してからでいい。
今必要なのは現実ではなく、極細でも繋がった希望。それを、虎杖は否定できなかった。
――その時、不意に近くで人の気配。
剣呑な様子の男女の言葉。二人は同時に息を潜め、物陰からそっと様子を窺う。
そこには泳者と思われる奇抜な服装をした男と、制服姿の女子高生らしき少女が向かい合っていた。
「――あんたも泳者か? そんなに
その男が言い終えるよりも早く響く、肉の裂ける音。
それは、男の右腕が吹き飛んだ音だ。彼は理解の追い付かない表情で、転がった腕と血飛沫を撒き散らす腕の残り部分とを交互に見ている。
――少女の右腕は、人のそれではなくなっていた。
鱗に覆われ、鋭い爪をもつ異形。それを男の胸に突き立て、まるでゴミでも見るような冷たい目でとどめを刺す。
その右腕の形態。伏黒には心当たりがあった。高専の座学で学んだこと、そして薨星宮で天元と話した内容と照らし合わせ、
「……人魚だ」
伏黒の言葉に、虎杖の目が見開かれる。その単語に聞き覚えがあったからだ。
天元の言っていたこと。この死滅回游に放り込まれた
「――そこのソレは、聞く耳を持ちませんでしたが」
俯いていた人魚、その口からぽつりと言葉が漏れた。
直感する。目線は斃れた男の骸に向いていても、言葉は明らかに虎杖達に向けられていると。
あの女は正確に、虎杖達が隠れている位置を捉えている。
「――私は、比名子を救わなければなりません。協力してくれませんか」
視線がこちらに向けられる。およそ人に頼み事をしているとは思えない、感情の起伏を感じさせない声。
だが虎杖と伏黒が真に警戒の段階を上げたのは視線でも、声音でもなく、
「やっぱり、八百歳の関係者か」
高価値目標、八百歳比名子。
泳者は基本5点か1点の死滅回游において100点を付与された特別な泳者。
そんな最悪の設定をされておきながら、広島結界内にておそらく2週間の間生き残った人間。
この人魚と、軽々しく敵対すべきではない。下手をすれば八百歳の怒りを買う。喫緊に迫る危機に加え深刻な戦力不足、敵に回すには今は足りない。
「出るぞ」
隠れていても無駄だと判断し、二人は姿を現す。
――改めて見る、人魚の容姿。
背は少し高めで、人混みに紛れれば埋もれるか埋もれないかといった程度。整った顔立ちはどこか作り物めいていて、均衡のとれた無駄のなさ。体つきは細く、余計なものをそぎ落としたようなしなやかさ。艶を帯びた黒い長髪は夜を編み上げたかのように背を流れ、わずかな動きにも光を拾い静かに揺れている。
美しいという言葉に最短距離でたどり着くような、紛うことなき美少女。
だが、虎杖と伏黒が最も目についたのは美貌ではない。
一つには勿論、それらの美しいところを台無しにする、鱗に覆われた醜い右腕。
もう一つは――、
(……なんだ? やつれてる……?)
頬がわずかに削げ、瞳は光を無くし、血の気の乏しい肌は紙のような薄さを思わせる。生きてはいるはずなのに、輪郭が現実から半歩ずれているような頼りなさ。
天元から聞いた話では、人魚の肉は喰らえば不老不死となり、血の一滴を含むだけでも生涯の健康を確約するのだという。
それを齎すはずの人魚が、果たしてこんな状態になるものだろうか――虎杖の中に疑念の種が芽生える。
「……オマエと八百歳比名子は、どういう関係だ」
伏黒の問いに、人魚は即座に返答する。
「比名子は私の全てです」
その言葉に二人が気圧される。
光を失った瞳の奥に、狂おしいまでの激情が燃え盛っていた。
「一秒でも長く、この世に存在してほしい子です。誰より大切で、何より優先されるべき存在で、何に代えても守らねばならない子で、笑っていてほしい子で、壊れてほしくない子で、消えてほしくない子で――」
続く言葉は、溢れるように。
「私を受け入れてくれた人です。私を唯一、内側に入れてくれた人です。内側から見る景色の眩しさを教えてくれた人です。だから失いたくない。怖い。怖いんです。いなくなるのが、いなくなってしまうのが、想像するだけでおかしくなってしまいそうで――」
見る間に息が荒くなっていく。
「どうして私はこんなところにいるんでしょう。どうして私は比名子の側にいないのでしょう。比名子は傷ついてないでしょうか。酷い目に遭っていないでしょうか。ひとりでいないでしょうか。比名子、比名子、比名子……」
