死滅回游 泳者 八百歳比名子   作:螺旋坊主

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今日の話は難産だった……



第7話 話し合い

 

 

 

 

 こん、こん、こん。規則正しい音がする。

 

「――――ぅ」

 

 その音で意識が覚醒する。

 目を開ければ、夕日の差した空。真希は、今まで自分が昏倒していたことを理解する。

 

「ここは……」

 

 そう、ここは死滅回游。その結界の一つ、広島結界。そこで起きた出来事を、未だ動きの鈍い頭で少しずつ思い出していく。

 結界を素通りできる真希は、回游を平定するために結界内の危険な実力者を片っ端から排除する任務に就いていたこと。ここ、広島結界にもそのために滞留していること。

 そして、

 

「――――起きた?」

 

 瞬間、耳を通り抜ける女の華奢な声に総毛立つ。

 コンマ1秒だけあたりを探るも使っていた獲物はなし。無手のままその女のいる場所から飛びのき、腰を低くする体勢で臨戦状態に移行する。

 

「痛いところはない? さっき全部治したから大丈夫だと思うんだけど……」

 

 女を見れば、目の前で倒壊した建物の瓦礫を椅子にして座ってリラックスしている。その片手には真希の獲物「釈魂刀」が握られており、もう片方の手では手慰みに何かをいじっている。

 

 ――八百歳比名子。

 

 真希が先程まで死闘を繰り広げていた術師。覚醒型の泳者でありながらわずか2週間で呪術師として真希と渡り合える実力を手にし、高度な反転術式と並みの術師を超えるイカれた精神性で致命的な傷と痛みを無視しながら戦うことのできる強者。何より妖怪という呪霊に等しい存在を友達と宣う危険性。

 

 改めて状況を俯瞰すれば、その不可解さに鳥肌が立つ。

 まるで消耗している様子のないのはもちろんのこと、あれだけの戦闘を行っておきながら真希に微笑みかけていること。いつの間にか敬語が取れていることも、何もかもが薄気味悪い。

 それに、

 

「クソッ……」

 

 こん、こん、こんという規則正しい音。それは比名子が指で空間の“面”を叩いている音だ。

 極まった肉体や極まった呪術を行使するものだけが捉えられるソレ。先の戦いを経て、おそらく比名子は真希の技術を学習してしまった。

 

 武器も没収されている。真希の勝ち目は限りなく薄い。

 

 

「――――で、何でアンタがここにいる?」

 

 警戒は緩めず、真希が質問を投げかける。この場に答える者はおらず、数秒の沈黙。

 

「アンタに聞いてんだぞ、冥冥さん」

「あ、やっぱり?」

 

 真希が横目で見た先にいるのは冥冥――高専所属、本来ならば真希側であるはずの一級術師。

 そして、今の真希の戦いにも間違いなく介入できると断言できる実力者だ。

 

「――呪術総監部の通達が出て、死滅回游の総則が発表された後かな。総監部から私に対して命令が下りたんだよ。死滅回游に参加し、八百歳比名子なる泳者を確保せよとね」

 

 文様の刻まれた大斧を脇に置き、指を立てながら当時のことをつらつらと並べ立てる冥冥。

 その喋り口調に相変わらず漂う胡散臭さは置いておいて、真希は彼女の話に耳を傾ける。

 

「総監部も一枚岩じゃないし、全てが腐敗しているわけでもない。あんな内容の通達を出す彼らの中にも、回游を平定しようとしている者はいたらしい。100点を付与されている彼女は、それ一人狩るだけでルールを一つ追加できるわけだからね」

 

「悪意のある者に彼女の身柄が渡れば、どんなルールが追加されるかわからない。だからこその私さ。私の術式「黒鳥操術」なら、広域の索敵と強力な攻撃を行える」

 

「総監部に貸しが作れるんだ、受けない手はない。すぐさま私は広島結界に侵入した。入ってすぐ、内部に生息しているであろう烏たちを確保して索敵を行おうと思っていたよ。――でも、結果的にそうする必要なんてなかった。彼女はすでに結界中の泳者に襲いかかられていたのだから」

 

 腕を広げ、大仰に語る冥冥。

 やけに静かな結界と比名子の所持得点、何より真希も味わった比名子の実力。別に、真希はそれくらいなら想定できていた。

 

「線の細い少女が、向かってくる術師や呪霊たちを式神と水で返り討ちにし続ける光景。しかもそれを覚醒型の泳者がやっていると言うんだから末恐ろしい。単なる100点として消費させるなんてもっての外さ。今のうちに貸しは作れるだけ作っておくべきだよ」

「あの、せめて私の目の前で言うのはやめてくれませんか……」

 

 打算的で有名な彼女にしては本当に熱がこもっている様子で、その語りは随分と早口だ。冥冥は相当比名子の才能を買っているらしい。

 自分の目の前で自分に貸しを作るだのなんだの言われてむず痒そうにする比名子。その様子に真希は「フン」と鼻を鳴らすと、

 

「先行投資ってやつか? 悪いがソイツは、そこにいる妖怪を友達だなんて言うような奴だぞ」

 

 そう言って、比名子を挟んで座る二人――冥冥ではないもう一人、社美胡を告発する。 

 

「…………」

 

 今は人間態に戻った美胡は、言われた言葉に居心地悪く身じろぎするものの、ただ黙りこくるだけで否定はしない。

 冥冥は、簾のように垂れた前髪の端から眼光鋭く真希を見つめている。感情は読めない。

 

「――その通りです」

 

 一瞬のためらいの後に、比名子がそれを肯定する。

 横の二人が一斉に比名子のほうに顔を向ける。比名子は言葉を続けた。

 

「この子、社美胡ちゃんは昔からの友達です。家族を亡くして傷ついた私の傍にずっといてくれて、妖怪に襲われた時も助けてくれて。縛りで契約関係を結んでもいません。そんなものなくたって、この子はとっても良い妖怪です」

 

 美胡ちゃんはほかの妖怪と違うんです――そう一息に言い切る比名子。

 

「妖怪の友達がいるなんて、私聞いてないよ?」

「ごめんなさい。ほとんど別行動だったので、言う機会を逃がしてて……」

 

 くっくっくっ、真希は比名子の言葉を可笑しそうに嗤った。

 

「まだ主張するか? さっきも言ったはずだぜ、妖怪が妖怪であることを分かった上で友達と主張するのは頭がイカレた奴だ。そんな奴の言葉なんてなにもかも信用できねぇ」

「…………」

 

 妖怪とは、すなわち呪霊と同じだ。人を害する存在で、契約なしには相容れることなどない。真希は改めて主張する。

 その眉間には皺が溜まり、視線が鋭くなる。夕日が沈みかけて薄暗く夜の帳が降り始めた広島結界、その片隅に鬼人の敵意が満たされる。

 無論、この場に真希に瞬殺されるような力の足りない者はいない。それでもここ以外の結界なら単独で制圧しうる強者たる真希に圧をかけられれば、場にはにわかに緊張が走る。

 

「――また戦いを再開する前に、一ついいかな」

 

 そう言って手を挙げたのは冥冥だ。相変わらず顔が前髪に隠れていて表情が見えない。

 それでもそこに笑みは無く、真剣な顔をしていることは理解できる。

 

 冥冥は、言った。

 

「その子が良い妖怪で、君の友達だっていう話だけど――」

 

 

 

「――――それ、私は信じようと思う」

 

 

 

--------

 

 

 

 ――比名子、真希、美胡が、凝然と冥冥を見る。

 

 三人が三人とも驚愕をその目に湛えているのは同じだが、その質は似て非なるものだ。

 

 比名子の驚愕には、一度は完全に断絶した和解への希望が再び掬い上げられたことに対しての喜びが含まれている。

 真希の驚愕には、まともな術師であればまず選択しない愚択を拾い上げたことに対する非難が込められている。

 そして美胡は、冥冥の言葉にただひたすら驚いている。

 