最後は、殆どうわ言だった。
妖怪は呪霊の亜種。人間の姿なら呪詛師、人間以外の姿なら呪霊と同じ。天元はそう言っていたけれど、この様子を見て、虎杖には彼女が呪霊と似たような存在だと思えなかった。
「……八百歳比名子って、あの八百歳比名子だよな」
虎杖が、伏黒に質問する。特に意図も何もない、純粋な疑問。
息つく間もない目まぐるしい状況の変遷を得て、虎杖もまた精神的に疲弊していたのもあるだろう。
はっきり言って、迂闊な発言だ。
「280点獲得者の……多分、泳者の中で一番強い――」
「そんなことはあり得ません!!!」
――その反応は劇的だった。
「あり得ない、あり得ない、あり得ないんですそんなこと。あの子は私が守らなくちゃいけないんです。私が守ると決めて、どんな犠牲を払っても守らなきゃいけなくて。なのに一番強いということは、あの子が私より強いという意味じゃないですか」
「その点数は誰か、そう、誰かから分けてもらったものに決まってるんです。そうじゃなかったら、そうじゃなかったら――」
「――あの子を私が喰べてあげるって、その約束すら果たせなくなるじゃないですか」
抱えた頭を振り乱し、美しい髪をぼさぼさにする人魚の言葉は血を吐くようだ。
――喰べる約束。確かにそう言った。
そんな約束、まともな人間が交わすはずもない。倫理も理解も人間のそれから外れた、まさしく人外の契約だ。
「妖怪≒呪霊」、そう言われる根拠を目の当たりにし、苦虫を嚙み潰したような表情になる虎杖――その反応は、呪術に触れて日が浅い者特有のものだ。
伏黒は違う。呪いの世界に幼少から関り、妖怪の知識およびそれらと対峙した経験を蓄積した彼は、妖怪が如何なる挙動を見せようと同情を抱かない。
故に、伏黒が人魚の半狂乱の様子を見て感じたことは、虎杖とは全く別物だ。
(――コイツ、「折本里香」と同じ類の存在か)
折本里香。かつて乙骨憂太との愛による“縛り”で存在を抑留していた、人から呪霊に転じた存在。
彼女はその愛ゆえに、乙骨に極めて強く執着していた。そして乙骨には決して危害を加えず、乙骨に危害を加えようとするものを決して許さなかった。
妖怪は呪霊と同等――高専の教えに当てはめるならば、八百歳比名子に執着するこの人魚もまた、存在の核がその者に結びついている類の呪い。
ソレが失われれば形を保てず、崩壊してしまうタイプ。
ならば――、
「――俺たちに協力しろ。その代わり、俺たちも八百歳を救うことに手を貸してやる」
八百歳を引き合いに“縛り”を結べば、コイツはそれを違えない。
顔を上げた人魚の目には、かすかな驚きが宿っている。
彼女も知っているのだろう。妖怪である自分達が呪術師にどういう目で見られているのか。
「どうする?」
硬い伏黒の言葉の後に僅かな沈黙を挟み、逡巡ののち、
「……いいでしょう」
微笑んだ人魚は、やつれて頬が痩けていても美しい。
その作り物めいた笑顔には、決意だけは確かに宿っていた。
「……いいのか?」
「言ってる場合か。今は戦力が必要だろ」
目の前の人魚は、強い。天使と対峙したとしても力になってくれるだろう。
何より、乙骨憂太と関わっていたおかげで、伏黒は八百歳比名子への想いだけなら信用できる。悪い意味で、だが。
「ほとんどヤケクソで持ち掛けた取引に、本当に乗ってくる者がいるとは思いませんでした」
ほんの少し呆れた笑みを浮かべる彼女の瞳に、失われた光がほんのりと宿る。
互いにとって都合のいい関係であることを確認する冷たい契約が、今交わされる。
――伏黒恵と人魚。津美記の無事を祈る者と、比名子の弱さに縋る者。
如何なる奇縁か、彼らは共に蜘蛛の糸より細い希望を願うことが共通点。
彼らや虎杖悠仁には、この先の出来事を予測することなどできはしない。
だが、ただ一つ言えることは。
――願いを抱く彼らのうち、片方は救われ、片方は絶望の底に堕ちる。
それが為されるまで――、
「――思う存分、利用してください。私も君達を骨の髄まで利用します」
あと、ほんの少し。
概要欄にも書きましたが、展開がこんなんなので「曇らせ」タグをつけました。
感想・高評価いただけると作者のモチベがアップして作品が続きます。
特に高評価お願いします!
どうか慈悲を……