 ――しん、とあたりが静まり返る。

 冥冥の一言は、場の空気を丸ごと凍らせていた。

 

「……は?」

 

 沈黙を割ったのは真希だ。喉から発せられる、低く押し殺した声。

 その奥には明確な苛立ちが滲んでいる。

 

「八百歳の規格外のポテンシャルに目が眩んだか? アンタ、自分が今何言ったか分かってんのか」

「ああ、分かってるつもりさ」

 

 即答だった。間を置くことすらなく、冥冥は真希に質問をし返す。

 

「人間と妖怪が友達関係。そんなに信じられないことかい? 君と同期の乙骨君は、特級呪霊「折本里香」と愛で結ばれていたそうじゃないか」

「それでもアイツらは“縛り”で契約関係にあった。八百歳は今、自分の口でそんなもの無いって言い切ったんだぞ」

 

 呪術師は嘘ついてナンボ――言い回しに違いはあれど、呪いを祓う秩序側である高専ですら教え込まれる基礎中の基礎。

 それがまかり通る呪いの世界において、“縛り”による契約は取引の価値を担保する絶対的な根拠だ。

 

「人と呪いが仮に友情だの愛だので繋がることがあるなら、まずは“縛り”が無きゃ何も信頼できねぇ。それでもアンタは八百歳を信じるってのか」

「ああ」

 

 また即答。怒りと苛立ちに真希の歯がギリリと音を立てるが、動じずに冥冥は続ける。

 

「信じる、というより、信じざるを得ない、というべきか。――だって、私は()()からね」

 

 その言葉に、真希の目が細められる。

 

「……何をだ」

 

 冥冥は軽く肩を竦めると、指を鳴らした。

 

 聞こえてくる、ばさり、ばさりと翼の羽ばたく音。

 どこからともなく、一羽の黒い烏が茜空から舞い降りる。冥冥の肩にとまったそれは、ぎょろりとした目で真希を見据えた。

 

「私の術式、「黒鳥操術」。私は烏を操り、感覚を共有できる。知っているだろう?」

「……ああ」

「私はそれで視たものを動画として撮影することができるんだ。勿論録画することもね」

 

「こんな風に」と言って、冥冥は自身のスマホをいじり、真希に投げ渡す。

 怪訝な顔をして真希がそれを受け止めると、その画面には一つの動画が映っていた。

 

「再生してごらん」

 

 言われるがままに、真希は動画を再生する。

 

 

 

 ――空から見下ろす景色。

 

 崩れた街並み、視界をかすめる血の跡――そして、闊歩する狐の巨影。

 

「……っ」

 

 そこに映っていたのは、社美胡だった。

 人間態ではない、妖怪としての姿。禍々しいはずのそれは、しかし真希の知るどんな呪霊とも、どんな妖怪とも違って見えた。

 

『……クソッ!』

 

 葛藤を振り切るかのように、美胡は毒づいて駆け出す。

 その目の前には、今にも呪霊に喰われそうな、満身創痍の泳者。

 

 ――――呪霊もろとも、泳者が喰い千切られる。

 

 当然、真希はそんな光景を頭に思い浮かべる。

 彼女の思考に間違いはない。普通ならそれが起こるべき未来で、哀れな泳者が決して避けられない悲劇。

 

 普通なら。

 

 ()()()()()()()

 

 迷わず、喰う、はずだ。

 

 ――だが。

 

『があああっ!!』

 

 美胡が喰らいついたのは、呪霊だった。

 泳者を殺そうとする呪霊を押し倒し、暴れないよう抑え込む。

 抵抗は力づくでねじ伏せ、その肉を引き裂いている。

 

 明確に、泳者を巻き込まないようにしている動き。

 まぎれもなく、泳者を守ろうとしている動き。

 

 そして――、

 

『大丈夫だよ。あの呪霊はあたしが倒した』

 

 震える泳者に声をかける。

 その声はどこまでも優しくて、慈悲深い響きで。

 本当に、その泳者を労わっているように聞こえた。

 

『――そうだ。コガネ、あたしの点を1点この子に分けてあげて』

 

 総則10。真希の仲間虎杖が追加した点の譲渡。

 それを使い、美胡は泳者が19日間は死なない最低保証をする。

 

『……あ、あの、ありがとうござ――』

 

 その時、ピュンという電子音じみた音とともに、遠方から光線が飛んでくる。

 

 おそらくは、別の泳者による点数稼ぎを狙っての凶行だろう。

 美胡に感謝しようとした瞬間頭蓋を狙撃され、泳者は即座に死に至った。

 

『――クソがっ!!』

 

 そして、美胡は全身の毛を怒りで逆立て、狙撃手に向かって駆け出していく。

 

 動画は、ここで終わりだった。

 

 

 

「――――――。――――――。――――――」

 

 沈黙。

 真希は何も言わない……否。何か言葉に出そうとしているが、言葉にならず口から何の音も発せられない。

 

 合成? フェイク動画? ここに映るものを否定する単語なら頭の中にたくさん思い浮かぶ。

 ――だが、全ての可能性を、天与の肉体が、そこに宿る類稀なる感覚機能が、否定する。

 

 動画の呪霊は冥冥が合成技術で後付けしたもの――真希の視覚が、これは本物だと主張する。

 

 美胡が泳者にかけた労わりの言葉は泳者の記憶を操作するためのもの――真希の聴覚が、そんな呪いはかけられていないと否定する。

 

 この動画は()()である――その事実を、この世界の誰よりも、真希は拒むことができない。

 

「……どうだい?」

 

 冥冥の声が、静かに響く。

 

「これは最新の動画でね、似たようなのを撮ったのは一度や二度じゃない。私が結界に侵入してこの妖怪を発見してから、ずっと動向を追っていた。断言するよ。彼女は一度も人を喰っていない。むしろ、助けている」

 

 他の動画も見る? そう言って冥冥は、真希の持つスマホに指を差した。

 真希は眉間をつまみ、激しく葛藤している。

 

『……点の譲渡のルールが追加されたから、人を殺せない泳者に1点あげたんだよ。その子は、ほかの泳者に殺されちゃったけど……』

 

 比名子が交渉を持ち掛けてきたとき、美胡が話した主張。――それは、今の動画と完全に一致している。

 あの時の真希は、美胡が妖怪であるという時点で戯言だと切り捨て、その真偽を吟味することすらしなかった。

 

 ――あの言葉が、嘘じゃなかったとしたら。

 

「……社美胡、だったな」

「……うん」

「なんで、今の泳者を助けた。後で喰うためか?」

 

 真希は、じっと美胡を見る。その視線に、さっきまでの厳しさはない。

 美胡は少し気恥ずかしそうに目を背ける。そして、深く深くため息を吐いた。

 

「悪い癖なもんでね。困ってる人がいたらつい助けに行っちゃう」

「……妖怪なのにか?」

 

 胡乱げな笑みを浮かべる真希。

 美胡は「まあね」と呟き、ガリガリと頭を掻いた。

 

「昔ならともかく、現代の術師とこんな話をできるなんて思わなかったよ」

「…………」

「別に、さ。妖怪が術師にどんな風に見られてるかは百も承知だよ。そいつが良い奴かなんて考えること自体が術師としては失格だ。その妖怪が本当は何を考えてるかなんて、術師が分かってくれることなんてない。まず、その機会が訪れない」

 

「でもね」と、美胡は言った。

 そのまま一歩、踏み出す。

 

「その機会があるのなら、あたしは言葉にしたい」

 

 さらに一歩。

 

「何度だって、ちゃんと想いが届くまで。本当の気持ちが伝わるまで」

 

 美胡は真正面から真希を見据える。

 静かに、まっすぐに。

 その言葉は、逃げ道を持たない。

 

 真希は――、

 

「…………チッ」

 

 舌打ちした。

 けれどそれは苛立ちというよりは、どこか自嘲に近い。

 

「…………なんで今、急に思い出すかねぇ」

 

 

 

『アンタなんか生まなきゃ良かった』

『禪院家の恥め!!!』

『皆、真希みたいになっちゃ駄目よ』

 

 禪院家で、真希が母親に言われてきた言葉。

 呪いの見えぬ子を生み、そのせいで家の者から誹りを受けて心を病んだ女の成れ果て。

 真希にとって、家の連中に嗤われることよりも、虐められることよりも、何よりも、あの言葉が痛かった。

 

「……そう思ってたのはきっと、それより前の記憶があったからだ」

 

 昔も昔、物心ついているかどうかも怪しい頃に、妹と遊んでいた記憶。

 一面のシロツメクサ。楽しそうに笑う妹。

 そして、その傍で微笑む母。

 

 あの頃の母は、真希が落ちこぼれだと判明した時に死んだと思っていた。

 だから殺した。腐れた禪院家と共に。

 

 ――けれどもしも。もしもあの頃の心が、ほんのわずかでも残っていたのだとしたら。

 

 あの時、もっと深く話し合っていれば、違った結果が得られたのではないか――

 

 

 

「……お前、泣いてるの?」

「あ……?」

 

 美胡に言われ、顔に手を当てる。熱い雫が手をつたった。

 後悔か、悲しみか、その涙がどういう意味を孕んでいるかの区別はつかないけれど。

 

「ハッ……」

 

 真希は、自分を鼻で嗤った。

 比名子の言葉を嗤った時とは違う、空気が抜けるような音が漏れた。

 

 また、沈黙が場を支配する。

 夕焼けが、完全に夜へと沈んでいく。

 

「――妖怪なんてもんは、呪霊と同じだ。身勝手で嘘吐き、騙し謀り誑かすのが性」

 

 肩の力が抜けた真希が、改めて断言する。

 

「だが……」

 

 その上で、真希は言った。

 

「少なくともオマエだけは、「良い妖怪」であることに疑う余地はないんだな」

 

 観念した、そういった風な雰囲気で、力なく口にする。

 人のことを勝手に決めつけ、理解した気になっては窘められる、頑なで融通の利かない節のある真希。

 けれど、映像やその在り方、こうも多角的に証拠を突きつけられても考えを変えないほど、彼女の頭は固くない。

 

 真希の言葉に、比名子が、美胡が、目を見開く。

 

「…………いきなり斬りかかって、悪かった」

 

 気まずそうに、ぎこちなく、真希は美胡に謝る。

 あれほど強大だった鬼人が頭を下げている様子に、美胡は最初戸惑ったけれど。

 

「いいよ。妖怪なんて、普通はひとでなしだもん」

 

 あたしも昔は極悪だったし、なんて言って、美胡は鷹揚に笑って見せた。

 

「――これ、返すね」

 

 真希の側に近寄った比名子が、預かっていた釈魂刀を返却する。

 もう警戒する必要はない、比名子はそう判断したのだろう。

 

「……オマエも、友達を傷つけて悪かったな」

「美胡ちゃんが許すなら、いいよ」

 

 比名子が柔らかな微笑みを浮かべる。

 つられて、冥冥もくすりと笑った。

 

「話し合い成立、かな」

「勝手にまとめるな」

 

 真希が睨むが、その表情に先程までの殺気はない。

 

「私はこの死滅回游を平定したいと思ってる。協力、してくれる?」

 

 比名子が差し出した細い手。真希はふっと唇を緩め、握手を交わす。

 

 ――それは、きっと戦うよりもずっと起こり得ないこと。

 

 呪術師と妖怪の間に、理解が生まれた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 




普段は火、金、日に投稿しているのですが、今回の話が難産だったので次話は火曜に投稿できないかもです。申し訳ない。

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